シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
構造生物学
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Structural Biology
授業コード Class code
9964150
科目番号 Course number
64BIBPH201

教員名
中島 将博
Instructor
Masahiro Nakajima

開講年度学期
2024年度後期
Year/Semester
2024 Second Semester
曜日時限
水曜3限
Class hours
Wednesday 3rd Period

開講学科・専攻 Department
創域理工学部 生命生物科学科

Department of Applied Biological Science, Faculty of Science and Technology
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
タンパク質は生命現象の中核を担う分子の一つであり、タンパク質の機能はその構造に大きく依存している。そのため、タンパク質の構造を知ることは生命現象を理解する上で重要である。また、タンパク質の構造は創薬における候補分子の探索、物質生産のための酵素を作製するための基盤情報として用いられており、産業上の重要性も増している。X線結晶構造解析はこのタンパク質の構造を原子レベルで観察するのに最も適した手法の一つである。この手法は日々の進化により構造解析の専門家でない生物学者でも普通に扱えるようになりつつある。近年では、ノーベル化学賞の受賞につながった技術であるクライオ電子顕微鏡による立体構造解析技術も進展しつつある。また、AIによるタンパク質の立体構造予測の精度も近年急激に向上したことで、立体構造を理解して議論できることが立体構造の専門家でなくても求められるようになると予想される。本講義ではX線結晶構造解析の原理や実際の解析方法を解説しつつタンパク質の構造をどのように観察し理解すればよいか、また、近年の新しい構造解析手法や構造予測の概要について講義する。さらに、立体構造表示用ソフトウェアを用いて立体構造を自身で操作してタンパク質の機能について考察する実習も行う。
目的 Objectives
タンパク質の立体構造を得るために必要なタンパク質調製からX線結晶構造解析についての原理と手法、タンパク質の立体構造の観察の方法を学ぶ。また、タンパク質の立体構造表示ソフトウェアの使い方や構造と機能の関係を考察する方法ついて理解できるようにする。
到達目標 Outcomes
タンパク質生産、精製、結晶化、データ解析の基本的な原理と方法を理解するとともに、立体構造表示ソフトウェアを用いてタンパク質の機能について構造的な議論できるようになることを目標とする。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
小テストの実施 Quiz type test/グループワーク Group work/実習 Practical learning
-

準備学習・復習 Preparation and review
1年次の生物、化学、物理の必修講義におけるタンパク質の機能と構造について理解していることが望ましい。
成績評価方法 Performance grading policy
到達度試験、授業態度をもとに総合的に評価する。小テストやレポートを課す場合はそれらも評価に含まれる。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
生命科学のための結晶解析入門、平山令明著、丸善株式会社
ISBN-13: 978-4621041536

タンパク質のX線結晶解析法(第2版)、J. ドレント著、竹中 章郎 (翻訳)、Springer
ISBN-13: 978-4621062654

結晶構造解析入門(第3版)、JP.Glusker, KN. Trueblood著、廣瀬千秋(翻訳)、森北出版株式会社
ISBN-13: 978-4627241534 
(購入の必要はない)

授業計画 Class plan
第1−2回    X線と構造解析の関わり
      X線結晶構造解析の歴史、重要性などについて概説する

第3−4回    X線結晶構造解析におけるタンパク質の調製
      構造解析に必要なタンパク質の調製法、精製法について理解する。

第5回         タンパク質の結晶化
      タンパク質の結晶化の方法や原理について理解する。
      結晶の種類、分類(タンパク質の結晶の空間群、対称性)についても概要を理解する。   

第6回      X線の散乱、回折とその理論、データ処理の概要
      X線の発生装置、X線の性質、結晶にX線が照射されてから
       立体構造が出来上がるまでの概要を理解する。
      得られたX線回折データの処理の流れとデータの質をどのように知るのかについて理解する。
      また、最も一般的な初期位相決定法である分子置換法について理解する。
  
第7−8回    立体構造解析におけるデータ解析実習
      実際のX線回折データからオンラインソフトウェアを用いて立体構造を解く方法を体験する。

第8回     さまざまな立体構造の解析法
      X線結晶構造解析以外の解析法(クライオ電子顕微鏡、中性子を用いた結晶構造解析)や
      近年利用が急激に増えている立体構造予測の原理や方法について学ぶ。

第9回     立体構造の見方、扱い方の実習
      一般的な立体構造図作成ソフトであるPyMOLの基本的な使い方を習得し、
      さらにそれを通して立体構造の鑑賞方法を理解する。

第10−11回  立体構造解析の実習1
      当学科で実際に解析された立体構造をPyMOL用いて観察し、
      立体構造をどのように読み解くかを体験する。

第12回      タンパク質構造の利用
      実際のタンパク質の立体構造の応用利用の例を知る。

第13回    AIとタンパク質の立体構造
      近年のバイオインフォマティクスを活用したタンパク質の立体構造の解析や利用の基礎を学ぶ。

第14回      これまでの講義の復習など
これまでの講義の理解度などを考慮して小テスト、あるいは前週までの実習の続きなどを適宜行う。
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第15回  到達度評価

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
Y
授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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