シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
教養演習 (後期木3・吉田)
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Liberal Arts Seminar (後期木3・吉田)
授業コード Class code
99KT50H
科目番号 Course number
L3IDSEM122

教員名
吉田 裕
Instructor
Yutaka YOSHIDA

開講年度学期
2024年度後期
Year/Semester
2024
曜日時限
木曜3限
Class hours
Thursday / Third Term

開講学科・専攻 Department
工学部(一般教養科目)、先進工学部(一般教養科目)

A course of liberal arts, the Faculty of Engineering
A course of liberal arts, the Faculty of Advanced Engineering
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
演習

Seminar
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
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授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
  本演習では、トランス・ジェンダーをめぐる文献を購読する。近年、トランス・ジェンダーや性的少数者をめぐる話題は、政治的・社会的な問題と切り離せない。トランス・ジェンダーについてはごく一部の目に見える形で認知はされつつあるものの、誤った言論や人を傷つける言論がネット上のみならず垂れ流される状況もあとを絶たない。それは、法制度や社会的な理解を促進するべき教育の場での制度設計が追いついてないためでもある。その結果、公的な言論の場できちんとした仕方で理解が進んでいない。その意味で、2023年に出版された高井 ゆと里、周司 あきら『トランスジェンダー入門』(集英社新書)は重要な問題提起である。
 トランス・ジェンダーの問題は、国内の文化や政治の場のみならず、国際政治ともかかわってくる。日本語圏でもまた、これらの影響は無視できない形で広がりつつあるものの、わたしたちがそれらに応答する自分たちの共通の言葉を紡ぎ出すことができているかといえば、まだまだ何かが足りないと思わざるを得ない。
本演習では、これらの言葉を獲得する足掛かりをつかむための点検作業が中心となる。授業の後半では、 風間 孝 、河口 和也『同性愛と異性愛』(岩波新書、2010年)も読み進めたい。  トランス・ジェンダーの問題は異性愛の問題を考え直すことでもあるからだ。また、関連する小説や映画についても読解及び鑑賞する予定である。
目的 Objectives
  世界と日本の政治的・歴史的・文化的な条件やその差異を丁寧に洗い出しつつ、トランス・ジェンダーや性的少数者について批判的に思考する言葉が近年どのように生まれてきたかをまずは確認する作業をこの授業の出発点としたい。また、フェミニズムやクイア・スタディーズを、レイシズムや階級との相互的な関連のもとに思考する「インターセクショナリティ」なる概念も、近年注目されつつある。そのような意味で、トランス・ジェンダーについての思考とどまらず、フェミニズムをはじめとする関連する諸分野についても学ぶ予定である。
 受講者には、自身の経験にとどまらず、他者の経験を理解するための想像力や言葉のあり方を積極的に学ぶ場として、この場を利用してほしい。
到達目標 Outcomes
1. トランス・ジェンダーとは何かについて、現代に至るまでの歴史的・文化的な概念や議論の過程を知ること。
2. 異性愛への批判がどのような背景から生まれて、どのような課題に直面しているのかを、自分の言葉で説明できるようになること。
3. トランス・ジェンダーについて書かれた文献を理解し、自分の解釈を行うだけでなく、人の意見に対して建設的な応答ができるようになること。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
授業は基本的に文献購読と議論が中心となる(毎回30から40ページ程度)。必ず課題箇所を読んでくること。また、参加者は一回発表を行うこととする。発表の仕方については授業初回に説明する。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
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参加者は学期中に一回発表を行うこととする。また、学期末には短めのレポート提出が要求される。

準備学習・復習 Preparation and review
発表者以外も、必ず課題箇所を読んでくること。
成績評価方法 Performance grading policy
授業参加度+発表(50%)
期末レポート(50%)

4回以上欠席をした場合、成績をつけることができないので注意すること。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
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書誌情報 Bibliographic information
高井 ゆと里、周司 あきら『トランスジェンダー入門』(集英社新書、2023年)をテキストとする。テキストは購入する必要はない。授業の資料はこちらで作成する。必要な場合は、授業支援システムにて配布する。
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
岩川ありさ『物語とトラウマ: クィア・フェミニズム批評の可能性 』青土社、2022年
風間 孝 、河口 和也『同性愛と異性愛』岩波新書、2010年。
清水晶子『フェミニズムってなんですか?』 文春新書、2022年。
『現代思想 特集=インターセクショナリティ —複雑な〈生〉の現実をとらえる思想』2022年5月号。
ショーン・フェイ 『トランスジェンダー問題——議論は正義のために』 高井 ゆと里 訳、明石書店、2022年。
田崎英明『ジェンダー/セクシュアリティ (思考のフロンティア)』岩波書店、2000年。
パトリシア・ヒル・コリンズ、スリマ・ビルゲ『インターセクショナリティ』小原理乃訳、下地ローレンス吉孝監訳、2021年。


授業計画 Class plan
第1回 イントロダクション
第2回 『トランスジェンダー入門』(1)
第3回 『トランスジェンダー入門』(2)
第4回 『トランスジェンダー入門』(3)
第5回 『トランスジェンダー入門』(4)
第6回 『トランスジェンダー入門』(5)
第7回 『トランスジェンダー入門』(6)
第8回 『トランスジェンダー入門』(7)
第9回  映画鑑賞
第10回  『同性愛と異性愛』(1)
第11回 『同性愛と異性愛』(2)
第12回   『同性愛と異性愛』(3)
第13回 『同性愛と異性愛』(4)
第14回 『同性愛と異性愛』(5)
第15回 まとめと討論

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
進度は場合によって変更することがある。その場合は、授業中にその都度お知らせする。
また状況により、オンライン授業システムを併用する。
その際は、授業支援システムを通じてお知らせする。

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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