比較文化論 （後期木４・昼間）

Comparative Culture （後期木４・昼間）

99KT223

L3HSHUM125

昼間　賢

Hiruma, Ken

2025年度後期

2025年度

②Second semester

木曜4限

Thursday, 4

理学部第一部　応用物理学科（一般教養科目）、工学部（一般教養科目）、先進工学部（一般教養科目）、薬学部（一般教養科目）

A course of liberal arts, the Department of Applied Physics, Faculty of Science Division Ⅰ
A course of liberal arts, the Faculty of Engineering
A course of liberal arts, the Faculty of Advanced Engineering
A course of liberal arts, the Faculty of Pharmaceutical Sciences

2.0単位

講義

Lecture

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① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

主題：「日本写真」とは何か。
概要：ある種の写真は芸術である。これは今日異論の余地のないことである。が、制作の主な部分を機械（的手段）による視覚芸術に、地域別の、言語文化別の特性があるかと考えると、問題は複雑である。文化としては、その蓄積、すなわち歴史を紐解く必要がある。実際には、芸術を評価すること、すなわち言葉の問題が大きい。また視覚芸術の一つとしては、写真以前の視覚芸術（特に絵画）の伝統を引き合いに出し、他の伝統と比べてみなければならない。こうした作業から、主題への回答を試みる。

まず、芸術写真史の国際的展開を学ぶ。次に、各国の写真を単純に比較するのではなく、日本の写真に焦点を当てる。日本の写真はヨーロッパから輸入して始まったから、その中に比較文化的要素が入っているから、である。最後に、一つの文化の特性を見定めにくい現代において、あえて「日本写真とは何か」と問うことで、現代的な文化様相を明らかにしてみたい。

文化を比較することの難しさ、興味深さを知る。従来の比較文化論とは違って、むしろ比較する者の属する文化を、つまり自文化を深堀りすることが大事であると認識する。文化的差異を、アイデンティティの根拠にするより、新たな創造の目安とするように、認知する。

リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます（学部対象）。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​

講義中に紹介する事例の作品は、レタスには掲載しないので、学習に必要なものや特におもしろく感じられたものは写真家名や作品名をメモし、積極的に調べる（検索する）こと。下記「書誌情報」に記されたものの多くが葛飾図書館に置かれているので、利用してほしい。

課題に対する作文　Essay／-

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毎回レジュメを用意する。

平常点（講義中の質疑や展覧会見学など） 10%
課題１：課題図書（ガイダンスで説明する）の読書レポート　30%
課題２：一枚の写真を「日本」という視点で見なす文章作成　30%
到達度確認（解答選択式テスト）30%

履修生が本講義に関連する催し物（展覧会や個展）に参加し、有意義な経験をした場合、その報告書を平常点に加算する。

・S：到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A：到達目標を十分に達成している
・B：到達目標を達成している
・C：到達目標を最低限達成している
・D：到達目標を達成していない
・-：学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S：Achieved outcomes, excellent result
・A：Achieved outcomes, good result
・B：Achieved outcomes
・C：Minimally achieved outcomes
・D：Did not achieve outcomes
・-：Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

N

教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

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『日本の写真家』岩波書店，全40巻＋1巻

鳥原学『日本写真史』（上・下）中公新書
飯沢耕太郎『都市の視線　日本の写真　1920-30年代』平凡社ライブラリー
桑原甲子雄『物語昭和写真史』月曜社
栗生田弓『写真をアートにした男　石原悦郎とツァイト・フォト・サロン』小学館
『再録 写真論 1921-1965』大島洋選，東京都写真美術館叢書
園井義典『「現代写真」の系譜　写真家たちの肉声から辿る』光文社新書
光田由里『写真、「芸術」との界面に　写真史1910年代—70年代』青弓社
甲斐義明『ありのままのイメージ　スナップ美学と日本写真史』東京大学出版会
金子隆一＆アイヴァン・ヴァルタニアン『日本写真集史　1956-1986』赤々舎

クエンティン・バジャック著・伊藤俊治監修『写真の歴史』創元社
飯沢耕太郎監修『世界写真史　カラー版』美術出版社
ヴァルター・ベンヤミン『図説　写真小史』久保哲司編訳，ちくま学芸文庫
今橋映子『フォト・リテラシー　報道写真と読む倫理』中公新書
打林俊『写真の物語　イメージ・メイキングの400年史』森話社

篠山紀信＆中平卓馬『決闘写真論』朝日文庫
高梨豊『ライカな眼』毎日コミュニケーションズ
荒木経惟『天才アラーキー　写真ノ方法』集英社新書
畠山直哉＆大竹昭子『出来事と写真』赤々舎
森山大道＆鈴木一誌『絶対平面都市』月曜社
金村修＆タカザワケンジ『挑発する写真史』平凡社
渡部さとる『じゃない写真　現代アート化する写真表現』梓出版社
小林紀晴『写真はわからない　撮る・読む・伝える「体験的」写真論』光文社新書
笠原美智子『ジェンダー写真論 増補版』里山社
長島有里枝『「僕ら」の「女の子写真」から私たちのガーリーフォトへ』大福書林
インベカヲリ★『私の顔は誰も知らない』人々舎

庭田杏珠＆渡邉英徳『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』光文社新書
佐藤洋一＆衣川太一『占領期カラー写真を読む : オキュパイド・ジャパンの色』岩波新書

『photographer’s gallery press』01〜14号

第１回　イントロダクション　講義　昼間賢

この科目の進め方について

第２回　写真術の始まり　講義　昼間賢

19世紀ヨーロッパ（フランス、イギリス、ドイツ）

第３回　日本への伝来　横浜写真　講義　昼間賢

急速な受容　「写真」という用語について

第４回　洋の東西における絵画の伝統　講義　昼間賢

遠近法と写真　色彩と写真

第５回　カメラ、雑誌、大震災、欧米に渡る写真家たち　講義　昼間賢

20世紀初頭の様相

第６回　新興写真　講義　昼間賢

絵画的写真から「芸術写真」へ

第７回　戦争と写真　講義　昼間賢

植民地への視線、プロパガンダ、原爆と写真

第８回　戦後復興と写真　講義　昼間賢

「国土」「風土」の可視化として

第９回　アメリカ写真の影響１　講義　昼間賢

二つの運動　報道写真との関係

第10回　アメリカ写真の影響２　講義　昼間賢

カラー化する写真　現代美術の影響

第11回　デジタル化＝再び絵画化する写真　講義　昼間賢

女性写真家の台頭

第12回　現代の問題１　講義　昼間賢

芸術写真≒スナップ写真が困難な時代に

第13回　現代の問題２　講義　昼間賢

写真を巡る、写真を支える諸制度との関連で　ジャーナリズムの衰退　展覧会　写真集

第14回　現代の問題３　講義　昼間賢

日本的風景は（地方には）あるだろう。では日本人（日本に住む人たち）の生活は？
日本写真史の正統としての、畠山直哉の写真について

第15回　到達度確認　演習（その他）　昼間賢

まとめ

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