シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
物理化学2
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Physical Chemistry 2
授業コード Class code
994215V
科目番号 Course number
42CHPHC203

教員名
河合 武司
Instructor
Takeshi Kawai

開講年度学期
2024年度後期
Year/Semester
2024 Semester
曜日時限
水曜1限
Class hours
Wednesday 1

開講学科・専攻 Department
工学部 工業化学科

Department of Industrial Chemistry, Faculty of Engineering
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
分子の電子構造は分子の構造や特性あるいは化学反応を支配している重要な要素である。この授業では、量子力学によって原子、分子の電子構造が如何に導出されるかを学び、化学結合や分子スペクトルについて理解を深める。

目的 Objectives
古典論と量子論の相違、シュレディンガー方程式、水素原子の波動関数などを理解し、簡単な系のシュレディンガー方程式の解法や波動関数の活用法を取得し、原子・分子のエネルギー準位と化学結合を論理的に理解する能力を養う。本学科のディプロマ・ポリシーに定める「工業化学分野に必要な基礎学力と専門知識」を身に付けるための科目である。
到達目標 Outcomes
1 古典論と量子論の相違が理解する
2 1次元のシュレディンガー方程式が解ける
3 2次元と3次元の回転系のエネルギー準位が計算できる
4 水素様原子の波動関数を理解し、電子のエネルギー準位が計算できる
5 簡単な原子の電子のエネルギーを求めることができる
6 分子軌道法を使って簡単な二原子分子の軌道を求めることができる
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
化学数学の講義内容、特に特殊関数論について充分に理解すること。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
小テストの実施 Quiz type test
-

準備学習・復習 Preparation and review
準備学習としては、教科書を熟読し、理解できない部分を明確にすること。また、理解できない部分は、他の教科書を読むことも勧めます。復習としては、物理化学演習の問題および類似問題を解き、定理や理論の理解を深め、問題を確実に解ける力を身につけてください。
成績評価方法 Performance grading policy
課題30%、到達度評価70%
(出席は大前提です)

学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
Y
書誌情報 Bibliographic information
量子化学 化学入門コース6 岩波書店(大野公一著)
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
「量子化学−基礎の考え方16章」東京化学同人(中田宗隆著)

授業計画 Class plan
1   量子論の導入(1)
(準備学習)教科書の「量子化学とは」から「波動と振動」まで読み、光の波長とエネルギーの関係について復習しておく。[2時間]
内容:古典論では説明できない現象について学び、新しい概念が必要なことが理解できる。また、物質が粒子性と波動性の両面を持っていることを理解する。

2   量子論の導入(2)
(準備学習)教科書の「エネルギーの量子論」と「原子のスペクトルとエネルギー順位」まで読み、古典論で説明できない現象を確認する。[2時間]   
内容:光電効果、仕事関数、Bohr模型について学び、角運動量の量子仮説の導出できるようになる。
(復習) 仕事関数の計算ができ、Bohr模型が導出できる。[2時間]

3   量子論の導入(3)
(準備学習)教科書の「粒子性と波動性」を読み、ドブロイの関係式を確認する。[1時間]   
内容:ドブロイの関係式を学び、物質波の波長が算出できる。
(復習) 物質波の波長が計算できる。[1時間]
 
4   シュレディンガー方程式1
(準備学習)教科書の「波動方程式」から「1次元の箱の中の粒子」まで読み、シュレディンガー方程式を確認する。[1時間]
内容:ハミルトニアン演算子と波動関数の性質について学び、1次元の箱モデルのシュレディンガー方程式が解けるようになる。
(復習) 1次元の箱の中の粒子のエネルギーが計算できる。[2時間]

5   シュレディンガー方程式2
内容:変数分離の概念について学び、2次元および3次元の箱中の粒子のシュレディンガー方程式が解けるようになる。さらに、縮退の概念についても理解できる。
(復習) 2次元、3次元の箱の中の粒子のエネルギーが計算できる。[2時間]   

6   二次元の回転運動
(準備学習)教科書の「2粒子系の運動」を読み、回転運動について確認する。[1時間]
内容:二次元の回転運動系のシュレディンガー方程式が解けるようになり、角運動量がミクロな世界では量子化されていることが理解できる。
(復習) 分子の二次元および三次元の回転運動のエネルギーが計算できる。[2時間]

7  水素型原子の波動関数(1)
(準備学習)教科書の「水素様原子」を読み、最も簡単な原子のシュレディンガー方程式について確認する。[2時間]
内容:三次元の回転運動系のシュレディンガー方程式の解法について学び、水素型原子の構造とスペクトルについて理解ができる。
(復習) 水素様原子のシュレディンガー方程式が書け、そのエネルギー順位が計算できる。[1時間]

8   水素型原子の波動関数(2)
内容:水素原子の波動関数(s, p, d軌道)の特徴について学び、水素型原子のエネルギー準位が求められるようになる。
(復習) 動径分布鑵子について理解し、電子の存在確率の距離依存性が計算できる。[3時間]

9   多電子系の波動関数
(準備学習)教科書の「他電子原子」と「近似法の基礎」を読み、ヘリウム原子のエネルギー、摂動法、変分法について確認する。[2時間]
内容:変分法と摂動法について学び、ヘリウム原子のエネルギーおよび第二イオン化エネルギーが求められるようになる。さらに、パウリの排他原理と電子スピンについて理解できる。

10   2原子分子(1)-水素イオン分子-
(準備学習)教科書の「水素分子イオンと水素分子」を読み、分子軌道法について確認する。[2時間]
内容:分子軌道法の概念について学び、水素イオン分子の結合性と反結合性軌道の波動関数およびエネルギーが求められるようになる。
(復習)永年方程式が活用できる。[1時間]

11  2原子分子(2)   
分子軌道の概念を用いて、周期表第2周期の等核2原子分子の結合次数、磁性について理解できる。
(復習)等核2原子分子の分子軌道が書け、定性的に結合次数などが説明できる。[2時間]

12  2原子分子(3)  
内容:σ結合とπ結合の相違、混成軌道について理解できる。
(復習)HOMOとLUMOと化学結合との関係について定性的に説明できる。[2時間]

13  2原子分子(3)
(準備学習)教科書の「軌道の重なりと軌道間相互作用」を読み、重なり積分の重要性について確認する。[2時間]  
内容:、重なり積分と結合距離との関係についても理解が深まる。
(復習)原子間距離と重なり積分の関係を定性的に説明できる。[1時間]

14  ヒュッケル近似(1)
(準備学習)教科書の「ヒュッケルの分子軌道法」を読み、π電子系の分子軌道について確認する。[1時間]
内容:単純ヒュッケル近似の概念と永年行列式について理解ができ、エチレンのπ電子軌道とそのエネルギーが求められるようになる。
(復習)ブタジエンのエネルギー準位が計算できる。[2時間]

15 達成度評価
内容:これまでの理解度を試験により評価する。

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
化学メーカー研究員の勤務経験を活かし、物理化学関係の講義をする
教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
特になし

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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