基礎物理化学 （水・５）

Fundamental Physical Chemistry （水・５）

9923311

23CHPHC101

青木　健一

Ken'ichi Aoki

2024年度前期、2024年度後期

2024 First and Second Semester

水曜5限

Wednesday 5th period

理学部第二部　化学科

Department of Chemistry, Faculty of Science Division Ⅱ

4.0単位

講義

Lecture

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① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

本講義では、「化学熱力学」について理解を深める。化学熱力学は、物理化学分野の中でも抽象的で難解な議論が多い学問であるため、理解するにはコツと時間を要する。しかし、本学問で扱う概念は極めて重要で、大学で修得するすべての「化学」の基礎になっているといっても過言ではない。化学系の学生諸氏にとっては必須となる学問である。そこで本講義では、熱力学の諸法則、自由エネルギー、および化学ポテンシャル等の基礎概念について詳しく取り上げる。

熱力学の諸法則、自由エネルギー、および化学ポテンシャル等の基礎概念を正しく理解し、多くの物理的、化学的現象を熱力学的観点から論理的に説明できるようになることを本講義の目的とする。

熱力学の諸法則、自由エネルギーおよび化学ポテンシャル等の概念をもとに、物理変化、化学変化における平衡状態や変化の方向性について論理的に理解できるようになることを本講義の到達目標とする。

リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます（学部対象）。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​

高校課程における化学、物理、数学の理解が不十分な学生は、良く復習をしておいてください。

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本講義は、毎回の学習事項を積み重ねて議論が進んでいきます。そのため、いったん分からなくなると、それ以降の講義内容が全く理解できなくなってしまいます。毎回、講義内容をよく復習し、講義後に配布する演習課題（宿題）を行い、学んだことをよく理解したうえで、次週の講義を受講するように心がけてください。

１，前期の成績評価について
　（１）到達度評価（９０点）
　（２）授業へのとりくみ・態度（１０点）

２，後期の成績評価について
　（１）到達度評価（９０点）
　（２）授業へのとりくみ・態度（１０点）

３，最終評価について
　前期と後期の成績の合計（２００点分）を２で割って１００点満点とします。

・S：到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A：到達目標を十分に達成している
・B：到達目標を達成している
・C：到達目標を最低限達成している
・D：到達目標を達成していない
・-：学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S：Achieved outcomes, excellent result
・A：Achieved outcomes, good result
・B：Achieved outcomes
・C：Minimally achieved outcomes
・D：Did not achieve outcomes
・-：Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

Y

1, 「現代物理化学」・寺嶋正秀, 馬場正昭, 松本吉泰著・化学同人・2015年発行・ISBN 9784759818093
2, 「基礎物理化学・物理化学１−１　講義ノート（第３版）」・青木健一著・菅原印刷・2016年発行・ISBN 1418001283
3, 「ニューグローバル物理基礎／物理」・東京書籍・2023年発行・ISBN 9784487386727

教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書
「化学熱力学 [新訂版] （サイエンスライブラリ化学４）」・渡辺啓著・サイエンス社・2015年発行・ISBN4-7819-1014-9

その他資料
※高校過程の物理を十分に理解できていない受講学生は、高校物理の教科書または市販教材を利用して各自学習してください。例えば以下の市販教材を参考にしてください。図書館にも配架されています。^*1

１、「チャート式シリーズ　新物理（物理基礎・物理）」^*1・数研出版・2022年発行・ISBN 978-4-410-11842-5
２、「理解しやすい物理（物理基礎収録版）」^*1・2023年発行・ISBN 978-4-578-24415-8
３、「高校・これでわかる物理基礎」^*1・文英堂・2022年発行・ISBN 978-4578241935
４、「高校・これでわかる物理」^*1・文英堂・2023年発行・ISBN 978-4-578-24194-2

^*1 高校教科書の改訂に伴い、2022または2023年度に版が新しくなっています。図書館に配架されているものは旧版ですが、高校物理を復習するうえで、特に問題ありません。また、すでに旧版を購入済みの方は、新たに新版を購入する必要はありません。

以下の本は教科書というよりは読み物ですが、高校物理に興味を持つきっかけになるかも知れません。
「学び直し高校物理　挫折者のための超入門」田口義弘著、講談社文庫（2024年発行）

1 化学熱力学を学ぶための心得

2 高校分野の復習（１）　熱力学の基本
3 高校分野の復習（２）　気体の法則
※ 高校分野の復習には、東京書籍発行の教材「ニューグローバル物理基礎／物理」を利用します。本教材は、以降の回でも、適宜活用します。

4 実在気体の性質（１）
　　考え方とビリアル方程式

5 実在気体の性質（２）
　 ファンデルワールス方程式


6 熱力学第一法則（１）
　 基礎的概念

7 熱力学第一法則（２）
　 熱と仕事

8 熱力学第一法則（３）
　 エンタルピーの理解と計算

9 熱力学第一法則（４）
　 断熱変化、熱化学

10 熱力学第一法則（５）
　 熱力学第一法則のまとめと演習


11 熱力学第二法則（１）
基礎的概念、カルノーサイクル

12 熱力学第二法則（２）
　エントロピーの基本性質

13 熱力学第二法則（３）
　 さまざまな変化に伴うエントロピー変化

14 熱力学第二法則（４）
　 不可逆変化とエントロピー増大則

15 前期のまとめ


16 熱力学第一、第二法則の復習と演習

17 熱力学第三法則

18 自由エネルギーの概念（１）
概要と考え方

19 自由エネルギーの概念（２）
自由エネルギーの変化量の計算とその解釈

20 自由エネルギーの概念（３）
熱力学の基本式、マクスウェルの関係式

21 自由エネルギーに関するまとめ

22 純物質の物理的変化（１）
23 純物質の物理的変化（２）

24 化学ポテンシャルの概念（１）　　
基礎的性質

25 化学ポテンシャルの概念（２）
理想混合気体、理想溶液
26 化学ポテンシャルの概念（３）^※
　 束一的性質（その１）

27 化学ポテンシャルの概念（４）^※
束一的性質（その２）

28 化学ポテンシャルの概念（５）
まとめと演習

29 後期のまとめ

30 本講義のまとめ
　物理的、化学的変化の熱力学的解釈

^※ 化学ポテンシャル（３）（４）については、授業の進捗状況によっては、「物理化学１−１」（２年前期）で取り扱う場合があります。

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特になし。

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