シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
一般物理学1
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
General Physics 1
授業コード Class code
9913D1B
科目番号 Course number
13ONPHY201

教員名
吉田 祐介
Instructor
Yoshida, Yuhsuke

開講年度学期
2026年度前期
Year
2026年度
Semester
①First semester
曜日時限
木曜4限
Class hours
Thursday Fourth Period

開講学科・専攻 Department
理学部第一部 化学科

Department of Chemistry, Faculty of Science Division Ⅰ
単位数 Course credit
2.00単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
⑦ [遠隔]オンライン授業(同期)/ [Remote]Online (synchronized remote)

概要 Description

化学物質を取り扱うにあたり、原子・分子・電子に対する光の役割は、化学物質に対する操作、調査、検出する物理的手段として重要です。 そこで、原子・分子・電子およびこれらと相互作用する光子の基本的な物理的諸性質をより深く理解することを目的に、そこに必要な物理学の基礎知識について学習していきます。 物質の構成要素である、原子・分子・電子・光子に着目し、これらを単純化した複合粒子や素粒子として捉える物理的モデルを通してこれらの特徴を物理的に理解します。

無限個の質点を用意しその隣同士をバネでつなげて輪状にして、この質点の運動方程式を書き下すと、波動方程式を微視的に構成できます。 これをさらにフーリエ変換した基準振動モードで見ると、互いに独立な無限個の調和振動子として表せ、従って波動方程式の解は、単純な1つの調和振動子の解の無限個の組み合わせで構成出来る事が分かります。 その他、さまざまな物理的状況の中に調和振動子が隠れており、光もその一つです。 そして調和振動子は適用範囲が多岐に渡るにもかかわらず非常に簡単に解くことが出来る模型です。

このような物理的対象と調和振動子の関係を理解することや、当然ながら原子・分子・電子の運動を理解するために、どれも初等的な解析力学、電磁気学、統計力学を勉強し、これらを踏まえて前期量子論から量子論とは何かを少しだけ垣間見ます。それをもって一般物理学2(初等量子力学)への導入とします。
目的 Objectives

一般物理学1では、原子、分子、電子、光子に対する高度な理解を目的として、解析力学、電磁気学、統計力学についての考え方や数学的定式化を学びます。
これらを土台にして一般物理学2(量子力学)につなげ、化学にとって重要な物質の科学である原子・分子のエネルギー状態の量子論的取り扱いへ至るまでの古典力学的基礎を身につける事が目的です。
到達目標 Outcomes

主に古典物理学的側面および統計力学的側面から原子・分子・電子・光子にまつわる幾つかの物理現象について、単純な古典力学的モデルによって理解を深められるようになることが到達目標です。
ただし、化学的理解に必須のため既に学んだニュートン力学や、量子論に基づく原子・分子の基本的な化学的知識は前提として使っていきます。

また、後期に予定されている一般物理学2の内容は専ら量子力学ですが、その授業に対する準備も兼ねており、一般物理学2への橋渡しをおこなうための必要知識を身につけることも目標の一つとなります。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
この授業を受けるにあたり必要な前提知識について説明します。

質点に対するニュートン方程式の取り扱い方が分かっている必要があります。そこでは、質点の位置ベクトルと質点に作用する力に対して時間の二階微分方程式を立て、この微分方程式を解いたはずです。
また、電磁気学についての知識も必要です。そこでは、クーロンの法則、ガウスの法則、ビオ・サバールの法則、アンペールの定理、ファラデーの法則、電磁波のエネルギー、光の反射・屈折・干渉、理想気体の運動論、ボーアの原子論などです。

また、一般物理学2(内容は量子力学)の履修予定者は、この一般物理学1を受講していることが望ましいです。

一般物理学1では、ベクトル・テンソル・行列と線形代数、解析力学、電磁気学、統計力学、前期量子論と学習する事は多岐に渡ります。
また、これだけでも知識として身に付ければより化学を学ぶための糧になると思いますが、一般物理学2の量子力学と合わせて学ぶ事が望ましいです。

入門的内容であるものの、化学と違って物理現象の数理的洞察力を高めるための授業であり、物理学が肌に合わない学生にとっては苦痛を伴います。 
出席数の少ない人や、出席登録だけして実際に授業を聴講する気のない人に、この授業は全く向いていません。
一般物理学や量子力学の教科書だけでは容易に学べない内容を習得しようと意欲を燃やす学生のみに向けた授業であり、習得意欲のない人は履修を避けましょう。

アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
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準備学習・復習 Preparation and review

ニュートン力学や電磁気学の知識を前提としますので、必要ならば各自がこれまでの関連授業や教科書を復習しておいてください。
成績評価方法 Performance grading policy

授業期間中にPDFで期末レポートを配布しますので、これをグーグルフォームに入力してもらうことで回答を◯×形式と一部記入式で回収します。
問題と提出期限等は追ってCLASSからお知らせします。

1回の期末レポートと出席態度に基づいて評価を行います。
配点は設問1つあたり10点とし、これと出席態度を点数化し、全体をアフィン変換して0−100点に落とし込んで成績を付けます。

原則として、5コマ以上の欠席は無評価(-)扱いとするか、過重減点対象とします。
やむを得ない正当な事由で欠席した場合、事務より事由証明を受け、提出すれば公欠(出席扱い)とします。

受講に際して大学指定の方法を使って必ず出席登録をしてください。出席の事後承諾は困難です。
不正な出席登録、および課題レポートを他者のものからコピーした場合は、発覚次第全関係者をD評価とします。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials

以下に挙げる参考書はほんの一例であって、大学や居住地近隣の図書室や書店等に出向き、多数の本を見比べて自分に合った本を探すことが望ましいです。

■解析力学や前期量子論について
  ・「力学」       米谷民明著 (培風館)
  ・「解析力学」     久保謙一著 (裳華房)

■光や波動方程式の取り扱いについて
  ・「電磁気学」     伊東敏雄著 (朝倉書店)
  ・「レーザー物理入門」 霜田光一著 (岩波書店)
  ・「光物性物理学」   櫛田孝司著 (朝倉書店)

■統計力学について
  ・「熱・統計力学」   岡部豊著  (朝倉書店)
  ・「熱物理学」     キッテル著 (丸善出版)
  ・「熱力学・統計力学」 原島鮮著  (培風館)

■固体中の原子・分子の運動について
  ・「固体物理学入門」  キッテル著 宇野ら共訳 (丸善出版) みごとな半古典的扱い法や物性についての書

授業計画 Class plan

1. 数学的準備  ー スカラー、ベクトル、テンソルと、回転対称性 ー
ベクトルや行列の取り扱い方を代数的側面から再確認する。これらが物理で用いられるスカラー、ベクトル、テンソルの出発点となることをしっかりと認識しておく。
また、回転軍の基本的性質を確認する。空間の対称性や座標変換として回転群が用いられることをしっかりと理解しておく。
そして、回転対称性の表現として、スカラー、ベクトル、テンソルが与えられることを理解する。例としてベクトルの直積の既約分解 (3 x 3 = 1 + 3 + 5) について具体的に確認し、物理量の表現に関する知識や数学的取り扱い方を深める。

2. 力学の変分原理
変分の方法を学び、これを力学の変分原理に適用し、変分問題の停留条件は微分方程式となることを学ぶ。変分問題の具体例として、2点を最短で結ぶ曲線の関数形や、高低差のある2点を質点が最速で移動できる曲線の関数形を求める。また、拘束条件のある変分問題について考え、これを解く方法としてラグランジュの未定乗数法を学ぶ。そして、物体に加わる力の釣り合い条件は仮想仕事の原理で表されることを学び、具体例も確認する。

3. 動力学のラグランジュ形式とハミルトン形式
静力学に対して適用される仮想仕事の原理に、慣性力を加えることで、ダランベールの原理として動力学へ拡張できることを学ぶ。そして、ポテンシャルを持つ運動方程式は作用積分やラグランジアンの変分という形にまとまるハミルトンの原理を学ぶ。さらに、ハミルトニアン形式についても学ぶ。

4. 対称性と循環座標、そして保存則  ー ネーターの定理について ー
物理系の持つ対称性の例として空間並進、時間並進、回転変換などを学ぶ。そしてこれらがどのように循環座標と結びついて運動の恒量を与えるのかを学ぶ。そしてそれら運動の恒量が対称性変換の生成子となるネーターの定理について学ぶ。

5. 微小振動から調和振動子へ そして連成振動子と基準振動子
調和振動子について学び、質点が受ける力の釣り合い位置からのずれが微小な場合は、調和振動子として近似できることを学ぶ。さらに、2つの質点をバネでつないだ連成振動子や、無数の質点がバネで繋がれたバネ鎖を学び、その連続極限から波動方程式や分散関係が得られることを学ぶ。

6. 減衰振動、強制振動と共鳴
調和振動子に対して速度に比例した抵抗力を加えると、その抵抗力の程度に応じてその運動は減衰振動、過減衰、臨界減衰となる。これらについて、様々な初期条件に応じた運動の振る舞いや特性を学ぶ。また、さらに外力を受けた場合の解法や、単振動をした外力の場合に生じる共鳴現象などについて学ぶ。

7. 電磁気の諸法則からマクスウェル方程式へ
電荷間に働く力を表すクーロンの法則と遠隔力など静電場の諸法則からこれらを微分形式に書き改めたり、ガウスの定理を用いて積分形式に書き換える。 また、電流と電荷の性質を一般化して変位電流を導入する。 さらに、電流間に働く力を表すアンペール力の法則、電流の作る磁場表すビオサバールの法則などの諸法則からこれらを微分系に書き改めたり、アンペールの法則やストークスの定理を用いて積分形式に書き換える。
さらにファラデーの電磁誘導の法則を微積分形式に書き改め、変位電流を導入する事で、基本的な電磁気の諸法則をマクスウェル方程式にまとめる。

8. 電磁ポテンシャルの導入とマクスウェル方程式の解法について
マクスウェル方程式は、磁気的な磁荷密度や磁流を持たないため、ゲージポテンシャル(スカラーポテンシャルとベクトルポテンシャル)を導入することによって、4つあるマクスウェル方程式のうちの2つが自明に解けることを学ぶ。このゲージポテンシャルの導入によって、電磁相互作用にはゲージ対称性が現れ、電場や磁場がその不変量であることを学ぶ。また、マクスウェル方程式から派生するヘルムホルツ方程式、ラプラス方程式、ポアソン方程式を取り扱い、それらの解法や解の性質、そしてグリーン関数を用いた解法について学ぶ。
マクスウェル方程式は光の波を表しており、それが無限個の調和振動子で構成される事が分かり、単純な調和振動子の解の組み合わせとして光の波動方程式が解ける仕組みが分かる。

9. 平面波で伝搬する光と、光の反射・屈折・透過
マクスウェル方程式の解の一つである平面波について詳しく調べ、電磁波は振動数の他に偏光状態で特徴付けられることを学ぶ。そして、屈折率の異なる誘電体を合わせた界面に電磁波を入射するときに生じる反射・透過・屈折の現象を偏光状態別に定量的に調べ、ブリュースター角、全反射、エバネッセント光などについても学ぶ。

10. 電磁相互作用の相対論的取り扱いと物理的自由度 ー その1 ー
マクスウェル方程式の従う特殊相対性理論について簡単に概観し、特殊相対性の公理、同時刻の相対性、時間の遅れ、ローレンツ収縮について学ぶ。また、相対論的効果が確認できる実例として、宇宙線の寿命が伸びる現象やプラチナの触媒作用などについて概観する。

11. 電磁相互作用の相対論的取り扱いと物理的自由度 ー その2 ー
ゲージポテンシャルを用いてマクスウェル方程式を与えるラグランジアンを求める。また、電磁波の泉源となる荷電粒子の相対論的ラグランジアンを求め、合わせて荷電粒子に対するローレンツ力と相対論的運動方程式を与える。最後に、電磁場のハミルトニアンを求め、電磁波の力学的自由度うち物理的自由度が2つであり、残りはゲージ対称性の自由度として物理的な寄与がなくゲージ固定によって消去されることを学ぶ。
光の物理的自由度は進行方向に垂直な縦と横方向に振動する2つの独立なモードである事が分かり、光のエネルギーは電場と磁場の自乗の和である事が分かる。

12. 統計力学の基礎 ー 中心極限定理、エルゴード仮説、等重率の原理 ー
原子や分子などの物理系のミクロな描像と熱エネルギーや比熱や体積変化などといった熱力学的なマクロな描像をつなげるのが統計力学である。この統計力学的考察を支える重要な点として、エントロピー増大の法則、エルゴード仮説、リュービルの定理、中心極限定理、等重率の原理などについて、証明方法を含めて学ぶ。そして、熱的な緩和過程と平衡状態や正規分布なども同様に学ぶ。

13. ボルツマンの原理、三種類の統計分布と熱浴の関係
孤立系は、熱浴とエネルギーや粒子のやりとりを一切行わない系として定義され、この孤立系が等重率の原理に従い、ボルツマンの関係式よりエントロピーが定義され、系の応答は各種熱力学変数によって記述されることを学ぶ。また、熱浴とエネルギーのやりとりをする系を正準集団、加えて粒子もやりとりする系を大正準集団となり、これらについて学ぶ。そして、統計的振る舞いの異なるボソン粒子やフェルミオン粒子や古典的粒子それぞれの特徴ある性質や取り扱い方法を学ぶ。最後にエネルギーの2準位系を各種統計集団と捉えて熱力学量を計算し、どれもが同一の結果を与えることを学ぶ。

14. 光の黒体放射、光の波から光量子へ
黒体および黒体放射について概観し、黒体放射を放射光の振動数や波長で分光した時のスペクトルについて考察する。黒体放射光スペクトルのピーク波長と温度の関係を与えたウイーンの変位則や、スペクトルを説明する試みとして与えられた3つの放射公式、レイリー・ジーンズの放射公式、ウイーンの放射公式、プランクの放射公式について学ぶ。それらの問題点や、黒体放射スペクトルを完全に再現できたプランクの放射公式、その関数系を再現するための光の微視的状態数の数え方を与える試み、そして完全に再現したその理由が新しいエネルギー量子の導入によって行われた点ついて学ぶ。そして、量子という概念が光電効果やプランク定数の決定という形で確立していく一端を学ぶ。

15. 色々な単位系とそれらの換算法について
SI単位系について学び直し、それ以外の様々な単位系との換算方法について学ぶ。CGSヘビサイド単位系やガウス単位系、esu単位系、emu単位系などとSI単位系との関係や換算法を学ぶ。特にSI単位系から出発して物理定数を1にとった幾何学単位系や自然単位系やハートリー原子単位系による迅速な計算手法なども学ぶ。なお、講義時間が取れない場合は、自習に任せる。

その他適宜必要に応じ、レポート課題に出した演習問題に関する簡単な解説を行う。

担当教員の実務経験とそれを活かした教育内容 Work experience of the instructor
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
講義を受けるにあたり、ネット通信環境やZOOM映像を視聴するPCやパッド、スマホなどが必要です。
教員も遠隔環境から講義をします。

また、講義の教室でZOOM授業を受けると、他の学生にちょっと分からない点を聞いたり、考えを共有する対話を聴講に支障ない程度にできるなど、教員が目の前にいないメリットも多く利用しましょう。
ZOOM授業であっても、マイクをONにしっぱなしにして、恥ずかしい雑談や雑音を流す学生がたまにおります。気をつけましょう。



授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
Y