![]() 教員名 : 巻田 悦郎
|
科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
現代社会と倫理 (後・木4)
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Contemporary Society and Ethics
授業コード Class code
99K1300
科目番号 Course number
L1HSHUMb01
教員名
巻田 悦郎
Instructor
Etsuro Makita
開講年度学期
2025年度後期
Year
2025年度
Semester
②Second semester
曜日時限
木曜4限
Class hours
Thursday 4th period
開講学科・専攻 Department
経営学部(一般教養科目)
A course of liberal arts, the School of Management 単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義
Lecture 外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class
概要 Description
倫理学(エシックス)の入門的な講義。ある行為や人の性格が倫理的・道徳的に善かったとか悪かったとか当人や他人から評価され,また,そのことが行為を規制したり動機づけたりしている。しかし,このような善悪は何で決まり,どのようなところに根拠を有するのか。相手のことを思う行為が善い行為なのか,結果として多くの関係者に利益をもたらす行為が善い行為なのか,秩序を守る行為が善い行為なのか,自らの長期的利益を追求することが善い行為なのか……こういった,倫理学の中心問題について,現代社会で起きた具体的なケースの検討もまじえて,さまざまな見解を比較検討することで,倫理的規範の根拠について考える。
目的 Objectives
日常の生活のなかで,われわれは昨日の自身の行為を悔いたり,他人から受けた行為について憤慨したりしている。そのとき,倫理的に善いとか悪いとか判断しているのだが,その判断の根拠がどこにあるのかについて反省できるようにする。
本科目は,教養科目として,教養教育の目標の、(1)専門分野の枠を超えて広い視野で多元的・複眼的に自然・人間・社会を俯瞰できる能力,および(3)課題を自ら発見し、主体的に考え、解決に取り組むための論理的・批判的思考力,の涵養に資する。 到達目標 Outcomes
相手のことを思いやって行為することが善い行為だという考えは実際にはそれほど自明ではないこと,ある行為の影響により関係者全員に生じた快不快・幸不幸の総計の増減によってその行為の善悪を決めるのは合理主義的に聞こえるが,関係者のあいだの公正さを考慮できていないこと,欲望を我慢し利己主義を抑制することが善であるという考え方が以前は支配的であったこと,法律や慣習に従って秩序を守ることが善であるという考え方があること,自らの長期的な利益を狙って行為すれば自然とうまくいくという考え方が一見合理的に見えること,を知る。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。 You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments). https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/ 履修上の注意 Course notes prerequisites
本科目はカテゴリーBの一般教養科目である。
本科目は、履修者定員120人までの抽選科目であり、履修希望者が定員を超えたときは、抽選が実施される。 私語が多い場合は座席指定制とする。 1)小レポートを75%以上提出し,かつ,2)出席率が75%以上の履修者は履修意志あり,そうでない者は履修放棄と見なされる。 出欠は第1週を除き、CLASSの出席登録番号を使って、毎回とる。出席率は,分子がその履修者の出席回数,分母が講義が行われた回数(第1週を除く)で計算される。 アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/小テストの実施 Quiz type test
毎回の講義で、扱われたテーマに関連して投票をLETUSで実施する。
投票に関連して,選択肢を選んだ理由などについて,短く書いたものを小レポートとしてLETUSで提出する。 準備学習・復習 Preparation and review
講義を聴いたあとに,自分や人の行為を反省し,それが善いとか悪いとか評価するとき,どんな基準を使っているのかを,考えてみる。
成績評価方法 Performance grading policy
成績は,授業時に課す小レポート60%と,平常点40%の割合でつける。平常点は,授業中に出されるLETUS投票の投票率でつける。小レポートの課題はLETUSの投票の課題と関連したものが出る。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している ・B:到達目標を達成している ・C:到達目標を最低限達成している ・D:到達目標を達成していない ・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している ・S:Achieved outcomes, excellent result ・A:Achieved outcomes, good result ・B:Achieved outcomes ・C:Minimally achieved outcomes ・D:Did not achieve outcomes ・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation 教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
-
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store). https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ 参考書・その他資料 Reference and other materials
-
授業計画 Class plan
1 第一部 善悪の定義 序章 倫理学とは
序章 倫理学とは a 倫理・倫理学とは何か b 倫理の境界 c 倫理学小史 d 道徳の起源 2 第1章第1〜2節 第1章 同情説 第1節 説明 a 同情 b 生得性・直観性 c 動機説 d 心情と規則 第2節 思想家 a 孟子 b ハチソン c ヒューム d ショーペンハウアー — 相手に同情しての行為が善だとする同情説の内容を理解し,また,それを主張した思想家の思想を知る 3 第1章第3〜4節 第3節 批判 a 悪の現実 b 感情の非普遍性・非客観性 c他人の苦悩を喜ぶ d 同情と認識 e 利己主義としての同情説 f 社会と個人 g 同情と理性的な判断 h 公共の利益 第4節 ケース a 脳性麻痺 b 強制送還 — 相手に同情しての行為が善だとする同情説の問題点を理解し,具体的な事例に則して同情説の妥当性を検討する 4 第2章第1〜2節 第2章 功利説 第1節 説明 a 最大幸福原理 b 結果説 c 個人と社会 d 快楽主義 e 行為と規則 f その他 第2節 思想家 a ベンサム b ミル c ヘア — 結果として多数の人の快や利益を増加させる行為が善だとする功利説の内容を理解し,また,それを主張した思想家の思想を知る 5 第2章第3〜4節 第3節 批判 a 動機・意図 b 幸福の分配 c 幸福の計量と比較の可能性 d その他 第4節ケース a 栄光のために b 割り込み — 結果として多数の人の快や利益を増加させる行為が善だとする功利説の問題点を理解し,具体的な事例に則して功利説の妥当性を検討する 6 第3章第1〜2節 第3章 克己説 第1節 説明 a 欲望の制御 b 欲望の抑圧 c 理性 d 利己主義 e 人格の形成 f 欲望と他者 g 規則・法律 第2節 思想家 a ストア派 b アウグスティヌス c 西田幾多郎 d シェーラー — 自らの欲望をコントロールしての行為が善だとする克己説の内容を理解し,また,それを主張した思想家の思想を知る 7 第3章第3〜4節 第3節 批判 a 人間の基本的な欲求 b 理性のお題目 c 達成感への陶酔 d 自己を高める手段としての他者 e 多くの必要なことのなかの一つ f 狂信主義 第4節 ケース a 援助交際 b ギャンブル中毒 — 自らの欲望をコントロールしての行為が善だとする克己説の問題点を理解し,具体的な事例に則して克己説の妥当性を検討する 8 第4章第1〜2節 第4章 秩序説 第1節 説明 a 倫理と社会 b 生物としての社会 c 善悪の相対性 d 秩序の古層 e 規則の化石 f 代理出産の例 g 守るための規則——校則の例 h 秩序と個人の権利 第2節思想家 a ホッブス b 和辻哲郎 c シャフツベリ d マッキー — 秩序を維持し強化する行為が善だとする秩序説の内容を理解し,また,それを主張した思想家の思想を知る 9 第4章第3〜5節 第3節 批判 a 悪法・悪い秩序 b 相対主義 c 善の積極的説明 d 規則崇拝 第4節 擁護 a 悪法・悪い秩序 b 相対主義 c 善の積極的説明 d 規則崇拝 第5節 ケース a 丸刈り b ワッペン — 秩序を維持し強化する行為が善だとする秩序説の問題点を理解し,具体的な事例に則して秩序説の妥当性を検討する 10 第5章第1〜2節 第5章 利己説 第1節 説明 a 利己性 b 利他的行為の動機 c 囚人 d 秩序の自生? e 派生・逸脱 第2節 思想家 a スミス b オルソン c その他 — 自己の利益を追求する行為が善であるとする利己説の内容を理解し,また,それを主張した思想家の思想を知る 11 第5章第3〜4節 第3節 批判 a 本来の倫理 b もろい共同体 c 悪 d 倫理と経済 第4節 ケース a マザーテレサ b 金庫破り — 自己の利益を追求する行為が善であるとする利己説の問題点を理解し,具体的な事例に則して利己説の妥当性を検討する 12 第6章第1節 第6章 総合と否定 第1節 カント——4説の総合 a さまざまな要素 ア 善意(同情説) イ 理性(克己説) ウ 道徳法則(秩序説) エ 全体の幸福(功利説) b カント批判 ア 内的目的 イ 動機 説 ウ 道徳法則の必然性 エ アプリオリ オ 形式主義 カ 厳格主義 キ 複数の義務 — 同情説や克己説などの総合としてのカント倫理学の主張内容や性格を理解する 13 第6章第2節 第2節 ニーチェ——道徳捏造論 a 奴隷道徳と支配者道徳 ア 奴隷道徳 イ 支配者道徳=善悪の彼岸 ウ 権力意志 b 批判 ア 弱い者いじめ イ 社会性の否定 — 道徳は弱者が強者に対する妬みから捏造した秩序であるというるニーチェの思想を理解する 14 まとめと振り返り 15 まとめと達成度の確認 担当教員の実務経験とそれを活かした教育内容 Work experience of the instructor
-
教育用ソフトウェア Educational software
-
-
備考 Remarks
投票や講義スライドのダウンロードなどは,LETUSの「現代社会と倫理」のページで行える。
授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
N
授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
N
|