シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
教養フォーラム(社会と人間) (前・木5)
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Liberal Arts Forum for Freshmen(Societyand Humanity) (前・木5)
授業コード Class code
99K1592
科目番号 Course number
L1IDSEMa21

教員名
佐藤 喜一郎、船引 彩子、洪 昌極
Instructor
Funabiki, Ayako
Hong, Changguek
Ki-ichiro, Sato

開講年度学期
2025年度前期
Year
2025年度
Semester
①First semester
曜日時限
木曜5限
Class hours
Thursday 5th Period

開講学科・専攻 Department
理学部第一部(一般教養科目)、経営学部(一般教養科目)

A course of liberal arts, the Faculty of Science Division Ⅰ
A course of liberal arts, the School of Management
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
⑦ [遠隔]オンライン授業(同期)/ [Remote]Online (synchronized remote)

概要 Description
「教養フォーラム」は、大学に入学したばかりの新入生に向けて、大学で学ぶ教養とは何かを紹介するオムニバス講義です。このクラスでは、「見えないモノ、見える世界」をテーマとして、地理学、歴史学、物理学を専門とする3人の教員とともにそれぞれの学問分野の楽しさについて学びます。本科目のカテゴリー区分は、「カテゴリーA」(1年生前期のみ履修可能)です。今後みなさんが多くの一般教養科目を学んでいく前提となる科目であり、一般教養科目全体の導入・入門的な意味も持っています。
目的 Objectives
「東京理科大学型くさび型教養教育」の出発点(カテゴリーA)に本授業は位置しています。特にこのクラスでは、「見えないモノ、見える世界」というテーマをその入り口として、地理学、歴史学、物理学の面白さに気づいてもらい、次のカテゴリーB及びC、Dでの履修選択を「自由に」かつ主体的に行えるようなきっかけを提供することを目的とします。
到達目標 Outcomes
・分野の幅広さを俯瞰的に理解できる。
・テーマ「見えないモノ、見える世界」について、地理学、歴史学、物理学の視点から説明することができる。
・教養科目について自由に選択するための情報・知識を持ち、自らの関心に従って主体的に選ぶことができる。

卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
  • 出席確認は授業開始後CLASSシステムで行う(30分以降は遅刻扱いとなる。打ち忘れは出席とみなさない)。
  • 授業形式は同期型オンライン授業です。
  • 講義形式以外にアクティブラーニングを取り入れた回(14回と15回)があります。また、7/22(火)予備日に第15回目の授業を計画しています。
  • 毎週LETUSをチェックし、担当教員からのアナウンスに注意してください。
  • 履修人数の上限を40名に設定します。希望人数が超過した際には抽選となりますので、履修登録の手続き自体にも注意してください。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/小テストの実施 Quiz type test/ディベート・ディスカッション Debate/Discussion/グループワーク Group work
毎回リアクションペーパーを課す。授業を聴講後、土曜日の24時までに100字以上で内容をまとめて感想を書き、提出すること。
第1〜3回目の授業に関しては、第3週後の土曜日までリアクションペーパーの提出が可能である。

準備学習・復習 Preparation and review
準備学習:LETUSのコース上の各該当回を参照してください。
復習:講義課題の準備・提出を含めて、毎回講義内容をふりかえり、深い理解に努めてください。
成績評価方法 Performance grading policy
テスト及び課題 100%
3名の担当者による評価(小テスト、課題など)の合計点で成績評価を行います。詳細については各担当教員が説明します。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
-
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials

授業計画 Class plan
第1回  ガイダンス
担当:佐藤、船引、洪 (北海道・長万部キャンパス、神楽坂キャンパス・葛飾キャンパスの3キャンパス同時実施)
ガイダンス:「見えないモノ、見える世界」をキーワードとして、地理学、歴史学、科学論、物理学の面白さについて考えていく。それぞれ専門分野の異なる教員同士で意見交換を行うので、教養科目・分野の幅広さを俯瞰的に理解するためのヒントを得ることが期待できる。
受講方法:ZOOMへアクセスし、オンライン同期で参加する。
事前事後学習:事前にLETUS上の予習用教材を利用して準備学習を行う.事後にLETUS等で振り返りを行う。
成績評価方法:LETU等での提出物による。
出席管理方法:CLASSとZOOMによる。


第2回〜第5回(船引担当)


第2回 関東平野の地形
東京理科大学の神楽坂キャンパス、葛飾キャンパス、野田キャンパスが位置する関東平野の地形について、地図から見える特徴や、地図では見えない地形形成の歴史について概観する。

関東平野は、日本最大の平野であり、新第三紀以来続く関東造盆地運動により形成された。北は上毛三山、足尾山地、日光連山、高原山、那須岳、八溝山地・多賀山地に、西は箱根山・関東山地に、東は鹿島灘・九十九里浜に、南は房総丘陵・三浦丘陵や東京湾・相模湾に囲まれている。利根川をはじめとする多くの河川が流れ、それらが運ぶ堆積物や火山灰などによって、台地や低地などの地形が成立している。本授業では、これらの地形が地球の歴史の中でどのように形成されたのか、都市開発にどのような影響をもたらしたのか、様々な角度から検証する。


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第3回 江戸・東京の地形と歴史(古代編)

大都会のように見える東京には、旧石器時代から人々が暮らした痕跡が残っている。温暖な気候に恵まれた縄文時代には、台地・丘陵部に多くの集落が営まれた。紀元前後には水稲耕作が西日本からもたらされ、計画的な農業生産が暮らしの基礎となり、豪族が現れるようになる。東京都内の古墳は200か所以上で確認されており、ほとんどが武蔵野台地の縁辺や多摩丘陵に営まれている。また東京低地上の微高地にも古墳が存在しており、海に面した河川の流入ともあいまって多方面から文化がもたらされてことが示唆される。

7世紀後半には古代武蔵国が成立し、武蔵野台地の南端に国府が置かれた。上野台地から隅田川河畔に至る地域も武蔵国に包摂され、隅田川・荒川(古利根川)の河川交通を介して武蔵国北部とつながり、日比谷入江という東京湾の湊の機能を擁することになった。江戸のルーツとなる江戸郷はこの地域に成立することになる。

本講義では、遺跡から見えてくる当時のネットワークを紐解いていく。


第4回 江戸・東京の地形と歴史(江戸時代編)

戦国時代を経て、全国統一と平和の実現を基礎に、武士の頂点として政権を掌握した徳川氏は、17世紀初頭に江戸幕府を開く。徳川家康は江戸城下町の建設にあたり、道三堀を開削して湊と入江を結ぶ交通路を確保し、小名木川を開削して物資の流通を促した。さらに多くの掘割運河や橋が建設され、神田上水・玉川上水は都市住民の飲料水を賄い、周辺の国々から燃料として薪が運ばれた。また、利根川東遷な・荒川西遷などの大規模な河川改修も行われた。

また17世紀の後半には日本全国を結ぶ市場が成立し、江戸は大阪と並ぶ物流センターとなり、商人や職人などを中心とする都市社会は巨大城下町を成立させていく。本授業では、拡大する江戸と諸国の関係にも注意しながら、この時代の江戸が果たした役割について考える。


第5回 関東平野の災害史

私たちが暮らす関東平野は一見して安全な堤防や防災対策に守られた大都会のように見えるが、その背後には災害の悲しい歴史や、先人の知恵と見えない努力が隠されている。本講義では安政江戸地震や関東大震災、富士山の宝永噴火、カスリーン台風など、関東平野で過去に発生した災害についてそのメカニズムや被害規模について紹介し、将来の防災対策についても議論する。



第6回〜第9回(洪担当)

第6回 世界の「水」問題
私たちの生活に不可欠な「水」。人々が暮らす社会は水とどのように関わっているのか。水は私たちの社会をどのように形作ってきたのか。当たり前に存在するからこそ、普段〈見えない〉水との関わり。「水」を通して見ると〈見える〉社会。世界では6億人以上の人々が飲料水にアクセスができない。用水の配分をめぐる不均衡は世界各地で深刻な水争いを引き起こしている。一方で水のビジネスは巨大産業と化し、水企業が覇権を争っている。形のない「水」という資源は、一体誰のものか。「水」を通して今日の社会の在り方を考える。

第7回 水と近世日本の社会
静止した画像をいくら辛抱強く観察しても、その写真が一体何を写し出しているのか、〈見えない〉ことがある。動画としてその事物や事象の「動き」(=経緯・脈略)を見ることで、その本質がより明確に〈見える〉場合がしばしばある。歴史学とはまさに後者の方法に近い。人々が「水」をどのように治め、確保してきたのかについて、近世日本の農村社会を通じて歴史学の手法を用いて辿ってみる。ここでは、水利の著しい発展が見られた近世日本において、人々は水とどのように付き合い、分かち合っていたのかについて考えてみたい。

第8回 水と近代日本の社会
形のない水が「誰のものか」・「どの集団のものか」ということは、一瞥しただけでは〈見えない〉。しかし、人々は近代以降、ますます水に所有権や利用権という形で境界線を引こうとするようになった。近世までに形成された治水と利水をめぐる社会の秩序は、「近代的所有権」の台頭によって変容を迫られる。そこで大きな役割を担うようになるのが「国家」という存在である。この過程を辿ることで、本来誰のものでもない水に引かれた境界線が「見える」ようになる。ここでは、近代以降の日本の水政治の問題を辿ることで、この問題について考えてみたい。

第9回 水と現代日本の社会
現代を日本敗戦後の時代として見る時、現代という時代において水は、「誰のものか」(独占物)という次元から「みんなのもの」(共有物)であるという点がより一層重視されるようになる。水質汚染の社会問題化は、「水が万人に影響をもたらすもの」であるという認識が広まったことによる。高度経済成長期の工業用水の増大に伴う工場からの廃水、農薬・薬剤・溶剤の水への流出は、多くの深刻な公害問題を引き起こした。本授業では、近代の見直してとしての現代という視点から、目には見えない水の境界線が今日の社会ではどこに引かれているのかについて考えてみたい。

第10回〜第13回(佐藤担当)

第10回 目に見えない放射線の数理
に見えない原子や素粒子の世界は、電子から出てくる高エネルギーの粒子(光子=電磁波を含む)である素粒子を「放射線」
として観測して「目に見える形」を想像している。原子・分子以下のスケールを記述するのは量子力学であり、量子力学では様々な反応の確率計算を基にするので、結果として放射線に関わる数理として「目に見える形」を形作ることになる。この授業では原子の崩壊の様式を素粒子レベルで検討し、放射線の種類・放射能の単位、平均寿命、放射線量などの基本物理量の定量的な意味を学ぶ。

第11回 ベータ線やミューオンで見える世界
中性子・原子核のベータ崩壊について学ぶ。そのうえで、歴史を語るうえで欠かせない時間軸の基準として重要な、放射性炭素年代測定法などへの応用を学ぶ。この基礎技術を探求する中で明らかになった過去の太陽活動と気候変動などの関係などについて学び、人間の社会活動の歴史的探求への応用を学ぶ。さらに、電子の仲間にミューオンがあり、その性質を探求する中で、ミューオンを通して「見える」世界があることを学ぶ。

第12回 ミューオンやニュートリノで見える世界
宇宙線ミューオンを使った構造解析への応用を学ぶ。原子炉デブリやピラミッドの空洞の発見、火山の活動の分析などへの応用があること(ミューオントモグラフィー)を学ぶ。また、弱い力が関連する崩壊に必ず放出されるニュートリノ存在を学ぶ。ニュートリノの観測が、太陽ニュートリノや大気ニュートリノの観測が、ニュートリノの基本的な性質を探求することにつながることはもちろん、宇宙ニュートリノの観測が超新星・ブラックホール形成などニュートリノ天文学・宇宙の歴史の
探求につながっていいく一方、ニュートリノ源としての原子炉の存在を遠隔で観測できたり、ニュートリノ源としての地球の核の存在から、地球の構造をニュートリノで解析するニュートリノトモグラフィーへの応用があり、地球そのもの可視化がなされることを学ぶ。

第13回 重力で見える世界
重力は長距離力として宇宙の果てまで影響を与える力である。天文学の進化に伴い、光では見えない質量を持つ天体が銀河や宇宙に満ち満ちていることが明らかになってきている。その正体を物質化して説明するのがダークマター説である。代表的なダークマター粒子説を学び、それが宇宙の進化の歴史とどう関係するのかを学ぶ。また、重力は近距離でも特徴的な天体を形成する。星の終末には超新設爆発の残骸として、ブラックホールと呼ばれる光さえも脱出できない高密度の天体が形成されると考えられている。このブラックホールの直接観測として重力波による観測が行われ、さらに、電波観測で光さえ脱出できない影響をブラックホールの影として観測することにも成功した。究極の意味で「見えないものを見る」例として、見えない天体を科学的に「見る」ことが実際に可能になってきていることを学ぶ。
(キーワード:万有引力の法則と一般相対論による重力の幾何学化、ブラックホールと光の湾曲、ダークマターと宇宙の進化)

受講方法:ZOOMへアクセスし,オンライン同期で参加する.
事前事後学習:事前にLETUS上の予習用教材を利用して準備学習を行う.事後にLETUS等で振り返りを行う。
成績評価方法:LETU等での提出物による.
出席管理方法:CLASSとZOOMによる.


第14回
担当:佐藤、船引、洪(北海道・長万部キャンパス、神楽坂キャンパス・葛飾キャンパスの3キャンパス同時実施)

グループワークおよびディスカッション:第13回までの授業に関連する課題を事前に出題するので、当日までに各自取り組んでおくこと。当日の授業では学籍番号で指定された3人一組のグループになり、30分の制限時間の中で課題の1つを選択して議論し、各グループの答えをLETUSで提出する。その後、第2〜13回を担当した教員(佐藤、船引、洪)により、解説が行われる。

受講方法:ZOOMへアクセスし,オンライン同期で参加する.
事前事後学習:事前にLETUS上の予習用教材を利用して準備学習を行う.事後にLETUS等で振り返りを行う。
成績評価方法:LETU等での提出物による.
出席管理方法:CLASSとZOOMによる.  


第15回
担当:佐藤、船引、洪(北海道・長万部キャンパス、神楽坂キャンパス・葛飾キャンパス3キャンパス同時実施)
グループワークおよびパネルディスカッション:引き続きグループワーク・ディスカッションを行うとともに、担当教員によるまとめのパネルディスカッションを行う。最終的な課題提出への指示を行う。

受講方法:ZOOMへアクセスし,オンライン同期で参加する.
事前事後学習:事前にLETUS上の予習用教材を利用して準備学習を行う.事後にLETUS等で振り返りを行う。
成績評価方法:LETU等での提出物による.
出席管理方法:CLASSとZOOMによる.






担当教員の実務経験とそれを活かした教育内容 Work experience of the instructor
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
Y
授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
N