シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
法の現代的課題 (法学2)(前・火3)
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Contemporary Issues in Law
授業コード Class code
99K1219
科目番号 Course number
L1HSSSCc21

教員名
神野 潔
Instructor
Kiyoshi JINNO

開講年度学期
2026年度前期
Year
2026年度
Semester
①First semester
曜日時限
火曜3限
Class hours
Tuesday 3rd Period

開講学科・専攻 Department
理学部第一部(一般教養科目)、経営学部(一般教養科目)

A course of liberal arts, the Faculty of Science Division Ⅰ
A course of liberal arts, the School of Management
単位数 Course credit
2.00単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description

本講義では、伝統的な法解釈の枠組みが揺らぎ、再編を迫られている現代社会の諸問題について、3つのテーマ(ELSI、裁判、人権)を据えて多角的に検討する。

第一のテーマ「ELSI」では、科学技術の社会実装に伴う倫理的・法的・社会的課題のうち、特に法的な課題について扱う。技術が先行し、既存の法体系との不整合や矛盾も生じる中で、法がいかにしてイノベーションや安全性との調和を図るべきか(あるいはどこかでブレーキを踏むべきか)、自動運転やAIプロファイリングなどを例に考えていく。
第二のテーマ「裁判」では、刑事訴訟における身体拘束や取調べのあり方といった(いわば古典的な)課題から、(特に民事訴訟において)IT化が進む中で裁判の「あり方」はどのように変わるのか、また、司法の担い手である法曹の多様性という課題まで、現代日本における裁判をめぐる課題を広く見ていく。
第三のテーマ「人権」では、日本社会における先住民族の権利について、表現の自由を巡る行政との対峙についてなどを扱い、法が多様な声にどのように耳を傾けていけるかを考究する。


※1 なお、ELSI、裁判、人権という3つのテーマはそれぞれ完全に独立したものではない。ELSIを扱う中でも人権に関する問題は登場してくるし、裁判における課題を扱う中に科学技術の進展と関連した議論もあることに注意してほしい。
※2 この講義は、異なる分野の教員が共同かつ対話形式で担当する「インターディシプリナリー講義」を含む。
目的 Objectives
一般市民は、日常的な社会生活を営む中で、常に法的な関係に立ち入ることになり、よって法に対する正しい知識が求められる。特に近年は、市民を取り巻く法的課題が多様化・複雑化する中で(例えば婚姻のあり方や労働環境の問題など)、市民の法に対する理解力がさらに問われる状況になってきていると言える。
その中で、本講義では3つのテーマ(ELSI、裁判、人権)を設定し、①それぞれのテーマにおけるアクチュアルな課題を把握すること、②その上で基礎的な知識を修得すること、③それぞれのテーマにおける課題を解決する方法を検討すること、の3つを大きな目的とする。
この①・②・③を通して、対象を相対的・客観的に捉える力や、集めた情報を分析する力、自身の考えを他者に説明する力などを伸ばしていくことも、本講義の目的である。
到達目標 Outcomes
本講義の到達目標は、市民として「法の現代的課題」に対し様々な視点から向き合い、問題の所在と解決方法とについて論理的に説明できるようになることである。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
ニュース・新聞に目を通し、法的な問題への関心を高めておくこと(ただし、ただ法に詳しくなろうとするのではなく、様々な学問分野の視点を持って法を捉えようとする意識を持つことが大切である)。担当教員とコミュニケーションを取ることを心がけ、積極的に講義に参加していただきたい。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/小テストの実施 Quiz type test/ディベート・ディスカッション Debate/Discussion/フィールドワーク Practice/Fieldwork
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準備学習・復習 Preparation and review
各回の内容について、事前に配布する資料に目を通し、予習をして臨むこと。また、講義後はノートを整理して復習すること。予習には2時間程度、復習には2時間程度かけることが望ましいと考えています。
成績評価方法 Performance grading policy
平常点課題(26点)、レポート(24点)、学期末試験(50点)の合計で評価する。
平常点課題(26点)は、第2回から第14回まで1回2点×13回分とする。
レポート(24点)は、4月から8月までのあいだに各自で1度裁判傍聴に行っていただき、その内容と感想とを1600字程度でまとめていただく。
学期末試験は(50点)は、50分間の論述試験である。
詳細は第1回のガイダンスにおいて説明する。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
神野潔・岡田順太・横大道聡編『法学概説』(弘文堂、2022年)、ISBN: 978-4-335-35882-1
神野潔・岡田順太・横大道聡編『教養憲法』(弘文堂、2024年)、ISBN: 978-4-335-36011-4

授業計画 Class plan
第1回 ガイダンス
講義の進め方、成績評価の方法について説明し、また、本講義で扱う内容について大まかに紹介する。

(ELSI)
第2回:ELSI概念の生成と法哲学的意義
ELSI(倫理的・法的・社会的課題)がゲノム計画にどのような経緯で重視されるようになってきたか、RRIの概念とともに概観する。

第3回:自動運転車と責任の所在
ドライバーが一切介入しない自動運転車が社会実装された際に、事故の法的責任は誰が負うべきか。現状の日本法の内容や、「トロッコ問題」に代表されるアルゴリズムによる価値判断の是非などについて検討する。

第4回:AI・アルゴリズムと差別 
アメリカにおける再犯可能性についてのAIプロファイリングの事例などを紹介しながら、裁判などにおけるAI活用によって、「偏見」が再生産されるのではないかという問題を扱う。

第5回:監視社会と「安全」のコスト
街中の監視カメラや顔認証技術の普及は、犯罪抑止に貢献する一方で、個人のプライバシーを侵害するリスクも持っている。便利で安全な社会とプライバシー侵害とのバランスを考える。

(裁判)
第6回:刑事訴訟の基本的な流れ①
日本の刑事訴訟の基本的な流れ(捜査の開始から逮捕まで)を確認し、その中にある課題について(アメリカやドイツの刑事訴訟とも比較しながら)考えていく。

第7回:刑事訴訟の基本的な流れ②
日本の刑事訴訟の基本的な流れ(起訴から判決まで)を確認し、その中にある課題について(アメリカやドイツの刑事訴訟とも比較しながら)考えていく。

第8回:取調べの可視化と供述の信頼性 
録音・録画義務化の進展と、それでもなお残る自白偏重の構造を検討する。村木事件などを紹介しながら、冤罪を防止するための適正な取調べのあり方について考える。

第9回:司法のIT化と「裁判の公開」
(特に民事訴訟における)訴訟のIT化は、利便性を高める一方でいくつかの課題も生み出している。また、今後「オンライン裁判」が進めば、裁判の公開原則をいかに充足させるか(物理的な傍聴席からデジタル空間での公開へという、法廷という「場」の変容)などが問題となると予測されることから、あわせて考えてみる。

第10回:法曹の多様性と司法への信頼 
ジェンダー、バックグラウンド、専門性などにおいて法曹が多様であることは、手続や判決の「正しさ」にどう影響するか。司法試験制度、法科大学院制度の現状を総括し、民主主義社会における司法の担い手のあり方を問う。

第11回:裁判の機能とADR(裁判外紛争解決) 
裁判だけでなく、多様な紛争解決の可能性について考えていく。具体的には、民事紛争におけるADRの可能性を多角的に分析する。

(人権)
第12回:先住民族の権利と「文化」の保護①
アイヌ民族をはじめとする先住民族の権利を巡る法的な展開を扱う。

第13回:先住民族の権利と「文化」の保護②  「インターディシプリナリー講義(隣接分野対話型)」
アイヌ民族をはじめとする先住民族の権利を巡る法的な展開を扱う。「現代的課題」を考えるためにはこれまでの経緯や背景にも目を向けなければいけないことから、ゲストとして日本近世史がご専門の菅原慶郎先生(教養教育研究院北海道・長万部キャンパス教養部専任講師)をお招きし、アイヌ民族の歴史や文化、「二風谷ダム訴訟」の経緯などについて、対話形式で考えていく。

第14回:表現の自由と行政の「中立性」 
公共施設での展示中止や補助金不交付問題を端緒に、検閲の禁止や萎縮効果の観点などから、表現の自由と行政との緊張関係を分析する。

第15回:到達度の確認と総括
到達度を確認し、また講義の内容に関する総括を行う。


担当教員の実務経験とそれを活かした教育内容 Work experience of the instructor
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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