シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
解析力学
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Analytical Mechanics
授業コード Class code
992213Q
科目番号 Course number
22PHMEC206

教員名
簑口 友紀
Instructor
Tomoki Minoguchi

開講年度学期
2026年度前期
Year
2026年度
Semester
①First semester
曜日時限
火曜5限
Class hours
5th period, Tuesday

開講学科・専攻 Department
理学部第二部 物理学科

Department of Physics, Faculty of Science Division Ⅱ
単位数 Course credit
2.00単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
力学の授業ではニュートンの運動方程式を学習した。解析力学では、本質的にはニュートンの運動方程式と同等なのであるが、見かけは異なる二つの形式で運動方程式を扱う。ひとつはラグランジュ形式によるオイラー・ラグランジュ方程式、もうひとつはハミルトン形式によるハミルトン方程式である。内容は同じ運動方程式なのに、なぜわざわざ違う形式で書き直すのだろうか? 実は、ニュートン方程式を解くのは、難しいからである。ニュートン方程式は力をかけた物体が加速される様を表現する。力の釣り合いがあると、物体は静止(または等速直線運動)する。このどこが難解なのだろうか? 物体にかかる力がベクトル量であり、力が物体に対して、いつ、どこに、どのくらいのちからで、どの方向にかかっているのかを、間違えないように作図することは難しいのである。こうした考え方では、例えば湾曲のある針金に沿ってビーズが落下する場合など、ちょっと複雑な拘束条件を課すとお手上げになることが多い。しかしながら①、②のようなエネルギーのスカラー関数を何も考えずに微分すると正確な運動方程式が立ってしまうという、魔法のような形式がある:

①ラグランジュ形式
1)エネルギーの関数(ラグランジュ関数またはラグランジアンというスカラー関数)を微分すれば運動方程式が得られる。拘束条件がある場合でも、ラグランジュ未定乗数法を用いてやはり同様のスカラー関数を作り、何も考えずに微分すればよい。エルンスト・マッハは「ラグランジュの力学は、思考の経済という点で大きな業績を挙げた」と評価した(「解析力学」Coffee Break、 小谷正雄著)。
2)たとえば直交座標から極座標などに運動方程式を変換したい場合、ニュートンの運動方程式は形を変えるが、オイラー・ラグランジュ方程式は形を変えない。空間座標から空間座標への変換(点変換)であれば形を変えないので、運動空間の対称性に合った空間座標で運動方程式(オイラー・ラグランジュ方程式)を得ることが出来る。

②ハミルトン形式
1)ラグランジュ形式の壮麗さに感動したハミルトンは、光にも同様の形式を当てはめたいと考えた(「解析力学」Coffee Break、 小谷正雄著)。光は電場や磁場の振動であるが、この振動は力の釣り合いで出せる性質のものではない。ハミルトン関数、またはハミルトニアンと呼ばれるスカラー関数を書き、それを微分することで(ハミルトンの)運動方程式が得られる。
2)光(や、量子)の運動の座標は、点変換よりももっと大きなレベルの変換(空間座標から相空間座標(=空間と運動量からなる座標))で形を変えない。これを(点変換に対して)正準変換と呼ぶ。ラグランジュ関数は座標変換の下で形を変えないが、ハミルトン関数は正準変換の下で形を変えない。

大雑把に言えば、拘束条件などで複雑になった力学の問題はラグランジュ形式で解き、量子力学や統計力学では、ハミルトン関数を用いることが多い。

目的 Objectives
この講義では、「入門力学」の延長として、ラグランジュ形式およびハミルトン形式の運動方程式を学習し、以下の理解を目的とする:

(1) ニュートンの運動方程式ではなく、なぜラグランジュ形式・ハミルトン形式の運動方程式なのか
(2) オイラー・ラグランジュ方程式が点変換に対して不変であること
(3) 具体的な問題についてオイラー・ラグランジュ方程式を立て、それを解く
(4) ハミルトンの運動方程式が正準変換に対して不変であること(シンプレティック条件という縛りはある)
(5) 具体的な問題についてハミルトン方程式を立て、それを解く
(6)  ハミルトン・ヤコビ方程式と断熱定理について学び、リウビルの定理を理解する

※(6) は時間の余裕が無ければ省略する


到達目標 Outcomes
上記目的中の項目(1)(2)(4)を理解し、(3)(5)を通して実際の物理系に適用し、運動方程式を解けるようになる。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
基礎科目「入門力学」の履修を前提とする.
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
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準備学習・復習 Preparation and review
準備学習・復習では、下に挙げた教科書の章末問題や、参考書に挙げたような演習書を見つけて、関連する問題を解くこと。
成績評価方法 Performance grading policy
到達度評価による。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
Y
書誌情報 Bibliographic information
「解析力学 (裳華房テキストシリーズ-物理学)」・宮下精二・2000年(*)・裳華房・978-4785320904

(*)2018年第8版1刷以降が望ましい。やむを得ず古いものを使う場合は、正誤表で訂正しておくこと:https://www.shokabo.co.jp/errata/2090/2090errata.pdf
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials

「大学1・2年生のためのすぐわかる解析力学」 吉田弘幸(著) 東京図書


【注】よく出来た演習書であるが、初版のため誤植が多いようである。以下のリンクに正誤表があるので、参照しながら使うと良い。
https://note.com/y__hiroyuki/n/nb381dc88d12b

授業計画 Class plan
授業は、上に挙げた教科書を中心に行なう。 

1  序論:運動とつり合い
2  変分原理とラグランジアン
3  オイラー・ラグランジュ方程式
4  座標変換と一般化座標
5  拘束のある場合のオイラー・ラグランジュ方程式
6  ハミルトニアンとハミルトンの正準方程式
7  座標変換と正準変換
8  母関数による正準変換
9  無限小変換、正準変換の条件
10 不変性と保存則、ネーターの定理
11 微小振動の基準モード
12 ハミルトン・ヤコビ方程式
13 作用変数と断熱定理、正準変換の不変量
14 正準不変な括弧式
15 まとめ

担当教員の実務経験とそれを活かした教育内容 Work experience of the instructor
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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