科学・研究と倫理

科学・研究と倫理

990C127

L2LBARTs33

伊吹　友秀

IBUKI, Tomohide

2025年度後期

2025年度

②Second semester

火曜4限

Tuesday, 4th

生命科学研究科　生命科学専攻

Department of Biological Sciences, Graduate School of Biological Sciences

2.0単位

講義

Lecture

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① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

現代社会において、研究という営みと倫理は非常に密接な関係にあります。たとえば、研究データのねつ造や他人のデータの盗用などが発覚した場合には、「倫理」の名のもとに苛烈な批判が向けられます。また、昨今、多くの研究分野において研究者に対する倫理教育の必要性が声高に叫ばれるようにもなってきています。
あるいは、科学技術の開発や利用に際しても倫理が問題になることが少なくありません。今やAIやロボットの開発・利用に際して倫理の観点からの検討が重要であることが繰り返し強調されています。また、これらの技術が戦争利用されることの是非の問題もあります。他にもクローン人間に代表されるように医科学技術の利用や開発についても、あらゆる技術が手放しで称賛されているわけではありません。
では、これらの場面で問題となっている「倫理」とはいったいどういったものなのでしょうか?本講義では、現代の研究者、および、技術者が直面するような多様な倫理的問題について検討し、受講者自らそれらの問題に対して真剣に向き合っていくための方法について教授していきます。そのため、講義に際しては、たんに知識の伝授にとどまらず、受講生同士のディスカッションや数人のグループによる事例検討とその成果の発表なども織り交ぜながら進めていきます。最終的には研究者、あるいは、技術者の一端である大学院生として、これらの問題に対して必要な知識を身に着けたうえで、さらに、自分なりの考え方を表現できるようになることを目指します。

In recent years, "ethics" becomes more and more important in research practice. For example, people will accuse falsification of scientific data under the name of ethics. And ethics education for researchers becomes necessary for researchers.
Also in the context of technology development of using technology, such as development of AI or robots, military use of them, people have to face ethical problems.
In this class, students have to consider those ethical problems which researchers and engineers will face in contemporary society. Students will consider those problems not only through taking lectures but also through group discussions and presentations.

研究者、技術者の一端である大学院生として必要な研究や科学に関わる倫理的な諸問題について十分に理解したうえで、それらの問題に対する自分なりの考え方を表現できるようになること

To understand ethical problems necessary for graduate students as part of researchers and engineers, and to come to be able to respond those problems

・研究倫理における諸問題について、基本的な知識を習熟し、自らこれらの問題を批判的に考察できるようになる
・科学技術に関わる倫理的な諸問題について、基本的な知識を習熟し、自らこれらの問題を批判的に考察できるようになる
・研究や科学技術に関わる倫理的な諸問題について、自ら文献等を調査して問題を発見し、それらの内容について発表できるようになる

・To come to be able to consider research ethics critically
・To come to be able to consider scientific ethics and engineering ethics critically
・To come to be able to find ethics problems with research and science technology and to answer them by one's own

リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます（学部対象）。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​

課題に対する作文　Essay／ディベート・ディスカッション　Debate/Discussion／グループワーク　Group work／プレゼンテーション　Presentation

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各講義内では小レポートなどの課題が課されることがあります。また、学生同士でディスカッション等をする時間もありますので、これらを通じて講義の内容についてよりよく理解を深めてもらいたいと思います。
また、グループごとに研究や科学技術をめぐる倫理的な問題について調べて発表する機会もありますので、各回の発表の担当グループは事前に発表内容について準備をしてください。
なお、授業後にはその授業のレジュメを配布する予定ですので、適宜それらを見直しながら理解を深めていき、必要や各人の関心に応じて各回で紹介する参考文献を読了するようにしてください。

Students have to hand short papers for several times and have to participate group discussions.
Students have some opportunities to make a presentation by group, so students have to prepare for it.

成績評価は、講義内の小レポート・ディスカッション等への参加態度・グループごとの発表を50％、テストまたはレポートを50％として100点満点で採点し、60点以上を合格とします

The grade will be marked by participation (discussion, small essay, presentation etc) as 50% and the last paper or test by 50%.
More than 60 need to get the credit.

・S：到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A：到達目標を十分に達成している
・B：到達目標を達成している
・C：到達目標を最低限達成している
・D：到達目標を達成していない
・-：学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S：Achieved outcomes, excellent result
・A：Achieved outcomes, good result
・B：Achieved outcomes
・C：Minimally achieved outcomes
・D：Did not achieve outcomes
・-：Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

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教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

講義内において適宜紹介する

第1回　ガイダンス：講義概要・受講上の諸注意等を行う
1. Guidance: introduction of course

第2回　生命倫理学入門：生命倫理の概要や歴史について学ぶ
2. Bioethics: history and idea of bioethics

第3回　研究倫理①研究不正と責任ある研究活動：FFPをはじめとした研究不正の問題について理解し、説明できるようになる
3. Research ethics 1: research misconduct and responsible research practice

第4回　研究倫理②オーサーシップ・利益相反・研究の悪用の問題：研究上の疑わしい諸行為について理解し、それに付随する問題について考察を深める
4. Research ethics 2 : authorship, conflict of interest and dual use

第5回　研究倫理③事例検討：グループごとに研究不正／オーサーシップ／被験者保護等について事例発表を行う
5. Research ethics 3: group presentation by students about research misconduct or authorship

第6回　研究倫理④動物実験の倫理：動物倫理の諸理論を基盤に動物実験を行う際の倫理的配慮について説明できるようになる
6. Research ethics 4: animal ethics

第7回　研究倫理⑤被験者保護・個人情報保護：人を対象に研究をする際の倫理規範や倫理指針、法について理解し、説明できるようになる
7. Research ethics 5: protection of human subjects

第8回　レポートの書き方①
8. Critical writing 1

第9回　科学技術と倫理①技術者の倫理：専門職倫理としての技術者の倫理について理解し、自身の考えを説明できるようになる
9. Science technology and ethics 1: professional ethics

第10回　科学技術と倫理②ロボット倫理・AIの倫理：ロボットやAIの開発等に伴う倫理的問題について理解し、自身の考えを説明できるようになる
10. Science technology and ethics 2: ethics of AI and robot

第11回　科学技術と倫理③科学技術と戦争：科学技術と戦争に関わる問題について理解し、今後の科学技術と戦争とのかかわりのあるべき姿について自身の考えを説明できるようになる
11. Science technology and ethics 3: Science technology and war

第12回　科学技術と倫理④クローン・再生医療：クローンやES細胞の作成等に伴う倫理的な問題について理解し、自身の考えを説明できるようになる
12. Science technology and ethics 4: ethics of cloning and regenerative medicine

第13回　科学技術と倫理⑤事例検討：グループごとに科学技術倫理に関連する問題について事例発表を行う
13. Science technology and ethics 5: group presentation by students about science technology and ethics

第14回　レポートの書き方②
14: Critical writing 2

第15回　まとめと総括：ここまでの講義を振り返り、知識の定着を目指す
15: Add-up

※一部の講義については外部からの講師を招いての特別講義にすることがあります
※すべての講義は原則として対面で実施します
※受講者の理解状況や興味関心等に応じて、講義の進度や内容に変更の生じる場合があります。

・文部科学省研究振興局ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室技術参与/ staff of MEXT
・研究倫理コンサルタント/ research ethics consultant
・倫理委員会委員/IRB member

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毎回の講義や自己学習において生じる質問や疑問がある場合には、基本的にはいつでも歓迎しておりますので、遠慮なくお尋ねください。

Questions are fully welcome, don't hesitate to ask

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