シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
有機合成化学
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Synthetic Organic Chemistry
授業コード Class code
9972581
科目番号 Course number
72CHORC302

教員名
山本 一樹
Instructor
Kazuki Yamamoto

開講年度学期
2024年度前期
Year/Semester
2024 First Semester
曜日時限
木曜2限
Class hours
Thursday 2nd Period

開講学科・専攻 Department
創域理工学部 先端化学科

Department of Pure and Applied Chemistry, Faculty of Science and Technology
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
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授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
有機化学では標的化合物を合成する際、何を出発原料とし、どのような手順・方法で合成を進めるか、ということが重要な課題となる。本授業では、適切な原料から標的化合物を如何にして合成するかという通常の有機合成法とは逆に、標的化合物内の目的官能基に容易に変換できる等価体(シントン)を考えることにより、標的化合物内の結合をより適切な位置で切断して、容易に入手可能な原料を予想する『逆合成解析』という手法を中心に有機合成の考え方を学び、さらに、実例をもとに標的化合物を如何に選択的・高効率的に、かつ高収率で合成するか、その方法論の組み立て方を理解することが出来る。
目的 Objectives
本授業では、逆合成法(逆合成解析)の考え方とその理論をマスターし、標的化合物を選択的・高効率的に、かつ高収率で合成するための方法論(合成戦略)を理解する。
この科目は、本学科のカリキュラムポリシーおよびディプロマポリシーにある「化学分野の専門知識」、および「自ら課題を発見し、解決できる自立的能力」を育むためのものである。
『逆合成』は有機合成を行う際の基本的な考え方であり、将来、有機合成分野に進みたいと考えている者にとって、是非マスターしておきたい重要な方法論である。
到達目標 Outcomes
この授業を履修して単位を取得し、逆合成解析法を理解すると、次のことができる。
1.4年時の卒業研究や大学院の特別研究で必要とされる、有機化学の最先端の研究内容を理解することができる。
2.有機合成の研究計画を自ら立案するための基礎能力を、身につけることができる。 
3.有用で複雑な有機化合物の効率的な合成戦略を立案できる。
4.新しい合成等価体(シントン)や新しい反応を開発する能力を身につけることができる。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
有機化学1, 2および3を履修済であること、もしくは同時履修することが望ましい。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/小テストの実施 Quiz type test
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準備学習・復習 Preparation and review
[準備学習]
各回の授業前にシラバスでその日の授業内容を確認して、2時間程度、教科書、配付資料、および参考書の該当するページをよく読み、配付資料中の演習問題を解いてみること。
[復習]
その日に学んだ内容について2時間程度復習し、その内容を説明できるようにすること。このとき、紙と鉛筆を用いて自分自身の手で実際に、電子の流れに注意しながら反応式を書いてみることが大切である。これが有機合成化学を理解するための最善、かつ最短の方法である。
成績評価方法 Performance grading policy
小テスト(25%)、提出課題(10%)到達度評価試験(65%)による評価

[フィードバックの方法]
・小テストの解説はその都度授業内で行う。これにより理解度のチェックと自己採点を行うことができる。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
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書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
「有機合成の戦略—逆合成のノウハウ」C.L. ウィリス、化学同人 (1998)ISBN: 978-4759808162
「ウォーレン有機合成: 逆合成からのアプローチ」Stuart Warren著、東京化学同人(2014)ISBN: 978-4807908189
「有機合成化学」加藤明良著、朝倉書店(1999)ISBN: 978-4254145809 

授業計画 Class plan
各回の授業進度はおおよその目安であり、理解の程度などにより変更することがある。準備学習・復習の具体的方法については上記【準備学習・復習】欄に示してある。

1回目  ガイダンスおよび逆合成解析の概説
  シラバスをもとに、授業の概要および進め方、成績評価方法などを解説するとともに、配付資料や参考書を示して予習・復習の進め方についても説明する。また、授業の導入部として、逆合成の考え方、重要性について概説する。これにより、逆合成の全体像を把握することができ、その後の学習をスムーズに進めることができる。

2回目  シントン(Synthon)と合成等価体
  シントンと合成等価体の関係、アクセプターシントン(a-synthon)およびドナーシントン(d-synthon)などについて学ぶ。このことにより逆合成におけるその重要性が認識でき、例題を通してその応用方法が理解できる。

3回目  潜在極性と極性変換(Dipole Inversion, Umpolung))  
  有機分子中の官能基がもつ潜在的極性と、複数の官能基をもつ有機分子における潜在極性の調和と不一致について学ぶ。d1→ a1, a2→ d4, a1→ a3などの極性変換は、逆合成、特に多官能性有機化合物の逆合成において、非常に有用な手段となり得ることを理解できる。

4回目  逆合成解析法の用語
  逆合成解析に必要な用語とその使用例を学ぶことにより、Discon, Conn, FGI, FGA, FGRなどの手法を理解できる。

5回目 コンピュータを用いた逆反応解析
  コンピューターを用いた逆合成におけるルートの探索について解説する。

6回目  逆合成の合成戦略・選択性
  逆合成解析を行うにあたり必要となる位置選択性、官能基選択性(化学選択性)について学ぶことにより、これらの選択性における規則を理解できる。

7回目  逆合成の実際 ①
  一段グレードアップした逆合成解析について学ぶことにより、立体選択性やエナンチオ選択性についても理解することができる。

8回目  逆合成の実際②
  一段グレードアップした逆合成解析について学ぶことにより、芳香族化合物の置換位置の選択選択性について理解することができる。

9回目  逆合成の実際③
  一段グレードアップした逆合成解析について学ぶことにより、化学安定性についても理解することができる。

10回目  逆合成の実際④
  一段グレードアップした逆合成解析について学ぶことにより、化学安定性についても理解することができる。

11回目 立体選択性  
  逆合成解析の演習問題を通して、環化反応の規則(Baldwin則)、環拡大・縮小反応について理解することができる。

12回目 環化と環開裂
  簡単な標的化合物を例にして位置選択性、官能基選択性(化学選択性)に関する演習を行うことにより、具体的な逆合成解析法を理解できる。そして、同時に到達目標の達成度を確認することができる。
 
13回目 練習問題 
  具体的な逆合成の問題を解くことにより、逆合成解析を行うことができる。

14回目 創薬における逆合成解析
  創薬における実際の逆合成解析の例を挙げて解説する。
 
15回目 到達度評価
   本授業の「到達目標」の達成度を到達度評価試験により確認する。その後、本授業科目の内容を授業で総括する。

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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