シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
経済学特殊講義 (木3)
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Advanced Topics in Economics (木3)
授業コード Class code
9960366
科目番号 Course number
L2IDSEMc24

教員名
坂本 徳仁
Instructor
SAKAMOTO Norihito

開講年度学期
2025年度前期
Year
2025年度
Semester
①First semester
曜日時限
木曜3限
Class hours
Thursday 3rd

開講学科・専攻 Department
創域理工学部(一般教養科目)

A course of teacher education, the Faculty of Science and Technology
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
授業の概要・目的・ 到達目標
[授業の概要]
 経済・社会現象に関わる諸問題について、少人数(20名前後)のゼミ形式で研究します。履修者の関心に応じて、以下の2つの問題群について専門文献を講読し、経済・社会現象を科学的に分析する能力を涵養します。

1.望ましい組織運営、経営方法について:
経営者はしばしば自信たっぷりな態度で組織改革や経営方針の大転換を行い、大失敗をしでかすということがあります。たとえば、2008年のリーマン・ショック、1990年前後の日本のバブル、企業合併やリストラ後の大停滞、シャープの経営破綻等々。さらに、企業や政府といった組織の中には、一見すると理不尽・非効率に思える事柄がたくさんあります。たとえば、現場を知らない無能な管理職、縦割り組織の弊害、複数の審議機関の設置に伴う意思決定の鈍重さ等々。本課題では、①成功しやすい経営、失敗しやすい経営は何か、②不合理に見える組織形態は本当に不合理なのか、といった問題について科学的に分析します。

2.行動経済学の知見に基づく生活の改善方法について:
人間はある程度は理性的な判断もできる生き物ですが、しばしば不合理な判断を行ってしまう生き物でもあります。たとえば、1円でも安い食品を買うために遠くのスーパーまでわざわざ買い物に行く人が高い品物の購入では安い店で買わなかったり、試験の勉強をしなくちゃと思っているのについつい友人との無駄話やオンライン・ゲームで時間を潰したり、といったことがよくあります。本課題では、行動経済学・実験経済学の知見に基づいて、①どうすれば不合理な判断を減らして、自分の生活を改善できるのか、②どうすれば他者との交渉をうまく進めて、自分の利益を増やせるのか、にといった問題について科学的に分析します。
目的 Objectives
前述の問題を科学的に検証することで、①経済・社会現象の問題への理解を深めること、②数学は自然現象のみならず、経済・社会現象を理解する上でも強力な分析道具になることを理解すること、の2点を本講義の目的とします。
 なお、本講義は、教養教育の編成方針に定める (1)自然・人間・社会を幅広く俯瞰できる能力、(2)論理的・批判的思考力、(3)コミュニケーション能力、(4)国際性(異文化・異言語・異民族・国際問題の理解力)、を涵養するための科目です。
到達目標 Outcomes
授業の到達目標は以下の4つのものになります。
1.失敗しやすい経営手法の概要を理解し、失敗の原因を説明できる。
2.望ましい組織構築の困難さを理解した上で、様々な組織形態の長所と短所を説明できる。
3.人間の不合理性を理解した上で、望ましい行動を促す諸方法について説明できる。
4.科学的な検証手段としての統計分析の手法について説明できる。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
1.履修者の定員を20名前後とします。履修希望者が多い場合には、履修者の選抜を行います。選抜を行う場合、初回の授業でレポートを作成・提出してもらい、そのレポートをもとに履修者を選抜します。選抜に落ちた学生の単位認定はできません。なお、選抜方法の詳細については10月中にCLASSおよび講義棟一階の掲示板にて告知する予定なので、履修希望者は必ず掲示を確認し、必要な手続きを取るようにしてください。
2.履修選抜を行わない場合であっても、初回の授業では講義で扱う研究テーマや授業の進め方について説明するので、履修希望者はできるかぎり初回の授業に出席してください。
3.他の履修抽選科目に落選した上で、本講義の履修を希望する学生は、3回目の授業に必ず出席し、担当の講師に履修可能であるか確認するようにしてください。
4.履修選抜を行った結果、履修登録を認められた学生は、途中で履修登録を取り消すことが認められません。責任をもって履修登録するようにしてください。
5.積極的な発言を意識して授業に参加してください。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/ディベート・ディスカッション Debate/Discussion/グループワーク Group work/プレゼンテーション Presentation
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準備学習・復習 Preparation and review
1.発表の準備および前回の発表の反省点のまとめを行うことが求められます。
2.各回の授業後に、グループごとに小レポートを提出してください。
成績評価方法 Performance grading policy
平常点(講義での発言、発表内容等)50%、レポート50%で評価します。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
教科書はありません。参考文献リストはLETUSで配布します。また、以下の書籍が参考になるので、関心のある人は図書館で借りてください。
1.ヴァーミューレン(2013)『ヤバい経営学:世界のビジネスで行われている不都合な真実』,東洋経済新報社.
2.フィスマン&サリバン(2013)『意外と会社は合理的:組織にはびこる理不尽のメカニズム』,日本経済新聞社.
3.ダン・アリエリー(2014)『不合理だからうまくいく:行動経済学で「人を動かす」』,ハヤカワ・ノンフィクション文庫.
4.ロバート・チャルディーニ(2014)『影響力の武器:なぜ、人は動かされるのか,第三版』,誠信書房.

授業計画 Class plan
1. オリエンテーション
  参加者全員で話し合い、各参加者の研究テーマを決定する。
2〜12. 研究テーマについての調査・研究・発表
  参加者が自分で調査した内容を発表し、それを基に参加者全員でディスカッションを行う。質疑応答を活発に行うことで研究内容への理解を深める。
13〜15. 研究テーマのまとめ
  これまでに報告してきた研究内容をまとめ、よりよい期末レポートを作成するための足掛かりとする。


※参考までに、これまでの受講生のレポート課題の例を挙げておきます。どれも非常に面白い研究テーマばかりで、学科によっては卒論・修論・博論の立派な研究対象になるものです。

・時間や資金の有効活用について(時間や資金に不足する状況下における人間の意思決定の不合理性の問題とその対処法)
・人間のやる気を高めるような制度・報酬・育成方法について
・長期的な利益の重要性を理解しつつも、直近の利益を過剰に重視して失敗しがちな人間の不合理性とその対処法について
・ネットワーク分析(肥満・幸福・就職・食物連鎖・感染症予防の数理モデル)について
・自制心と社会的成功について
・お金と幸福の関係について
・離散数学における最適化問題について
・電力事業の自由化問題について
・金融派生商品の価格付けについて
・株価の変動と上手な投資方法について
・ほとんどの企業買収・合併が失敗する原因とその対処法について
・経営学者やコンサルテイング会社の話の中で根拠のある妥当な仮説と根拠のほとんど無い胡散臭い仮説について
・先行企業と後発企業の利益について
・製薬業界の製品開発と規制について
・技術のある企業が必ずしも市場を制するわけではない原因について

担当教員の実務経験とそれを活かした教育内容 Work experience of the instructor
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
なし

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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