シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
社会学2 (火3)
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Sociology 2
授業コード Class code
9960430
科目番号 Course number
L2HSSSCc02

教員名
楠 秀樹
Instructor
Hideki Kusunoki

開講年度学期
2026年度後期
Year
2026年度
Semester
②Second semester
曜日時限
火曜3限
Class hours
Tuesday 3th. Period

開講学科・専攻 Department
創域理工学部(一般教養科目)

A course of liberal arts, the Faculty of Science and Technology
単位数 Course credit
2.00単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
概要

本講義は社会学という学問の入門を目的としている。「社会」は時に進化論的な生存競争の厳しい「自然」にたとえられる。実際、社会学の起源はダーウィニズムと関連が深い。この講義は以下の内容で進められる。
1. 社会学の始祖と言わるコントとスペンサーの思想をふりかえる。
2.進化した社会の形成という社会学の思想から優生学が派生したことを確認する。
3.現代社会の「進化」、「進歩」、「優れた社会」、「優れた人間」などの言葉について考えてみる。

こうして社会学の歴史、基礎概念、考え方について学習することを通して、「社会人基礎力」として言われる
・情報リテラシー
・常に新しい知識を学ぼうとする力
・倫理観
・熱意・意欲
などを獲得する。




目的 Objectives
目的
社会についての科学的観点の獲得を目的とする。
・「教養教育の編成方針」に定める「自然・人間・社会を幅広く俯瞰できる能力」を涵養するための科目である。
・資料を読み解き、自分自身の立場から読み解く習慣をつけることで、「論理的・批判的思考力」を涵養するための科目である。
・様々な社会の歴史や文化の事例に触れることで「国際性(異文化・異言語・異民族・国際問題の理解力)」を涵養するための科目である。
到達目標 Outcomes
到達目標
・社会についての科学的観点を説明できる。
・以上の知識を自己の社会生活に適用し、社会参加できるようになる。
・自然・人間・社会を広く俯瞰する社会学的な観点から事態を総合的に判断して問題に対処できる。
レポートによって、知識の説明のみならず社会学的な思考、態度が身に着いたかを試す。考えるばかりでなく、社会問題に対する自分なりの創意工夫を見出しているかどうかも成績評価の基準である。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/ディベート・ディスカッション Debate/Discussion/反転授業 Flipped classroom/PBL (課題解決型学習) Problem-based learning
・授業後にLETUSでフィードバックを提出してもらう。内容は授業に対する意見、質問、感想など。それの中から代表的なコメントを講師がまとめて回答する。このような形で、授業のいくらかの時間は、フィードバックを介した講師と学生との質疑応答とする。したがって、間接的に「ディベート・ディスカッション」の性質を持つ。また実際、流れに応じて、直接、講義内での学生の発言も考えている。自由な感想ばかりでなく、題目を設定することもあるため、「課題に対する作文」の位置づけにもしておく。

・社会学にかぎらず、学際的な議論を展開する。復習し自主的に整理する「反転授業」である。また、日々のニュースやメディア視聴、日常の趣味娯楽の中にも社会学的考察を展開することができるため、学習した内容を日常生活に適用して考察する実践を心がける「PBL」型の授業である。

準備学習・復習 Preparation and review
準備・復習ともに、授業内容に沿ったニュース・トピックについて、メディアにおいて継続的に注意し、関連文献を読んでおく。また、授業内で講師が紹介した文献やその参照文献を読んでみることが望ましい。
成績評価方法 Performance grading policy
レポートまたは試験:期末レポートによって、授業の理解度を用語の確認と応用力から見る。また、独自な意見の展開があるかも評価対象とする。40%
平常点:講義内容のトピックに対してのフィードバックを提出する。授業にとって参考となる学生それぞれの意見を求める。独自性や授業の参考になるものは大いに評価する。60%
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
楠秀樹他編『〈社会のセキュリティ〉を生きる: 「安全」「安心」と「幸福」との関係』(学文社) ISBN978-4762027154
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
・楠秀樹『ホルクハイマーの社会研究と初期ドイツ社会学』(社会評論社)ISBN978-4-7845-0882-2
・市野川容孝 『ヒューマニティーズ 社会学』(岩波書店) ISBN978-4-00-028330-4
・清水幾太郎(編)『世界の名著第36巻 コント スペンサー』(中央公論社) ISBN4-12-400656-X
・テオドール・W.アドルノ『社会学講義』(作品社) ISBN4-87893-395-X
・米本昌平他『優生学と人間社会』(講談社) ISBN-10 ‏ : ‎ 4061495119

その他の参考文献については適宜紹介する。

授業計画 Class plan
社会学の導入と代表的視点について(第1〜6回)

第1回 導入: 社会学のアウトライン
(準備学習) 「社会学」という言葉、学問について調べておく。高校までの「社会科」ではないということを知っておく。(2時間)
社会学の導入としてそのマクロとミクロなレベルを把握する。
(復習) 「個人」が「社会」に作られ、「個人」が「社会」を作るという具体的な例を考える。自分の今までの生育や自分の主体的な社会とのかかわり方を考えてみる。(2時間)

第2回 社会学と近代化
(準備学習)「近代化」の定義を考え、フランス革命、アメリカ独立、日本の近代化などの歴史を知っておく。(2時間)
歴史的な時間の推移の中で、社会学は「近代化」の学問であったということを認識する。近代化とは「合理化」だとも言える。社会学において重要な「合理性」の概念について、マックス・ヴェーバーの理論を中心に展開する。
(復習) 人類は近代化によって何を得て、何を失ったのかを考える。つまり「近代化」の批判を自分なりに確認しておく。(2時間)

第3回 社会学と合理性
(準備学習)キリスト教におけるカトリックとプロテスタントの違いが今回の鍵となる。そうした宗教上の相違や歴史的背景を確認しておく。できるならば、マックス・ヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』、あるいはその解説を少しでよいので読んでみる。(2時間)
社会学が「合理性」の観点から、歴史的な社会変動についても言及している例として、ヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』をとりあげる。この際、「非合理性」とされてきた宗教や、さらには呪術についても触れる。
(復習)自分の体験の中から、合理的なことと非合理的なこと、呪術的なものなどを考えてみる。(2時間)

第4回 支配と官僚制
(準備学習) マックス・ヴェーバーの「支配の社会学」と「官僚制」について調べておく。(2時間)
ヴェーバーの「支配の三形態」のなかから、特に合法的的支配の中で生じる「官僚制」概念を中心議論し、「官僚制の鉄の檻」や社会システムの硬直という観点から考える。
(復習) 「官僚制」についての事例をニュースをはじめとした社会的事象からリサーチしておく。(2時間)

第5回 経済において消失する個人
(準備学習) R,セネット『不安な経済/漂流する個人』を読んでおく。(2時間)
新しい資本主義の在り方、労働の在り方のなかで個人と社会の関係について理解する。自分が社会で働くときにも仕事や働き方についての先行理解となりうる。
(復習) 自らのアルバイトなどの「働く」活動を振り返りつつ、「ブラック企業」と言われる現代の現象を考える。(2時間)

第6回 デュルケームの自殺論・現代日本の自殺について—社会学の導入編のまとめ
(準備学習) デュルケームの『自殺論』を読んでおく。(2時間)
社会学を確立した人物の一人E.デュルケームは、個人的なことのようでいて実は「社会」というものを考えさせる現象は「自殺」であると考えた。デュルケームの自殺論と現代日本の自殺現象について考えていく。
(復習) デュルケーム以外の現代の自殺現象についての本を読み、ニュースやデータも調べておく。(2時間)




社会学の歴史的出発点(7〜9回)
第7回 オーギュスト・コントの社会学—実証主義と社会の進歩の法則
(準備学習) 清水幾太郎(編)『世界の名著第36巻 コント スペンサー』のはじめの訳者解説を読んでおく。またコントの論文を読んでみる。(2時間)
社会学の創始者であるフランスのA.コントの思想を紹介する。特に実証主義と社会の進歩という観点が重要である。
(復習) 実証主義とは科学全般にとって重要な視点である。実証主義とは何か。科学とは何か。科学による社会の進歩とは何か。これらについて自分なりに考えをまとめておく。(2時間)

第8回 スペンサーの社会学—社会進化論
(準備学習) 清水幾太郎(編)『世界の名著第36巻 コント スペンサー』のはじめの訳者解説を読んでおく。またスペンサーの論文を読んでみる。(2時間)
社会学の創始者としてのイギリスのスペンサーの思想を紹介する。コントの社会学の視点と比較的に検討する。
(復習) 市野川容孝 『ヒューマニティーズ 社会学』がコントとスペンサーの思想についてまとめている。これを読んでいままでの講義内容を確認する。(2時間)

第9回 進化論と優生学の出現—社会学の歴史的出発点編についてのまとめ
(準備学習) 今回はダーウィン進化論とラマルクの進化論について学習するので予習しておく。(2時間)
コントとスペンサーの思想をダーウィンの進化論とラマルクの進化論から社会の進化という点で考える。その際、「優生学」という思想が出現することも理解する。
(復習) ダーウィニズムが人間社会に当てはまるのかについて身近な例から考えてみる。講義を振り返りながら近年の生物進化論の議論からも考えてみる。(2時間)

社会学から優生学へ(10〜15回)
第10回 アメリカの優生学
(準備学習) 第3回講義の内容が関連するのでふりかえっておく。第3回と同じ準備学習を繰り返すのもよい。(2時間)
優生学、あるいは優生思想が初めて実験されたのはアメリカであった。アメリカにおける犯罪や貧困の「遺伝」という発想からの優生政策の歴史を見る。
(復習) 「頭のでき」は遺伝か経験学習か。そもそも経験学習としてもそれは社会的背景、階級的格差の再生産だと言われる。このことについて近年の教育格差と経済格差から考察してみる。またR.ニスベット『頭のでき』をよんでもるのもよい。(2時間)

第11回 現代アメリカの優生政策ー刑罰国家
(準備学習) L.ヴァカンの『貧困という監獄』を読んでおく。(2時間)
優生思想は、現代アメリカにおいても「刑罰国家」という形で延長しているという解釈を展開する。
(復習) 貧困と犯罪、社会保障と人口構成については後期の社会学2で詳しく取り扱うが、これらのキーワードにもとづく社会問題を調べる。(2時間)


第12回 北欧の優生学と社会福祉
(準備学習) 北欧の福祉国家について予習しておく。日本の社会保障制度についても予習しておく。(2時間)
社会福祉先進国と言われる北欧、とくにデンマークとスウェーデンが優生政策を早くから実施していたことはこの国の福祉の考え方とかかわってくることを歴史的に考察し、現代日本の社会福祉の在り方についても考える。
(復習) 障害者福祉、貧困についての社会保障について、現代日本の在り方を改めて考えてみる。(2時間)

第13回 ナチス・ドイツの優生学
(準備学習) ナチス・ドイツについての歴史を予習しておく。(2時間)
ヒトラーの独裁政治、あるいはユダヤ人の虐殺で歴史に知られるナチス・ドイツだが、「人道に対する罪」という点においては、人種差別のみならず、「遺伝」による人間の価値づけ、差別排除、迫害があった。このことについて歴史的に考察する。
(復習)講義後も資料を読んで復習し、自分なりの意見を用意する。また市野川容孝「ドイツ—優生学はナチズムか?」米本昌平他『優生学と人間社会』を読んでおくとよい。(2時間)

第14回 ナチス・ドイツにおける障害者虐殺
(準備学習) ナチス・ドイツについての歴史、特に障害者虐殺T4作戦について予習しておく。(2時間)
実際にユダヤ人の虐殺や障害者の虐殺の歴史から、近代革命後の歴史の辿った筋道、合理化の先に起きた不条理を確認してしていく。
(復習) 前回と同様だが、他にも文献については講義内で紹介するので、読んでみること。(2時間)

第15回 日本の優生学ー時間があれば優生学編のまとめ
(準備学習) 第二次世界大戦前の日本の近代史についてある程度予習しておく。ハンセン病についてもある程度予習しておく。(2時間)
日本において優生政策はどのようなものだったろうか。それはハンセン病迫害という方向が特徴的である。医療、科学が人を迫害するという点、「よりよい社会をつくる」という考え方の暴走としての優生政策を批判的に総括し、これと対決する社会学の課題を考える。
(復習) 偏見や誤解が医療、科学によって強化されて迫害に至る事例はないだろうか。自分で調べてみる。(2時間)



担当教員の実務経験とそれを活かした教育内容 Work experience of the instructor
-
教育用ソフトウェア Educational software
-
-

備考 Remarks
講義内容は学生の理解度をみながら進むため、予定の授業日と内容とに若干のずれも生じることもありうるが、授業計画に挙げた内容や目標の大幅な変更はない。

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
Y
授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
N