シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
メディアと現代世界 (後期金1)
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Media and the Modern World
授業コード Class code
99KT22K
科目番号 Course number
L3CAECMc21

教員名
林 智彦
Instructor
Tomohiko Hayashi

開講年度学期
2026年度後期
Year
2026年度
Semester
②Second semester
曜日時限
金曜1限
Class hours
1st period, Friday

開講学科・専攻 Department
理学部第一部 応用物理学科(一般教養科目)、工学部(一般教養科目)、先進工学部(一般教養科目)、薬学部(一般教養科目)

A course of liberal arts, the Department of Applied Physics, Faculty of Science Division Ⅰ
A course of liberal arts, the Faculty of Engineering
A course of liberal arts, the Faculty of Advanced Engineering
A course of liberal arts, the Faculty of Pharmaceutical Sciences
単位数 Course credit
2.00単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
履修形態 Course form
薬学科:選択 生命創薬科学科:選択
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
前期の「情報と社会」で培った理論的・概念的な基盤を踏まえ、本講義では情報障害に実践的に立ち向かうための具体的な方法論を探求する。ファクトチェックやOSINT(公開情報調査)の技法、ディープフェイクをはじめとする生成AI技術がもたらすリスクと対抗手段、そして統計・データリテラシーを包括的に取り上げ、現代のメディア環境における情報検証の理論と実践を学ぶ。
定量的・技術的なアプローチを中心に据えながら、グローバルなファクトチェック機関の活動や最新のメディア研究の知見も参照し、技術の力を用いて情報障害を乗り越えるための視座と実践的スキルを養う。

※「情報と社会」が理論的・概念的な話を中心とするのに対し、こちらではより実践的、計量的な手法を用います。

目的 Objectives
  • ファクトチェックの方法論と国際的な実践事例を理解し、情報の真偽を検証するための基礎的な手順を身につける。
  • OSINTの概念と主要な技法を習得し、公開情報を体系的に収集・分析する能力の基礎を形成する。
  • ディープフェイクをはじめとする生成AI技術の仕組みと社会的影響を理解し、視覚・聴覚情報に対する批判的な読解力を高める。
  • 統計およびデータリテラシーの基本を習得し、データに基づく主張を適切に評価・解釈できる。
  • 前期で学んだ理論的枠組みと、本講義で習得する実践的スキルを統合し、情報障害に対して自律的に対処できる市民としての基盤を形成する。
本講義は、「教養教育の目標」に掲げられた目標のうち、特に①「専門分野の枠を超えて広い視野で多元的・複眼的に自然・人間・社会を俯瞰できる能力」、④「正解のない課題に対しても積極的に挑むための判断力・行動力」を滋養するための科目として位置づけられる。
到達目標 Outcomes
本講義を修了した学生は、以下のことができる。
  1. 情報検証の実践 疑わしい情報に対して、ファクトチェックの手順に沿って一次情報源を探索し、真偽判定の根拠を示すことができる。
  2. OSINTの基礎的運用 公開されている画像・動画・地理情報・アカウント情報などを、主要なOSINTツールを用いて収集・照合し、結果を整理・報告できる。
  3. 合成メディアの識別と評価 ディープフェイクや生成AI由来のコンテンツについて、その技術的仕組みを説明し、検出アプローチと社会的リスクを論じることができる。
  4. データの批判的読解 グラフ・統計・調査結果を提示されたとき、サンプルの偏り・尺度の誤用・因果と相関の混同など、典型的な問題点を指摘できる。
  5. 理論と実践の統合 前期で学んだ情報障害の理論的枠組みを参照しながら、具体的な誤情報事例に対して分析と対応策を一体的に論述できる。
  6. 市民としての発信 情報検証の結果を、他者が理解できる形で適切に整理・発信する(レポート・プレゼンテーション等)ことができる。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
関連する卒業認定・学位授与の⽅針(薬学部のみ)
薬学科:DP1 生命創薬科学科:DP1
履修上の注意 Course notes prerequisites
  • 授業予定は途中で変更の可能性もあります。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay
-

準備学習・復習 Preparation and review
- 毎回スライド資料をLETUSにアップするので、それを次回の準備や復習に活用してほしい
成績評価方法 Performance grading policy
下記の割合で評価する。試験は行わない。なお、課題は二回を予定しているが、授業の進捗に応じて、増やす可能性もある。

- 提出課題:70%
- 課題に基づいた発表や授業参加:30%

レポートへのフィードバックについては、授業の中で説明する。
レポートの評価はルーブリックに基づいて行う。詳細は授業の中で説明する。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
ニュースの数字をどう読むか(ちくま新書)
データ思考入門(講談社現代新書)

そのほか、授業の中で適宜紹介する。

授業計画 Class plan
第1回 ガイダンス:情報検証の時代 [講義]
担当教員:林 智彦
授業内容:後期の位置づけ(前期の理論的基盤を踏まえた実践的方法論の習得)を説明する。ファクトチェック・OSINT・ディープフェイク・データリテラシー・生成AIリスクという後期の全体構成を俯瞰し、情報検証の社会的意義を確認する。

第2回 ファクトチェックの理論と国際的展開 [講義]
担当教員:林 智彦
授業内容:IFCN(国際ファクトチェックネットワーク)の5原則を解説し、PolitiFact・Snopes・日本ファクトチェックセンター(JFC)等の実践例を紹介する。ファクトチェックの評定尺度と限界(訂正効果の非対称性等)を説明する。

第3回 ファクトチェックの実践①:一次情報源を探す [実習]
担当教員:林 智彦
授業内容:e-Stat・省庁ウェブサイト・Google Scholar・CiNii・J-STAGEなどの公的データベースを活用した一次情報源の探索方法を実習する。CRAAP検証の枠組みで情報源を評価し、与えられたクレームの真偽を検証できる。

第4回 ファクトチェックの実践②:画像・動画の検証 [実習]
担当教員:林 智彦
授業内容:逆画像検索(Google Lens・TinEye)・動画メタデータ確認・InVID等のツールを使った視覚情報の検証技法を実習する。「文脈剥奪型フェイク」の事例を分析し、画像・動画の真偽を検証する手順を実践する。

第5回 OSINTとは何か:概念と倫理 [講義]
担当教員:林 智彦
授業内容:OSINT(公開情報調査)の定義・歴史・用途を解説する。情報収集→分析→報告のサイクルを理解し、プライバシーと法的リスクに関する倫理的課題を論じる。Bellingcatの事例研究を通じてOSINTの社会的意義を確認する。

第6回 OSINTの技法①:検索とソーシャルメディア調査 [実習]
担当教員:林 智彦
授業内容:Google Dorkingの基礎・SNSアカウントのクロスリファレンス・Maltego等のツールを使ったソーシャルメディア調査を実習する。公開情報を体系的に収集・照合し、結果を整理・報告する基礎的能力を習得する。第1回課題を課す。

第7回 【発表会】発表会 [演習(その他)]
担当教員:林 智彦
授業内容:第1〜6回(ファクトチェック・OSINT)の実習成果をもとに各自が選んだ誤情報事例の検証報告を個人発表する。第1回課題の優秀回答者と希望者が情報検証プロセスと根拠の提示方法をプレゼンする。

第8回 OSINTの技法②:地理空間情報とジオロケーション [実習]
担当教員:林 智彦
授業内容:Google Maps・Sentinel Hub・地形データを使った位置特定技法を実習する。Bellingcatによるマレーシア航空MH17調査等の実例を分析し、画像・映像から撮影地点・時刻を特定するジオロケーションの手順を習得する。

第9回 ディープフェイクの技術と仕組み [講義]
担当教員:林 智彦
授業内容:GANおよびDiffusionモデルの基礎を概説し、映像・音声・テキストの合成技術の現状と高精度化の進展を説明する。ディープフェイクの政治的・性的悪用事例を分析し、視覚情報への信頼が揺らぐ社会的インパクトを論じる。

第10回 ディープフェイクの検出と対抗策 [講義]
担当教員:林 智彦
授業内容:ディープフェイク検出ツール(Hive Moderation・Sensity等)の原理と限界を解説する。コンテンツ認証標準C2PAを紹介し、生成AI時代の情報検証の課題と人間・AIの協働的検証の可能性をグループで検討する。

第11回 データリテラシー①:統計を読み解く [講義]
担当教員:林 智彦
授業内容:平均・分散・相関の誤用、サンプリングバイアス、因果と相関の混同など統計的誤謬の典型例を解説する。「統計で嘘をつく方法」の古典的・現代的手法を実例で示し、データに基づく主張を批判的に評価する能力を養う。

第12回 データリテラシー②:グラフと可視化の罠 [講義]
担当教員:林 智彦
授業内容:軸の操作・面積詐欺・3Dグラフの欺瞞など欺瞞的グラフの類型を解説する。Tufte等の優れた可視化の原則を紹介し、実際の欺瞞的グラフを修正するワークを通じてデータビジュアライゼーションの批判的読解力を習得する。

第13回 生成AIと情報障害の新局面 [講義]
担当教員:林 智彦
授業内容:LLMによる大規模な誤情報生成リスクとアルゴリズムによるラビットホール問題を論じる。AIウォーターマーキング・コンテンツ認証(C2PA)・プラットフォームのコンテンツモデレーションの実態と限界を説明できる。第2回課題を課す。

第14回 【発表会】学生による発表会 [演習(その他)]
担当教員:林 智彦
授業内容:第1〜13回の学習成果をもとに誤情報・情報障害の事例について検証報告・対応策提案を個人発表する。解題の優秀回答者と希望者がプレゼンする。

第15回 総括:情報障害に立ち向かう市民として [講義]
担当教員:林 智彦
授業内容:後期全15回の内容を統合し、ファクトチェック・OSINT・データリテラシー・生成AI対策・制度的アプローチの全体像を整理する。


SBOsコード(薬学部薬学科のみ 2023年度以前カリキュラム適用者対象)
学修事項(薬学部薬学科のみ 2024年度以降カリキュラム適用者対象)

担当教員の実務経験とそれを活かした教育内容 Work experience of the instructor
担当教員は週刊誌記者・編集者をふりだしに、書籍・雑誌編集者、ウェブ運営者として30年間、メディアの仕事をしてきた。
記者としては、阪神大震災やオウム事件を取材。
ネット関連では、1996年、日本の出版社としては初のウェブサイト立ち上げを手掛け、2010年には電子書籍ベンチャーの立ち上げに参画。
現在は、出版社ウェブサイトのプロダクト・マネージャーを務める。SNS公式アカウント運営の経験も。
専門統計調査士/JFC認定ファクトチェッカー。
紙・電子、ジャーナリズム・出版、アナログ・デジタル、ソーシャル・マスをまたいだメディアの経験を元に、「情報地獄(Infocaplypse)」とも称される現状打開の方策を、できる限り偏りのない視点から学生と共に考える授業にしたい。
日本読書学会、日本計量行動学会、社会情報学会会員。

【研究業績一覧】
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1gkrRn-fuou_6LEsvJC7XO4ulUZp_jA303IyoYClySVw/edit?usp=sharing
教育用ソフトウェア Educational software
-
Exploratoryを使用予定(備考を参照)。

備考 Remarks
講義の中でデータサイエンス用ソフトウェア「Exploratory」を使用する。
大学生は無料で使えるので、あらかじめアカウント作成とソフトのインストールを済ませておくこと。

https://exploratory.io/


課題の回答に生成AIを用いてよいが、必ずチャットの共有URLをつけること。
生成AIを用いているのに共有URLをつけていなかったり、つけてあったとしても、「生成AIの回答をそのままコピペ」であったりすると評価は低くなる。
詳しくは授業の中で説明する。

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
Y
授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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