シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
創薬インフォマティクス
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Informatics for Drug Discovery
授業コード Class code
993K170
科目番号 Course number
3aBPCHP345

教員名
内呂 拓実
Instructor
Prof. Hiromi Uchiro

開講年度学期
2025年度後期
Year
2025年度
Semester
②Second semester
曜日時限
水曜3限
Class hours
Wednesday/3rd Period

開講学科・専攻 Department
薬学部

Faculty of Pharmaceutical Sciences
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
現代の創薬研究では、計算科学を利用した薬物分子設計が日常的に行われるようになっている。本講義では「創薬ターゲット分子のモデリングによる可視化」、「リガンド(薬物分子)と創薬ターゲット分子との相互作用の解析」、「リガンドと創薬ターゲット分子とのドッキングシミュレーション」の3つの項目について、各自のPCを用いた実践的な学習を行う。
目的 Objectives
薬物分子の作用に関して本質的な理解を得るとともに、薬物分子設計の基本となる考え方を学ぶことを目的とする。
到達目標 Outcomes
薬学を修めた上で研究者として活躍するためには、薬物分子の作用に関して本質的な理解を得ることが不可欠の要件であり、これを目標とする。ここでいう本質的な理解とは、薬物分子および生体内のターゲット分子の立体的な構造を把握した上、これらの分子間にどのような相互作用が起こっているのかを知り、それが生命現象とどのような繋がりをもっているのかを理解することである。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
「研究活動を通じて薬学の未来を切り開くこと」を志向する学生であれば、興味・関心をもつ分野が化学または生物のいずれであっても受講を推奨する。医薬品の作用機序に関する本質的な理解の助けとなるので、薬学部両学科学生の履修を強く推奨する。

本講義は、受講者がノート型PCを持ち込んで演習を行うハンズオン学習である。受講するために必要なPCのスペックは入学時に共同購入したものを基準とする(個人的に購入した場合でも、上記のものに準ずるスペックであれば受講できる)。

何らかの特殊な要因(ハードウェア的な相性など)により、受講に必要なソフトウェアが一定の期限までにPCにインストールできない場合には、希望通りに受講できない場合がある。

2回目の講義からノートPCを用いて演習を行うので、各自忘れずに持参すること。

レポートの提出期限については、講義内で別途指示するのでこれを遵守すること。

レポートの提出期限が守られない場合は、減点の対象となるので注意すること。

最終レポートが提出されない場合は、総得点が60点以上に達している場合でも成績の付与を行わないので十分注意すること。

最終レポートの採点にあたっては、その内容(課題追究の過程に関する記述や結果に対する考察など)を重視する
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
PBL (課題解決型学習) Problem-based learning
-

準備学習・復習 Preparation and review
学修簿に記載のある学修時間を満たすように予習・復習をしっかりと行うこと。
特に各回の操作内容を必ず復習してから次回の講義に臨むこと。
成績評価方法 Performance grading policy
通常授業回のレポートに関する評価(30%)および最終レポートに関する評価(70%)による。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
-
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
特になし

授業計画 Class plan
第1回 創薬研究における計算科学の利用[講義、演習(PBL)]
<内容>
実際の創薬研究において、計算科学がどのように利用されているかについて実例を挙げて紹介し、学習に向けてのモチベーションを高める。

<目標>
 創薬研究の一連のプロセスにおける計算科学の利用目的を具体的に説明できる。(薬改コアカリSBOs:Adv107)

<授業外学習の指示>
創薬とコンピュータの関わりについて、できる範囲で調査しておくこと。  

第2回 創薬ターゲット分子のモデリングによる可視化(1)[講義、演習(PBL)]
<内容>
(1)RasMolのダウンロード
(2)RasMolのインストール
(3)PDBファイルのダウンロード
(4)RasMolによる創薬ターゲット分子の可視化

<目標>
創薬のターゲットとなる生体内分子をPC上で可視化し、その構造的な特徴を説明できる。(薬改コアカリSBOs:Adv53、 C164)

<授業外学習の指示>
下記のホームページにアクセスし、その概略を知っておくこと。
http://www.rcsb.org/pdb/home/home.do

第3回 創薬ターゲット分子のモデリングによる可視化(2)[講義、演習(PBL)]
<内容>
(1)RasMolのコマンドライン
(2)RasMolによるPDBファイルの加工

<目標>
 PDBファイルに含まれる構造情報の中から、必要なものだけを取り出してPC上で可視化することができる。(薬改コアカリSBOs:Adv53、 C164)

<授業外学習の指示>
前回までの演習内容について、よく復習しておくこと。

第4回 創薬ターゲット分子のモデリングによる可視化(3)[講義、演習(PBL)]
<内容>
(1)PDBファイルの中身に対する理解
(2)PDBファイルのテキストベースでの加工

<目標>
PDBファイルに含まれる全ての情報に関する記述法を理解し、これを利用してPDBファイルの内容を加工することができる。(薬改コアカリSBOs:Adv53、 C164)

<授業外学習の指示>
前回までの演習内容について、よく復習しておくこと。

第5回 リガンド(薬物分子)と創薬ターゲット分子との相互作用の解析(1)[講義、演習(PBL)]
<内容>
(1)Discovery Studioのインストール
(2)リガンドのモデリング

<目標>
リガンド分子の化学構造をPC上で描画することができる。(薬改コアカリSBOs:Adv53、 C164、 C178、 C179、 C181、 C182、 C183)

<授業外学習の指示>
前回までの演習内容について、よく復習しておくこと。

第6回 リガンド(薬物分子)と創薬ターゲット分子との相互作用の解析(2)[講義、演習(PBL)]
<内容>
(1)リガンドの立体配座解析
(2)リガンドの構造最適化

<目標>
リガンド分子の立体配座を計算科学的に解析し、熱力学的に最も安定な配座を求めることができる。(薬改コアカリSBOs:Adv53、 C164、 C178、 C179、 C181、 C182、 C183)

<授業外学習の指示>
前回までの演習内容について、よく復習しておくこと。

第7回 リガンド(薬物分子)と創薬ターゲット分子との相互作用の解析(3)[講義、演習(PBL)]
<内容>
(1)創薬ターゲット分子上に存在するリガンドの立体配座解析
(2)創薬ターゲット分子との結合によるリガンドの構造変化の解析

<目標>
リガンド分子の最安定配座を創薬ターゲット分子に結合した状態の配座と比較し、それら の相違点を明らかにすることができる。(薬改コアカリSBOs:Adv53、 C164、 C178、 C179、 C181、 C182、 C183)

<授業外学習の指示>
前回までの演習内容について、よく復習しておくこと。

第8回 リガンド(薬物分子)と創薬ターゲット分子との相互作用の解析(4)[講義、演習(PBL)]
<内容>
(1)ファーマコフォアモデルの作成
(2)ファーマコフォアモデルの解析

<目標>
 リガンド分子と創薬ターゲット分子との間の相互作用を可視化し、具体的なモデルとして表現することができる。(薬改コアカリSBOs:Adv53、 C164、 C178、 C179、 C181、 C182、 C183)

<授業外学習の指示>
前回までの演習内容について、よく復習しておくこと。

第9回 リガンド(薬物分子)と創薬ターゲット分子との相互作用の解析(5)[講義、演習(PBL)]
<内容>
(1)薬物相互作用マップの作成
(2)薬物相互作用マップの解析

<目標>
リガンド分子と創薬ターゲット分子との間の相互作用を可視化し、具体的なモデルとして表現することができる。(薬改コアカリSBOs:Adv53、 C164、 C178、 C179、 C181、 C182、 C183)

<授業外学習の指示>
前回までの演習内容について、よく復習しておくこと。

第10回 リガンドと創薬ターゲット分子とのドッキングシミュレーション(1)[講義、演習(PBL)]
<内容>
創薬ターゲット分子上のリガンド結合部位の決定

<目標>
創薬ターゲット分子上に存在する幾つかの疎水性部位の中から、リガンドが結合しうる部位を探索・特定することができる。(薬改コアカリSBOs:Adv53、 C164、 C178、 C179、 C181、 C182、 C183、 Adv105、 Adv106、Adv106 ) 

<授業外学習の指示>前回までの演習内容について、よく復習しておくこと。

第11回 リガンドと創薬ターゲット分子とのドッキングシミュレーション(2)[講義、演習(PBL)]
<内容>
創薬ターゲット分子上のリガンド結合部位に対するリガンドのドッキングシミュレーション

<目標>
創薬ターゲット分子とリガンドとの間に生じる複数の相互作用を特定し、その薬理作用発現における重要性を明らかにすることができる。(薬改コアカリSBOs:Adv53、 C161、 C164、 C178、 C179、 C181、 C182、 C183、 Adv105、Adv106)

<授業外学習の指示>
前回までの演習内容について、よく復習しておくこと。

第12回 リガンドと創薬ターゲット分子とのドッキングシミュレーション(3)[講義、演習(PBL)]
<内容> 創薬ターゲット分子上のリガンド結合部位に対するリガンドのドッキングシミュレーションとドッキングポーズの評価

<目標>
創薬ターゲット分子とリガンドとのドッキングシミュレーションを行い、得られたドッキングポーズをスコアリングおよび結合エネルギーの算出を通じて評価することができる。(薬改コアカリSBOs:Adv53、 C161、 C164、 C178、 C179、 C181、 C182、 C183、 Adv105、Adv106)

<授業外学習の指示>
前回までの演習内容について、よく復習しておくこと。

第13回 リガンドと創薬ターゲット分子とのドッキングシミュレーション(4)[講義、演習(PBL)]
<内容> 創薬ターゲット分子上のリガンド結合部位に対するリガンドのドッキングシミュレーションとドッキングポーズの精密化

<目標>
創薬ターゲット分子とリガンドとのドッキングシミュレーションを行い、得られたドッキングポーズをin situ Ligand Minimizationを通じてより精密なものとすることができる。(薬改コアカリSBOs:Adv53、 C161、 C164、 C178、 C179、 C181、 C182、 C183、 Adv105、Adv106)

<授業外学習の指示>
前回までの演習内容について、よく復習しておくこと。

第14回 新規リガンドの分子設計とそのドッキングシミュレーションによる評価[講義、演習(PBL)]
<内容>
創薬ターゲット分子に適合しうる新規リガンドの分子設計とそのドッキングシミュレーションによる評価

<目標>
創薬ターゲット分子に適合しうる新たな分子を設計する上で考慮すべき点を明らかにし、 その達成度を評価することができる。(薬改コアカリSBOs:Adv53、 C161、 C164、 C178、 C179、 C181、 C182、 C183、 Adv105、 Adv106  

<授業外学習の指示>
前回までの演習内容について、よく復習しておくこと。)

第15回 最終レポートの作成[試験に準ずる]
<内容>
授業内容:講義中に指示する課題に関して各自が最終レポートを作成し、その提出をもって期末試験に代える。
SBOsコード(薬学部薬学科のみ 2023年度以前カリキュラム適用者対象)
第1回
OEx3302AC4

第2回
OEx3287AC3 C4-1-1-2

第3回
OEx3302AC4 C4-1-1-2

第4回
OEx3302AC4 C4-1-1-2

第5回
OEx3302AC4 C4-1-1-2 C4-3-1-1 C4-3-2-1 C4-3-3-1 C4-3-3-2 C4-3-3-3

第6回
OEx3302AC4 C4-1-1-2 C4-3-1-1 C4-3-2-1 C4-3-3-1 C4-3-3-2 C4-3-3-3

第7回
OEx3302AC4 C4-1-1-2 C4-3-1-1 C4-3-2-1 C4-3-3-1 C4-3-3-2 C4-3-3-3

第8回
OEx3302AC4 C4-1-1-2 C4-3-1-1 C4-3-2-1 C4-3-3-1 C4-3-3-2 C4-3-3-3

第9回
OEx3302AC4 C4-1-1-2 C4-3-1-1 C4-3-2-1 C4-3-3-1 C4-3-3-2 C4-3-3-3

第10回
OEx3302AC4 C4-1-1-2 C4-3-1-1 C4-3-2-1 C4-3-3-1 C4-3-3-2 C4-3-3-3 OEx3301AC4 OEx3300AC4

第11回
OEx3302AC4 C4-1-1-2 C4-3-1-1 C4-3-2-1 C4-3-3-1 C4-3-3-2 C4-3-3-3 OEx3301AC4 OEx3300AC4

第12回
OEx3302AC4 C4-1-1-2 C4-3-1-1 C4-3-2-1 C4-

第13回
OEx3302AC4 C4-1-1-2 C4-3-1-1 C4-3-2-1 C4-3-3-1 C4-3-3-2 C4-3-3-3 OEx3301AC4 OEx3300AC4

第14回
OEx3302AC4 C4-1-1-2 C4-3-1-1 C4-3-2-1 C4-3-3-1 C4-3-3-2 C4-3-3-3 OEx3301AC4 OEx3300AC4

第15回


学修事項(薬学部薬学科のみ 2024年度以降カリキュラム適用者対象)

担当教員の実務経験とそれを活かした教育内容 Work experience of the instructor
内呂 拓実
製薬企業において8年間創薬研究(探索・プロセス開発)に従事
教育用ソフトウェア Educational software
Discovery Studio, Materials Studio
RasMol (Freeware)
Discovery Studio (BIOVIA)

備考 Remarks
薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)に対応する項目(SBOs)及び薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)に対応する項目(学修事項)を授業計画欄下部に示す。
なお、各項目に紐づく内容については、以下URL先に示す。
URL:https://tus.box.com/s/ilc2p0ygiyz4ncj23ckp310rmaa0efdk

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
N
授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
N