シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
化学のフロンティア
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Frontiers of Chemistry
授業コード Class code
9916900
科目番号 Course number
16CHZZZ101

教員名
椎名 勇、工藤 昭彦、鳥越 秀峰、大塚 英典、川﨑 常臣、駒場 慎一、松田 学則、古海 誓一、湯浅 順平、川脇 徳久、村田 貴嗣、岩田 直人、福井 康祐、貞清 正彰
Instructor
Tsuneomi Kawasaki
Isamu Shiina
Akihiko Kudo
Hidetaka Torigoe
Hidenori Otsuka
Shinichi Komaba
Yuichi Negishi
Takanori Matsuda
Seiichi Furumi
Junpei Yuasa
Masaaki Sadakiyo
Kosuke Fukui
Naoto Iwata
Takatsugu Murata

開講年度学期
2024年度前期
Year/Semester
2024 First Semester
曜日時限
金曜1限
Class hours
Friday 1st. Period  

開講学科・専攻 Department
理学部第一部 応用化学科

Department of Applied Chemistry, Faculty of Science Division Ⅰ
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
この講義では応用化学科全教員が化学の最先端の研究内容をやさしく解説していく。これを通して、化学の重要性やすばらしさを認識していく。
目的 Objectives
応用化学科では、私たちの生活を豊かにする新物質を生み出すために、基礎化学の理解に立脚して、有機化学、無機化学、物理化学の三つの分野に分かれて研究を行っている。新物質の設計から合成、物質が機能を発現するメカニズムも解き明かしながら、基礎科学の理解を応用研究に発展させて、バイオ、医薬、環境、エネルギーなどの各分野で役立つ応用化学を目指している。本科目の目的は、応用化学科・各教員が行っている最先端の研究内容を理解することである。
到達目標 Outcomes
これからの時代、化学はたくさんの隣接する科学の領域と密接な関連をもち、同時に社会における様々な産業分野とも深い関りをもっていくことになる。これからの化学者・技術者は、理学の深い基礎知識をしっかりと身につけるとともに、化学者・技術者としての立場から、知識や技術をいかに社会に応用していくかということについて広い視野をもつことが重要である。したがって、本科目の到達目標は、研究に対する基礎知識と広い視野を身につけることである。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
(1)各授業の詳細についてはLETUSにて指示します。必ず確認してください。
(2)複数の教員が持ち回りで分担するため、授業計画の内容を変更することがあります。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/小テストの実施 Quiz type test
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準備学習・復習 Preparation and review
シラバスやLETUSで授業のスケジュールを確認すること。各回の講義内容を十分に復習すること。
成績評価方法 Performance grading policy
各講義での感想文やレポート等で評価する。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
-
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
なし

授業計画 Class plan
各授業の詳細についてはLETUSにて指示します。必ず確認してください。

1.ガイダンス/ナノ空間材料の化学(4月12日、担当:教務幹事 貞清)
本講義の目的、日程などについて解説する。
固体中に分子一つから数個分のナノメートルサイズの規則的な空隙を持つ物質は結晶性多孔体と呼ばれ、物質やイオンの輸送・貯蔵・反応に適した優れた材料となる。本講義では、その中でも近年目覚ましい発展を遂げた有機-無機ハイブリッド材料である多孔性配位高分子を中心に、その研究の歴史とそれらの特異的な物性や機能について紹介する。

2.サステナブルな光機能材料システム(4月19日、担当:古海)
有機化合物の中には、ミクロな分子やコロイド状の微粒子が自発的に周期配列構造を形成する性質、すなわち自己組織化を示すことがある。本講義では、自己組織化により創り出される多種多様な周期配列構造を解説するとともに、「色」に着目した新しい光機能特性の創発やサステナブルなフィトニックデバイスへの応用について紹介する。

3.分子のレゴブロック—分子設計から医薬品合成まで(4月26日、担当:椎名)
有機合成反応を用いて医薬品が製造されるプロセスについて例を交えて紹介する。

4.ソフトマテリアルの化学(5月10日、担当:岩田)
プラスチック、ゴム、液晶などのソフトマテリアルは我々の生活に欠かせない重要な材料である。本講義ではこれらのユニークな特性や応用例、最近の研究動向について紹介する。

5.究極的なナノテクノロジーの構築を目指してー金属原子の凝集の制御ー(5月17日、担当:川脇)
数個から数百個の原子が集まった集合体をクラスターと呼ぶ。クラスターは機能性ナノ材料の基盤物質として大きな可能性を秘めている。本講義では金属元素と半導体元素からなるクラスターに焦点をあて、その研究の歴史とそれらの特性や機能について紹介する。

6.生体分子のかたちとはたらき(5月24日、担当:鳥越)
生命現象は、生体分子の精緻に作られた3次元構造と生体分子間の正確な分子認識によって 営まれている。現代化学では、生体分子の3次元構造と生体分子間の分子認識機構を物理化学的手法により原子レベルで明らかにすることが可能である。 2002年にノーベル化学賞の受賞対象となった分野であり、この分野の現状および問題点について紹介する。

7.L型アミノ酸ホモキラリティーの起源(5月31日、担当:川崎)
アミノ酸には、右手と左手のように実像と、それを鏡に映した鏡像の関係にあるL型およびD型の化合物が存在する。化学合成では、L型とD型の等量混合物が得られるが、地球上のあらゆる生命はL型を主に利用している(生命のホモキラリティー)。生命誕生前の地球上でアミノ酸は、ストレッ力一反応によって生成したと考えられており、その起源解明を目指す最新の有機化学およびキラル化学を用いたアプローチを紹介する。

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8.化学実験の基礎(安全教育)(フレッシュマンキャンプ時に開催(開催日は別途連絡)、担当:村田)
後期から開講される学生実験に対する取り組み方について解説する。
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9.光のスピンと円偏光(6月7日、担当:湯浅)
円偏光は電子や陽子が本来持つようなスピン状態を持った光であると捉えることが出来る。
この円偏光を利用した光機能性材料について最新の研究を紹介する。

10.エネルギー・環境問題解決に役立つ触媒化学(6月14日、担当:工藤)
資源・エネルギー・環境問題を解決するためのキーサイエンス、キーテクノロジーである触媒化学の活躍ぶりと将来への期待について解説していく。その中で,カーボンニュートラルやSDGsに貢献する人工光合成光触媒を紹介する。

11.有機金属化学(6月21日、担当:松田)
C, H, Oを中心とする有機化合物に金属を組み込むことで、結合・構造、反応に無限の可能性が生まれる。本講義では、医薬品から有機半導体まで、様々な機能性物質の創製に欠かせなくなった有機金属化合物、遷移金属触媒反応について解説する。

12.次世代電池の化学 (6月28日、担当:駒場)
化学反応で電気エネルギーを蓄える電池の基礎から応用までを概説する。特に、理科大(物理学校)で学んだ屋井先蔵が世界で初めて完成させたと言われているマンガン乾電池を含む電池開発の歴史に触れた後、2019年のノーベル化学賞の受賞研究である高性能リチウムイオン電池の開発を取り上げ、その最新動向や応用例(電動車両、定置型蓄電設備)の理解から将来を展望する。そのために、ナトリウムイオン電池、カリウムイオン電池などの最先端の研究例を紹介しながら,「応用化学」が社会で果たすべき役割について理解を図り、本学科学生が目指すべき化学者像について考える。

13.ライフサイエンス分野に用いるポリマー材料(7月5日、担当:大塚)
食品、化粧品などの日用品から薬剤やインプラント材料といった医療応用まで、ポリマー材料は幅広く研究されている。本講義ではこのような体に’優しい’ポリマー材料構築に必要な材料設計戦略について学び、また、ライフサイエンス分野におけるポリマー材料の応用例、将来展望について解説する。

14.生物生産に付加価値をもたらす生理活性物質(7月12日、担当:福井)
農作物などの生産には様々な有機化合物が用いられており、品質を向上させるために役立っている。
それら分子がどのような受容体を標的として設計されているか、分子レベルで理解されていることについて紹介する。

15.まとめと総括(7月19日、担当:教務幹事 貞清)
これまでの講義全般について総括する。

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
-
教育用ソフトウェア Educational software
ChemOffice Professional/Discovery Studio, Materials Studio
Discovery Studio\nMaterials Studio\nGaussian

備考 Remarks

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
Y
授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
N