シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
物理化学3
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Physical Chemistry 3
授業コード Class code
994233X
科目番号 Course number
42CHPHC301

教員名
伊村 芳郎、河合 武司
Instructor
Takeshi Kawai and Yoshiro Imura

開講年度学期
2024年度前期
Year/Semester
2024 Semester
曜日時限
金曜2限
Class hours
Friday 2

開講学科・専攻 Department
工学部 工業化学科

Department of Industrial Chemistry, Faculty of Engineering
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
物質の特徴は分子構造や電子状態に依存することから、物質を構成する原子・分子の性質をミクロな視点で深く理解することが重要である。そのため、分子の構造や電子状態を探求するための道具(測定装置)は、現代化学のいずれの分野においても欠かすことができない。物質の構造・電子状態を調べるためのプローブとしては光・電子・中性子などが利用されるが、本講義では、特に光に焦点を当て、光を用いた装置(分光計測)の概要・原理について学びます。また、光と物質の相互作用の基礎についても習得できます。
目的 Objectives
光と物質の相互作用の概略について理解し、分光分析法の基本原理を養う。本学科のディプロマ・ポリシーに定める「工業化学分野に必要な基礎学力と専門知識」を身に付けるための科目である。
到達目標 Outcomes
1 光と物質の相互作用について総合的に理解し、波長毎に分子のどのような情報がえられるかが答えられる
2 振動分光法の長所・短所を理解し、振動スペクトルから定性的に官能基の分析ができる
3 分子の電子状態(基底状態、励起状態、一重項・三重項状態)について理解を深め、蛍光と燐光の消光速度の算出ができる
4 光反応について総合的に理解し、自然界の様々な光関連現象を説明できる
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
物理化学2を履修していることが望ましい
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
小テストの実施 Quiz type test
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準備学習・復習 Preparation and review
準備学習として、教科書を十分に読んで、自分で理解できる内容と、わからない部分を明確化することが重要です。また、復習としては、特に基本原理について自分で調べ、理解を深めるようにして下さい。
成績評価方法 Performance grading policy
到達度評価80%, 小テスト20%
(出席は大前提です)
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
光や分光関係の本、例えば、分光測定の基礎(日本分光学会)、光と物質(放送大学教育振興会)、光化学I(丸善出版)、光機能化学(昭晃堂;藤嶋学長)など、どん欲に読んで下さい。

授業計画 Class plan
1   授業概要と導入部
内容:物質の構造・状態を調べる方法の概要について習得でき、光の基本的な性質と分光学の一般的性質について理解ができるようになる。
(復習) 光の波長とエネルギーの関係、光の性質、物質との相互作用について説明できる。[2時間]

2   回転スペクトルと振動スペクトル1
(準備学習)教科書の「純回転スペクトル」を読み、二原子分子の回転準位について確認する。[2時間]
内容:量子論を基礎にして二原子分子の回転エネルギーおよび振動エネルギー準位について学び、回転・振動エネルギー準位の確率分布が理解できる。
(復習) 二原子分子の回転エネルギーが計算できる。[1時間]

3   回転スペクトルと振動スペクトル2
(準備学習)教科書の「二原子分子の振動」を読み、振動エネルギーについて確認する。[2時間]
内容:二原子分子の振動・回転スペクトルから、結合距離を算出できるようになる。
(復習) 二原子分子の振動と回転エネルギーの関係が説明でき、二原子分子の振動エネルギーが計算できる。[1時間]

4   赤外吸収法、ラマン分光法および和周波分光法   
内容:振動スペクトルのいくつかの測定法について学び、各測定法の特徴について習得できる。また、有機化合物の特性振動について学び、振動スペクトルから化合物の同定法を習得できる。
(復習) 振動スペクトルの選択則が説明でき、化合物の同定に振動スペクトルを利用できる。[2時間]

5   電子スペクトル1
(準備学習)教科書の「電子遷移の特性」を読み、電子遷移について確認する。[2時間]
内容:電子スペクトルを理解するために必要な基本的な概念、軌道と電子エネルギーの関係、遷移モーメントと吸収強度・選択則、Franck-condon 原理などについて理解できる。
(復習) 分子のポテンシャルエネルギーや電子遷移が説明できる。[1時間]

6   電子スペクトル2
(準備学習)教科書の「電子励起状態がたどる道」を読み、減衰過程について確認する。[2時間]
内容:励起状態のエネルギー消失過程について学び、蛍光スペクトルについて理解できる。
(復習) 吸収スペクトルと蛍光スペクトルの関係や溶媒効果が説明できる。[1時間]

7   電子スペクトル3
(準備学習)教科書の「(b)りん光」とを読み、蛍光とリン光の相違について確認する。[1時間]   
内容:三重項励起状態の性質について習得する。
(復習) リン光スペクトル、遅延蛍光、エネルギー移動について説明できる。[1時間]

8   励起分子の性質1
(準備学習)教科書の「光化学」とを読み、蛍光速度定数について確認する。[1時間]
内容:励起一重項状態の失活機構について理解を深め、定量的な取り扱いを習得する。
(復習) 減衰寿命が計算できる。[2時間]

9   励起分子の性質2
内容:、消光の機構について学び、エネルギー移動の基本概念を習得する。
(復習) エネルギー移動の量子収率が計算できる。[3時間]

10   励起分子の性質3
内容: 自然界における光化学現象、光合成、視覚、ほたるの発光、成層圏における光化学、光化学大気汚染などについて理解できるになる。 光励起状態における分子の幾何学構造の変化をエネルギー準位図を用いて学び、フォトクロミズの理解を深めることができる。光化学反応機構の基本概念を学び、光化学反応の主たる反応活性種・立体化学の支配因子・主要な反応経路について理解できる。
(復習) 自然界の色について、それらの根本原理が説明できる。[3時間]

11  ナノ材料の光学特性1   
内容:物質をナノサイズにすると、物性、とくに光学特性がどのように変化するか、またナノ材料の光学特性と機能との関係について理解できる。
(復習) ナノサイズ物質の光学特性が説明できる。[2時間]

12  磁場と磁気モーメント
(準備学習)教科書の「磁気共鳴」とを読み、NMRについて確認する。[2時間]
内容:磁気と磁気モーメントの基礎を学び、電子スピ共鳴法(ESR)の基本原理が理解できる。さらに、有機化合物の同定で最も有力な測定手段である核磁気共鳴法(NMR)の原理を学び、種々の測定手法について理解できる。
(復習) ケミカルシフトが説明できる。[1時間]

14  ナノ・マイクロ領域の最新測定法
内容:電子顕微鏡や電子エネルギー損失分光などの基本原理および測定技術を習得できる。また原子間力顕微鏡、顕微分光法などの微小領域を調べる最新の測定法について理解できる。
(復習) 電子線回折像から格子面間隔が計算できる。[2時間]

15  達成度評価
 これまでの理解度を試験により評価する。

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
化学メーカー研究員の勤務経験を活かし、物理化学関係の講義をする
教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
特になし

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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