シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
卒業研究 (杉山)
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Graduation Thesis (杉山)
授業コード Class code
9973815
科目番号 Course number
73UGRES401

教員名
杉山 睦
Instructor
Mutsumi Sugiyama

開講年度学期
2024年度前期、2024年度後期
Year/Semester
2024 First to Second Semester
曜日時限
集中講義
Class hours
Intensive Courses in both First and Second Semesters

開講学科・専攻 Department
創域理工学部 電気電子情報工学科

Department of Electrical Engineering, Faculty of Science and Technology
単位数 Course credit
4.0単位
授業の方法 Teaching method
卒研

Graduation research
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
【概要】4年間で学ぶ各科目の集大成として卒業研究を行う。設定した課題に対し実験・研究を行い、卒業論文としてまとめる作業を通して、関連講義科目の理解を深めると共に、研究の進め方、論文の書き方や研究発表の仕方を学ぶ。自分の知識を駆使して、計画的かつ自主的に課題解決を図ることが重要であり、成果は卒業論文として保存すると共に卒業論文発表審査会で口頭発表する。
目的 Objectives

【目的】卒業研究は、当学科のディプロマポリシーに定める「修得した専門知識や教養をもとに、自ら課題を発見し、解決する能力」および「修得した専門知識や教養をもとに、他者とコミュニケーションをとり、国際的な視野を持って活躍できる能力」を実現するための科目である。概要に示した一連の取り組みを通して以下の能力を身に付ける。
・社会からの要求を調査し、問題を発掘し、解決方法を立案・計画し、問題解決のために遂行し、その結果を評価・考察・ディスカッションし、報告書などにまとめることのできる能力(デザイン能力)
・電気・電子・情報・通信工学に関連する問題点を調査・理解し、課題として設定できる能力(課題設定能力)
・日本語による論理的な記述、プレゼンテーション、ディスカッションなどのコミュニケーション能力、国際的に通用する基礎的コミュニケーション能力(コミュニケーション能力)
・技術者として、社会・地球環境・技術に対する倫理観および社会に負っている責任を理解する能力(技術者倫理を理解する能力)
・社会人として、地球環境などに関する基礎知識を習得し、多面的に物事をとらえることのできる能力と、技術者として社会貢献できる素養(地球的視点で考える能力)
到達目標 Outcomes
【到達目標】卒業研究を通じて以下の能力を身に付ける
・(多面的視野能力)個人・一社会・一国の視点だけでなく、様々な価値観をもち、多面的に問題をとらえ、社会への貢献や地球環境に配慮できる。
・(技術者倫理に基づくデザイン)技術者の倫理観や社会の常識に配慮したデザインや研究がおこなえる。
・(日本語作文能力)論理的で筋道のある、正しい日本語を書くことができる。
・(実験・調査結果のプレゼンテーション能力)実験・調査した内容をプレゼンテーションすることができる。また、コミュニケーションを円滑に進めるために、分かりやすいプレゼンテーション資料を作成することができる。
・(実験・調査結果のディスカッション能力)指導教員や院生・他の学部生とコミュニケーションをもち、論理的にディスカッションできる。その際、相手の質問を理解し、的確に答えることができる。
・(課題発掘能力)文献調査の結果や専門の知識を駆使し、電気・電子・情報工学の分野に関連する問題点を見つけ出すことができる。
・(デザイン構想能力)解決すべき問題に対し、複数の解決策を構想し提案することができる。また、様々な条件や制限を考慮に入れ、最適な解決方法を選択し、課題を設定・提案できる。
・(研究計画能力)さまざまな条件や制約を考慮に入れて研究を計画的に進め、継続的な努力によって、系統的かつ必要なデータを得ることができる。
・(問題解決能力)様々な専門知識をふまえ、得られた研究結果の正当性を正しく判断し、定期的に報告することができる。さらに様々な角度から考察することによって、新たに生ずる課題を設定して研究を進め、問題を解決することができる。
・(問題解決のためのディスカッション能力)報告会において、指導教員や大学院生・他の学部生から指摘された内容を的確に把握し、今後の研究に生かすことができる。また、関連する研究に興味を持ち、疑問点などを質問することができる。
・(問題解決のためのプレゼンテーション能力)調査・研究を行った内容を的確に表現するストーリーを構築し、専門知識や技術に裏打ちされた説得力のあるプレゼンテーションを行うことができる。
・(問題解決のための報告書作成能力)研究によって得られた成果を、卒業論文にまとめることができる。
・(他分野の人とのディスカッション能力) 他分野の人とのディスカッションにおいて、他者の質問内容を的確に理解し、他者に対して適切に説明することができる。
・(他分野の人を意識した説明能力)研究の背景や成果を、国内外の他分野の人を意識して、わかりやすく説明・記述することができる。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
3年次4月にガイダンスを行う。 卒業研究においては、4月初め頃に研究室に配属となり、約1年間の研究期間を経て後期学期末試験終了後に卒業論文を提出し、審査会において口頭発表 を行う。詳細なスケジュールについては、掲示されるので注意すること。各人の卒業研究の具体的な進め方については、配属研究室担当教員に十分相談して、そ の指導を仰ぐこと。 他学科、他学部生の履修不可。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/ディベート・ディスカッション Debate/Discussion/プレゼンテーション Presentation/実験 Experiments/実習 Practical learning
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準備学習・復習 Preparation and review
準備学習: 毎回のゼミや研究報告会に向け、各回の実験テーマや研究報告課題に関して、十分な調査・研究・考察等を行うこと。(毎回2時間以上)
復習: 毎回の実験やゼミならびに研究報告会で明らかになった知見や課題について整理し、さらに深く考察・調査・研究を進めること等により、次回に向けて取り組むこと。(毎回2時間以上)
成績評価方法 Performance grading policy
研究への取り組みを指導教員が評価す る。また、卒業論文/卒業研究審査会において、プレゼンテーションの能力・発表内容・理解度を指導教員が評価す る。両 者の比率については、研究への取り組み6割、卒業論文/卒業論文審査会の採点を4割として成績を評価し、6割以上を合格とする。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
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書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
課題毎に多数の参考文献有り。

授業計画 Class plan
(担当教員)杉山 睦
(研究分野)半導体光デバイス 半導体物性
半導体を用いた光デバイス(太陽電池、センサ、LEDなど)に関する研究と、未解明な半導体物性を明らかにする研究


1.Cu(In,Ga)Se2太陽電池の作製
 
 CIGS系薄膜太陽電池の光吸収層はCuInSe2(CIS)とCuGaSe2(CGS)の混晶で、インジウムとガリウムの含有量を変化させることでバンドギャップを制御することが出来ます。本研究は、蒸着法もしくはセレン化法を用いて、CIGS薄膜を成長し高変換効率CIGS系薄膜太陽電池の作製を目的としています。


2.Cdを使わないCIGS系太陽電池の作製

現在、CIGS系薄膜太陽電池のバッファ層として、化学溶液堆積(CBD)法によるCdSなどが用いられています。しかし、CIGS系太陽電池製造プロセスにおける低コスト化のためには、オールドライプロセスが望ましく、環境負荷物質であるCdを排除する必要があると考えています。本研究室ではCdの代わりにZn を熱拡散させてpnホモ接合を形成する試みを行っていますが、この手法だけでは、ZnOスパッタ時のプラズマダメージは避けられません。本研究室では1997 年より「ヘリコン波励起プラズマスパッタ法」と呼ばれる製膜方法を研究開発してきました。これは一般的なスパッタ法の問題であるプラズマダメージや再スパッタ等を防ぎながら高品質薄膜の製膜を可能とする手法です。本研究は、pn-CIGS薄膜にヘリコン波励起プラズマスパッタ装置を用いて高抵抗層 MgZnO及びZnO:Ga透明導電膜を堆積させ、CIGS系薄膜太陽電池を試作することを目的としています。


3.CIGS系太陽電池の耐宇宙環境特性の評価

 CIGS系太陽電池は従来のSiの太陽電池と比べて、耐放射線性など宇宙環境での動作が優れていると言われていますが、耐放射線性のメカニズムなど、具体的な理由は未だに分かっていないことが多いのが現状です。また、太陽電池構造を構成する「各層単膜」の耐放射線性についての調査はほとんど行われていません。本研究は、軽量で宇宙空間での脱ガスが無く、打ち上げ・使用時に割れることのない、耐熱プラスチックや薄膜セラミック等の柔軟基板上にCIS系太陽電池を作製すると同時に、放射線やγ線、プロトンなど各種線源を照射した際の、薄膜および太陽電池セルの劣化メカニズムを明らかにし、宇宙用太陽電池としてのメリットを引き出す事を目的としています。


4.酸化物半導体を用いた透明導電膜の成長

ITOの代替として、インジウムを用いない透明導電膜材料ZnO:Alが以前より研究されてきました。しかし、添加するアルミニウムは非常に酸化しやすい材料なので、酸化物であるZnOに添加した場合十分に活性化しないため、て抵抗値がITO程低くならないという問題があります。そこで、ZnO:GaやSnO2などを用いることで、より低抵抗な電極実現が見込まれます。本研究は、ヘリコン波励起プラズマスパッタ装置を用いたn型透明導電性酸化物ZnOの成長を試み、ITOと同レベルもしくはそれ以上の高品質な薄膜成長を目指しています。


5.p型NiO導電性酸化物の成長

 NiOは意図的にドーピングすることなくp型の導電性を持つことが近年明らかとなり、10年ほど前から様々な方法によるNiOの作製が各研究グループにより報告されてきました。しかし現在は理学的な面を追及した研究が中心であり、工業化を視野に入れた研究はほとんどありません。本研究は、RFプラズマスパッタ装置などを用いたp型透明導電性酸化物NiOの作製を試み、低温成長で高品質な薄膜成長を目指しています。


6.透明酸化物を用いたデバイス作製

 実際に作製したNiO薄膜の有用性を示すために、実用化へのアプローチとして透明導電性酸化物ダイオードの試作を行っています。p型の NiO薄膜上に、n型のZnO、ZnO:Gaをパッタ装置を用いて成長し、透明導電性酸化物同士のpnヘテロ接合の作製を行っています。得られた透明なダイオードの特性を評価することで、工業化に相応しい作製方法・材料で高品質な透明酸化物半導体デバイスを提案することができます。また、pn接合ダイオードの応用として透明太陽電池を試作し、透明酸化物半導体デバイスの可能性を模索するなど、透明酸化物半導体同士のpn接合という利点を活かした様々なデバイスを提案することができます。

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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