![]() 教員名 : 宮川 宣明
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科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
統計力学A
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Statistical Mechanics A
授業コード Class code
9915164
科目番号 Course number
15PHTSM202
教員名
宮川 宣明
Instructor
Nobuaki MIYAKAWA
開講年度学期
2025年度前期
Year
2025年度
Semester
①First semester
曜日時限
木曜2限
Class hours
Thursday, 2nd period
開講学科・専攻 Department
理学部第一部 応用物理学科
Department of Applied Physics, Faculty of Science Division Ⅰ 単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義
Lecture 外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
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授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class
概要 Description
本講義では、平衡状態における物質の示す巨視的な性質を微視的観点から捉える統計力学の方法論を学ぶ。
目的 Objectives
統計力学の方法論を用いて熱力学の基本関係式および平衡値まわりのゆらぎを求め、多粒子系の性質を理解することを目的とする。
本学科のカリキュラム・ポリシーに定める、現代物理学と関連科学技術への理解を深める内容を含む科目である。 到達目標 Outcomes
熱平衡系のミクロカノニカル集団、カノニカル集団に対する統計力学の方法論を身につける。
1.確率論の基本的な概念を学び、多粒子系のマクロ変数の期待値およびその期待値まわりのゆらぎの求め方を身につける。 2. 様々な集団に対する確率分布を導出できるようにし、その応用法を身につける。 3. 熱力学的諸量を統計力学の手法により求められるようになる。 4. 古典統計力学近似の考え方およびその応用法を身につける。 卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。 You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments). https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/ 履修上の注意 Course notes prerequisites
講義の中で演習にさける時間が極めて少ないので、統計力学演習Aを必ず一緒に履修すること。
この講義は、反転講義となるので、講義日までに予習として映像を視聴してから、講義を受けること。講義の進め方は、ガイダンスをしっかりと聞くこと。 アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
小テストの実施 Quiz type test/反転授業 Flipped classroom
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準備学習・復習 Preparation and review
準備学習(2時間/回)
指定した教科書およびLETUSにUPされる講義映像資料を事前に視聴しておくこと。 復習(2時間/回) 各回の講義内容を十分に復習し、課題や小テストを行う。 余力があれば講義でやったことに関連する章末の演習問題、および参考書にしている大学演習「熱学・統計力学」を利用して、問題を解くことにより理解度深めることをお勧めする 成績評価方法 Performance grading policy
到達度確認(中間考査、期末考査、レポートなど)(60~85%)と平常点(小テスト、講義への積極的参加など)(15~40%)で総合評価する。難易度により上記範囲で調整する。
但し、講義には10回以上は参加すること。また試験では難易度により合格の最低点を設定する予定です。その最低点をクリアーできない場合および出席回数不十分である場合は不合格となる可能性があるので注意すること。 学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している ・B:到達目標を達成している ・C:到達目標を最低限達成している ・D:到達目標を達成していない ・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している ・S:Achieved outcomes, excellent result ・A:Achieved outcomes, good result ・B:Achieved outcomes ・C:Minimally achieved outcomes ・D:Did not achieve outcomes ・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation 教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
Y
書誌情報 Bibliographic information
長岡洋介著 統計力学 岩波書店
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store). https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ 参考書・その他資料 Reference and other materials
参考書・参考資料等
田崎晴明著 統計力学I、II (培風館) 久保亮五著 統計力学(共立全書) 久保亮五、市村浩、碓井恒丸、橋爪夏樹 著、大学演習「熱学・統計力学」裳華房 鈴木増雄著 統計力学 (岩波書店) ライフ著、中山、小林訳「統計熱物理学の基礎」吉岡書店 W.G.V. Rosser著、堂山、石井訳「統計力学入門」丸善 齋藤晃一、半澤克郎、渡辺一之、二国徹郎 著「理工系の基礎 物理学Ⅱ」丸善出版 授業計画 Class plan
1 統計力学の基礎(その1):確率論 統計力学の考え方を理解できるようになる。物理量の平均値およびそのまわりの揺らぎの求め方を理解する。チェビシェフ不等式と大数の法則を理解できるようになる
2 統計力学の基礎(その2):確率の扱いに慣れる ベルヌーイ試行の問題より二項分布を理解・モーメント母関数の導出、モーメント母関数より期待値、分散、ゆらぎを導出できるようになる ガウス分布、ポアソン分布を理解できるようになる スターリングの公式 3 統計力学の基礎(その3):基本的な量子系である(調和)振動子系を例に統計力学的取り扱い方の習得 孤立系における確率モデル、等重率の原理、ボルツマンの原理、エントロピーの意味、温度の定義 4 ミクロカノニカル分布とエントロピー(その1):孤立系に対する平衡状態を記述する第1の確率モデルを理想気体を例に理解し、かつ非局在量子系である理想気体の取り扱い方を身に着ける。 離散的な量子状態、境界条件の選び方、微視的状態数、状態密度の定義、非局在粒子系におけるボルツマンカウント Γ関数の定義 N次元空間における球の体積 エントロピーの計算法 5 ミクロカノニカル分布とエントロピー(その2) 熱平衡での理想気体の分子分布、速度分布を求める手法を理解できるようになる 粗視化、ラグランジュの未定計数法、ボルツマンの逆温度 6 ミクロカノニカル分布とエントロピー(その3) :熱力学関係を理解し、微視的量子状態数から熱力学量を計算できるようになる 完全な熱力学関数と自然な変数 理想気体の状態方程式の導出および高温での定積・低圧比熱 1次元固体の比熱 ミクロカノニカル分布とエントロピー(その4) 2準位系を理解できるようになる。 2準位系のエントロピー、エネルギー、比熱(ショットキー型比熱) 7 (中間到達度確認) 本科目の授業内容に関する到達度の確認と解説を行う。 8 カノニカル分布と自由エネルギー(その1) 第2の確率モデルを理解する。 分配関数(状態和)の導出 任意の物理量のカノニカル分布による期待値の計算法 エネルギーのゆらぎと比熱の関係 熱力学不等式 9 カノニカル分布と自由エネルギー(その2) :カノニカル分布の正当性の確認。 ヘルムホルツの自由エネルギーの統計力学的定義を身に着ける。 自由エネルギーの最小原理を理解できるようになる。 理想常磁性体(2準位系)の問題をカノニカル分布を利用して計算できるようになる キュリー・ランジュバンの法則を導出 1次元固体の問題をカノニカル分布より計算 10 カノニカル分布と自由エネルギー(その3) 理想気体の問題をカノニカル分布より計算 ポアソンの関係式 自由エネルギー最小原理 表面吸着問題(エネルギーとエントロピーの競合) T-p分布を理解できるようになる。 ギブスの自由エネルギーを理解できるようになる。 等温圧縮率 11 カノニカル分布と自由エネルギー(その4) 熱力学の諸関係を理解できるようになる。 オイラーの関係式 マクスウェルの関係式 12 古典統計力学の近似(その1) 量子論と古典論の違い、古典統計力学近似を理解できるようになる。(解析力学を復習しておくこと。) 位相空間(Γ空間とμ空間) ルジャンドル変換 前期量子論:軌道の量子化(ボーア・ゾンマーフェルトの量子化規則) ハイゼンベルグの不確定性関係 13 古典統計力学の近似(その2) : 古典近似された分配関数の導出と物理量の計算(振動子系と理想気体、非調和振動子系) 14 古典統計力学の近似(その3) :古典統計力学の応用、エネルギー等分配の法則を理解できるようになる。 相互作用のある1次元気体(剛体球モデル) 15 達成度評価と解説(対面) 本科目の授業内容に関する到達度の確認と解説を行う。 担当教員の実務経験とそれを活かした教育内容 Work experience of the instructor
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
LETUSを利用するので必ず見ること
授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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