シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
物理学実験B(上級コース) (2021年度入学生までは物理学実験2B)
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Physics Laboratory Experiments B(advanced course) (2021年度入学生までは物理学実験2B)
授業コード Class code
9922D46
科目番号 Course number
22PHEXP302

教員名
髙橋 忍、長嶋 泰之、木村 直樹、西尾 太一郎
Instructor
T. Nishio, S. Takahashi, Y. Nagashima, N. Kimura,

開講年度学期
2024年度後期
Year/Semester
2024/2nd semester
曜日時限
金曜6限、金曜7限
Class hours
6th-7th period, Friday

開講学科・専攻 Department
理学部第二部 物理学科

Department of Physics, Faculty of Science Division Ⅱ
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
実験

Experiment
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
卒業研究や大学院専攻研究の基礎技術となるように、光学・物性・電子回路などについてのより専門的な実験課題を行う。「キャリア教育」の一つとして実験課題についてのプレゼンテーションおよびインタビューを行う。
目的 Objectives
物理学実験A, B(中級コース)で学んだ「実験方法および測定値の処理法」をより高度な実験に応用し、物理現象を正確に理解する力を養い、自主的に研究を遂行するための基礎的知識と実験技術を習得する。さらに、プレゼンテーションおよびインタビューを通してコミュニケーション能力を習得する。


本学科のディプロマ・ポリシーに定める「修得した専門知識や教養をもとに、自ら課題を発見し、解決する能力」を実現するための科目です
本学科のカリキュラム・ポリシーに定める「物理学の専門知識を深化させ、併せて他の授業科目との関連や学問探求の方法を学び、問題発見・解決能力の育成を図る」科目です。
到達目標 Outcomes
・実験を通じて背後に潜む物理現象を理解できる。
・光学および物性論の基礎を理解できる。
・物理学実験に関しての以下の基本となる能力を、確実に自らのものにする。
  - 教科書の記述を理解し、実際に実験を遂行できる。
  - 得られたデータを解析し、データの背後にある物理現象を考察できる。
  - 他人が読んで分かりやすいレポートを作成できる。
  - 実験結果を分かりやすくプレゼンテーションできる。
  -プレゼンテーションにおいて的確な質問または、応答をすることができる。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
物理学実験B(上級コース)は物理学実験A, B(中級コース)に対する上級コースとしておかれている。受講希望者はCLASSシステム上での履修申告に加え、物理学科への受講申し込み手続きが必要である。申し込みに関する詳細は、年度はじめにCLASSに掲示される。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
ディベート・ディスカッション Debate/Discussion/グループワーク Group work/プレゼンテーション Presentation
-

準備学習・復習 Preparation and review
自らの実験題目に関し、必ず教科書を熟読しておくこと。予習する際には実験の要点を実験ノートにまとめること。実験ノートは毎回出席を取る際に、担当教員もしくはTAがチェックを行う。
成績評価方法 Performance grading policy
実験に取り組む態度(50%)、レポート・ディスカッション(50%)を総合的に判断して成績を評価する。
提出されたレポートに対しディスカッションを実施することで、改善を図る。
実験は参加し体験することが重要であり意義がある。そのためj実験に取り組む態度の評価は厳しく行われる。なお、フィードバックのため、レポートは返却される。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
Y
書誌情報 Bibliographic information
東京理科大学理学部第二部物理学教室 編 『物理学実験-応用編』(内田老鶴圃、ISBN: 978-4-7536-2033-3)
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
東京理科大学理学部第二部物理学教室 編 『物理学実験-入門編(改訂版)』(内田老鶴圃、2016年、ISBN: 978-4-7536-2031-9)
東京理科大学理学部第二部物理学教室 編 『物理学実験-基礎編』(内田老鶴圃、2021年、ISBN: 978-4-7536-2032-6)

授業計画 Class plan
実験を光学・物性・電子回路・粒子線複合の3コースに分け、期間中に3コースを終了する。2人1組の班となり、1班当たり2週1課題で順次行っていく。班によって課題を実施する順序は異なるが、同じ実験課題を複数回行うことは無い。レポートは各自で作成し、課題によっては実験結果に対してのプレゼンテーションやインタビューを行うが、レポート提出方法、プレゼンテーション、インタビュー実施方法はコースによって異なるので注意すること。また、プレゼンテーションやインタビューは、実験課題終了の翌実験日に行うことになるので、実験課題の実施順やプレゼンテーション、インタビューは、必ずしも下記の順に従うものではない。

1.実験事前指導
内容:組分けと実験事前指導および実施日程の伝達。実験内容に関する講義。

I. 光   
2.光の回折(1)
3.光の回折(2)
内容:スリットを使って単色光の回折を測定し、強度解析を行う。

4.偏光(1)
5.偏光(2)
内容:偏光した光線の性質を調べ、X線ゴニオメーターの使い方を習得する。

6.固体レーザー(1)
7.固体レーザー(2)
内容:可視、赤外線レーザーの発振と特性を理解し、レーザーを用いた干渉実験を行う。

II. 物性
8.真空蒸着(1)
9.真空蒸着(2)
内容:真空ポンプおよび真空測定器の原理ならびに操作法を理解する。Al、Agを真空蒸着し、蒸着温度と蒸着膜厚の関係を理解し、反射型膜厚計の使い方を習得する。

10.X線による結晶の方位決定(1)
11.X線による結晶の方位決定(2)
内容:X線背面ラウエ法を用いて金属の回折写真を撮影し、X線に関する知識と結晶内でのX線の散乱、干渉、回折について理解する。この方法を用いて結晶の方位を決定し、固体の結晶構造などに関する基礎知識を学ぶ。

12.半導体のホール効果(1)
13.半導体のホール効果(2)
内容:n型半導体およびp型半導体のホール効果と電気抵抗の磁場依存性を測定し、荷電粒子に働く電磁場の作用と半導体の電子状態について学ぶ。

14. 強磁性体の磁化測定(1)
15. 強磁性体の磁化測定(2)
内容:FeおよびNiの磁化曲線を測定する。Niにおける飽和磁化の温度変化を測定し、その結果からキュリー温度を求める。測定を通じて、強磁性体の磁化機構をはじめ特徴的性質について学ぶ。
  
16.示差熱による相転移の検出(1)
17.示差熱による相転移の検出(2)
内容:反応熱と相転移熱を検出する示差熱分析を理解し、相転移温度、相転移熱を測定する。

18. サーミスタの特性(1)
19. サーミスタの特性(2)
内容:サーミスタの基本的な定数である初期抵抗値、サーミスタ定数、熱放射係数、時定数を求め、その熱電気的特性について学ぶ。

20. 高温超伝導体と金属(Ni)の抵抗における電気抵抗(1)
21. 高温超伝導体と金属(Ni)の抵抗における電気抵抗(2)
内容:高温超伝導体の電気抵抗の温度特性を調べ、臨界温度を決定する。また、超伝導体と金属の電気抵抗の温度特性を同時に測定し、導電の違いを理解する。


III. 粒子線   
22. β線のエネルギーの測定(1)
23. β線のエネルギーの測定(2)
内容:β線をGM計数管により測定し、GM管の計測の仕組みを理解する。吸収板を用いてβ線の最大エネルギーを求める。 

IV. 電子回路
24. はんだ付けの実習と電源回路
内容:電源回路を実作し、実技と原理を取得する。実験25と連携で行う。

25. OPアンプと増幅回路
内容:OPアンプの内部構造を理解し、負帰還による増幅回路の特性の変化について学ぶ。実験24と連携で行う。

26. ディジタル回路(1)
27. ディジタル回路(2)
内容:ディジタル回路の一般的特性を学び、その使い方の基礎を習得する。

28. LabVIEWによる音声解析(1)
29. LabVIEWによる音声解析(2)
内容:LabVIEWを用いたプログラミング、作成したプログラムを用いた音声データ解析法を学ぶ。

V.レポートとプレゼンテーション
  
30〜32.プレゼンテーション、インタビューによる結果の発表
実験を行った翌実験日にプレゼンテーションやインタビューで、得られた実験結果を発表し、実践を通してこれらの技法を確実に身につける。班によりプレゼンテーション等の実施課題や順序は異なる。

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
LabVIEW
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備考 Remarks
プレゼンテーション時間を設け、発表と議論を行い、実験に関する理解を深め、習熟度を高める。レポートの提出方法も実験によって異なるので実験事前指導に注意すること。

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
Y
授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
N