![]() 教員名 : 星野 翔麻
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科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
分子構造論1
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Molecular Structure 1
授業コード Class code
9923AP8
科目番号 Course number
23CHPHC304
教員名
星野 翔麻
Instructor
Shoma Hoshino
開講年度学期
2024年度前期
Year/Semester
2024 First Semester
曜日時限
金曜5限
Class hours
Wednesday 5th. Period
開講学科・専攻 Department
理学部第二部 化学科
Department of Chemistry, Faculty of Science Division Ⅱ 単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義
Lecture 外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
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授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class
概要 Description
現代科学のほぼ全ての分野は「物質」に基盤を置いており、その機能物性や反応性等の性質を分子論的に理解することが必須となっている。現代科学においては、電磁波を用いた計測(分光学的計測)が物質の物性や構造解析の主流として用いられている。分光計測は定量/定性分析の基盤となっており、非常に多くの研究分野で使用されている。現代科学において分光計測を全く取り入れない研究は稀であると言っても過言ではないだろう。その測定技術や装置も洗練されており、試料をセットしてスイッチを押せば、短時間で非常に簡便にスペクトルの測定ができてしまう。さらに、測定したスペクトルの帰属もオートマチックに行うことも可能となりつつある。しかしながら、観測したスペクトルには分子のどのような性質が反映されているのか、つまり、「一体何を見ているのか」といった測定原理がブラックボックス化しているのも事実である。化学系あるいは物理学系の学生実験や卒業研究・大学院での研究等で今後分光計測を行うこともあると思うが、その際に得られたデータに対して適切な解釈を行わなければならない。また、大学院進学の際の院試にも分光計測に関連する問題が度々出題される。
このような状況を考慮して、本講義では分光計測における原理的側面を取り扱う。特に、様々な種類の光と分子との相互作用をベースとして、分光学的スペクトルから分子の幾何学的構造や電子構造がどのように決定されるかを具体例を挙げてなるべく平坦に解説する。 本講義では、物理化学実験やスペクトルが登場する他の講義の理解を助ける内容を多く取り扱う予定である。また、実践的な実力を養成するために、できるだけ多くの例題(演習問題)を解く形式で講義を進める予定である。 目的 Objectives
学生実験や卒業研究等で実際の分光計測を行う際に知っておくべき基礎理論を習得する。特に、スペクトル計測において何を見ているのか、つまり得られたスペクトルには分子のどのような性質が反映されているかを理解し、その上で適切な解析が行えるような能力を身につけることを目的とする。
到達目標 Outcomes
分子運動のエネルギー準位構造を学習し、その応用として赤外吸収、紫外・可視吸収等の分光法の基礎理論を習得する。さらに、実際のスペクトルをどのような手法で測定し、どのように解釈するかを理解する。
物理化学実験などの学生実験や量子論系の科目との繋がりを意識して学習してもらいたい。 卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。 You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments). https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/ 履修上の注意 Course notes prerequisites
微分(偏微分)、積分、微分方程式、線形代数など基礎数学を理解しておくことが望ましい。また、本講義は各回で独立したトピックスを取り上げるものではなく、毎回の学習を積み重ねて理解していくスタイルである。講義内容の理解が難しくなってきたと感じたら、手遅れになる前に復習を行なってもらいたい。小さな疑問や簡単な内容でも質問は歓迎する。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/小テストの実施 Quiz type test
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準備学習・復習 Preparation and review
<準備学習・予習>
物理化学や無機化学の講義で学習した物理化学的考え方や初等量子化学を十分復習し、理解しておくこと。 また、シラバスに掲載されている講義予定をもとに、あらかじめ配布テキストを閲読しておくことで、授業内での説明をより理解することができる(各回ごとに1時間程度)。 <復習> 各回の内容、特に方程式(関係式)が持つ物理的意味を充分理解することが重要である。式の導出にとらわれず、その式の持つ物理的内容を深く考えてもらいたい。 また、講義後に関連した演習問題を解くことは実力養成に効果的である。テキストの問題を解き復習する事(各回1時間程度)。さらに、参考書にあげた書籍には多くの演習問題が掲載されている。 成績評価方法 Performance grading policy
到達度評価の成績を重視するが、講義中に適宜行われる演習、レポートの内容等を考慮して評価する(到達度評価8割、その他2割を目安として評価する)。
なお、問題演習や到達度評価は実施後に簡単な解説を行う。 学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している ・B:到達目標を達成している ・C:到達目標を最低限達成している ・D:到達目標を達成していない ・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している ・S:Achieved outcomes, excellent result ・A:Achieved outcomes, good result ・B:Achieved outcomes ・C:Minimally achieved outcomes ・D:Did not achieve outcomes ・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation 教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
Y
書誌情報 Bibliographic information
市販の教科書の指定はありませんが、こちらで作成したレジュメ冊子を紀伊國屋書店で販売します。詳しくは初回ガイダンスでお知らせします。
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store). https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ 参考書・その他資料 Reference and other materials
<参考書> ・「分光法シリーズ第8巻 紫外可視・蛍光分光法」 築山光一・星野翔麻 編著、講談社サイエンティフィク ・「基礎コース物理化学II 分子分光学」中田 宗隆 著、東京化学同人 以下の2冊は、標準的な学部レベルの参考書であり、演習問題も多く掲載されている。 ・「マッカーリ・サイモン物理化学–分子論的アプローチ–(上巻)」 D.A. McQuarrie, J.D. Simon 著、東京化学同人 ・「アトキンス基礎物理化学–分子論的アプローチ–(上巻)」 P.W. Atkins, J.de. Paula, R. Friedman 著、東京化学同人 <発展的な参考書> 以下の3冊は、本講義では時間の都合上取り扱えない群論をベースとした論理展開や、本講義の発展的な内容が記載されている。 ・「Spectra of Atoms and Molecules (3rd ed.)」 P.F. Bernath 著、Oxford University press ・「大学院講義物理化学1 (第2版)」 染田清彦 編、東京化学同人 ・「物質の対称性と群論」 今野豊彦 著、共立出版 授業計画 Class plan
2024年度は対面講義を基本として実施します。
第1回:ガイダンスとイントロダクション 本講義の意義、成績評価方法について説明する。 第2回:分子運動の量子論(1) 分子運動の自由度や、分子分光学で扱う対象について説明する。 第3回:分子運動の量子論(2) 調和振動子・剛体回転子モデルの古典論および量子論的取り扱いについて解説する。 第4回:光と分子(1) 電磁波の特徴を記述する物理量や、光のエネルギーと分子運動の関連性について解説する。 第5回:光と分子(2) 光の吸収と放出の速度論、遷移確率、Lambert-Beerの法則について解説する。 第6回:回転分光法 マイクロ波の吸収による回転スペクトルから核間距離等の分子の構造に関するパラメータが決定できることを解説する。 第7回:振動分光法(1) 二原子分子を例として、赤外吸収スペクトルから化学結合のかたさに関連するパラメータが決定できることを解説する。 第8回:振動分光法(2) 振動-回転運動の取り扱いと、そのスペクトルから得られる情報に関して解説する。 第9回:振動分光法(3) 多原子分子の振動運動と取り扱いと、分子間相互作用のある系における振動スペクトルに関して解説する。 第10回:ラマン分光法 二原子分子および多原子分子のラマン分光法に関して解説する。 第11回:紫外・可視分光法(1) 紫外・可視光の吸収による電子遷移の振動構造や回転構造に関して解説する。 第12回:紫外・可視分光法(2) 励起分子の動的失活過程について解説する。 第13回:先端的レーザー分光法 超高速分光法による化学反応ダイナミクス追跡の例など、最先端の分光研究の事例を紹介する。 第14回:総合演習 講義内容の理解度を確認するための問題演習と解説を行う。 第15回:到達度評価と総括 半期間の講義内容に関して到達度評価を行い、その後本講義のまとめと展望について述べる。 以上は講義予定であり、履修者の理解度等により内容の変更を行う場合がある。 授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
担当教員は分子科学(分子分光学・分子構造論・化学反応動力学・大気化学)を専門としており、量子化学・熱力学・統計力学・反応速度論等の基本的な物理化学を基盤とした研究を実施している。その経験を生かし、最新のトピックス等も取り入れて講義を行う。
教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
2020年度より理学部第一部化学科の学生も受講可能となりましたが、Classからの履修申告はできません。
履修申告の際は他学部履修申告書を理学事務課に提出する必要があるので注意してください。詳細はLETUSに記載するので、定期的に確認するようにしてください。 授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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