教員名 : 下仲 基之
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科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
分子細胞生物学
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Molecular Cell Biology
授業コード Class code
991341G
科目番号 Course number
13CHBCH302
教員名
下仲 基之
Instructor
Motoyuki Shimonaka
開講年度学期
2024年度後期
Year/Semester
2024 Second Semester
曜日時限
木曜1限
Class hours
Thursday First Period
開講学科・専攻 Department
理学部第一部 化学科
Department of Chemistry, Faculty of Science Division Ⅰ 単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義
Lecture 外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
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授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class
概要 Description
多細胞から成る我々高等生物が、生命活動を行っていく上で欠かすことのできない細胞間および細胞内シグナル伝達経路についての基礎的概念を解説した後、がんや免疫系がその伝達経路とどのように関連するかについて説明する。
目的 Objectives
多細胞生物が恒常性を維持するために細胞間でコミュニケーションする機構および生命の維持を脅かす要因に対する防御機構の中で、以下のような事項についての知識を習得する。
本学科のディプロマポリシーに定める「化学を基盤として生命に関する諸現象を解明する基礎的素養をもつこと」を実現するための科目である。 到達目標 Outcomes
1. 細胞が細胞外の情報を受け取り、それを細胞内で処理し、何らかの応答を起こす「シグナル伝達機構」の中の代表的な経路について理解し、説明できるようになる。
2. 細胞増殖信号に対する細胞の応答制御についての知識を習得した上で、その制御が破綻することによって起こりうる細胞の「がん化」の機構について説明できるようになる。 3. 上皮組織がどのように構築されているかについての知識を習得し、がん細胞がどのような機構で転移するようになるかを説明できるようになる。 4. 免疫機構の基礎的概念を学習した上で、T細胞がどのようにして異物を認識し、排除するかについて説明できるようになる。 卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。 You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments). https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/ 履修上の注意 Course notes prerequisites
生化学1および生化学2、生化学3の単位を修得していることが望ましい。
毎回授業内容に関する課題をLETUSに掲載するので、締め切りまでに必ず提出すること。遅れたものは受理しないので注意すること。 アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay
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準備学習・復習 Preparation and review
各回の授業前に1時間程度、講義内容に該当する資料や参考書の項をよく読んで予習しておくこと。
また、各回の講義内容を1時間程度復習し、習得した内容について説明できるようにすること。その上で課題を解き、不明な箇所は、理解し説明できるようになるまでさらに復習しておくこと。 成績評価方法 Performance grading policy
授業終了後に課す復習課題を40%、到達度評価を60%として総合的に評価する。
毎回出席していることを前提としているので、欠席回数に応じて最大10%減点する。なお、遅刻は授業開始30分後までとし、遅刻2回を欠席1回として計算する。 学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している ・B:到達目標を達成している ・C:到達目標を最低限達成している ・D:到達目標を達成していない ・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している ・S:Achieved outcomes, excellent result ・A:Achieved outcomes, good result ・B:Achieved outcomes ・C:Minimally achieved outcomes ・D:Did not achieve outcomes ・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation 教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
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書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store). https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ 参考書・その他資料 Reference and other materials
マッキー 生化学(化学同人)市川厚 監修 福岡伸一監訳、ストライヤー著 基礎生化学(東京化学同人)、ヴォート著 基礎生化学(東京化学同人)、ハーパー著 生化学(丸善)、ローディッシュ他著 分子細胞生物学(東京化学同人)
授業計画 Class plan
1. はじめに:
ヒトの五感である視覚・味覚・嗅覚・聴覚・触覚が、どのような方法で情報処理され認識されるかについての概略を理解し説明できるようにする。 2. ホルモンと細胞間情報伝達: 多細胞生物において、細胞がホルモンなどを介して細胞間でコミュニケーションするための機構の概略についての知識を習得する。 3. Gタンパク質共役型受容体: Gタンパク質共役受容体の構造的および機能的特徴について学習し、その代表例としてのアドレナリン受容体について説明できるようにする。 4. Gタンパク質共役型受容体を介した情報伝達: アドレナリン受容体からの信号がどのような経路を介して伝達され、その結果どのような細胞応答が引き出されるかについての知識を習得する。 5. Gタンパク質共役型受容体を介した様々な情報伝達系: 光受容体やアセチルコリン受容体など、様々なGタンパク質共役型受容体を介したシグナル伝達系についての知識を習得する。 6. チロシンキナーゼ型受容体: チロシンキナーゼ型受容体を介したシグナル伝達系について学習し、増殖因子の作用が発現する機構についての知識を習得する。 7. その他のシグナル伝達系: Gタンパク質共役型受容体やチロシンキナーゼ型受容体を介したシグナル伝達系の多様性についての知識を習得するとともに、その他のタイプのシグナル伝達系について説明できるようにする。 8. 細胞周期: 細胞が分裂し増殖する過程を制御するサイクリンとCDKについて学習し、それらの働きを統合する機構についての知識を習得する。 9. アポトーシス: プログラム化された細胞死であるアポトーシスを引き起こす内因性経路と外因性経路がどのような機構で制御されているかについての知識を習得する。 10. 液性免疫と細胞性免疫: 免疫系の概略について理解するとともに、免疫グロブリンの構造と機能について理解し説明できるようにする。さらに、T細胞が外部から侵入してきた物質を認識し排除する機構の概略について、MHC分子の働きを中心に理解し説明できるようにする。 11. がん: がんの定義と性質について学習し、どのようにして正常細胞ががん化して増殖制御不能になるかを分子レベルで理解し説明できるようにする。 12. 組織の構築と細胞接着分子: 細胞からどのようにして組織が構築されているかについて理解し細胞外環境についての知識を習得した上で、細胞外マトリックスの形成に必要不可欠な細胞接着分子やその関連分子についての理解を深める。 13. 細胞接着分子と細胞運動: がん細胞が組織から脱出し、別の組織内に侵入する上で鍵となる細胞接着分子や接着性タンパク質についての知識を習得し、がん細胞とこれらの分子との相互作用による情報伝達系が細胞運動にどのように関わっているかを理解する。 14. 細胞の移動と血管新生: がん細胞が運動能を獲得して原発巣から脱出し、遠隔組織に移動する過程について学習し、さらに転移と密接な関連がある血管新生の機構についての知識を習得する。 15. 達成度の確認と解説: 講義内容についての習得度の確認を行い、内容に関する解説を行って全体の理解を深める。 授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
海外研究機関の研究員(生物系)における勤務経験を活かし、生物化学に関する講義を行う。 教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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