シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
現代社会と倫理 (火2)
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Contemporary Society and Ethics
授業コード Class code
9960287
科目番号 Course number
L2HSHUMb01

教員名
川井 博義
Instructor
KAWAI, Hiroyoshi

開講年度学期
2026年度前期
Year
2026年度
Semester
①First semester
曜日時限
火曜2限
Class hours
Tuesday/2

開講学科・専攻 Department
創域理工学部(一般教養科目)

A course of liberal arts, the Faculty of Science and Technology
単位数 Course credit
2.00単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
人間は善悪正誤の判断を普段「何気なく」しながら生きています。「常識」「一般」を基準としてそれを行っています。しかし、それはなぜ「常識」「一般」、「当たり前」と言えるのでしょう。そこには何も問題はないのでしょうか。

このような善悪正誤を判断する基準や根拠付けについては、様々な議論の積み重ねの上に現在のそれが成立しています。

本授業では、まず、倫理学の基礎的な理論として、義務論、功利主義、徳倫理について学び、正誤善悪の基準・根拠はどのように考えることができるのかを検討します。その上で、日本の人々は〈モノ・ヒト・コト〉をどのようにとらえていたのかについて、比較検討することを通じて、複層的に物事をとらえることを目指します。

なお、本授業は「教養教育の編成方針」に定める、(1)自然・人間・社会を幅広く俯瞰できる能力、(2)論理的・批判的思考力、(3)コミュニケーション能力、(4)国際性(異文化・異言語・異民族・国際問題の理解力)、を涵養するための科目です。
目的 Objectives
同一の事象であっても、判断基準によって善悪正誤が変化します。古今東西の哲学者・思想家の理論をただ覚えるのではなく、十分に理解した上で、それらを用いながら、みずから様々な事象を多角的にとらえることができるようになることを本授業の目的とします。
到達目標 Outcomes
①授業内に登場した思想家に関する倫理学史上の位置づけを把握し、各学説の正確な理解にもとづき、みずからの表現により、その思想を明晰に説明できる。その際、自身の立場だけではなく、様々な可能性や立場を適切に考慮しながら、議論を展開することができる。

②正誤善悪の基準・根拠について、自身の主張を一面的に展開したり、何かの対象を短絡的に批評するのではなく、自分とは異なる立場に立つなど、いろいろな角度から検討した上で、自身の見解を一定の学術的水準を保ちながら論じることができる。

③西洋と日本の思想(考え方)の比較を通じ、日常的な倫理的問題(人間をめぐる諸問題、現代の社会的問題など)に関心を抱き、いろいろな立場に立って検討した上で、授業内容を適切に説明しながら、論理的に自身の見解を示すことができる。

④教科書・授業資料をはじめ、各種文献・資料・情報を適切に用い、授業で学んだことを活かしながら、みずから倫理学上の問題について考究することができ、それを伝えるための学術的な論述を深くかつ広く適切な形で展開することができる。

上記①〜④をすべてできるようになることが、本授業の到達目標です。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
【授業関連の連絡について】

授業資料の配付や授業関係の連絡はすべてLETUSを通じて行います。LETUSに掲示される情報を常にチェックするようにしましょう。個別の相談は、授業の前後に、直接対面で行うようにしてください。

【第1回授業について】

第1回授業でオリエンテーションを行い、本科目を履修するにあたって必要な伝達事項を説明します。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/-
-

準備学習・復習 Preparation and review
毎回、LETUSから授業資料を事前に配布しますので、授業開始までに教科書や授業資料を読み、理解できない点を明らかにし、授業内容に対する関心を持つようにしておくことが予習となります(予習:目安40分)。

復習の際は、教科書・授業資料を見なくても授業内容を説明できる状態になることが目標です。ノートをつくってA4用紙1枚くらいの分量に授業内容をまとめておくことが、論述の練習になります。また、予習段階で理解できなかったことや、疑問点について、授業で学んだ正確な理解に基づき、まとめておくとよいです。

なお、授業全体における後半になったら、それまでの学習に基づき、みずからの考えを一定の学術的水準で説明できるようにする必要が生じます。

「みずからの考えを説明する」とは、自分が正しいという立場から、様々な物事を論評することや、何かに対する感想を述べることではありません。いろいろな立場に立って、相対的かつ総合的に検討した上、学術的な手続きを踏まえて見解をしめすことです。最終的にそのようなことができるように準備しておくことが復習です。

また、各回の質問や意見などを整理しておき、それらを示すことのできる機会に備えておくことも復習の際に行っておく必要があります(復習:目安90分)。
成績評価方法 Performance grading policy
小レポート課題40%、最終レポート課題60%を大まかな目安にして、総合的に判断して成績評価を行います。その他、授業への貢献度に応じて一定の加点することがあります(評価全体の満点に対する20%が加点の上限)。

授業中・授業後に、質問・意見・感想を表明することができる機会などを何回かつくります。そうした機会に表明する見解や意見などが「授業への貢献度」として評価対象になることがあります(すべてが加点対象になるわけではありません)。

レポートは指定文字数を満たし期限内に提出することが評価対象となるための最低条件です。それができたとしても、論述内容が一定の学術的水準に満たない場合や、授業理解や論述力などが基準に達していない場合、低評価となります。

※条件を満たした小レポート課題・最終レポート課題の両方を提出したのに「-」である場合を除き、成績評価についての問い合わせは受け付けません。レポートを提出しても、すべての授業に出席したとしても、最低限の評価基準に達していない場合は「D」です。

※追試・再試等は、いかなる理由があっても行いません。

具体的なことは、第1回授業のオリエンテーションで説明します。オリエンテーションで説明した成績評価方法や履修上の注意などについて理解し承諾したことが、履修条件となります。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
Y
書誌情報 Bibliographic information
川井博義『人間存在と愛—やまとことばの倫理学—』北樹出版、2013年。
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
毎回、授業資料をLETUSから配布します。事前にダウンロードして読んでから授業に臨みましょう。

【参考書】
小松光彦・樽井正義・谷寿美編『倫理学案内—理論と実践』慶応義塾大学出版会、2006年、『岩波哲学・思想事典』岩波書店、1998年、『哲学事典』平凡社、1971年、その他、必要に応じて授業内で紹介します。

※参考書とは、授業内容をより深く・広く学びたい場合、おすすめできる文献です。

授業計画 Class plan
【第1回:オリエンテーション】
・この講義全体にわたるオリエンテーションを行い、授業計画、成績評価方法、注意点等について説明します。本シラバスを用いて説明をしますので、履修希望者は、本シラバスを熟読した上で、必ずリアルタイムで出席してください。
・倫理とは何か、倫理学とはどのような学問なのかについて紹介します。正誤善悪の基準や根拠は一通りではないこと、単一の事象も見方・考え方によって異なって意味づけられること、人間とは何かという本質的な問題などを示すことで、全体の導入とします。

【第2回:義務論・功利主義】
・カントの義務論とベンサムをはじめとする功利主義の考え方を学びます。あわせて、これらの基礎理論が、現代の様々な問題を判断するために用いられていることを具体的な事例を参照しながら考えます。

【第3回:徳倫理・ケアの倫理】
・「善い人」「善い行い」という言葉を私たちは日常的に用います。それは一体どういうことでしょう。そもそも「よさ」とは何でしょう。この問いと向き合った倫理学説を学び、このことについて再考します。
・現代の徳倫理の一つとして、ケアの倫理について学びます。何が正しいかではなく、どのように応じるかが問題だとするケアの倫理は、ギリガンの後、ノディングズ、トロントらにより継承・深化されます。これらの議論を追うことで、その意義と特色を学びます。

【第4回:キリスト教思想と倫理学】
・西洋倫理思想を学ぶ上で必要なことの一つにキリスト教思想に対する理解があります。ここでは。第4回までに学ぶ倫理学説とキリスト教思想との連関や、次に学ぶ近代の「社会」「個人」とキリスト教思想とのつながりを見いだすことをします。また、キリスト教思想を手がかりに、ルールと人間との関係を検討することをします。

【第5回:社会契約説—「社会」とは何か】
・近代市民社会に対する反省から不平等の克服を目指した考え方が登場します。ホッブズ、ロック、ルソーらの社会契約説を中心に、市民社会や民主主義といった思想がどのように提起されたか学びます。これらの学習を通じ、現代を生きる私たちにとって「社会」とは何かを問います。

【第6回:実存主義・生の哲学—「個人」とは何か】
・人はそれぞれかけがえのない一回きりの人生を生きています。他でもない「私」の現実の在り方を考えるべきだとする19世紀に登場した実存主義や生の哲学の理論を学ぶことで、私たちの「現実」を問い直す手がかりを見つけます。キルケゴール、ハイデガー、サルトルらの実存主義、ニーチェの生の哲学を学びます。

【第7回:ここまでの復習・学術的論述・質疑応答など】
・レポート課題に取り組むにあたり、学術的論述とはどのようなものなのかを学びます。ここまでインプットしたことを総合的に検討しながら、みずから考察し、それをアウトプットするための学術的方法について学びます。
・ここまでの総復習し、質疑応答を行います。あわせて、小レポート課題に対する講評、改善方法などの説明を行います。(変更可能性あり)

※第8回授業から教科書を本格的に使用して授業展開します。

【第8回:日本古代のものの見方・考え方①—共在の思想】
・前半学ぶ近代の西洋倫理の諸学説においては「個人」が「在ること」の基点になっています。しかし、そもそも「在る」とはどういうことでしょうか。ここからは、人間が人間として在るとはどういうことなのかを、『萬葉集』に残されたやまとことばを手がかりに考えます。

【第9回:日本古代のものの見方・考え方②—共在の思想】
・「ふたり—ひとり」「見る→知る」「吾等(われ)」、この3つのテーマをめぐり、古代日本人のものの見方・考え方を解き明かします。授業を通じて、現代人との共通点・相違点を各自が見つけ出すことができるようになることが目標です。

【第10回:日本古代のものの見方・考え方③】
・萬葉人の「孤悲」と現代人の「恋愛」という両概念の違いなどについて触れたり、西洋の倫理学説における「個人」の発想と萬葉人の考え方を比較します。古今東西の比較を通じて、現代を生きる私たち自身の見方・考え方を再考します。

【第11回:日本古代のものの見方・考え方④】
・共在を「在ること」としたとき、当為(〜すべきこと)はどのような意味づけが可能なのかということを、具体的な萬葉歌を通じて考えます。そもそも、表現することとは、私たち人間にとってどういうことなのかということもあわせて問います。

【第12回:日本仏教のものの見方・考え方】
・日本倫理思想史の全体像を把握し、共在の思想の意義と限界を考えます。すると、仏教思想の日本倫理思想史における位置づけが明確化できます。これを学ぶことが、現代の私たちの考え方を客観視し、相対的に捉える試みとなります。

【第13回:儒学・朱子学のものの見方・考え方】
・日本では、江戸期、朱子学が官学とされます。朱子学のもとにあるのが儒学です。これは現代日本人のものの見方・考え方にも多大な影響を与えています。これを学ぶことで、現代日本について再考することができます。

【第14回:和辻哲郎の倫理学】
・近代日本の倫理学者である和辻哲郎は、「西洋」や「近代」が立脚する思想に対し批判を加えながら、みずからの「人間存在論」を提示しました。授業前半で学んだ西洋倫理学の基本学説を理解していると、和辻の倫理学説はその意義がわかります。これを学ぶことで、人間に対して深くかつ広く考察します。

【第15回:全体のまとめ】
・授業全体のまとめをします。

※履修者の状況や興味関心や理解度などに応じて授業を進めるので、変更が生じる可能性があります。

担当教員の実務経験とそれを活かした教育内容 Work experience of the instructor
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
※授業資料の配付や各種連絡は、LETUSから行います。履修希望者は、第1回授業開始前までに必ずLETUSから本科目の情報を得られるように準備しておいてください。

※本科目はさまざまなものの見方・考え方を学ぶことで、以上のような根本的な問いを共に考えるための訓練をすることができます。よって、「覚える」ことのみにとどまらず、「考える」ことに対する意欲を持って授業に臨んでください。

※本授業では、後半から、古代日本の『萬葉集』を中心に扱いますが、教科書に歌についての説明などは記載してありますので、高度な古典の知識などは必要としません。

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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