シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
量子力学1B
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Quantum Mechanics 1B
授業コード Class code
9915537
科目番号 Course number
15PHQUM202

教員名
遠山 貴巳
Instructor
Takami Tohyama

開講年度学期
2024年度後期
Year/Semester
2024/ Second Semester
曜日時限
水曜4限
Class hours
Wednesday, 4th period

開講学科・専攻 Department
理学部第一部 応用物理学科

Department of Applied Physics, Faculty of Science Division Ⅰ
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
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授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
原子の大きさ程度のミクロなスケールにおいては1年次に学んだニュートン力学(古典力学)がそのまま適用できず、物理現象は量子力学によって記述される。すべての物質は原子核と電子から成るので、量子力学は物理現象をミクロレベルから理解する上で不可欠の知識である。また、現代の科学技術においては、ナノテクノロジーと呼ばれるミクロスケールの技術や量子力学の原理を用いた量子コンピュータが発展しており、応用の為の基礎知識として量子力学は欠かせないものとなっている。
目的 Objectives
量子力学の基礎的知識を身につけ、基本的問題が解けるようになる。本学科のカリキュラム・ポリシーに定める、現代物理学と関連科学技術への理解を深める内容を含む科目である。
到達目標 Outcomes
(1) 量子力学の枠組みと一般的性質を理解できる。
(2) ブラケットの代数の基本的取り扱いができるようになる。
(3) 角運動量とスピンについての概略を説明できるようになる。
(4) 摂動論の枠組みを理解できる。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
(1) 前提とする知識: 力学1A,1B,電磁気学1A,1B,物理数学1A,1B、量子力学1A, 数学A, 数学B, 微積分学A, 微積分学。力学2(解析力学)の知識も役立つ。
(2) 講義の進め方: ほぼ教科書に沿って進むので教科書や講義資料を参考にしながら講義に集中して欲しい。もちろん復習は不可欠である。
(3) 学習の進め方: 量子力学はこれまで全く馴染みの無い概念が登場する。その概念は数学を用いて表現される。そのため講義に出席して新しい概念・表現を理解しなければならない。新しい概念のため、今まで古典力学で通用した直感が通用しないことがしばしばある。従って復習にも重点を置き、毎回必ず自分で手を動かして数学的な表現を計算してみることが必要である。そうすることで「ミクロの直感」が徐々に身についてゆく。
(4) 量子力学1演習Bの活用: 量子力学を身につけるには解析学や線形代数で学んだ数学がどうしても必要である。また、問題を解くことは量子力学を身につけるために避けて通れない。そのため、必要な数学を用いて問題を解くことができる量子力学1演習を合わせて受講することを強く推奨する。演習を受講することは本講義の到達目標を達成することにつながる。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
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準備学習・復習 Preparation and review
各回、必ず教科書を読んで2時間程度予習してから講義に臨むこと。また、復習に重点を置き、毎回2時間程度必ず自分で手を動かして計算を確認すること。復習とともに各回ごとの課題を行い、指示に従って提出すること。
成績評価方法 Performance grading policy
到達度評価60%、講義への態度(課題提出状況)20%、試験前レポート20%の割合で評価を行う。(比率は目安である)
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
Y
書誌情報 Bibliographic information
物理学II・丸善出版・9784621302842
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
(1) 教科書より少し高度だが問題が豊富であり、手元におく本として強く推奨する。講義の一部もこの本に沿う部分がある。量子力学1演習Bを受講する際はこの本が役立つ:
 猪木慶治・川合 光 「基礎量子力学」(講談社サイエンティフィク2007) 
(2) 簡潔なまとめと豊富な演習問題。大学院入試のための勉強に役立つ:
 後藤憲一 他編「詳解 理論応用量子力学演習」(共立出版2000)

授業計画 Class plan
1. 量子力学の一般的性質(1)
 ブラケット記号について理解できるようになる。
2. 量子力学の一般的性質(2)
 演算子の数学的性質について理解できるようになる。
3. 量子力学の一般的性質(3)
 基底の変換と行列表示、行列の対角化について理解できるようになる。
4. 量子力学の一般的性質(4)
 正準交換関係、連続的な固有ケットを基底とする場合の取り扱いについて理解できるようになる。
5. 量子力学の一般的性質(5)
 調和振動子の固有状態と生成・消滅演算子について理解できるようになる。
6. 量子力学の一般的性質(6)
 シュレーディンガー描像とハイゼンベルク描像について理解できるようになる。
7. 角運動量とスピン(1)
 軌道角運動量の復習、軌道角運動量演算子の交換関係、昇降演算子について理解できるようになる。
8. 角運動量とスピン(2)
 スピン角運動量とパウリ行列について理解できるようになる。
9. 角運動量とスピン(3)
 角運動量の合成方法について理解できるようになる。
10. 近似法(1)
 時間に依らない摂動論(縮退の無い場合)について理解できるようになる。
11. 近似法(2)
 時間に依らない摂動論(縮退のある場合)について理解できるようになる。
12. 近似法(3)
 時間に依存する摂動論について理解できるようになる。
13. 近似法(4)
 変分法について理解できるようになる。
14. 対称性と保存則
 対称性と保存則の量子力学的表現について理解できるようになる。
15. 到達度評価
 授業における達成度を確認する。その後、授業としてこれまでの内容の総括を行う。

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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