|
教員名 : 高江洲 昌哉
|
科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
歴史学各論 (金・5)
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
History: Selected Issues
授業コード Class code
99K2268
科目番号 Course number
L1HSHUMc34
教員名
高江洲 昌哉
Instructor
TAKAESU MASAYA
開講年度学期
2026年度後期
Year
2026年度
Semester
②Second semester
曜日時限
金曜5限
Class hours
Friday 5th.Period
開講学科・専攻 Department
理学部第二部(一般教養科目)
A course of liberal arts, the Faculty of Science Division Ⅱ 単位数 Course credit
2.00単位
授業の方法 Teaching method
講義
Lecture 外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class
概要 Description
参考文献にあげている『性の女性史』(1995年)の訳者あとがきで、「性とは、非歴史的な現象(本質的実体)ではなく、歴史的に形成された特定の社会における現象」と書いているように、性を「本能」で説明するのではなく、歴史として説明することができる(ただし、これは〇〇年に〇〇が起きたというものではない)。こうした歴史のテーマとして「性」が存在することと、性に関しては、社会的な必要性もあるので、後期の歴史学各論でも「性に関する歴史」をおこなっている。
性を歴史的に扱うというと、古くは買春から始まり現在だと「デートDV」など性暴力の問題を時系列にそって扱う内容が頭に浮かぶ。ただし、性暴力の問題を取り上げても、男性性や日本社会論のように本質主義的な理解に陥るおそれもある。また、性に関する男性の主体性や女性の「貞淑」(従属性)のように、性規範の男女差も歴史的に形成されたものであり、近年の同性愛に関する認知も変わってきたように、性規範も歴史的に形成された部分もあるので、性規範も歴史学の対象として考える必要がある。 性規範の歴史性だけでなく、芸術と猥褻の境界線をめぐっても、これまで様々な取り組みがあり、寛容と厳格を往還し、現在に至っている。それだけでなく、現在強く言われる「性の多様性尊重」と「性犯罪防止」も境界線が曖昧な領域もあるので、現在の性をめぐる様々な事象を多角的に考える必要がある。 また、今日では性教育の遅れが批判されているが、その前提には「行き過ぎた性教育批判」という動きがあった。学生時代は性に関する情報は抑圧されるが、学業を終えると「少子化対策」のもと婚活・出産と「生殖」が煽られる状況である。それだけでなく「産む機械」と「産む主体」の間には「産まない権利」を唱える人が不可視化されるように、現状の性をめぐる言説を多角的、歴史的に検討することで思考の可能性を広げることができるであろう。 性の問題はジェンダーバランスを視野に入れて考えるだけでなく、男女という自明な区分を前提にした考察ではなく、「性的マイノリティ」への“配慮”なども必要になってきた。そのためにも性に関する規範の歴史的検討が必要となる。 人文学的観点から性を学ぶため、取り上げる内容が多くなっている。その結果、テーマ散漫な印象も与えるが、性について、今日的な課題がたくさんあるともいえる。 半期の時間をかけて、性に関するテーマの授業を受ける機会も少ないと思うので、この授業を通して、性について「考える力」が獲得できるようにしたい。日常における性規範の形成と変容を歴史的に考えることで、市民としての批判精神と教養を豊かにすることを目指す。 目的 Objectives
歴史学は暗記科目ではなく、過去との対話を通して現状認識を豊かにしていく側面もある。様々な歴史経験を学ぶなかで、柔軟さと寛容の意義を確認しつつ論理的思考力や問題解決能力を養い「豊かな人間性」を習得することを目的とする。
到達目標 Outcomes
配布資料などを論理的・批判的に思考する能力を養うことで、主体的な思考力を身につくことができるようにする。ただし、到達した自分の意見に固執することなく「普遍的価値観」との測定の中で修正していく柔軟さも身につくことができるようにする。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。 You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments). https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/ 履修上の注意 Course notes prerequisites
・日本史を習っていなくても、本テーマに関心があることと、性に関する内容であることを理解の上、積極的に受講してください。性描写が苦手な人は自己裁量で受講してください(ただし、提出物・理解度はこちらが要求する内容に達してください)。
・資料は前日までにレタス(LETUS)にて配信します(レジュメは紙資料でも当日配布します。資料は量があるので逐一印刷して持参しなくてもよい。当日スクリーンにて提示します)。 アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/小テストの実施 Quiz type test
-
準備学習・復習 Preparation and review
予習としては、シラバス記載の文献リストまたは、初回に配布する文献リストを読んで、「性秩序」に関する批判精神、自省力、協調精神といった市民的教養に関する理解を深める作業をおこなってください。復習としては、各授業で紹介した文献・資料などに対し内容理解を深める読解作業や調べ作業など、毎回おおよそ4時間程度学習してください。知らない点を自発的に解決する学習をしてください。
成績評価方法 Performance grading policy
30%、授業時に随時実施するリアクションペーパーの提出
回収後(次回、次々回に)、講評をおこないます。 35%、レポート 中頃に課題を提示し、後半時に講評をおこないます。 35%、到達度評価(授業内容の理解を確認する論述問題) 学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している ・B:到達目標を達成している ・C:到達目標を最低限達成している ・D:到達目標を達成していない ・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している ・S:Achieved outcomes, excellent result ・A:Achieved outcomes, good result ・B:Achieved outcomes ・C:Minimally achieved outcomes ・D:Did not achieve outcomes ・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation 教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
-
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store). https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ 参考書・その他資料 Reference and other materials
国立歴史民俗博物館 (監修), 「性差の日本史」展示プロジェクト 『新書版性差の日本史』(集英社インターナショナル、2021年)
赤松啓介『夜這いの民俗学・夜這いの性愛論』(ちくま学芸文庫、筑摩書房、2004年) 川村邦光『聖家族の誕生』(ちくま学芸文庫、筑摩書房、2004年) 山下悦子「戦後売買春の歴史」(山下悦子編著『女と男の時空Ⅵ現代』、藤原書店、1996年) 伊藤裕作&週刊大衆特別取材班『ドキュメント戦後「性」の日本史』(双葉社、1997年) 小山静子ほか編『セクシュアリティの戦後史』(京都大学学術出版会、2014年) 林雄亮編『青少年の性行動はどう変わってきたかー全国調査にみる40年間』(ミネルヴァ書房、2018年) 香山リカ・北原みのり『フェミニストとオタクはなぜ相性が悪いのか』(イースト・プレス、2017年) 井上章一『パンツが見えるー羞恥心の現代史』(新潮文庫、2018年) 上野千鶴子『新版 発情装置』(岩波現代文庫、岩波書店、2015年) 上野千鶴子・鈴木涼美『往復書簡 限界から始まる』(幻冬舎、2021年) 金富子・小野沢あかね編『性暴力被害を聴く』(岩波書店、2020年) 千葉雅也・二村ヒトシ・柴田英里『欲望会議』(角川ソフィア文庫、2021年) 風間孝・河口和也『同性愛と異性愛』(岩波新書、2010年) 神谷悠一・松岡宗嗣『LGBTとハラスメント』(集英社新書、2020年) 外国史、または海外の書物だけど参考になる図書として ジェフリー・ウィ—クス『セクシュアリティの歴史』(ちくま学芸文庫、筑摩書房、2024年) ハリエット・ギルバート『性の女性史』(現代書館、1995年) ジョージ・L・モッセ『ナショナリズムとセクシュアリティ』(ちくま学芸文庫、筑摩書房、2023年) マシュー・トッド『LGBTQ運動の歴史』(原書房、2022年) パット・カリフィア『パブリック・セックス』(青土社、1998年) 授業計画 Class plan
1:はじめにー問題の確認
2:「猥褻」について考える 3:「夜這い」慣行と近代 4:前近代の男色などについて考える 5:日本における「近代性規範」の成立と展開 6:「身体と性」をめぐる歴史 7:優生思想の展開と出産をめぐる政治史(産児制限をめぐって) 8:公娼制と「慰安婦」 9:占領下の性犯罪と売春防止法の制定 10:性の「民主化」をめぐって 11:「援助交際」の時代とその後 12:出産の現状と未来を考える 13:可視化された「性的マイノリティ」 14:まとめ 15:到達度評価と解説 ※各回とも、初回の文献リストを基にした1時間程度の予習をすること。また、授業内容の疑問点や授業時に配布した資料や参考文献を踏まえた3時間程度の復習をすること。 ※授業内容はあくまでも予定であり、学生の反応や授業理解の関係などで内容や順番は変更する場合があります。 担当教員の実務経験とそれを活かした教育内容 Work experience of the instructor
-
教育用ソフトウェア Educational software
-
-
備考 Remarks
特になし。
授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
N
授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
N
|