シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
現代社会と倫理 (前期火2・村上)
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Contemporary Society and Ethics (前期火2・村上)
授業コード Class code
99KT201
科目番号 Course number
L3HSHUM101

教員名
村上 学
Instructor
MURAKAMI, Manabu

開講年度学期
2025年度前期
Year
2025年度
Semester
①First semester
曜日時限
火曜2限
Class hours
Tuesday, 2nd period

開講学科・専攻 Department
理学部第一部 応用物理学科(一般教養科目)、工学部(一般教養科目)、先進工学部(一般教養科目)、薬学部(一般教養科目)

A course of liberal arts, the Department of Applied Physics, Faculty of Science Division Ⅰ
A course of liberal arts, the Faculty of Engineering
A course of liberal arts, the Faculty of Advanced Engineering
A course of liberal arts, the Faculty of Pharmaceutical Sciences
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
【授業の概要】
 科学技術の進展は、同時に様々な倫理問題を顕在化させました。そうした問題について科学研究者はもはや知らないではすまされず、むしろ積極的とも言える規則の遵守と、新しい状況への柔軟な対応が求められています。本授業では、本学の目指す「良心」を備えた科学者育成にかかわって、現在社会の中で提出されている倫理問題について、日本の現状、可能な選択肢、周辺問題を整理しま す。この授業ではこうした作業を通じて、それぞれの参加者に基本的な知識を身につけつつ考えを深めてもらいます。そして直面するであろう具体的問題に対して最善の選択ができるように準備することを目標とします。
目的 Objectives
【授業の目的】
この授業は本学部のディブロマポリシー及びカリキュラムポリシーに定める「豊かな人間性・想像力と国際性を備え、多面的にかつ新しい視点を持って科学技術の発展に貢献できる人材の育成」を実現するための科目である。受講者は、この講義を通じて、基本的な倫理問題を概観し現在の問題点と可能な選択肢を数え上げることができるようになるでしょう。その上で、「豊かな人間性」と「良心」を備えた科学者になる礎を築くこ とを目指します。
到達目標 Outcomes
【到達目標】

・科学の発展にともなって応用倫理の問題が生じてくる、おおよその構造を説明できる。
・生命倫理の基本的な問題群を数えあげるることができ、それぞれの現状と問題点(ジレンマ)を説明できる
・環境倫理の基本的な問題群を数えあげることができ、それぞれの現状と問題点(ジレンマ)を説明できる。
・情報倫理の基本的な問題群を数え上げることができ、それぞれの現状と問題点(ジレンマ)を説明できる。
・技術者倫理・専門家の倫理における「安全」「リスク」の考え方を説明できる。
・技術者倫理・専門家の倫理における「ケーススタディ」について、異なる立場に求められる責務を理解し、より良い対応策を説明することができる。
・日常生活上の様々なmoral luckについて、それがどのような問題であるか、大おその見当をつけることができ、可能な選択肢を数え上げることができる。
・「倫理的に生きる」とはどのようなことか、自分なりの言葉で語ることができる。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
LETUS上で課題(小テスト)などが提示される。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
小テストの実施 Quiz type test
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準備学習・復習 Preparation and review
(準備)シラバスの授業計画や、授業中の予告等を参考に、トピックについて自分の関心の範囲で最近の事例等を調べておくこと。また、それによって「なぜ」「どのように」倫理や道徳に関する判断や行為がなされたのか、推測したり疑問を明確にしておくこと。(60分程度)
(復習)授業で説明された基本的な倫理学の概念の知識を正確にした上で、 各回で解説される応用倫理の問題について、具体的な事件・事例を参考に、それがどのような出来事であったのか、どのような思考・判断がそこで働いていたのかを説明できるようになる。 
不明な点はビデオやプリントで再確認する。
復習の上、小テストを受験して理解度を確認する。(120分)
成績評価方法 Performance grading policy
到達目標の達成度によって評価する。
(小テスト(40%)と到達度確認テスト(60%)による)
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
授業内でプリントを配布する。

参考書は授業中に指示予定

授業計画 Class plan
授業は講義形式で実施する。しかし、受講者は必要に応じて不明な点を話を遮って質問することができる。


1   <ガイダンス>  授業全体の方針や計画を知り、受講者各自が自分なりの学習目標を立てる。科学技術に関わる倫理問題  いわゆる「応用倫理(学)」と呼ばれる分野は、いったい何を問題として取り上げているのかを概観する。 [対面講義」(村上)

(復習)「倫理」の意味について、「道徳」や「法規」との差異や、語源を手がかりに説明できるようになる。応用倫理学がどのような問題を扱うのか、説明できるようになる。   

2   <生命倫理1> 生命倫理学の分野における、基本的な考え方を概観する。科学技術の楽観/悲観論から、「人間の尊厳」「自由」、そして「自己決定権」「QOL」「他者危害の法則」「インフォームド・コンセント」といった基本的な概念を学ぶ。 [対面講義」(村上)

(復習)初期の生命倫理学にかかわる基本的概念をそれぞれ説明することができるようになる。

3   <生命倫理2> 現代に新しく出てきた問題を具体的に眺めながら、生命倫理の問題とそれに対する考え方の変遷、特に生殖補助医療をとりまく問題について学ぶ。 [対面講義」(村上)

(復習)現代的生命倫理の問題がどのように発生し、現在どういう扱いをされているかを説明することができる。また、可能な選択肢を説明できるようになる。

4 <生命倫理3> 倫理の対象として「生命」が「ヒト」だけでなく「動物」全般に拡張されてきている。技術の進歩と「命」との間に生じている歪みについて問題提起をして、「命にかかわって善悪・正誤を考える」ことの困難さや意義を確認する。 [対面講義」(村上)

(復習)「命」の多角的な捉え方、そしてその「価値」の捉え方を反芻し、自らの意見をまとめていく。

5   <環境倫理1> 環境倫理に関わる基本的な概念、「次世代倫理」「配分」「幸福を最大にする適応」「持続可能な社会」等を学ぶ。 [対面講義」(村上)

(復習)環境倫理学にかかわる基本的概念をそれぞれ説明することができる。

6   <環境倫理2> 「生物多様性」を中心に LMO等の具体的事例を取り上げながら、現代の環境倫理の問題と考え方を学ぶ。 [対面講義」(村上)

(復習)新しい環境倫理の問題を数え上げることができ、またそれぞれについて説明することができるようになる。

7   <情報倫理1>   「コンピューター・エシックス」から情報倫理への変遷を概観しながら、情報倫理の基本的な問題圏を学ぶ。現在、情報技術によってどのように生活が変わってきているか、いくつかの具体的な例を検討しながら、その変化について理解する。 [対面講義」(村上)
(復習)情報倫理問題の背景を説明することができるようになる。その上で、個人情報やプラバシーといった法規の概略を説明することができる。

8   <情報倫理2>   著作権の問題を取り上げ、情報の価値についての理解を深める。また、「新しい倫理」としての情報倫理を、「対面倫理」との対比によって理解する。 [対面講義」(村上)

(復習)著作権の概要を説明できる。その上でいわゆる「コピペ」の犯罪性と「引用」の正当性を、著作権の観点から説明できる。また、個々の情報倫理の問題がなぜ解決困難であるのかを説明できるようになる。

9  <情報倫理3> 「個人情報」と「プライバシー」の違いを理解しつつ、情報の保護について学ぶ。また、情報の自分の生への影響を再度検討し、「情報への態度」にかかわる問題を概観する。 [対面講義」(村上)

(復習)個人情報やプラバシーといった法規の概略を説明することができる。自分の情報との付き合い方を省みて、問題がなかったか検討してみる。

10   <専門家の倫理1> 「専門家とは何者か」という問を手がかりに、専門家にとっての「倫理」を位置づける。その上で、「リスク」「安全」を巡る倫理と、「フォルトツリー」作成等の具体的方策の事例を学ぶ。 [対面講義」(村上)
(復習)リスクの考え方を説明でき、かつ、リスクをマネージメントする為のリスク評価についての基本的な考え方を説明できる。

11  <専門家の倫理2> 「技術者倫理」にかかわるケーススタディをとりあげ、その分析方法、現在主流の対処法を紹介しつつ、一人の専門家が立ちうる立場に応じた責務を理解する。また、専門家の倫理を支える「良心」「プライド」について、その歴史や内実を吟味し理解を深める。 [対面講義」(村上)

(復習)立場に応じた責務がどのようなものか説明できるようになる。その際、良心やプライドがどのように働くか、説明できる。

12   <倫理理論 1> 現代の応用倫理を支える理論、「自由主義」「功利主義」から「ケアの倫理」「徳倫理」まで、を概観する。理論の反省を通じて、これまで見てきた様々な倫理問題に通底する思想背景を析出することも試みる。 [対面講義」(村上)
(復習)いわゆる「倫理的立場」の主だった考え方について、その中心思想と帰結の概要を説明できる。

13  <倫理理論2> いくつかの倫理問題がそれぞれの倫理的立場からどう扱われるかを、ケーススタディとして、いくつかの事例を取り上げながら検討する。 [対面講義」(村上)

(復習)一つの倫理問題が、異なる倫理的立場(思想)からどのように眺められるのか、例を挙げて説明することができる。

14 < まとめ1> 結局「倫理的である」とはどのような生き方を選択することになるのか。これまでの学習を振り返りながら、現代に生きる自分自身の問題として倫理をとらえ直す作業をする。 [対面講義」(村上)

(復習)倫理的に考えるとか振る舞うというのが、ただ単に規則や法に従うことではないことを説明することができる。また、自分自身がどのような倫理的立場に近いのかを説明することができるようになる。

15  <まとめ2> 到達度確認テスト、 全体のまとめとして、科学者が身につけるべき倫理とはどのようなものであるかを総括的に考えることでこれまでの学習をまとめる。 [対面j試験・講義」(村上)

(復習) 授業全体の意義を再確認し、その上でこれまで学んだことを見直しながら、理解が及んでない部分を補い達成度評価試験に備える。
SBOsコード(薬学部薬学科のみ 2023年度以前カリキュラム適用者対象)
学修事項(薬学部薬学科のみ 2024年度以降カリキュラム適用者対象)

担当教員の実務経験とそれを活かした教育内容 Work experience of the instructor
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
課題や授業予定はLETUSコースで確認してください。
学会出張などで対面授業ができない回は遠隔(非同期)授業に切り替えることがあります。

受講希望者が多い時は受講者を抽選で決めることがある。(定員110名予定)
小テストは第2回から実施する(ただし、実施は第3回と同時)。第3回から受講をする学生は各自で第2回の内容を学習・理解した上で小テストを受講のこと。

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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