シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
物理化学実験 B組
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Laboratory Course in Physical Chemistry B組
授業コード Class code
991625H
科目番号 Course number
16CHEXP301

教員名
川脇 徳久、黒川 南、湯浅 順平
Instructor
Yuichi  Negishi, Tokuhisa  Kawawaki

開講年度学期
2024年度前期
Year/Semester
2024 First Semester
曜日時限
火曜3限、火曜4限、火曜5限
Class hours
Tuesday 3rd-5th Periods

開講学科・専攻 Department
理学部第一部 応用化学科

Department of Applied Chemistry, Faculty of Science Division Ⅰ
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
実験

Experiment
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
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授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
これまでに学んできた物理化学の基礎的な理論や現象の多くは物理化学者によって研究され確⽴されたものであるが、これらを実際に⾏って確かめることで、実験器具や幾つかの装置の取り扱い⽅を習得する。
また、実験データの処理法も併せて学ぶ。さらに、これらの実験を通して、⾃⼰が経験した物理的・化学的現象を正確に表現し、他⼈に知らせること、即ち、レポートの書き⽅も重点的に学習する。
目的 Objectives
物理化学の基礎的な理論を理解したうえで、種々の装置の取り扱い⽅やデータの処理⽅法を学ぶ。また、物理化学は化学現象の原理的解明を重視する分野であるため、解明した内容を他者に伝えることが重要である。
そのため、得られた実験結果を⼝答および⽂章で的確に報告できるよう練習する。これら⼀連のカリキュラムを通して、⾃然界の現象・法則を⾃らの⼿で抽出することの出来る能⼒を養う。
到達目標 Outcomes
⾃分⾃⾝で実験計画を⽴て、それに従って安全・確実に実験を実施し、得られた結果を解釈し、その結果や考察を他者に⼝答または⽂書で適切に報告できる能⼒を獲得する。
また、種々の測定法を習得し、関連する物理化学の理論の理解を深め、PC等を⽤いたデータ解析技術に習熟する。
具体的には以下の内容である。
・液体の蒸気圧について理解できる。
・電池の熱力学について理解できる。   
・二原子分子の振動回転スペクトルと「Material Studio」 の使い方を理解できる。
・電気伝導度滴定とアルカリによる酢酸エチルの加水分解について理解できる。  
・屈折率と相平衡について理解できる。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
授業⽇程などの詳細はガイダンスで説明するので必ず参加すること。ガイダンスを⽋席した場合は、履修が認められない場合がある。
授業に関するアナウンスはLETUSで⾏うので、定期的に確認すること。また、安全と健康には留意すること。

アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/ディベート・ディスカッション Debate/Discussion/グループワーク Group work/プレゼンテーション Presentation/実験 Experiments
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準備学習・復習 Preparation and review
実験を安全・正確に実⾏するためには、充分な予習と準備が必要である。当⽇に滞りなく実験操作ができるように内容・操作・データ処理などをまとめた実験計画書を作成し、各回の授業開始前に提出すること。
また、物理化学では様々な物理量を測定するが、得られた値がいつも正しいとは限らない。
実験装置が出すデータをうのみにすることなく、実験データの正当性や解釈を⾏う実験後のディスカッションが最も重要である。
このディスカッションを踏まえたうえで、実験結果報告書とレポートを作成すること。

成績評価方法 Performance grading policy
レポート60%、ノート・計画書・到達度評価20%、実験態度・授業中のディスカッション20%を目安に成績評価を⾏う。
実験への遅刻や提出物の遅れは減点とする。
特別な事情がない限り、全ての課題を期⽇までに提出し、ガイダンスを含めて全ての授業に出席した者を成績評価の対象とする。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
初回ガイダンス時に実験テキストを配布するほか、必要に応じて参考書等を紹介する。

授業計画 Class plan
1. ガイダンス
実験を進める上での安全教育とレポート作成法について解説する。
(1)目的 (2)実験上の注意 (3)レポートの書き⽅

2. 液体の蒸気圧(1)
液体(トルエン)の蒸気圧を、いろいろな温度で、Ramsay-Youngの装置を⽤いて測定し、Clausius-Clapeyronの式を⽤いて蒸発のエンタルピー変化とエントロピー変化を求める。

3. 液体の蒸気圧(2)
(1)と同様に⽔の蒸気圧の温度依存性について測定する。
また、⽔とトルエンとの⽐較から、分⼦間⼒が蒸発のエンタルピー変化とエントロピー変化に与える影響について検討する。

4. 単極電位とDaniell電池の起電⼒
デジタルマルチメーターの使い⽅を習得する。
また、Ag/AgCl電極を⽤い、KCl溶液を塩橋として、銅と亜鉛の単極電位を測定し、これらの⾦属の電極から構成されるDaniell電池の起電⼒を測定する。
単極電位の値から得られるDaniell電池の起電⼒の計算値と実測値とを⽐較する。さらに、各⾦属の単極電位をNernstの式を⽤いて計算し、この計算値と実測値についても⽐較検討する。

5. 強電解質⽔溶液の部分モル体積
溶質と溶媒の相互作⽤について、強電解質⽔溶液であるNaCl⽔溶液とKCl⽔溶液の部分モル体積の測定結果から理解する。

6. 前半の実験の講評と後半の実験の解説
前半の実験の結果を考察し、よりよき実験を⾏うためにはどのようにすべきか指導する。
以降に実施するの実験の理論的背景および実験を⾏う上での操作法の注意とデータ処理についての解説をする。

7. 分光計測による分⼦構造の決定
HClのような⼆原⼦分⼦の⾚外振動回転スペクトルを測定し、その回転構造を解析することにより、核間距離などの分⼦に
対する種々の知⾒を得る。また、可視分光光度計を⽤いてβ-カロチンの吸収極⼤波⻑を求め、⼀次元井⼾型ポテンシャル
モデルを⽤いて有効分⼦⻑を計算し、電⼦遷移について理解する。

8. Materials Studioを⽤いた計算化学演習
分⼦構造を計算しシミュレートする分⼦モデリング・ソフト「Materials Studio」を使った計算機化学実験。
簡単な芳⾹族分⼦や共役ポリエン等について、分⼦構造の⽣成、構造最適化、およびスペクトル計算を⾏い、実験的に観測されるスペクトルとの⽐較を⾏う。

9. 電気伝導度滴定
希塩酸及び希酢酸を⽔酸化ナトリウム⽔溶液を⽤いて滴定し、電気伝導度滴定曲線の形の違いから、滴定の各段階における溶液中のイオンの濃度の変化および各イオン種の電気伝導度に対する寄与の違いを考察する。
また、中和滴定と電気伝導度滴定との違いについても考察する。

10. アルカリによる酢酸エチルの加⽔分解
酢酸エチルと⽔酸化ナトリウム⽔溶液を混合し、加⽔分解反応の進⾏にともなう溶液の電気伝導度の変化から、⼆次反応速度定数を求める。
異なる温度で求めた反応速度定数のArrheniusプロットから反応の活性化エネルギーを求める。

11. 後半の実験の講評およびレポート指導
後半の実験の結果を考察する。また、実験レポートの作成は、実験結果の報告やデータに基づいた考察を⾏う上で重要な作業である。
実験レポートやデータのまとめ⽅には数々の基本的な約束事があり、それらについて指導する。また、実験誤差や統計処理などのデータの取扱いかたについて説明する。

12. 屈折率
Abbe屈折計の使い⽅を習得する。また、いろいろの液体有機化合物について原⼦屈折と分⼦屈折に加成性が成り⽴つことを確かめる。
そして、飽和炭化⽔素系及び芳⾹族炭化⽔素系それぞれについて、分⼦量と屈折率との関係をプロットし、その違いについて考察する。
さらに、⽔-エタノール⼆成分系およびトルエン-ベンゼン⼆成分系について、屈折率と組成の関係を調べ、⼆つの系の間での分⼦間⼒の違いについて考察する。

13. 相平衡
蒸留装置を組み⽴て、イソプロピルアルコールとベンゼンの種々の組成の混合溶液についてその気相と液相のモル分率を、予め求めておいた組成と屈折率との検量線より求める。
次に相図を作成し、共沸温度と共沸組成を求める。分⼦間⼒と共沸現象との関係について考察する。

14. 実験の総括およびレポートの講評と指導
これまでに実施した実験で学習した内容について総括し、理解を深める。また、これまでに提出されたレポートを踏まえた講評をし、より良いレポートが書けるように指導する。

15. 到達度評価
実験の原理、操作、データの処理⽅法など、実験の内容についての到達度を評価する。


授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
国内研究機関・⼤学機関の研究員・教員(化学系)の勤務実績を活かして、物理化学実験について講義する。
教育用ソフトウェア Educational software
Discovery Studio, Materials Studio/-
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備考 Remarks

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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