基礎有機化学特論Ｍ

Advanced Organic Chemistry (Basic)Ｍ

993BK54

3bBPCHP501

内呂　拓実、青木　伸

2025年度前期

2025年度

①First semester

金曜4限

薬学研究科

Graduate School of Pharmaceutical Sciences

1.0単位

講義

Lecture

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① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

・有機化学の様々な反応論を学ぶ。

・生命体における重要な高分子である蛋白質、核酸、糖鎖の構造と性質を理解し、それらを構成するアミノ酸、ヌクレオチド、糖の化学的性質と反応を理解する。

・蛋白質、核酸、糖鎖の化学合成法を理解する。

・光化学反応の理論とバイオロジーへの応用について学ぶ。

・ケミカルバイオロジーの概念を、FK506の研究を例として理解する。

・光学活性化合物の入手法について学ぶ。

・医薬分子の設計と合成において、炭素骨格の望みの位置に不斉炭素原子を導入することの意義とそのための方法論について学ぶ。

有機化学、光化学、生物有機化学、超分子化学、不斉合成に関わる基礎的知識を習得する。

有機化学、光化学、生物有機化学、超分子化学、不斉合成に関わる基礎的知識を習得する。

リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます（学部対象）。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​

なし

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学部の有機化学・生化学・物理化学などの講義を復習しておくこと

レポートを評価する

・S：到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A：到達目標を十分に達成している
・B：到達目標を達成している
・C：到達目標を最低限達成している
・D：到達目標を達成していない
・-：学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S：Achieved outcomes, excellent result
・A：Achieved outcomes, good result
・B：Achieved outcomes
・C：Minimally achieved outcomes
・D：Did not achieve outcomes
・-：Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

N

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◆創薬化学　−有機合成からのアプローチ−　北泰行・平岡哲夫編　東京化学同人
◆大学院講義　有機化学II.　有機合成化学・生物有機化学　野依・柴崎・鈴木・玉尾・中筋・奈良坂編　東京化学同人
◆生体有機化学　橋本・村田　東京化学同人
◆ブルース　有機化学（下）　化学同人

1回目　光化学反応の原理とバイオロジ—への応用　【担当：青木】
・光化学反応、発光現象の原理を説明できる。
・光化学反応のバイオロジーへの応用例（生体内分子、金属イオンに対する発光プローブ・光線力学療法など）を列挙できる。

Principles and application of photochemical reactions
・Principle and basic concept of photochemical reactions and photoluminescence
・Representative application of photochemical reactions to biology (luminescent probes of metal ions and photodynamic therapy)

２回目　ペプチド・糖鎖・核酸の生合成と化学合成【担当：青木】
・ペプチドの生合成（mRNAからペプチドへの翻訳）について説明できる。
・ペプチドの化学合成および固相合成について説明できる。
・ペプチド合成に用いる脱水縮合剤、ラセミ化について説明できる。
・糖鎖の構造と化学的性質を説明できる。
・糖鎖の生合成（酵素的合成、enzymatic synthesis）について説明できる。
・糖鎖の非酵素的合成（nonenzymatic synthesis）および酵素的＋非酵素的合成（chemoenzymatic synthesis）について説明できる。
・核酸の生合成（半保存的合成）について説明できる。
・核酸の人工合成と固相合成について説明できる。

Biosynthesis and chemical synthesis of peptides, oligosaccharides, and nucleic acids
・Biosynthesis (translation of mRNA to proteins) and chemical synthesis of peptides
・Biological (intracellular) synthesis of peptides
・Chemical synthesis and solid phase synthesis of peptides
・Biosynthesis and enzymatic synthesis of oligosaccharides
・Artificial (nonenzymatic) synthesis and chemoenzymatic synthesis of oligosaccharides
・Biosynthesis of nucleic acids
・Nonenzymatic synthesis and solid phase synthesis of nucleic acids

3回目　ホストーゲスト・超分子化学　【担当：青木】
・ホストーゲスト化学、分子認識化学について概説できる。
・代表的なホスト化合物とそれらによって認識される代表的なゲスト分子を説明できる。
・代表的な酵素モデル化合物とその機能について説明できる。
・代表的な超分子（分子集積体）とその機能について説明できる。
・代表的な分子機械とその機能について説明できる。
Host-guest chemistry and supramolecular chemistry
・Basics of host-guest chemistry and molecular recognition
・Representative host molecules and guest molecules
・Representative enzyme models and their functions
・Representative supramolecular complexes (self-assembly) and their functions
・Representative molecular machines and their functions

４回目　ケミカルバイオロジー（免疫抑制剤FK506を例として）　【担当：青木】
・天然物全合成からバイオサイエンスへの展開例を説明できる。
・免疫抑制剤（FK506、cyclophilin）の化学構造、全合成、薬理作用と機構について説明できる。
Chemical biology (such as development of immunosuppressant FK506)
・Application of total synthesis of natural products to biological science
・Chemical structure, total synthesis, biological activity of immunosuppressant compound FK506


5回目　光学活性化合物の入手法（１）　−光学分割−【担当：内呂】
・医薬品の構造中に含まれる不斉炭素原子の活性発現における重要性について、具体的な例を挙げて説明できる。
・光学活性化合物を入手する具体的な方法を列挙できる。
・優先晶出法の基本概念について説明できる。
・エナンチオマーと光学活性化合物を反応させる誘導化を経由した光学分割について、具体的な例を挙げて説明できる。
Chemical synthesis of optically active compounds (1)
・Imporance of chiral centers in clinically-used drugs
・Synthetic methods of optically active compounds
・Preferential crystallization
・Optical resolusion of enantiomers via the formation of diastereomers with optically active units

6回目　光学活性化合物の入手法（２）　−速度論的光学分割−【担当：内呂】
・速度論的光学分割の基本原理を説明できる。
・エステル化等の反応を介した速度論的光学分割について、具体的な例を挙げて説明できる。
・ラセミ化を経由した動的速度論的光学分割について、具体的な例を挙げて説明できる。
・酵素反応を利用した速度論的光学分割について、具体的な例を挙げて説明できる。
・メソ化合物の非対称化を利用した光学活性化合物の入手法について、具体的な例を挙げて説明できる。
Chemical synthesis of optically active compounds (2)
・Kinetic resolutions
・Kinetic resolutions via chemical reactions such as ester formation
・Dynamic kinetic resolution via racemization of chiral molecules
・Synthesis of optically active compounds via desymmetrization of meso compounds

7回目　光学活性化合物の入手法（３）　−ジアステレオ面選択的な不斉合成反応−【担当：内呂】
・Felkin-Anhモデルに基づく1,2-不斉誘起について、具体的な例を挙げて説明できる。
・Roush不斉アリル化反応およびBrown不斉クロチル化反応について、具体的な例を挙げて説明できる。
・Evans不斉アルドール反応およびその関連反応について、具体的な例を挙げて説明できる。
・上記の各反応の医薬品合成への応用について、具体的な例を挙げて説明できる。
Chemical synthesis of optically active compounds (3)
・Stereoselective 1.2-addition reactions based on Felkin-Anh model
・Roush asymmetric allylation reactions and Brown asymmetric allylation reactions
・Evans asymmetric aldol reactions and related reactions
・Application of these asymmetric reactions to the synthesis of the drugs

8回目　光学活性化合物の入手法（４）　−エナンチオ面選択的な不斉合成反応−【担当：内呂】
・遷移金属触媒を用いた不斉水素化反応について、具体的な例を挙げて説明できる。
・CBS触媒を用いたケトンの不斉還元反応について、具体的な例を挙げて説明できる。
・Sharpless不斉エポキシ化反応について、具体的な例を挙げて説明できる。
・Sharpless不斉ジヒドロキシル化反応について、具体的な例を挙げて説明できる。
・不斉向山アルドール反応について、具体的な例を挙げて説明できる。
・不斉分子触媒を用いた炭素-炭素結合生成反応について、具体例を挙げて説明できる。
・上記の各反応の医薬品合成への応用について、具体例を挙げて説明できる。
Chemical synthesis of optically active compounds (4)
・Asymmetric hydrogenation reactions using transition metal catalysts
・Asymmetic reductions of ketones using Corey- Bakshi-Shibata catalysts
・Sharpless asymmetric epoxidations for the synthesis of optically active epoxides
・Sharpless asymmetric dihydroxylations for the synthesis of optically active 1,2-diols
・Asymmetric Mukaiyama aldol reactions for the C-C bond formations
・Asymmetric reactions using optically active organocatalysts
・Application of asymmetric reactions mentioned above to the synthesis of the drugs

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なし

N

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