![]() 教員名 : 佐藤 喜一郎
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科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
現代物理学概論 (後・月3)
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Introduction to Modern Physics (後・月3)
授業コード Class code
99K8108
科目番号 Course number
L1NATURb23
教員名
佐藤 喜一郎
Instructor
Ki-ichiro Sato
開講年度学期
2024年度後期
Year/Semester
2024 1st semester
曜日時限
月曜3限
Class hours
Wendsday 2nd Period
開講学科・専攻 Department
経営学部(一般教養科目)
A course of liberal arts, the School of Management 単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義
Lecture 外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
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授業の主な実施形態 Main class format
⑦ [遠隔]オンライン授業(同期)/ [Remote]Online (synchronized remote)
概要 Description
現代物理学は、特殊相対性理論の登場によるニュートン力学の否定、一般相対性詩論の登場によるニュートンの万有引力の改良、そして量子力学の登場によるニュートン力学&決定論の否定により20世紀初めにその姿が明らかになり、20世紀半ば以降21世紀には相対論と量子論の応用により様々な物理現象象を説明できるようになり、日常への応用も図られている。
本授業では、歴史的な進行に準拠して特殊相対性理論(1905)、一般相対性理論(1915)、量子力学(1925)の成立過程を学びその本質を学ぶ。 また、相対論や量子論を使ってはじめて理解可能な物理現象や応用を理解する。(Topicとして光速度不変にまつわる不思議な速度合成則・時間の相対性・光の取り扱いの特殊性、重力波、光の湾曲、ブラックホールや宇宙論の進展・GPS、原子物理学・特にspin、素粒子物理学、そして、情報理論と量子力学の融合分野である量子情報理論・量子コンピュータ、ブラックホールの熱力学・蒸発・そして情報喪失問題等々を扱う) 目的 Objectives
理学部第一部のカリキュラムポリシー
(4)専門分野だけに偏ることなく、人間と自然のための科学技術の創造と調和を実現するため、広く深い知識や教養、豊かな人間性や倫理観を涵養する教育課程の編成を行う。また、他学部や大学院で開講されている科目であっても可能であれば履修を認め、学生が幅広い学習機会を持てるようにし、社会に貢献できる人材を育てる。 経営学部、経営学科、ビジネスエコノミック学科、国際デザイン経営学科のカリキュラム・ポリシーの4 に規定される 「⾃然・⼈間・社会を幅広く俯瞰できる能⼒、論理的・批判的思考⼒、コミュニケーション能⼒、国際性、⾃⼰管理能⼒を養う」 ための科⽬の⼀つである。 現代物理学の最先端話題が、100年前に誕生した相対論と量子論が支えている事情を学ぶ。 到達目標 Outcomes
・ニュートン力学と特殊相対性理論での時間の取り扱いの違いを説明できる
・時間座標の意味、固有時の意味、光速度不変の意義を説明できる ・電磁気学が示唆する4次元時空という観点を理解する ・電磁気学がゲージ理論であることを理解する ・ローレンツ変換の意味とEinsteinの式・静止質量の意味を説明できる ・一般相対論での重力の幾何学的取り扱いEinstein方程式の意味を理解する ・基本量としての線要素と計量テンソルを説明できる、 ・重力波では何が変化するのは説明できる。 ・Einstein方程式の真空厳密解としてブラックホールが表されることを理解する ・Einstein方程式の宇宙論的解としての一様等方の膨張宇宙模型を説明できることを理解する ・インフレーション・ダークエネルギーを表す宇宙項とはなにか理解する ・量子力学の基本法則を線形代数学と関連させて説明できる ・spin角運動量の量子化とその合成と理解する ・Heisenbergの不確定性関係とは何かを説明できる ・量子もつれ・ERR状態とは何かを説明できる ・Dirac方程式とSchroedinger方程式の関係を説明できる ・量子力学の確率解釈(Born)、波束の収縮、EPRパラドッククス、量子もつれと量子情報などを理解する ・相対論的場の量子論を使って素粒子物理学が展開され、素粒子の標準模型・ゲージ理論による力の統合が図られることを理解する ・曲がった時空における量子力学でHawking輻射などがあることを理解する ・とブラックホールの蒸発、ブラックホールの熱力学、ブラックホールのエントロピーという物理分野があることを理解する。 ・さらに、これが量子情報理論と結びつく分野があることを理解する 卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。 You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments). https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/ 履修上の注意 Course notes prerequisites
大学1年生での基礎科目「線形代数学」、とりわけ、線形演算子による変換と不変性(対称性)の表現、固有値問題とベクトル空間での表現(直交補空間・直和に分解など)など、についての知識が相対論・量子論ともに大いに役に立つ。線形代数学が役に立つ分野があることを常に意識しておくと数学の学習の動機付けにもなるので、線形代数学の教科書を開きながら受講すると良い。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/グループワーク Group work
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準備学習・復習 Preparation and review
大学の授業は、時間割上の授業時間に加え、その2倍にあたる授業時間外の学習(予習・復習)をもって構成される。
本授業は2単位なので、以下のように、予習・準備学習と復習であわせて4時間の学習を行う必要がある。 【準備学習】 授業用の参考資料はLETUS(https://letus.ed.tus.ac.jp/course/view.php?id=180757)に掲載するので、授業前に必ず目を通すこと。線形代数学での行列・ベクトルの取り扱いができる前提で話を進める部分があるので、該当授業項目に関連する線形代数学の復習は準備学習の中では重要な位置を占める。 【準備学習】 授業の板書などや追加資料、参考のURLなどは随時LETUSに掲載するので、復習に役立てる。 成績評価方法 Performance grading policy
到達度評価 50%, 小テスト・レポート課題 50%で総合的に評価する.
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している ・B:到達目標を達成している ・C:到達目標を最低限達成している ・D:到達目標を達成していない ・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している ・S:Achieved outcomes, excellent result ・A:Achieved outcomes, good result ・B:Achieved outcomes ・C:Minimally achieved outcomes ・D:Did not achieve outcomes ・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation 教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
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書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store). https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ 参考書・その他資料 Reference and other materials
量子論の歴史
1. シュポルスキー、原子物理学I、東京図書、 2. 朝永振一郎、新版 スピンはめぐる、みすず書房、978-4-622-07369-7 3. 田崎晴明、熱力学、培風館、 量子力学の教科書 0. 中原幹夫、量子物理学のための線形代数-ベクトルから量子情報へ-、培風館、978-4-5630-2016-8 1. 清水明、新版 量子論の基礎、サイエンス社、4-7819-1062-9 2. 猪木慶治・川合光、量子力学I, II、講談社、 3. フォン・ノイマン、量子力学の数学的基礎、みすず書房、 4. ランダウ・リフシッツ、量子力学、 5. ランダウ・リフシッツ、小教程 量子力学、 6. JJSakurai、Modern Quatum Mecanics, Springer 相対論的量子力学の教科書 1. Dirac、量子力学、岩波書店、 2. 西島和彦、相対論的量子力学、培風館、 3. 日笠健一、SGC105 ディラック方程式、サイエンス社 一般相対論的場の量子論の教科書(Dirac方程式などを含む) 1. 藤井保憲、超重力理論入門、 2. 松尾衛、相対論とゲージ場の古典論を嚙み砕く、現代数学社、978-4-7687-0508-7 一般相対性理論入門 1. 藤井保憲、時空と重力、産業図書、4-7828-1102-0 2. 内山龍雄、相対性理論、岩波書店、 3. 内山龍雄、一般相対性理論、裳華房 4. 須藤靖、一般相対論入門、日本評論社、4-535-78422-1 5. 須藤靖、もうひとつの一般相対論入門、日本評論社、978-4-535-78634-9 一般相対性理論とWeylのゲージ理論、重力理論の展開 1. 内山龍雄、一般ゲージ場序説、岩波書店、4-00-005040-0 2. 前田恵一、SGC63 重力理論講義、サイエンス社 3. K.Maeda and Y.Fijii, The Scalar-tensor Theory of Gravitation, Cambridge University Press, 0-521-81159-7 量子情報と時空の物理 1. 堀田昌寛、SGC103 量子情報と時空の物理、サイエンス社、 2. 高柳匡、SGC106 ホログラフィー原理と量子エンタングルメント、サイエンス社 授業計画 Class plan
1. ガイダンス
現代物理学の成立史、21世紀の最先端の物理学へのいざない 2. 特殊相対性理論1 電磁気学の4つの基本法則(Maxwell方程式)とは、Lorentz変換、光=電磁波の記述、4次元(Minkowski)時空における力学記述1 3. 特殊相対性理論2 4次元時空とは、4次元時空におけるMaxwell方程式の記述、4次元時空における力学の記述2、固有時とは、ゲージ変換 4. 特殊相対性理論3 4次元時空における力学の記述3、時間の相対性・パラドックス、ローレンツ収縮Einsteinの式(エネルギー・運動量の4次元ベクトル化)とその解釈について学ぶ 5. 一般相対性理論1 一般座標変換と4次元時空の記述、線要素と計量テンソル、曲率とはEinstein方程式、光の湾曲と重力波について学ぶ 6. 一般相対性理論2 Einstein方程式の厳密解とブラックホール時空、Schwartzschild解、Kerr解、重力ポテンシャルと時間の遅れ、GPSへの応用について学ぶ 7. 一般相対性理論3 Einstein方程式と宇宙論、一様等方宇宙とFreedmann方程式、de SitterおよびAnti-de Sitter解、宇宙モデルと宇宙項、インフレーションと宇宙論、インフレーションとダークエネルギーと宇宙の歴史について学ぶ 8. 量子力学の基礎1 量子力学の必要性(Planckの輻射公式、光電効果と光量子)、Bohrの前期量子論を学ぶ。Heisenbergの交換関係に始まる正しい量子力学の体系が線形代数学に強く依存することを学び、量子力学=行列力学、量子力学=波動力学、Diracの変換理論とBornの確率解釈、spinと統計の関係に至る量子力学の公理体系について学ぶ。 9. 量子力学の基礎2 固有値問題とBornの確率解釈について学ぶ。量子論における測定が射影演算子により表現され、Bornの確率解釈(コペンハーゲン解釈)の具体的な意味を学ぶ。 10. 量子力学の基礎3 座標の固有状態として波動関数を導入し、Bornの確率解釈と波動関数の確率解釈が結び付けられることを学ぶ。Heisenbergの不確定性関係について学ぶ。 11. 量子力学の応用1 Heisenbergの不確定性関係が2系統存在することを学ぶ。角運動量の量子化を行うと軌道角運動量以外にspin角運動量が導入されることを学ぶ。spin 1/2の状態は量子情報・量子コンピューターに応用されることを学ぶ。 12. 量子力学の応用2 多体系の量子力学について学ぶ。spinと統計の関係を学び、同種粒子という考え方、FermionとBosonの同種粒子の取り扱いなどを学び、Pauliの排他原理が導けることを学ぶ。さらに、それらが、場の量子論(波動関数からは第2量子化)で統一的に表現できることを学ぶ。 13. 量子力学の応用3 特殊相対論の要請を満たしたspin 0, 1/2, 1の粒子の基本方程式を検討し、特にspin 1/2のFermionを記述するDirac方程式について学ぶ。Dirac方程式のPauliのspin行列による表現として、非相対論的近似や、反粒子の存在などが予言できることを学ぶ。さらに、Dirac方程式とベクトルポテンシャル=ゲージ場で記述される電磁場との相互作用が、相対論的場の量子論としてとしてまとまったQED量子電磁力学の存在を学び、素粒子の標準模型を記述するゲージ理論への展望を学ぶ。 14.現代物理学の展望 一般相対論と量子力学の融合として、ブラックホールの熱力学を学ぶ。何も出てこないはずのブラックホールから量子効果で様々なものが出てくること(Hawking放射)を学び、その際のエントロピーの変化が議論されていることを学ぶ。また、量子情報理論・量子コンピューターの世界を学び、量子もつれの状態(EPR状態・Bell状態)が重要な意味を持つことを学ぶ。また、量子情報がブラックホールなどの物理と関係することを学ぶ。 15. まとめ 授業の総括を行い、到達度を測定する 授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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