固体物理D

Solid State Physics D

9984076

84PHCMP304

齋藤　智彦

Saitoh, Tomohiko

2025年度後期

2025年度

②Second semester

火曜4限

4th period, Tuesday

先進工学部　物理工学科

Department of Applied Physics, Faculty of Advanced Engineering

2.0単位

講義

Lecture

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⑤ [対面]ブレンド型授業/ [On-site] Blended format (must include 50%-or-more classes held on-site)

固体物理学における中心的な分野の１つである磁性について講義を行います。磁気記録媒体を例に挙げるまでもなく、磁性は応用物理学において、また現代社会において不可欠な分野です。従って、本講義は磁性を応用する全ての研究・開発職に就く為にも必要な基礎知識となります。

本講義の目的は、固体における磁性の基礎知識と概念を学び、磁性現象をミクロな立場から理解できるようになることにあります。
　なお本講義は、本学科のディプロマポリシーに定める「物理学及びその応用分野を含めた科学についての十分な基礎学力と高度な専門的知識を身につけた人材」を育成するための科目です。

(1) 常磁性・反磁性・強磁性・反強磁性・磁化（率）等の基本用語の意味を非専門家に説明できるようになる。
(2) 常磁性の概略（特にキュリーの法則）を説明できるようになる。
(3) 磁気秩序（強磁性・反強磁性）の起源についてその概略を説明できるようになる。
(4) キュリーワイスの法則、キュリー温度、ネール温度等の概略を説明できるようになる。
(5) 磁性の測定手法について2つ以上挙げて概略を説明できるようになる。

リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます（学部対象）。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​

「量子力学2」の講義あるいは同等の知識（摂動、軌道角運動量、スピン角運動量等）を前提とします。

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準備学習：毎回2時間程度
復習：毎回2時間程度

授業提出物20%、学期末の到達度評価80%。

・S：到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A：到達目標を十分に達成している
・B：到達目標を達成している
・C：到達目標を最低限達成している
・D：到達目標を達成していない
・-：学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S：Achieved outcomes, excellent result
・A：Achieved outcomes, good result
・B：Achieved outcomes
・C：Minimally achieved outcomes
・D：Did not achieve outcomes
・-：Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

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教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

C. Kittel　著　「固体物理学入門下」（丸善）
Ashcroft/Mermin　著　「固体物理の基礎・下II」（吉岡書店）
金森順次郎　著　「磁性」（培風館）
志賀正幸　著　「磁性入門」（内田老鶴圃）

1. 導入・磁性の概観（１）
内容：講義概要説明。磁性の概観を行い、電子の磁気モーメント、磁化・磁化率・自発磁化、常磁性・反磁性・強磁性・反強磁性といった磁性の基礎概念を理解する。

2. 自由原子・イオンの磁性（１）
内容：磁化率を求める一般式を摂動で求め、これよりLamor反磁性を導く。またLS多重項とスピン軌道相互作用について理解する。

3. 自由原子・イオンの磁性（２）
内容：Hundの規則とLandeの式を理解し、前回の一般式からVan Vleck常磁性とCurieの法則を導く。

4. 固体の常磁性（１）
内容：3d遷移金属イオンと希土類イオンの磁性の違いを理解する。

5. 固体の常磁性（２）
内容：結晶場の効果と軌道角運動量の凍結を理解する。金属におけるPauli常磁性を理解する。

6. 磁気秩序の起源（１）
内容：交換相互作用の起源を理解する。

7. 磁気秩序の起源（２）
内容：ハイゼンベルク模型とイジング模型および様々な磁気秩序について理解する。

8. 強磁性（１）
内容：平均場近似によりCurie温度を求める。また交換相互作用、飽和磁化の温度依存性について理解する。

9. 強磁性（２）
内容：強磁性マグノンを学び、低温の飽和磁化の温度依存性はマグノンで記述されることを理解する。

10. 強磁性（３）・反強磁性（１）
内容：、強磁性体のバンド理論、強磁性体の磁区を理解する。反強磁性体の例とNeel温度を理解する。

11. 反強磁性（２）
内容：Neel温度以下の磁化率を平均場近似で求める。

12. 反強磁性（３）・磁性の測定手段（１）
内容：反強磁性マグノンについて理解する。磁性の測定手段の概観を行い、SQUIDについて理解する。

13. 磁性の測定手段（２）
内容：核磁気共鳴について理解する。

14. 磁性の測定手段（３）
内容：中性子散乱、メスバウワー効果について理解する。

15. 講義内容に関する到達度の確認と解説
内容：講義内容の到達度の確認と、その解説を行う。

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