シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
細胞生物学1
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Cell Biology 1
授業コード Class code
9964402
科目番号 Course number
64BICEB201

教員名
萩原 明
Instructor
Akari Hagiwara

開講年度学期
2024年度後期
Year/Semester
2024 Second Semester
曜日時限
木曜2限
Class hours
Thursday 2nd period

開講学科・専攻 Department
創域理工学部 生命生物科学科

Department of Applied Biological Science, Faculty of Science and Technology
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
概 要: 生命の基本単位である細胞は、細胞膜によって自己と外界を区別し、内部に生命に重要な基盤を構成している。

本授業では、
1.細胞膜とは何か:細胞と環境を隔てる細胞膜の基本構造(脂質二重層と膜タンパク質など)、細胞膜における選択的な物質輸送のしくみについて学ぶ。

2.真核細胞内の基本的な構造と機能:細胞質内は一様ではなく特有の細胞内区画(細胞内器官)からなり、各細胞内器官はそれぞれ特別な細胞機能(生体成分の生合成や修飾、特異的な分解やリサイクルなど)を分担するとともに、細胞質−細胞内器官間、細胞内器官−細胞内器官間、および形質膜−細胞内器官間における小胞輸送や物質輸送によって機能的にも連携するしくみを学ぶ。

3.多細胞生物における細胞社会の基礎:細胞膜を介した細胞−細胞間や細胞−細胞外マトリックス間の相互作用などについて学ぶ。
目的 Objectives
細胞膜を構成する生化学成分と機能的な特徴、細胞内器官の構造と機能、細胞膜内外の物質輸送および細胞内区画間の小胞輸送のしくみと輸送関連タンパク質、細胞−細胞間および細胞−細胞外基質間の相互作用と関連分子の基礎について理解することができる。
到達目標 Outcomes
細胞膜を軸とした本授業によって、細胞を構成する内部の構造やしくみ、および細胞社会をつくるしくみについての基礎知識を説明できるようになる。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
授業の進展状況によって内容を一部変更する時があるので、授業毎にLETUSを確認すること(中間テストの実施週は進行状況に応じて変更することがある)。

本講義の内容を踏まえた発展的な内容や植物細胞については「細胞生物学2」で講義する。併せて受講することを薦める。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
小テストの実施 Quiz type test
-

準備学習・復習 Preparation and review
教科書に目を通す準備予習と、配布プリントなどでの復習を行う。
成績評価方法 Performance grading policy
到達度評価及び中間テストを中心に、小テスト等の成績を総合的に評価する。(授業状況によって比率を調整)
注意:テストの範囲は教科書だけでなく、配布プリントを含む授業の内容全般を対象とする。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
-
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
「細胞の分子生物学」第6版 B. Alberts他著、中村・松原監訳(ニュートンプレス)
「Molecular Biology of THE CELL」Sixth Edition, B. Alberts et al., (W. W. Norton)
「Essential細胞生物学」B. Alberts他著、中村・松原訳(南江堂)
その他、必要に応じて講義内で紹介する。

授業計画 Class plan
1.膜構造Ⅰ 脂質二重層
 1)細胞の内部と外部を仕切る細胞膜
 2)脂質二重層の組成と特徴
(準備学習)細胞とは何か[1時間]
(復習)膜を構成する脂質の構造と特徴[1時間]
 細胞膜を構成する脂質二重層の基本的な構造と特徴が理解できる

2.膜構造Ⅱ 膜タンパク質
 1)細胞膜に局在するタンパク質の特徴
 2)膜の生化学的特性—可溶化・精製
 3)膜の区画化と流動性
(準備学習)膜タンパク質の種類と基本構造[1時間]
(復習)タンパク質はどのようにして膜に局在するのか、その構造と性質[1時間]
 細胞膜を構成する膜タンパク質、膜の生化学的特性や区画化などの基礎について理解できる

3.膜透過性と選択的な膜輸送
 1)細胞膜の透過性
 2)物質の選択的な膜輸送
 3)選択的な膜輸送にはたらく分子−トランスポーター、ポンプ/ATPase、イオンチャネル
(準備学習)細胞内外のイオン環境、膜透過性の基本的な特徴[1時間]
(復習)選択的に低分子物質を膜輸送するタンパク質の特徴[1時間]
 細胞膜の透過性、イオンや低分子化合物の選択的な膜輸送の特徴と関連分子の基礎について理解できる

4.膜電位とイオンチャネル
 1)イオンチャネルの構造と機能
 2)膜電位と活動電位(膜の興奮性)
 3)神経における膜興奮の伝播(神経インパルスの伝導とシナプス伝達)
(準備学習)膜電位とは何か[1時間]
(復習)イオンチャネルタンパク質による選択的なイオン透過のしくみ[1時間]
 イオンチャネル、膜電位の発生と興奮伝播の基礎について理解できる

5.細胞内区画と核タンパク質輸送
 1)細胞内器官(核、ミトコンドリア、小胞体、ゴルジ体、ペルオキシソームなど)
 2)核−細胞質間の分子輸送
(準備学習)細胞内器官と核とは何か[1時間]
(復習)核膜孔を通した物質輸送のしくみ[1時間]
 細胞内器官の基本と、核の基本構造と核内タンパク輸送の基礎について理解できる

6.ミトコンドリアとペルオキシソームのタンパク質輸送
 1)ミトコンドリアの膜構造とタンパク質輸送
 2)ペルオキシソームへのタンパク質輸送
(準備学習)ミトコンドリアとペルオキシソームとは何か[1時間]
(復習)ミトコンドリアの外膜、内膜、内外膜間腔およびマトリックス、また、ペルオキシソームの膜と内腔への選択的なタンパク質輸送のしくみ[1時間]
 ミトコンドリアとペルオキシソームの基本な膜構造とタンパク輸送の基礎を理解できる

7.細胞膜(脂質二重層と膜タンパク質)、選択的膜輸送、膜電位、細胞内区画とタンパク質輸送(核、ミトコンドリア、ペルオキシソーム)のまとめ
(復習)前半の授業の要点を整理し、繰返し総合学習を行う[6時間]
 これまでの講義の要点を総合的に理解することができる(中間テストを予定)

8.小胞体とタンパク質の翻訳輸送 
 1)小胞体へのタンパク質輸送
(準備学習)小胞体とは何か[1時間]
(復習)翻訳共役および非共役のタンパク質輸送に関連するシグナルや機能分子、膜貫通のしかたや共通配列、折りたたみと輸送の関係[2時間]
 小胞体の基本構造とタンパク輸送の基礎について理解できる

9.小胞体におけるタンパク質修飾と脂質合成 
 1)小胞体におけるタンパク質の修飾
 2)小胞体における脂質合成
(準備学習)タンパク質の修飾とは何か[1時間]
(復習)タンパク質に糖鎖を付加するしくみと糖鎖の役割、および脂質合成のしくみ[1時間]
 小胞体におけるタンパク質の修飾と脂質合成の基礎について理解できる

10.細胞内小胞輸送
 1)膜輸送の分子機構と細胞内区画の多様性の維持
(準備学習)細胞内区画間の小胞輸送とは何か[1時間]
(復習)輸送小胞の種類と構造、形成のしくみ、標的膜への受け渡し[2時間]
 細胞内器官間の小胞輸送の基礎について理解できる

11.ゴルジ体とリソソームの小胞輸送
 1)小胞体からゴルジ体への輸送
 2)トランスゴルジ網からリソソームへの輸送
(準備学習)ゴルジ体とリソソームとは何か[1時間]
(復習)ゴルジ体をセンターとした小胞輸送経路、リソソームをセンターとしたタンパク質分解の輸送経路[2時間]
 小胞体とゴルジ体間、トランスゴルジ網からリソソームへの小胞輸送の基礎について理解できる

12.エンドサイトーシスとエキソサイトーシス
 1)細胞膜から細胞内への輸送:エンドサイトーシス
 2)トランスゴルジ網から細胞外への輸送:エキソサイトーシス
(準備学習)エンドサイトーシスとエキソサイトーシスとは何か[1時間]
(復習)各種経路でエンドサイトーシスとエキソサイトーシスが起きるしくみと機能的な役割[2時間]
 細胞内取込み/エンドサイトーシスの基礎について理解できる
 小胞の開口放出/エキソサイトーシスについて理解できる

13.細胞結合Ⅰ 密着結合、接着結合、接着斑、ギャップ結合
 1)カドヘリンと細胞間接着‐接着結合
 2)デスモソーム
 3)密着結合と上皮の構造
 4)ギャップ結合:細胞から細胞への連絡
(準備学習)細胞結合と細胞社会とは何か[1時間]
(復習)細胞結合の種類、カドヘリンファミリーと接着結合およびデスモソームの構造と機能、細胞極性と細胞−細胞間の結合のしくみ[2時間]
 細胞-細胞間と細胞-細胞外の結合の種類、およびカドヘリンファミリーとその関連分子を介した細胞接着とデスモソームの基礎について理解できる。上皮細胞における外側部での密着結合と細胞極性、ギャップ結合による細胞連絡の基礎について理解できる。

14.細胞結合Ⅱ 半接着斑、焦点接着、細胞外マトリックスと基底膜
 1)ヘミデスモソーム、焦点接着 
 2)基底膜
 3)インテグリンと細胞−マトリックス間接着
 4)動物の結合組織の細胞間マトリックス
(準備学習)細胞外マトリックスとは何か[1時間]
(復習)細胞—細胞外の結合のしくみ、細胞外マトリックスを構成する成分の種類と特徴[1時間]
 細胞と細胞社会を取り巻く環境の役割と関連分子の機能を理解できる。また、これまでの講義の要点を総合的に理解することができる。

15. 到達度評価

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
Y
授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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