![]() 教員名 : 内呂 拓実
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科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
創薬化学
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Medicinal Chemistry for Drug Discovery
授業コード Class code
993K171
科目番号 Course number
3aBPCHP346
教員名
内呂 拓実
Instructor
Prof. Hiromi Uchiro
開講年度学期
2025年度後期
Year
2025年度
Semester
②Second semester
曜日時限
月曜3限
Class hours
Monday/3rd period
開講学科・専攻 Department
薬学部
Faculty of Pharmaceutical Sciences 単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義
Lecture 外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class
概要 Description
本講義では、医薬品の創製にあたって必要となる「リード化合物の創出法」、「構造最適化の方法」の各項目に関する基本的な考え方について、具体的な事例から学習する。
目的 Objectives
創薬において化学者が果たすべき役割は、生体内のターゲット分子に適合する医薬品分子を設計し、実際に作り出すことにある。その役割の重要性と実際の研究活動の進め方について学ぶことを目的とする。
到達目標 Outcomes
これまでに行われた多くの創薬研究に基づいて、医薬品の作用に関する本質的な理解を得ることを目標とする。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。 You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments). https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/ 履修上の注意 Course notes prerequisites
医薬品の創出プロセスに関する話題が含まれるので、薬学部両学科学生の履修を強く推奨する。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
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準備学習・復習 Preparation and review
・学修簿に記載のある学修時間を満たすように予習・復習をしっかりと行うこと。
・教科書の最終章には、医薬品開発における成功例が紹介されているので、あらかじめ読んでおくことを推奨する。 ・講義後は授業内容の要点を整理し、理解度チェックシートに必要事項を記述して期限内に必ず提出すること。 ・試験問題の約60%は理解度チェックシートに基づいて出題される。 ・提出された理解度チェックシートは返却しないので、必要に応じて提出前に各自でコピーして保管しておくこと。 成績評価方法 Performance grading policy
・講義中に配付・回収する理解度チェックシートの評価結果(30%)と期末試験(70%)の評価結果に基づいて成績を付与する。
・理解度チェックシートが全て提出されている場合でも、期末試験の点数が著しく低い場合には単位を与えないことがある。 ・理解度チェックシートの提出遅延は減点となるので、期限内に提出すること。 ・薬学部の履修内規に基づき、特別な事情のある場合を除いて全講義回数の3分の2以上に出席していない場合には単位を与えない。 ・本科目の再試験は実施しない。 学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している ・B:到達目標を達成している ・C:到達目標を最低限達成している ・D:到達目標を達成していない ・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している ・S:Achieved outcomes, excellent result ・A:Achieved outcomes, good result ・B:Achieved outcomes ・C:Minimally achieved outcomes ・D:Did not achieve outcomes ・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation 教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
Y
書誌情報 Bibliographic information
「創薬化学」 長野哲雄他編、東京化学同人(2004)ISBN978-4-8079-0584-3
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store). https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ 参考書・その他資料 Reference and other materials
「メディシナルケミストリー」 G.L.Patrick著、北川、柴崎、富岡監訳 丸善(2003)
「メディシナルケミストリー第5版」 山川浩司他著 講談社(2004) 「創薬化学−有機合成からのアプローチ−」 北泰行他編 東京化学同人(2004) 授業計画 Class plan
第1回 イントロダクション[講義]
<内容> 医薬品の創出において化学は我々に何をもたらしてきたのかについて概説する。 <目標> ・古典的な医薬品の開発から理論的な創薬への歴史について説明できる。(薬改コアカリSBOs: Adv100) <授業外学習の指示> ・講義前に教科書第1章を読んでおくこと。 ・講義後は授業内容を整理・復習しておくこと。 第2回 創薬研究のプロセス[講義] <内容> 製薬企業における創薬研究の過程について概説し、化学の果たすべき役割を明らかにする。 <目標> ・医薬品開発を行う際に考慮すべき因子を列挙できる。(薬改コアカリSBOs:*) ・医薬品の市場の特徴と流通の仕組みについて概説できる。(薬改コアカリSBOs:B35) ・新規医薬品の価格を決定する要因について概説できる。(薬改コアカリSBOs:B33) ・希少疾病に対する医薬品(オーファンドラッグ)開発の現状と問題点について説明できる。(薬改コアカリSBOs:B(3)⑤1) ・医薬品(後発医薬品等を含む)の開発過程で行われる試験(非臨床試験,臨床試験,安定性試験等)と得られる医薬品情報について概説できる。(薬改コアカリSBOs:E194) ・医薬品製造における原子経済(原子効率)について説明できる。(薬改コアカリSBOs:Adv94) <授業外学習の指示> ・講義前に教科書第2章を読んでおくこと。 ・講義後は授業内容を整理・復習しておくこと。 第3回 創薬ターゲット分子[講義] <内容> 創薬研究においてそのターゲットとなりうる生体内分子について概説する。 <目標> ・医薬品開発の標的となる代表的な生体内分子を列挙できる。(薬改コアカリSBOs:*) ・医薬品の標的となる生体高分子(タンパク質,核酸など)の立体構造とそれを規定する化学結合,相互作用について説明できる。(薬改コアカリSBOs:*) ・タンパク質の立体構造の自由度について概説できる。(薬改コアカリSBOs:Adv27) ・生体高分子と医薬品の相互作用における立体構造的要因の重要性を、具体例を挙げて説明できる。(薬改コアカリSBOs:Adv30) <授業外学習の指示> ・講義前に教科書第3〜6章の創薬ターゲット分子に関する部分を読んでおくこと。 ・講義後は授業内容を整理・復習しておくこと。 第4回 薬物分子[講義] <内容> 薬物分子(リガンド)を構成する各構造単位について概説する。 <目標> ・生体高分子と非共有結合的に相互作用しうる官能基を列挙できる。(薬改コアカリSBOs:*) ・生体高分子と共有結合で相互作用しうる官能基を列挙できる。(薬改コアカリSBOs:*) ・リガンドの構造からその物理化学的性質(酸性度,塩基性度,疎水性,親水性など)を説明できる。(薬改コアカリSBOs:C179) ・リガンドの諸性質(置換基効果、脂溶性、酸性度、塩基性度、双極子モーメントなど)が薬物活性に及ぼす影響について、具体例を挙げて説明できる。(薬改コアカリSBOs:*) <授業外学習の指示> ・講義前に教科書第3〜6章の薬物分子に関する部分を読んでおくこと。 ・講義後は授業内容を整理・復習しておくこと。 第5回 分子間相互作用[講義] <内容>|薬物分子(リガンド)が創薬ターゲット分子に作用する際の分子間相互作用について概説する。 <目標> ・医薬品と生体分子との相互作用を化学的な観点(結合親和性と自由エネルギー変化,電子効果,立体効果など)から説明できる。(薬改コアカリSBOs:C178) ・代表的な受容体のアゴニスト(作用薬,作動薬,刺激薬)とアンタゴニスト(拮抗薬,遮断薬)との相違点について,内因性リガンドの構造と比較して説明できる。(薬改コアカリSBOs:C174) ・医薬品の構造とアゴニスト活性、アンタゴニスト活性の関係について、具体例を挙げて説明できる。(薬改コアカリSBOs:*) <授業外学習の指示>| ・講義前に教科書第3章の第5節を読んでおくこと。 ・講義後は授業内容を整理・復習しておくこと。 第6回 ファーマコフォア[講義] <内容> 医薬品の分子設計において重要となるファーマコフォアの概念について詳述する。 <目標> ・代表的な医薬品のファーマコフォアについて概説できる。(薬改コアカリSBOs:C181) ・医薬品に含まれる代表的な官能基をその性質によって分類し、医薬品の効果と結びつけて説明できる。(薬改コアカリSBOs:*) <授業外学習の指示> ・講義前に教科書第7章、第2節のファーマコフォアに関する部分を読んでおくこと。 ・講義後は授業内容を整理・復習しておくこと。 第7回 リード化合物の創出(1)[講義] <内容> 医薬品の雛型となるリード化合物を創出する方法論について詳述する。 <目標> ・代表的スクリーニング法を列挙し,説明できる。(薬改コアカリSBOs:Adv102) ・スクリーニングの対象となる化合物の起源について説明できる。(薬改コアカリSBOs:Adv101) ・コンビナトリアルケミストリーについて説明できる。(薬改コアカリSBOs:Adv103) <授業外学習の指示>| ・講義前に教科書第7章、第1節を読んでおくこと。 ・講義後は授業内容を整理・復習しておくこと。 第8回 リード化合物の創出(2)[講義] <内容> 医薬品の雛型となるリード化合物を創出する方法論について詳述する。 <目標> ・既存薬の改良の必要性について概説できる。(薬改コアカリSBOs:*) ・後発医薬品とその役割について説明できる。(薬改コアカリSBOs:B37) ・ドラッグデザインにおけるコンピューターの利用法を説明できる。(薬改コアカリSBOs:Adv107) ・計算科学を利用した薬物設計(de novo design)の有用性と現状での問題点について概説できる。(薬改コアカリSBOs:*) <授業外学習の指示> ・講義前に教科書第7章、第1節を読んでおくこと。 ・講義後は授業内容を整理・復習しておくこと。 第9回 構造最適化の方法(1)[講義] <内容> リード化合物の化学構造を最適化し、目的とする薬理作用のみを発現する医薬品を得る方法論について、具体例を挙げて詳述する。 <目標> ・バイオアイソスター(生物学的等価体)について、代表的な例を挙げて概説できる。(薬改コアカリSBOs:C182) ・生物学的等価体(バイオイソスター)を利用したリード化合物の改良について、実例を挙げて説明できる。(薬改コアカリSBOs:*) ・非ペプチド化の方法とその医薬品開発における意義について説明できる。(薬改コアカリSBOs:C189) <授業外学習の指示> ・講義前に教科書第7章、第1節を読んでおくこと。 ・講義後は授業内容を整理・復習しておくこと。 第10回 構造最適化の方法(2)[講義] <内容> リード化合物の化学構造を最適化し、目的とする薬理作用のみを発現する医薬品を得る方法論について、具体例を挙げて詳述する。 <目標> ・立体異性体と生物活性の関係について、その根拠となる理論から説明できる。(薬改コアカリSBOs:C178) ・立体異性体の分離によるリード化合物の改良について、実例を挙げて説明できる。(薬改コアカリSBOs:*) <授業外学習の指示> ・講義前に教科書第7章、第1節を読んでおくこと。 ・講義後は授業内容を整理・復習しておくこと。 第11回 構造最適化の方法(3)[講義] <内容> リード化合物の化学構造を最適化し、目的とする薬理作用のみを発現する医薬品を得る方法論について、具体例を挙げて詳述する。 <目標> ・体内動態・薬物代謝を考慮したドラッグデザインについて説明できる。(薬改コアカリSBOs:Adv105) ・副作用,毒性の軽減を目的としたドラッグデザインについて説明できる。(薬改コアカリSBOs:Adv106) ・定量的構造活性相関のパラメータを列挙し,その薬理活性等に及ぼす効果について説明できる。(薬改コアカリSBOs:Adv104) <授業外学習の指示> ・講義前に教科書第7章、第1節を読んでおくこと。 ・講義後は授業内容を整理・復習しておくこと。 第12回 化学の観点からみたプロドラッグ[講義] <内容> 既存薬(受容体作動薬)の化学構造の変化と薬理作用との関係について、具体例を挙げて詳述する。 <目標> ・プロドラッグの定義について説明できる。(薬改コアカリSBOs:*) ・医薬品開発におけるプロドラッグ化の動機について説明できる。(薬改コアカリSBOs:*) ・プロドラッグなどの薬物動態を考慮した医薬品の化学構造について説明できる。(薬改コアカリSBOs:C180) ・プロドラッグと活性代謝物について、例を挙げて説明できる。(薬改コアカリSBOs:E266) <授業外学習の指示> ・講義後は授業内容を整理・復習しておくこと。 第13回 フラグメント創薬手法[講義] <内容> 近年、新しい創薬手法として注目を集めているフラグメント創薬手法について、その開発の歴史・特徴および意義について詳述する。 <目標> ・既存の創薬手法の問題点を列挙できる。(薬改コアカリSBOs:*) ・フラグメントの定義と評価方法について説明できる。(薬改コアカリSBOs:*) ・フラグメント創薬手法の特徴と利点について説明できる。(薬改コアカリSBOs:*) ・フラグメント創薬手法の具体的な進め方について概説できる。(薬改コアカリSBOs:*) <授業外学習の指示> ・講義後は授業内容を整理・復習しておくこと。 第14回 創薬研究の実際[講義] <内容> 現在行われている創薬研究について、特に大学における事例を中心に紹介する。 <目標> ・大学における具体的な研究事例から、創薬の難しさとそれを超越することの意義について学ぶ。(薬改コアカリSBOs:*) <授業外学習の指示> ・講義前に前回までの内容について復習しておくこと。 ・講義後は授業内容を整理・復習しておくこと。 第15回 学習のまとめ[講義] <内容> これまでに学習した内容を整理し、期末試験に向けた準備を行う。 SBOsコード(薬学部薬学科のみ 2023年度以前カリキュラム適用者対象)
第1回
OEx3295AC4 第2回 OEx3374xxx B-3-2-1 OEx3281ABx OEx3282ABx E3-1-1-3 OEx3294AC3 第3回 OEx3375xxx OEx3376xxx OEx3284AC1 OEx3285AC1 第4回 OEx3377xxx OEx3378xxx C4-3-2-1 OEx3379xxx 第5回 C4-3-1-1 C4-2-3-1 OEx3380xxx 第6回 C4-3-3-1 OEx3381xxx 第7回 OEx3297AC4 OEx3296AC4 OEx3298AC4 第8回 OEx3382xxx B-3-2-3 OEx3302AC4 OEx3383xxx 第9回 C4-3-3-2 OEx3384xxx OEx3385xxx 第10回 OEx3386xxx OEx3387xxx 第11回 OEx3300AC4 OEx3301AC4 OEx3299AC4 第12回 OEx3388xxx OEx3389xxx C4-3-2-2 E4-1-4-4 第13回 OEx3390xxx OEx3391xxx OEx3392xxx OEx3393xxx 第14回 OEx3394xxx 第15回 学修事項(薬学部薬学科のみ 2024年度以降カリキュラム適用者対象)
担当教員の実務経験とそれを活かした教育内容 Work experience of the instructor
内呂 拓実
製薬企業において8年間創薬研究(探索・プロセス開発)に従事 教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)に対応する項目(SBOs)及び薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)に対応する項目(学修事項)を授業計画欄下部に示す。
なお、各項目に紐づく内容については、以下URL先に示す。 URL:https://tus.box.com/s/ilc2p0ygiyz4ncj23ckp310rmaa0efdk 授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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