シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
生化学3
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Biochemistry 3
授業コード Class code
991341F
科目番号 Course number
13CHBCH301

教員名
下仲 基之
Instructor
Motoyuki Shimonaka

開講年度学期
2024年度前期
Year/Semester
2024 First Semester
曜日時限
木曜1限
Class hours
Thursday First Period

開講学科・専攻 Department
理学部第一部 化学科

Department of Chemistry, Faculty of Science Division Ⅰ
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
糖と脂質に焦点を当て、それらの構造や性質について解説する。さらにそれらが細胞の機能維持において中心的役割を演じている現象について基礎的概念を説明した後、具体的な例を取り上げながら解説する。
目的 Objectives
タンパク質・核酸以外の生体高分子である糖と脂質について、それらが生命現象のなかでどのような位置づけにあるかを、それらが関与する生理的側面を理解することにより習得する。
本学科のディプロマポリシーに定める「化学を基盤として生命に関する諸現象を解明する基礎的素養をもつこと」を実現するための科目である。
到達目標 Outcomes
1. 単糖の分類と構造を理解しその物理化学的特徴を学習し、様々な二糖や多糖の物理化学的性質・生物的重要性を理解し、説明できるようになる。
2. 解糖系・クエン酸回路・酸化的リン酸化を経てグルコースからATPが産生されるまでの過程を学習し、好気的生物と嫌気的生物のエネルギー産生能の違いを説明できるようになる。
3. 脂質の物理化学的性質および細胞膜構成成分としての特徴を学習するとともに、脂質代謝についての基本的知識を習得し、説明できるようになる。
4. 輸送体タンパク質を用いた細胞内外の物質交換の仕組みについて理解し、さらにポンプによるイオンの輸送とエネルギー産生機構について説明できるようになる。
5. 神経細胞における電気信号の発生機構と伝達機構を通し、チャネルの構造と機能および生理的重要性を理解し、説明できるようになる。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
生化学1および生化学2の単位を修得していることが望ましい。
教科書に書かれている図や構造式は板書しないことがあるので、受講の際は教科書を持参すること。
教科書に無い図を用いて講義を行う場合などは、参考資料をLETUSに掲載することがあるので、各自印刷して持参すること。
毎回授業内容に関する復習問題をLETUSに掲載するので、期限までに受験すること(受験結果を平常点とする)。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
小テストの実施 Quiz type test
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準備学習・復習 Preparation and review
各回の授業前に1時間程度、講義内容に該当する教科書の項をよく読んで予習しておくこと。
また、各回の講義内容を1時間程度復習し、習得した内容について説明できるようにすること。その上で課題を解き、不明な箇所は、理解し説明できるようになるまでさらに復習しておくこと。
成績評価方法 Performance grading policy
授業終了後に課す復習問題を30%、到達度評価を70%として総合的に評価する。
毎回出席していることを前提としているので、欠席回数に応じて最大10%減点する。なお、遅刻は授業開始30分後までとし、遅刻2回を欠席1回として計算する。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
Y
書誌情報 Bibliographic information
マッキー 生化学[第6版]T. McKee & JR McKee 著(化学同人)
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
ストライヤー著 基礎生化学(東京化学同人)、ヴォート著 基礎生化学(東京化学同人)、ハーパー著 生化学(丸善)、ローディッシュ他著 分子細胞生物学(東京化学同人)

授業計画 Class plan
1. はじめに:
 糖と脂質の物理化学的性質を理解するとともに、それらの生理的に重要な機能の概略を説明できるようにする。

 2. 糖質とは:
 糖の基本単位である単糖の分類と構造について理解し、化学的性質や生体内での様々な役割についての知識を習得する。

 3. 二糖と多糖、複合糖質:
 単糖の結合様式の違いによって生じる二糖の性質について理解し、さらに多動であるホモグリカンとヘテログリカンの構造や性質の違いについての知識を習得する。また、複合糖質である糖タンパク質やプロテオグリカンなどの構造的特徴を理解し、それらの生理機能についての知識を習得し、どのような方法でその生理機能を発揮するかを説明できるようにする。

 4. 脂質とは:
 脂質の分類と構造上の特徴について理解するとともに、それらの生体内における多様な機能についての知識を習得する。

 5. 生物のエネルギー産生と貯蔵(概説):
 生物の基本エネルギー単位であるATPがどのような方法で産生されるかについてその概略を理解し、具体的なプロセスについて説明できるようにする。

 6. 糖代謝1(解糖系とクエン酸回路):
 解糖系でグルコースがピルビン酸に変換されるまでの各過程とそれぞれの過程に関わる酵素の働きについて学習し、細胞内でどのようにしてエネルギーが産生されるかについての知識を習得する。さらにクエン酸回路についての概略を説明できるようにする。

 7. 糖代謝2(電子伝達系と糖新生):
 酸化的リン酸化反応の概略を理解し、好気的生物の糖代謝位におけるエネルギー収支についての知識を習得するとともに、非糖質前駆体からグルコースを合成する反応について理解し説明できるようにする。

 8. 脂質代謝:
 脂質の吸収と輸送の仕組みを理解するとともに、脂肪酸の酸化によってエネルギーが産生される仕組みの概略についての知識を習得するとともに、ケトン体の代謝についても説明できるようにする。

 9. 細胞膜と膜輸送:
 脂質とタンパク質によって構成される細胞膜の構造的特徴と性質について理解し、膜を隔てた物質の輸送機構の概略についての知識を習得する。

10. 様々な輸送体とその働き:
 輸送体タンパク質により細胞膜の反対側に物質やイオンを「能動的」または「受動的」に輸送する仕組みについて理解し、様々な輸送体タンパク質によって制御される生理機能について説明できるようにする。

11. ATP依存性ポンプ:
 細胞膜の反対側に様々なイオンを「能動的」に移動させる手段として重要なチャネルの構造と機能について理解し、その作動機構について説明できるようにする。

12. イオンチャネル:
 細胞膜の反対側に様々なイオンを「受動的」に移動させる手段として重要なチャネルの構造と機能について理解し、その作動機構について説明できるようにする。

13. 神経細胞の構造と機能:
 神経細胞の構造とその機能的特徴を理解するとともに、神経細胞間で情報伝達を行うシナプスについての知識を習得し、細胞内と細胞間での情報伝達の概略を説明できるようにする。

14. 神経細胞の情報伝達機構:
 神経細胞において電気信号がどのような方法で発生し、それがどのような方法で伝達されていくかについての概略を理解し説明できるようにする。

15. 達成度の確認と解説:
 講義内容についての習得度の確認を行い、内容に関する解説を行って全体の理解を深める。

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
海外研究機関の研究員(生物系)における勤務経験を活かし、生物化学に関する講義を行う。
教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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