シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
量子力学2 (2024年度以降入学生)
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
量子力学2 (2024年度以降入学生)
授業コード Class code
991229T
科目番号 Course number

教員名
住吉 亜衣菜、鈴木 克彦
Instructor
SUZUKI, Katsuhiko

開講年度学期
2026年度前期
Year
2026年度
Semester
①First semester
曜日時限
火曜4限、木曜2限
Class hours
Tuesday, 4th period/ Thursday, 2nd period

開講学科・専攻 Department
理学部第一部 物理学科

Department of Physics, Faculty of Science Division Ⅰ
単位数 Course credit
4.00単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
[概要]量子力学1で学んだ1次元量子力学を拡張し、3次元空間における量子力学について講義・演習を行う。自由粒子、調和振動子、水素原子のような中心力ポテンシャル中のシュレーディンガー方程式の解法について詳しく解説し、現実的なミクロな物理系において、量子力学の成果を理解してもらいたい。また量子力学における電磁場の取り扱いについても紹介し、一様磁場の系に対して応用する。演習においては、過去の学習事項を踏まえた復習問題、講義に即した基礎的な問題を解く一方で、現実的な量子系を解く問題にもチャレンジしてもらう。
続いて角運動量の代数的な記述法、それを拡張したスピンの概念を学びます。ここまでの内容により3次元量子力学の記述の基礎が完成します。
続いて時間に依存しない摂動論について学びます。ここまで学んだ量子力学では解析的に解くことが可能な問題を扱ってきたので、ごく限られた物理系にしか適用できません。本講義・演習では、それらを一般化された物理の問題に適用する方法である、時間に依存しない摂動論を学びます。これらの事項は、量子力学が適用される幅広い物理系をを専門とする者にとっては必須の内容です。
演習においては、これまで学んできた基礎的・断片的な問題ではなく、現実的な物理系に即した問題を取り扱うことにより、量子力学系について理解を深めます。

主として火曜日4時限に講義、木曜日2時限に演習を行います。

授業中ではletusにアクセスする必要があるので、ノート型PCやタブレットの携帯を必須とする。
この授業は講義と演習を適切に組み合わせる形で進む。演習の際には小テストなども実施し、授業内容の定着を目指す。

目的 Objectives
本授業の目標は水素原子を含む3次元量子系の解を求めることである。つまり
「任意のポテンシャルに対して3次元シュレディンガー方程式の解を求め、その物理的意味を説明できる」
ことが主題となる。
またその発展として量子力学の枠組みの中で、角運動量の満たす代数を理解し、代数的方法を用いた計算方法を修得することである。その例題の一つとして、スピン1/2の場合を学ぶ、またスピンと磁場との相互作用を理解する。
もう一つの主目的は、量子力学における近似方法の必要性を理解し、その一つとして、時間に依存しない摂動論の計算方法を学ぶことである。

本授業は本学科のディプロマ・ポリシー項目2に該当する。
本授業は、物理学科カリキュラムポリシーの6「専門科目」に該当する科目である。
またルーブリック評価軸の2「専門学力(古典物理学)、3「専門学力(現代物理学)」に該当する。


到達目標 Outcomes
・3次元シュレディンガー方程式において、変数分離、相対座標・重心座標などの適切な取扱いができる。
・球面調和関数の意味を理解し、それを用いて物理量の計算ができる。
・簡単なポテンシャルについて動径方向のシュレディンガー方程式を解くことが出来る
・水素原子波動関数の性質が説明できる。それを用いて物理量の計算ができる。
・水素類似原子の構造や、水素原子と電磁場の相互作用が理解できる。
・角運動量演算子の固有状態の意味を理解し、物理量が計算できる。
・スピン量子数の意味を理解し、スピン1/2の状態を用いた計算ができる。
・スピンと磁場の相互作用を理解し、歳差運動などの計算がきでる。
・摂動論の公式を導出し、縮退のない場合、縮退のある場合について、2次までのネルギー補正、波動関数の1次補正を計算できる。
である
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
量子力学1を必ず履修していること。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
小テストの実施 Quiz type test/反転授業 Flipped classroom
-

準備学習・復習 Preparation and review
[準備学習]
火曜の講義パートにおいては、事前学習課題として20分程度の講義ビデオの視聴を課す。実際の授業では、冒頭で5分間のwebテストを実施し理解度を確認するので、十分事前学習を行った上で授業に参加すること。

演習ではレポート課題が課される場合がある。
そのその場合は、指定された課題を期限までに解きletusから提出すること。

[フィードバックの方法]
基本問題については、提出解答の中で模範的なものを講義中に説明する。
演習問題については、適宜letusに解答を掲載するので、よく復習する。
成績評価方法 Performance grading policy
<試験による評価>
 ・到達度評価試験(50点満点に換算)、中間試験
 ・演習中の確認テスト
  (35点に換算)

<平常の授業での評価>
・授業動画課題、授業時のwebのチェックテスト、演習での課題提出の合計を15点満点で評価する。レポート課題については、3段階評価を行なう。

以上を合計して60点以上で合格とする。

課題未提出者や期間内のletusアクセス記録がない場合は減点する。

学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
Y
書誌情報 Bibliographic information
Introduction to Quantum Mechanics (3rd ed.), D.Griffiths
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
参考書は講義の最初に詳しく解説する。
・理工系の基礎「物理学Ⅱ」 丸善出版(齋藤晃一、半澤克郎、渡辺一之、二国徹郎 著)
・シュレディンガー方程式 共立出版 (鈴木克彦著)

授業計画 Class plan
[項目と内容]
以降の対面・非同期の授業予定は暫定的なものである。詳細は1回目の授業で連絡する。

13次元シュレディンガー方程式の導入とその変数分離
[準備学習]授業動画を視聴しノートにまとめ理解する。(40分)
 3次元シュレディンガー方程式の変数分離ができる。
[復習]授業内容を復習し、基礎問題を解いてletusで提出(1時間)


2 演習:3次元変数の交換関係、3次元ラプラシアンの球座標表示
[準備学習]プリントの予習問題を解く(1時間)
量子力学1Bの復習問題を解く。
3次元ラプラシアンの計算をできる
[復習] 提示された課題を解く。(2時間)

3 角度部分方程式の解と角運動量子数
[準備学習]授業動画を視聴しノートにまとめ理解する。(40分)
  陪ルジャンドル多項式、球面調和関数などの導出について理解する。
 パリティについて理解する。
[復習]授業内容を復習し、基礎問題を解いてletusで提出(1時間)

4 演習:角運動量演算子の計算
[準備学習]3回目に提示された復習問題を解く(1時間)
 球面調和関数の物理的意味を理解する。
 球面調和関数を用いて物理量が計算できる。
[復習] 提示された課題を解く。(1時間)

5 3次元動径部分方程式
[準備学習]授業動画を視聴しノートにまとめ理解する。(40分)
 遠心力ポテンシャルについて理解する。
 無限井戸型ポテンシャルの場合の動径方程式を解くことができる。
[復習]授業内容を復習し、基礎問題を解いてletusで提出(1時間)

6 演習:動径方程式の解法1(井戸型ポテンシャル)
[準備学習]プリントの予習問題を解く(1時間)
 様々な3次元無限井戸型ポテンシャルについて解を求めることができる。
 球面調和関数などについて達成度の確認①
[復習]提示された課題を解く。(1時間)

7 水素原子1
[準備学習]授業動画を視聴しノートにまとめ理解する。(40分)
一般のポテンシャルに対する動径方程式を解く手順を理解する。
 水素原子波動関数のエネルギー準位を求めることができる。
[復習]授業内容を復習し、基礎問題を解いてletusで提出(1時間)

8 演習:動径方程式の解法2
[準備学習]プリントの予習問題を解く(1時間)
有限井戸型ポテンシャルに対する解を求めることができる。
井戸型ポテンシャルの解法について達成度の確認②
[復習]提示された課題を解く。(1時間)

9 水素原子2
[準備学習]授業動画を視聴しノートにまとめ理解する。(40分)
 水素原子の縮退度が計算できる。
 水素原子波動関数の基状態を用いて物理量の計算ができる。
[復習]授業内容を復習し、基礎問題を解いてletusで提出(1時間)

10 演習:動径方程式の解法3(調和振動子)
[準備学習]プリントの予習問題を解く(1時間)
一般のポテンシャルに対する解析解を求めることができる。
角運動量がゼロでない場合の自由粒子解、井戸型ポテンシャルの解を特殊関数を用いて表現できる。
[復習]提示された課題を解く。(1時間)


11 電磁場中のシュレディンガー方程式
[準備学習]授業動画を視聴しノートにまとめ理解する。(40分)
  ミニマルの原理を理解し、電磁場中のハミルトニアンを導出できる。
  正常ゼーマン効果の計算ができる。
[復習]授業内容を復習し、ランダウ準位の計算ができる。(1時間)

12 演習:水素原子の波動関数
[準備学習]プリントの予習問題を解く(1時間)
 水素原子波動関数を用いて物理量が計算できる。
 達成度の確認③
[復習]提示された課題を解く。(1時間)


13 重心運動と相対運動・原子の構造
[準備学習]授業動画を視聴しノートにまとめ理解する。(40分)
中心力による2体問題が相対運動・重心運動に分離できる。 
原子の構造や縮退度を説明できる。
[復習]授業内容を復習し、基礎問題を解いてletusで提出(1時間)

14   演習
[準備学習]プリントの予習問題を解く(1時間)
 ランダウ準位について理解する。
 アハラノフ・ボーム効果について理解する
[復習]提示された課題を解く。(1時間)

15(非同期)総合演習
 水素原子について総合的な問題を解くことができる。
 水素類似原子の電子配置について説明できる。
[復習]提示された課題を解く。(1時間)

16 (対面)達成度の確認・解説
  理解度を確認する。問題の解説を行う。

17(対面) 一般化された角運動量1
[準備学習]授業動画を視聴しノートにまとめ理解する。(40分)
 角運動量の固有状態を理解する
 角運動量演算子の交換関係や同時固有状態を導出できる。
 昇降演算子の概念を理解する
[復習]授業内容を復習し、letusの記述問題を解答する。(1時間)

18 演習
[準備学習]予習問題を解きレポートとして提出。(1時間)
 角運動量演算子の交換関係や公式を証明できる。
[復習] 提示された課題を解く。(1時間)

19(対面) 一般化された角運動量2
[準備学習]授業動画を視聴しノートにまとめ理解する。(40分)
 角運動量の固有値を計算できる。
 固有状態を用いて物理量が計算できる。
[復習]授業内容を復習し、letusの記述問題を解答する。(1時間)

20 演習
[準備学習]予習問題を解きレポートとして提出。(1時間)
 代数的方法を用いて角運動量に関係する物理量を計算できる
 球面調和関数を代数的に導出できる
[復習]提示された課題を解く。(1時間)

21(対面)spin1/2
[準備学習]授業動画を視聴しノートにまとめ理解する。(40分)
 一般化された角運動量としてのスピンを理解する。
 行列を用いた表現を用いて計算できる。
[復習]授業内容を復習し、letusの記述問題を解答する。(1時間)

22  spin 1/2 演習
[準備学習]予習問題を解きレポートとして提出。(1時間)
 角運動量の代数計算について達成度の確認
 spinの行列に関する計算ができる
[復習]指定された課題を解く(1時間)

23 磁場中のスピンの運動
[準備学習]授業動画を視聴しノートにまとめ理解する。(40分)
spinの固有状態を用いて物理量の計算ができる。
spinの測定と固有状態の関係を理解する
 ラーモアの歳差運動について理解する
[復習]授業内容を復習し、letusの記述問題を解答する。(1時間)

24 演習
[事前学習]予習問題と解きレポートとして提出(1時間)
 spinの固有状態を用いて物理量の計算ができる。
 磁場中でのスピン1/2粒子の運動
 シュテルン・ゲルラッハの実験を説明できる。
[復習]指定された課題を解く(1時間)


25  講義 時間に依存しない摂動論:縮退のない場合
[準備学習]授業動画を視聴しノートにまとめ理解する。(40分)
 摂動論の基本原理を理解できる。
 摂動論の公式を導出できる。
[復習]授業内容を復習し、letusの記述問題を解答する。(1時間)

26   演習 時間に依存しない摂動論1
 problem 6.1, 6.3程度の計算ができる 
 スピンについて達成度の確認
[復習]指定された課題を解く(1時間)

27  対面)講義 時間に依存しない摂動論:縮退のない場合2
[準備学習]授業動画を視聴しノートにまとめ理解する。(40分)
  ヘリウム原子のエネルギーを摂動を用いて計算できる
 水素原子の分極率を摂動論を用いて計算できる。
[復習]授業内容を復習し、letusの記述問題を解答する。(1時間)

28 演習 時間に依存しない摂動論2
 problem 6.4, 6.5程度の計算ができる
[復習]指定された課題を解く(2時間)

29 時間に依存しない摂動論:縮退のある場合
[準備学習]授業動画を視聴しノートにまとめ理解する。(40分)
  縮退のある場合の摂動論の公式を導ける。
  簡単な縮退のある系に対して公式を応用できる。
     Stark効果の計算を理解できる
[復習]授業内容を復習し、letusの記述問題を解答する。(1時間)

30 演習 時間に依存しない摂動論3
 縮退のある場合の1次摂動エネルギー、波動関数を決定できる。
 完全に解ける系と摂動論の結果を比較することができる。
[復習]指定された課題を解く(2時間)

31  (非同期)講義 時間に依存しない摂動論:縮退のある場合
[準備学習]授業動画を視聴しノートにまとめ理解する。(40分)
 Zeeman効果の起源を理解し、時間に依存しない摂動論を適用できる。
 相対論的効果から様々な相互作用が生じることを理解する。
[復習]授業内容を復習し、letusの記述問題を解答する。(1時間)

32  達成度の確認・解説
  理解度を確認する。問題の解説を行う。

担当教員の実務経験とそれを活かした教育内容 Work experience of the instructor
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
Y
授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
N