シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
生化学3
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Biochemistry (3)
授業コード Class code
9923333
科目番号 Course number
23CHBCH101

教員名
中根 大輔
Instructor
Daisuke Nakane

開講年度学期
2026年度後期
Year
2026年度
Semester
②Second semester
曜日時限
木曜5限
Class hours
Thursday, 5th

開講学科・専攻 Department
理学部第二部 化学科
Department of Chemistry, Faculty of Science Division Ⅱ
単位数 Course credit
2.00単位
授業の方法 Teaching method
講義
Lecture

外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
生化学と聞くと核酸やタンパク質、糖類などが思い浮かぶが、生体には少量ながら鉄、銅、亜鉛といった遷移金属のイオンが存在している。生体内に含まれるこれらの遷移金属イオンは少量ではあるが、酸素運搬、基質の酸化還元、および加水分解反応など、生命活動を維持する上で欠かすことのできない反応を触媒している酵素に含まれ、それらの活性を発現する上で核心的な働きをしている。
また、これらの金属イオンを含む酵素の機能発現のメカニズムを理解することができれば高活性な新規触媒の開発に繋がることが期待される。
酵素中においてこれらの遷移金属イオンはアミノ酸側鎖の官能基などが結合した金属錯体として存在しており、遷移金属イオン周りの配位環境はこれらの酵素の機能発現に最適化されている。
そのため、これらの遷移金属イオンを含有する酵素の働きを理解するためには錯体化学の知識が必要となる。
本講義ではまず、遷移金属イオンを含有する酵素の働きを理解するために必要となる錯体化学の基礎についての講義を行い、次いで具体的な遷移金属含有酵素を例に挙げ、それらの金属中心の錯体化学的理解を試みる。


目的 Objectives
錯体化学の基礎的な知識を身につける。また身につけた錯体化学の知識を用いて遷移金属含有酵素の機能発現のメカニズムについて考察できるようになる。
本学部のディプロマポリシー「専門分野に応じた基礎学力と、その上に立つ専門知識。」に該当する科目である。
到達目標 Outcomes
1.錯体化学の基礎的な知識を理解できるようになる。
2.習得した錯体化学の知識を基に天然の金属酵素の機能発現メカニズムについて考察できるようになる。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
教科書は指定しないが、化学同人「配位化学(第2版)-金属錯体の化学-」、三共出版「生物無機化学-金属元素と生命の関わり-」および「クライトン生物無機化学」の内容に沿った講義を行う。
講義に用いる資料は都度LETUSにアップロードする。
全ての履修学生に対して半数以上の授業回を対面で受講することを求める。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
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準備学習・復習 Preparation and review
講義後資料をノートにまとめ、復習することが望ましい。(2時間程度)
成績評価方法 Performance grading policy
成績は期末試験によって評価し、60%以上得点したものに単位を認定する。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
「配位化学(第2版)-金属錯体の化学-」化学同人
「生物無機化学-金属元素と生命の関わり-」三共出版
「クライトン生物無機化学」東京化学同人

授業計画 Class plan
()内は準備学習、復習に必要な時間の目安
第1回   生化学、生物無機化学と錯体化学
生化学における金属イオンの働きについて研究を行う分野を生物無機化学という。本講義では生物無機化学と錯体化学の関連性について概要を説明する。また、講義の進め方、成績の評価方法についても説明する。(2時間)

第2回   配位結合と金属錯体   
金属酵素において遷移金属イオンはその機能を発現する上で核心的な役割を果たす。金属酵素に含まれる遷移金属イオンは金属錯体であると見なすことができる。本講義では金属錯体の基本的な成り立ちについて説明する。(2時間)
                 
第3回  配位子がもたらす様々な効果と安定性   
金属錯体の性質は中心金属イオンに結合する配位子によって様々に変化する。本講義では配位子が金属イオンの性質に与える影響について説明する。(2時間)

第4回   結晶場理論   
金属錯体の性質の多くは金属イオンをルイス酸、配位子をルイス塩基として考えることで説明することができるが、中には金属イオンの原子軌道の形状を考慮することで初めて説明することができる性質も存在する。本講義では金属イオンの原子軌道を考慮することで金属錯体の性質を説明する「結晶場理論」について説明する。(2時間)
                
第5回   結晶場理論により説明される金属錯体の性質   
第7回の講義では結晶場理論について説明した。本講義では結晶場理論によって説明することのできる金属錯体の性質について具体例を挙げて紹介する。(2時間)
                 
第6回   金属錯体の酸化・還元   
金属酵素の中には基質の酸化・還元反応を触媒するものも存在する。これらの酸化・還元反応を触媒する酵素は、反応の過程で酵素に含まれる金属イオンと基質との間で電子の授受が行われる。そのため金属錯体の酸化・還元について基礎的な理解をすることは酸化還元反応を触媒する酵素を理解する上で非常に重要である。本講義では金属錯体の酸化・還元に与える金属イオン周りの構造の影響について説明する。(2時間)
                 
第7回   生物無機化学におけるアミノ酸残基  
一般的に金属酵素の活性中心に含まれる遷移金属イオンに対しては、酵素を構成するアミノ酸の側鎖の官能基が配位子として結合している。本講義では金属酵素を構成する各アミノ酸およびそれらの側鎖が活性中心の遷移金属イオンに結合した際にどのように働くかについて説明する。(2時間)
                 
第8回   遷移金属イオンと小分子との反応
遷移金属含有タンパク質は基質の酸化・還元、酸素運搬、加水分解反応などを行うが、それらの多くは機能発現の過程で活性中心である金属イオンへの基質の結合が含まれる。本講義では水素、窒素、酸素および二酸化炭素といった遷移金属含有タンパク質の基質になりうる小分子の、遷移金属イオンに対する結合様式について説明する。(2時間)
                
第9回   亜鉛、ニッケルを含む金属タンパク質
第8回までの講義では錯体化学の基礎および小分子の遷移金属イオンへの結合様式について説明してきた。本講義以降は具体的な遷移金属イオン含有金属タンパク質を例に挙げ、それらの錯体化学的理解を試みる。本講義では亜鉛およびニッケルを含む遷移金属イオン含有タンパク質を扱う。(2時間)
                 
第10回  コバルト、マンガンを含む金属タンパク質
コバルト含有タンパク質は大きく分けてメチル基転移酵素などで見られるビタミンB12依存型のものと加水分解などを触媒するビタミンB12非依存型に分類される。一方、マンガン含有タンパク質は光合成の酸素発生中心に見られる。本講義ではそれぞれの具体例を取り上げる。また、それぞれの金属タンパク質の小分子量の金属錯体を用いた構造/機能モデルについても紹介する。(2時間)
                
第11回  鉄イオンを含む金属タンパク質 1 
鉄イオンを含む金属タンパク質は大きく分けてヘムタンパク質と非ヘムタンパク質に分類される。本講義ではそれぞれの鉄含有金属タンパク質について酸化反応、酸素運搬、活性酸素除去を行うものを具体例に挙げ、錯体化学的理解を試みる。(2時間)
                
第12回  鉄イオンを含む金属タンパク質 2
第11回の講義では酸化反応、酸素運搬、活性酸素除去を行う金属タンパク質を扱ったが、鉄イオンを含む金属タンパク質には水素イオンや窒素分子の還元を触媒するものも知られている。本講義では窒素分子の還元を触媒するニトロゲナーゼ、水素イオンの還元を触媒するヒドロゲナーゼを扱う。さらにこれらの鉄イオン含有金属タンパク質から着想を得た小分子量の鉄錯体触媒についても紹介する。
              
第13回  銅イオンを含む金属タンパク質 1
銅イオンを含む金属タンパク質はType I、Type II、Type III銅タンパク質に大別される。本講義ではType IおよびType II銅タンパク質の具体例を挙げ、錯体化学的理解を試みる。(2時間)
               
第14回  銅イオンを含む金属タンパク質 2
本講義では第13回の講義に引き続きType III銅タンパク質を紹介する。また銅イオン含有タンパク質の小分子量のモデル錯体を用いた研究室いても取り上げる。

第15回  期末試験  
これまでの講義の習得度を測るため、期末試験を実施する。

担当教員の実務経験とそれを活かした教育内容 Work experience of the instructor
生物無機化学の研究者として培った知識を基に講義で紹介した錯体化学の基礎知識と天然に存在する金属酵素との関わりを随時紹介する。
教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
以上は予定であって、変更、修正があり得る。

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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