シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
生物有機化学
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Bioorganic Chemistry
授業コード Class code
993K139
科目番号 Course number
3bBPCHP226

教員名
青木 伸
Instructor

開講年度学期
2024年度後期
Year/Semester
曜日時限
水曜1限
Class hours

開講学科・専攻 Department
薬学部

Faculty of Pharmaceutical Sciences
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
生体は主として有機、無機化合物から構成され、それらの維持と変換により生命活動が支えられている。生物有機化学は、生体の構造と反応の特長を化合的な視点からとらえ、単純な化合物を用いた生体系の模倣による生体機能の再現によりその本質を明らかにする学問である。さらに、生体系の特長を備え、生体機能を超える人工化合物の設計と構築を行う。
目的 Objectives
本講義では、生体内物質を構成する分子の構造を覚え、相互作用および生体反応を「化学的な目」を通して解釈し、その知識から人工モデル系の設計、合成および機能の解析を行う際の考え方と方法論を学ぶ。
到達目標 Outcomes
生体構成分子と相互作用うる医薬品の構造に慣れ、作用機序について化学的に理解する目を養う。薬物の構造から生体内ターゲット分子と作用機序を予想できるようになることを目標とする。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
化学系および生物系基礎科目の内容を十分理解していること
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
-
-

準備学習・復習 Preparation and review
随時必要な予習、復習を行うこと
成績評価方法 Performance grading policy
数回の演習(30~40%)と期末試験(60~70%)で評価する。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
-
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
小宮山真、八代盛夫共著「生命化学I 天然酵素と人工酵素−」(丸善)

橋本祐一、村田道雄著「生体有機化学」(東京化学同人)

McMurry.J;Casterllion、M.E.著(菅原ら訳)「生物有機化学II生化学論」(丸善)

Koolman、Roehm著(川村ら訳))「カラー図解見てわかる生化学」(メディカル・サイエンス・インターナショナル)

平山令明著「やさしい分子薬理学」(共立出版)

新井、大森、立屋、丹羽著「バイオサイエンス化学」(東京化学同人)


授業計画 Class plan
第1回 はじめに  [講義]
担当教員:青木 伸
授業内容:講義初回に、本講義の概要を説明する。特に生化学や有機化学で学んだ生体分子の化学構造(立体化学も含めて)を描けるようになる。

第2回 生体構成物質の構造と機能 生体反応の基礎(1)[講義]
担当教員:青木 伸
授業内容:生体内における有機分子の構造(分子型、イオン型)や分子間相互作用を理解する。

第3回 生体構成物質の構造と機能 生体反応の基礎(2)[講義]
担当教員:青木 伸
授業内容:生体内反応を制御する酵素反応の基礎(反応速度論など)を学ぶ。特に酵素による触媒反応が大きな加速を得る機構を学ぶ。

第4回 加水分解酵素の構造と反応機構(1)[講義]
担当教員:青木 伸
授業内容:生体内反応を触媒する酵素の例として、ペプチド加水分解を触媒するぺプチダーゼを取り上げる。分子機構によるぺプチダーゼの分類と、それぞれの反応機構を学ぶ。さらにそれらの阻害剤が医薬品として使用されている例を学ぶ。

第5回 加水分解酵素の構造と反応機構(2)[講義]
担当教員:青木 伸
授業内容:酵素によって触媒される生体内反応の例として、ペプチド加水分解を触媒するぺプチダーゼを取り上げる。分子機構によるぺプチダーゼの分類と、それぞれの反応機構を学ぶ。さらにそれらの阻害剤が医薬品として使用されている例を学ぶ。

第6回 加水分解酵素の構造と反応機構(3)[講義]
担当教員:青木 伸
授業内容:生体内反応を触媒する酵素の例として、糖鎖加水分解を触媒するグリコシダーゼを取り上げる。代表的なグリコシダーゼの反応機構を学ぶ。さらにそれらの阻害剤が医薬品として使用されている例を学ぶ。

第7回 生体内酸化反応・薬物代謝反応[講義]
担当教員:青木 伸
授業内容:生体内反応において、代謝の役割は非常に重要であり、特に酸化酵素は研究が進んでおり、薬物代謝の理解にも重要である。本講義では、それらの代表的酵素と反応メカニズムを学ぶ。それらの阻害剤が医薬品として使用されている例を学ぶ。

第8回 生体無機化学・錯体化学と医薬品[講義]
担当教員:青木 伸
授業内容:生体内は無機イオンや無機化合物の宝庫であり、それらが生命活動のために果たす役割は非常に大きい。本講義では、生体内で機能する無機化合物(分子状酸素、一酸化窒素)や代表的な金属イオンおよび金属酵素・タンパク質の種類と構造、反応性について学ぶ。

第9回 核酸の構造と核酸を標的とする薬物(1)[講義]
担当教員:青木 伸
授業内容:核酸(DNA、RNA)は遺伝子情報を保存、複製する生体内高分子である。本講義では、その部品である核酸塩基(ヌクレオシド、ヌクレオチド)の構造と性質、ポリマーとしての核酸の構造を学ぶ。

第10回 核酸の構造と核酸を標的とする薬物(2)[講義]
担当教員:青木 伸
授業内容:核酸は医薬品の重要なターゲットである。特に抗がん剤は核酸に作用して機能するものが多い。本発表では、作用メカニズムによる分類と詳細な作用機序を学ぶ。

第11回 ホスト−ゲストの化学、分子認識化学、超分子科学(1)[講義]
担当教員:青木 伸
授業内容:人類は、酵素反応や生体内反応を理解、予測するために、有機分子や金属錯体によるモデル化を試みてきた。その結果が、今日の生化学、薬学部、構造生物学などの基礎になっている。本講義では、それらの歴史、特にホストーゲスト化学、分子認識化学の黎明期から今日に至るまでを概説する。

第12回 ホスト−ゲストの化学、分子認識化学、超分子科学(2)[講義]
担当教員:青木 伸
授業内容:人類は、酵素反応や生体内反応を理解、予測するために、有機分子や金属錯体によるモデル化を試みてきた。その結果が、今日の生化学、薬学部、構造生物学などの基礎になっている。本講義では、それらの応用による新機能性分子の設計と合成について学ぶ。

第13回 ホスト—ゲストの化学、分子認識化学、超分子科学(3)[講義]
担当教員:青木 伸
授業内容:人類は、酵素反応や生体内反応を理解、予測するために、有機分子や金属錯体によるモデル化を試みてきた。そして、生体内と同様の分子集積体によって新機能性分子・材料の設計と合成が可能になった。それらは、ノーベル賞の対象にもなっている。本発表では、それらの基本的知識について学ぶ。

第14回 がん診断・治療の化学(生体機能化学、分子認識化学、ケミカルバイオロジー)(1)[講義]
担当教員:青木 伸
授業内容:近年、がんの早期および個別化(精密)診断・治療が重要になっていることは言うまでもない。本講義の過去13回では、分子間相互作用、薬理作用の基礎を学んでおり、抗がん剤の設計と合成は、それらの知識と過去の(創薬)研究者たちの成果の集大成である。本講義では、これまでの講義内容を踏まえ、抗がん剤の作用メカニズムに基づく分類と、それぞれの作用機序について学ぶ。

第15回 がん診断・治療の化学(生体機能化学、分子認識化学、ケミカルバイオロジー)(2)[講義]
担当教員:青木 伸
授業内容:抗がん剤の開発では、薬剤の設計と合成とともに、その作用機序を明らかにすることも必要である。また薬剤を用いたバイオロジー、すなわちケミカルバイオロジーも重要である。本講義では、従来の抗がん剤に加え、がん細胞特有の分子をターゲットとする薬、つまり分子標的薬について学ぶ。また、その他最新のがん診断・治療における化学・薬学の役割についても学ぶ。
SBOsコード(薬学部薬学科のみ 2023年度以前カリキュラム適用者対象)
第1回
C4-1-1-2 C4-1-1-1 C6-2-1-1 C6-2-3-1

第2回
C2-2-1-1 C1-1-2-1 C1-1-2-2 C1-1-2-3 C6-2-4-1

第3回
C6-3-3-1C6-3-3-3

第4回
C4-2-2-1 C4-2-2-2 C4-2-2-3

第5回
C6-3-3-3C4-3-4-3 C4-3-4-6 C6-3-3-2

第6回
C6-2-2-1 C6-2-2-2C4-3-4-5

第7回
C4-2-4-1 C4-2-4-2 AdvC4--2-1 AdvC4--2-2 C4-1-2-2C4-3-4-2 E2-2-1-1 E2-2-1-2

第8回
C3-5-1-3 C4-1-2-4 C3-5-1-5 C4-2-1-1 C4-2-1-2 C4-1-2-3 C6-6-2-3 C6-6-2-4

第9回
AdvC6--5-1 C6-2-5-1

第10回
C4-3-6-1 C4-3-6-2 C4-3-6-3 E2-7-8-1

第11回


第12回


第13回


第14回
E2-7-7-3 E2-7-8-1 E2-7-8-4E2-7-8-3 E2-7-10-

第15回
E2-7-8-1 E2-7-8-4C4-1-2-1

学修事項(薬学部薬学科のみ 2024年度以降カリキュラム適用者対象)
C-1-1-6
C-1-3-14
C-3-5-3
C-4-2-1
C-4-2-2
C-4-2-3
C-4-2-4

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)に対応する項目(SBOs)及び薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)に対応する項目(学修事項)を授業計画欄下部に示す。
なお、各項目に紐づく内容については、以下URL先に示す。
URL:https://tus.box.com/s/ilc2p0ygiyz4ncj23ckp310rmaa0efdk

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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