シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
教育原理 (S科)
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Fundamentals of Education (S科)
授業コード Class code
992015N
科目番号 Course number
L1HSSSCn22

教員名
井藤 元
Instructor
Gen Ito

開講年度学期
2024年度後期
Year/Semester
2024Autumn Semester
曜日時限
金曜5限
Class hours
Friday 5th Period

開講学科・専攻 Department
理学部第二部(一般教養科目)、理学部第二部(教職科目)

A course of liberal arts, the Faculty of Science Division Ⅱ
A course of teacher education, the Faculty of Science Division Ⅱ
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
⑤ [対面]ブレンド型授業/ [On-site] Blended format (must include 50%-or-more classes held on-site)

概要 Description
【授業の概要】
教職を志すうえで「教育学」を学ぶ意味とは何であろうか。本講義ではさしあたり、その問いに対して、①私たちが常日頃当たり前だと考えている教育的観念を切り崩し、②それを客観化・相対化する中で自らの立ち位置を確認し、③多角的な視座を獲得することで教育に対するものの見方を拡大・深化させるためと回答したい。教職を志している皆さんはしばしば、教壇に立つ上ですぐに役立つ、即効性のある知識を望むことが多いように思われる。指導案の書き方、発問の方法、板書の仕方などなど。学べば学んだ分だけ成果が上がり、明日からでも現場で使える実践的な知識や技術。それらを修得することは教師になるうえでもちろん大切なことである。だが、教職を志す者にはそうした即効性のある知識だけではなく、教育者として日々の実践を行ってゆくうえで不可欠な客観的思考力・批判的思考力を身につける必要があり、「教育学」はそうした力を養うことに寄与する科目だといえる。教育者は自分の教育観・教育実践が偏りを持っていないか、自分の立ち位置はどこにあるのかなどを常に反省しながら実践に臨まねばならない。自らの教育観を客観化・相対化することで「当たり前」を切り崩し、多様な価値観に開かれること、そのことが教育に対するものの見方を拡げることへとつながる。
目的 Objectives
本講義では教育学の理論的基礎を学び、教育に関する問いそのものを深化させてゆくことを目指す。
到達目標 Outcomes
【到達目標】
①教育を考える上での原理的基礎を探求する。
②教育をめぐる現代的状況を把握する。
③様々な教育観・子ども観を理解する。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
授業への積極的な参加を求める。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay
-

準備学習・復習 Preparation and review
毎回の準備、復習を参照すること。
成績評価方法 Performance grading policy
①毎回の授業で配布するコメントシート(60%)
②到達度評価(40%)
①と②を合算し、総合的に評価する。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
井藤元編『ワークで学ぶ教育学 増補改訂版』(ナカニシヤ出版、2020年)

授業計画 Class plan
第1回 イントロダクション(対面)
 準備学習:本講義が教職課程の中でどこに位置づく科目なのかを理解しておく。
 授業内容:教育学を学ぶ意義について理解する。
 復習:参考文献一覧に示した著作を読み、理解を深める。 


第2回 「教育」は何のためにあるのか(対面)
 準備学習:教育の目的とは何かについて、文献やインターネットで調べる。
 授業内容:①教育的価値を作るのは誰か。
      ②「教えられる立場」から「教える立場」へ
      ③「教える必要があること」とは何か。
      ④教育は子どもの何を育てるものなのか
 復習:参考文献一覧に示した著作を読み、理解を深める。


第3回 学校とはどのような場所なのか(対面)
 準備学習:学校の歴史について、文献やインターネットで調べる。
 授業内容:①学校の隠れたカリキュラム
      ②近代の学校装置とその原理
      ③監視という原理(フーコー)
      ④イリイチの脱学校論     
 復習:参考文献一覧に示した著作を読み、理解を深める。

  
第4回 学校のカタチは一つだけなのか(オンライン非同期)
 準備学習:オルタナティブ教育について、文献やインターネットで調べる。
 授業内容:①学校を相対化する
      ②シュタイナー教育について
      ③オルタナティブ教育の様々な事例
 復習:参考文献一覧に示した著作を読み、理解を深める。 


第5回 子どもとはどのような存在か(対面)
 準備学習:子ども観の変遷について、文献やインターネットで調べる。
 授業内容:①子ども観の歴史と現在
      ②子どもの発見(アリエス)
      ③子ども観と教育観の結びつき
      ④子どもはもういない(ポストマン)
 復習:参考文献一覧に示した著作を読み、理解を深める。


第6回 「教える—学ぶ」の相互作用を生み出す教師の可能性(対面)
 準備学習:「良い教師」とはどのような教師かについて整理しておく。
 授業内容:①物語られる先生の像
      ②管理か放任か
      ③教師にできること、できないこと
      ④コメニウス、ロック、ルソーの教育思想
 復習:参考文献一覧に示した著作を読み、理解を深める。
  
  
第7回 価値の教育をめぐる四つの視点(対面)
 準備学習:「子どもに価値を押し付けてよいか」という問いに対し、考えを整理しておく。
 授業内容:①価値の教育と知識の教育は分離できるか
      ②「教えなければならないことと」、「教えても教えなくてもよいこと」
      ③教育の暴力性をめぐって—狼に育てられた子の事例
 復習:参考文献一覧に示した著作を読み、理解を深める。


第8回 なぜ公教育は必要なのか(オンライン非同期)
 準備学習:「なぜ公教育が必要なのか」という問に対し、自分なりの考えを整理しておく。
 授業内容:①公教育をめぐる三者関係
      ②国家主義的な教育観
      ③「私事」の組織化としての公教育論
      ④シティズンシップ教育について
 復習:参考文献一覧に示した著作を読み、理解を深める。

第9回 教育における「型」の問題(対面)
 準備学習:教育における「型」の重要性について、文献等で調べる。
 授業内容①人は「段階を追って学ぶ」というのは本当か
     ②学校知と生活知について
     ③人の学びという営みの統合性
     ④学習事項の段階という系統性
 復習:参考文献一覧に示した著作を読み、理解を深める。


第10回 教育とメディア(対面)
 授業準備:学校教育で用いられる様々なメディアについて文献等で調べる。
 授業内容:①教育における様々なメディア
      ②人間化と脱人間化を促すメディア
 復習:参考文献一覧に示した著作を読み、理解を深める。
   

第11回 「遊び」の人間形成論的意義について(対面)
 授業準備:「遊び」をめぐる哲学・思想について文献等で調べる。
 授業内容:①シラー、ニーチェ、ホイジンガの遊び論
      ②フレーベル、デューイの教育論
      ③理想状況としての「遊び」 
 復習:参考文献一覧に示した著作を読み、理解を深める。
 

第12回 子どもの疑問に向き合うために(オンライン非同期)
 準備学習:学校に通う中で幼少期に感じた疑問を書き留めておく。
 授業内容:①教育の本質にかかわる疑問
      ②子どもの疑問に答えてみる
      ③疑問の背景に目を向ける
      ④原理をめぐる洞察を深める
 復習:参考文献一覧に示した著作を読み、理解を深める。


第13回 「伝える」とはどのようなことか(対面)
 準備学習:「伝える」とはどのようなことかについて考えを整理しておく。
 授業内容:①教育をとりまく状況の変化
      ②演劇的知の再評価
      ③身と体—主体はいかに構築されるか
 復習:参考文献一覧に示した著作を読み、理解を深める。

 
第14回 教育実践にマニュアルはどこまで有効か(対面)
 準備学習:教育実践に関するマニュアル本を参照しておく。
 授業内容:①教育技術の法則化運動について
      ②完全規則と不完全規則
      ③不完全規則としての教育計画
 復習:参考文献一覧に示した著作を読み、理解を深める。 


第15回 到達度評価(オンライン)

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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