シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
有機反応化学
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Organic Reaction Chemistry
授業コード Class code
9972207
科目番号 Course number
72CHORC303

教員名
坂井 教郎
Instructor
Norio Sakai

開講年度学期
2024年度後期
Year/Semester
2024 Second Semester
曜日時限
木曜3限
Class hours
Thursday, 3rd Period

開講学科・専攻 Department
創域理工学部 先端化学科

Department of Pure and Applied Chemistry, Faculty of Science and Technology
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
本学科で定めるポリシー「化学分野の基礎学力と、その上に専門知識」を習得し、それをもとに「自ら課題を発見し、解決する能力」、「論理的・批判的に思考し、積極的に取り組むことのできる判断力・行動力」、「他者とコミュニケーションをとり、国際的な視野を持って活躍できる能力」ならびに「専門分野に応じたキャリアを形成し、自己を管理する能力」を養うための授業である。

本授業では、有機化合物が起こす置換、付加、脱離等の基礎的有機反応から、転位、環化あるいはカップリング反応等の応用反応まで種々の有機反応のメカニズムを詳細に解説する。
目的 Objectives
有機化合物の根幹を成す炭素骨格の反応性や、それらへの官能基導入法における詳細な反応メカニズムを、電子の流れを基に考察し、理解できるようになる。また、炭素以外の窒素や酸素などの化学的性質を元にした有機反応のメカニズムについても理解できるようになる。
到達目標 Outcomes
この授業を履修し、単位を取得することにより、4年時の卒業研究で必要とされる、有機化学の最先端の研究内容を理解するための応用力を身につけることができるようになる。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
有機化学1、有機化学2、有機化学3の内容と連動しているため、これらを履修していることが望ましい。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/小テストの実施 Quiz type test
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準備学習・復習 Preparation and review
準備学習:配布した資料の該当部分を事前に参考書等で予習し、内容をよく理解する(各2時間 x 15回)。
復習:授業で学んだ内容を参考書の章末問題等を繰返し解くことで、理解をより確実なものにできる(各2時間 x 15回)。
具体的な事項については、授業の中で指示する。
成績評価方法 Performance grading policy
授業内で行う小テスト(40%)、到達度評価試験(60%)を考慮し、総合的に到達目標の達成度を評価する。
[フィードバックの方法]
授業内で行う小テストについては、採点し、次回以降の授業内で講評する。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
・講義資料(各自でダウンロード)をLETUSのコースにアップロードする。

参考図書として
1)  有機反応機構の書き方 第2版,  R. B. Grossman 著, 奥山格 訳, 丸善出版, 2022年, 978-4-621-30782-3
2)  有機反応機構 第5版,   P. Sykes 著, 久保田尚志 訳, 東京化学同人, 1984年, 9784807902217
3)  ボルハルト・ショアー現代有機化学(上・下)第8版,  K. P. C. Vollhardt, N. E, Schore 著, 古賀憲司, 野依良治, 村橋俊一 監訳,  化学同人, 2019年, 9784759820294 / 9784759820300
4)  マクマリー有機化学(上・中・下)第9版,   J. McMurry 著, 伊東椒, 児玉三明, 荻野敏夫, 深澤義正, 通元夫 訳, 東京化学同人, 2017年, 9784807909124/ 9784807909131 / 9784807909148
5)  モリソン・ボイド有機化学(上・中・下)第6版,  R. T. Morrison, R. N. Boyd 著, 中西香爾, 黒野昌庸, 中平靖弘 訳, 東京化学同人, 1994年, 9784807904013 / 9784807904020 / 9784807904037
6)  ウォーレン有機化学(上・下)第2版,   J. Clayden, N. Greeves, S.Warren 著, 野依良治, 奥山格, 柴崎正勝, 檜山爲次郎 監訳, 東京化学同人, 2015年, 9784807908714 / 9784807908721
7)  ブルース有機化学(上・下)第7版,   Paula Y. Bruice 著, 大船泰史, 香月勗, 西郷和彦, 富岡清 監訳, 化学同人, 2014年/2015年, 9784759815849 / 9784759815856

授業計画 Class plan
1) 有機反応の反応機構の基本的概念の説明
  電子の流れを基にした反応メカニズムの基本概念について理解できる

2) ハロゲン化アルキルの求核置換および脱離反応
  (1) ハロゲン化アルキルの求核置換反応(SN2やSN2’)のメカニズムについて理解できる
  (2) ハロゲン化アルキルの脱離反応(E2)のメカニズムについて理解できる

3) Aldol反応、Claisen反応、Michael付加反応、Robinson環化、Knoevenagel反応およびDarzens反応
  (1) 付加-脱離反応の連続メカニズムについて理解できる
  (2) 付加-E1cB反応の連続メカニズムについて理解できる
  (3) 共役付加-E1cB反応の連続メカニズムについて理解できる
  (4) 共役付加-分子内環化の連続メカニズムについて理解できる

4) カルボニル化合物への付加反応
  (1) Fischerエステル合成のメカニズムについて理解できる
  (2) 還元アミノ化の生成メカニズムについて理解できる
  (3) イミン、エナミンの生成メカニズムについて理解できる
  (4) Mannich反応の生成メカニズムについて理解できる

5) カルボカチオンの反応
  (1) カルボンカチオンの化学的特徴およびその反応について理解できる
  (2) カルボンカチオンの転位反応ついて理解できる

6) アルケンの反応
  (1) 付加反応のメカニズムについて理解できる
  (2) 酸化反応()のメカニズムについて理解できる
  (3) ハロゲン化のメカニズムについて理解できる

7) 芳香環上での反応 その1
  (1) 速度論的置換と熱力学的置換について理解できる
  (2) 複素環上での配向性について理解できる

8) 芳香環上での反応 その2
  (1) 分子内環化と芳香族求電子置換反応のメカニズムについて理解できる
  (2) 進度の確認

9) 有機ケイ素化合物の反応
  有機ケイ素化合物のメカニズムについて理解できる

10) 窒素官能基上での反応
  (1) ニトロソ化の反応メカニズムについて理解できる
  (2) Sandmeyer反応、Balts-Shiemann反応および加水分解のメカニズムについて理解できる

11) 転位反応その1
  (1) N上での転位反応のメカニズムについて理解できる
  (2) C上での転位反応のメカニズムについて理解できる

12) 転位反応その2
  (1) CからO上への転位反応のメカニズムについて理解できる
  (2) BからO上への転位反応のメカニズムについて理解できる

13) 有機化合物の酸化数および酸化反応について
  (1) 有機化合物の酸化数変化について理解できる
  (2) 有機化合物を酸化剤にする反応メカニズムについて理解できる
  (3) 無機化合物を酸化剤にする反応メカニズムについて理解できる

14) ラジカル反応について
  (1) ラジカルの付加および開裂のメカニズムについて理解できる
  (2) ラジカル酸化および還元のメカニズムについて理解できる

15) 到達度評価
  半期の授業内容に即した問題を解答することで有機合成反応の反応機構ついて理解出来る

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
ChemOffice Professional
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備考 Remarks

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
Y
授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
N