教員名 : 朽津 和幸
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科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
生態学 (隔週)
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Ecology (隔週)
授業コード Class code
9964309
科目番号 Course number
64BIENB305
教員名
朽津 和幸
Instructor
Professor Dr. Kazuyuki Kuchitsu
開講年度学期
2024年度前期
Year/Semester
2024/summer
曜日時限
木曜1限、木曜2限
Class hours
Thursday, 8:50-12:00
開講学科・専攻 Department
創域理工学部 生命生物科学科
Department of Applied Biological Science, Faculty of Science and Technology 単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義
Lecture 外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
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授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class
概要 Description
「エコロジー」「エコ」という言葉が日常的に使われるようになって来ていることからもわかる通り、今後の人類の生存にとって、環境、食糧、エネルギー問題が非常に重要な課題であり、その解決の一助としての生物科学に対する期待が高まっている。生物科学では、マクロとミクロとの境界がボーダーレス化しており、地球生命系をシステムとして捉える生態学(ecology)的なものの見方、考え方を身につけることは、広範な分野の基礎として重要と考えられる。
生物の働きによっておきる地球規模の生態現象も、突き詰めていえば、個々の生物が自然選択によって進化してきたことの結果として生じるものである。では,適応とは具体的にどのように理解できるのだろうか? 本講義では、地球生態系から分子レベルまで、さまざまな階層を超えて、生態学の基礎的なをものの見方、考え方を修得する。また近年、社会的に特に重視されつつある生物多様性の重要性や、NbS(Nature-based Solutions)あるいはグリーンインフラの考え方と実践についても学ぶ。一部の講義を、野田キャンパス内の理窓会記念自然公園内の自然の中で実施する。選択課題として、薬用植物に関する入門講義とキャンパス内の東京理科大学薬用植物園の見学や、国立科学博物館筑波実験植物園(つくば市)、茨城県自然博物館(坂東市)、国立科学博物館(上野公園)等で開催される企画展、特別展や野外展示を見学する課題も課す予定である。 目的 Objectives
地球生態系から分子レベルまで、さまざまな階層を超えて、生態学の基礎的なをものの見方、考え方や生物多様性の重要性や自然環境の保全、再生、グリーンインフラの考え方を修得する。野外の生態系の実際を観察し「実感」する。コンピューターシミュレーションの基本を理解する。
到達目標 Outcomes
地球生命系をシステムとして捉える生態学(ecology)的なものの見方、考え方を身につける。
自然界の生物を観察し、理解するための基本を修得する。 身近な自然の仕組みに関心を持ち、生物科学的観点から考察できるようになる。 コンピューターシミュレーションによる環境変化の予測について理解する。 ミクロなレベル(細胞生物学、分子生物学、生化学等)の観点から学んだ生物科学の知識や研究手法等を、環境・食料・エネルギーなど、マクロな生物科学の問題の解決に役立てられるようになる。 近年社会的に特に重視されている、生物多様性、自然環境保全、グリー人フラなどについて、実践のための素地を形成する。 卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。 You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments). https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/ 履修上の注意 Course notes prerequisites
・講義の日程・詳細・資料等を、随時、LETUS、掲示等で連絡する予定である。頻繁に確認し、十分注意すること。便宜上、隔週と表示されているが、梅雨時の野外実習を避けるためにも、できるだけ学期の前半に講義を集中させ、後半はレポート執筆に集中できる日程とする予定である。
・コンピューターシミュレーション等については、事前にLETUSから自身のコンピュータにソフトウェアをダウンロードし、セットアップしたものを持参すること。 ・野外実習・観察の際は、荷物は最少限として、歩きやすく汚れてもいい靴と服装で参加すること。 ・「植物科学」をあらかじめ履修しておくことが望ましい。 ・生物の環境への応答や生物間の相互関係に関する分子レベルのメカニズムに関しては、「生体防御」で解説するので、合わせて履修することを推奨する。 アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/ディベート・ディスカッション Debate/Discussion/グループワーク Group work/反転授業 Flipped classroom
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準備学習・復習 Preparation and review
テキスト、資料、参考書等をあらかじめ学習しておき、授業はその復習の時間となるように努力すること。最近、SDGsの様々な側面や、自然エネルギーに関するニュースが多く見られるが、それらの内容について各自が考察を加えることも、授業内容のより一層の理解に寄与する。
成績評価方法 Performance grading policy
随時、レポートを課し、全てのレポート(必修、選択)を総合的に評価する。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している ・B:到達目標を達成している ・C:到達目標を最低限達成している ・D:到達目標を達成していない ・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している ・S:Achieved outcomes, excellent result ・A:Achieved outcomes, good result ・B:Achieved outcomes ・C:Minimally achieved outcomes ・D:Did not achieve outcomes ・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation 教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
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書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store). https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ 参考書・その他資料 Reference and other materials
テイツ/ザイガー植物生理学・発生学原著第6版 (講談社)
"Plant Biology" A.M. Smith他著 Garland Science (2009) 「進化とはなんだろうか」長谷川眞理子著 岩波ジュニア新書 (1999) 「生き物の進化ゲーム —進化生態学最前線:生物の不思議を解く— 大改訂版」酒井 聡樹, 近 雅博, 高田 壮則 著 共立出版 (2012) 「新版 動物の社会—社会生物学・行動生態学入門」伊藤 嘉昭著 東海大学出版会 (2006) 「生態学入門(第2版)」 日本生態学会編 東京化学同人 (2012) 授業計画 Class plan
第2回以降の講義の順序はLETUS等で指示する。
1 講義のねらい、構成、評価方法等について説明する。東京理科大学野田キャンパス内の理窓会記念自然公園、薬用植物園の自然や環境保全活動等について紹介し、各自が自主的に自然観察を行うきっかけとする。 2 生態学の基本的考え方 個体の統合 ・葉、茎、根への光合成産物の分配 ・環境によって変わる各器官の比率 ・なぜ比率を変えるべきなのか ・どのようにして比率を変えるのか 3 個体の統合(野外実習) キャンパス内の理窓会記念自然公園等の植物のさまざまな器官について観察し、その機能についての理解を深める。 4 光合成から森林のダイナミクスを理解する ・現実の植物が受ける光の強度とその頻度分布 ・その光を使って実現される純生産量 ・種によって異なる光の利用方法 ・陽樹とは何か、陰樹とは何か" 5 光合成から森林のダイナミクスを理解する(野外実習) キャンパス内で見られる木本を使って森林の更新を理解する 6-7 生物多様性の現状と価値 いま、世界各地で生態系の劣化が進み、生物種の絶滅が急速に進みつつある。まず生物多様性がおかれている現状を様々な角度から紹介する。具体的には、熱帯林の減少、里山の荒廃、地球温暖化による生態系の劣化などである。そして、生物多様性にはどのような意味や価値があるのかを、私たちの身近な暮らしと関連させて説明する。食物をはじめ、医薬品や住環境、人間の健康などの話題を交える。 8 生物間の相互関係1〜送粉と種子散布〜 花と昆虫(鳥)の関係 花のかたちや色と、送粉者 種子散布 風・水・自動・鳥・哺乳類・アリ・付着・・ 種子寿命と休眠 9 生物間の相互関係1(自然観察) 送粉と種子散布に着目しながら、自然界の生物を観察する 10 生物間の相互関係2〜食う食われるの関係と被食防御〜 植物と動物の食う食われるの関係 植物の被食防御 植物と菌類の関係 寄生と共生 動植物に見られる擬態 11 生物間の相互関係2(自然観察) 生物の食う食われるの関係に着目しながら、自然界の生物を観察する 12 自然をインフラとして活用する視点 近年社会的に重視されつつあるNbS(Nature-based Solutions)あるいはグリーンインフラの考え方と実践について学ぶ。 また、湿地における生物多様性と生態系サービスの低下は世界的な問題であり、各地で保全・再生の取りくみが進められている。その生態学的基礎について理解する。 13 湿地の保全生態学(野外実習) キャンパス内の理窓会記念自然公園の湿地の生態系を観察し、そこで進められている自然環境保全の取り組みの意義について考える。 14-15 生態学におけるコンピュータシミュレーション 食う−食われるを現実的なモデルでシミュレートする 競争の結末を予測する 授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
朽津 和幸 教授は、農林水産省の研究機関に主任研究官として勤務した実績を活かして、生物科学の農業・食料・環境問題への応用について講義する。また文部科学省に学術調査官として勤務した実績を活かして、農理工学など、学術分野間の相互関連性や学際連携に関して講義する。
一部の講義で、環境保全の最前線等で活躍する外部講師を招聘する。 教育用ソフトウェア Educational software
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コンピューター実習の回では、オリジナルなソフトウェアをLETUSを通じて配付予定。
備考 Remarks
授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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