シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
統計力学1
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Statistical Mechanics 1
授業コード Class code
9912439
科目番号 Course number
12PHTSM301

教員名
國見 昌哉、山本 貴博
Instructor
Takahiro Yamamoto, Masaya Kunimi

開講年度学期
2024年度前期
Year/Semester
2024 First Semester 
曜日時限
月曜4限、金曜2限
Class hours
Mon. 4th period and Fri. 2th period

開講学科・専攻 Department
理学部第一部 物理学科

Department of Physics, Faculty of Science Division Ⅰ
単位数 Course credit
4.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
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授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
非相互作用系の熱平衡状態に重点を置いて、熱現象の微視的理論としての統計力学の筋道を学び、熱力学の法則の本質的理解に繋げる。その上で、統計力学的手法を種々の熱現象に応用し解析することによって、現象を定量的に理解することができる。
目的 Objectives
熱力学の復習からはじめることで巨視的体系の性質を復習し、巨視的体系を微視的状態で記述するする統計力学の基本概念を習得し、いくつかの基本的な物理系に対するミクロカノニカル集団とカノニカル集団としての性質を学び、具体的な計算が実行できるようになることを目的とする。
本授業は、本学科のカリキュラムポリシー2.「現代物理学の柱となる・・・」と6.「2、3年次には、力学、電磁気学、物理数学の高度な内容に加えて、・・」、およびディプロマポリシー2.「体系的にに編成された学科の講義、・・・」と3.「物理現象の奥にある普遍性と本質・・・」に該当する科目である。また、物理学科のルーブリックの評価軸2「専門学力」の項目に該当する科目である。
到達目標 Outcomes

1. 統計力学が前提にする確率の概念とその応用法を習得する。
2. 微視的状態を記述する解析力学と量子力学の基本を復習して、微視的状態と巨視的体系の物理量との関係を理解する。
3. 確率分布の導出とその応用法を理解して、簡単な系の巨視的物理量を計算できるようになる。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
熱力学の履修を前提にする。この講義とともに後期開講する統計力学2を履修すること。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/小テストの実施 Quiz type test/ディベート・ディスカッション Debate/Discussion/グループワーク Group work/プレゼンテーション Presentation
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準備学習・復習 Preparation and review
準備学習は、LETUSで配布するオリジナル・テキストを一読すること。時間は1時間程度。復習は、テキストに加えて、理工系の基礎「物理学Ⅱ」 丸善出版(齋藤晃一、半澤克郎、渡辺一之、二国徹郎 著)、「統計力学」岩波書店(長岡著)などを参考にしながら行い、講義中に出題されたレポート課題に取り組むこと。時間は3時間程度。
成績評価方法 Performance grading policy
中間試験と到達度評価試験(〜70%)とレポート(〜30%)で総合評価(100%)する。
[フィードバックの方法]
レポートの解答は講義または演習の授業で説明する。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
・ 「理工系の基礎 物理学Ⅱ」 丸善出版(齋藤晃一、半澤克郎、渡辺一之、二国徹郎 著)
・ 「統計力学」長岡洋介著(岩波書店)
・ 「統計力学I・II」 田崎晴明著 (培風館)
・ 「熱力学・統計力学」W.グライナー他著、伊藤伸泰他訳(シュプリンガー・フェアラーク東京)
・ 「大学演習 熱学・統計力学」久保亮五他著(裳華房)

授業計画 Class plan
1  熱力学の復習と統計力学の目的   熱力学エントロピーと統計力学的エントロピーの概念を理解する。

2   確率論とエントロピー  離散的、連続的確率事象の基本復習し、計算ができるようにする。

3   確率論とエントロピー 離散的、連続的確率事象の問題、平均値とモーメントを理解する。

4   確率論とエントロピー  エントロピー、確率分布を理解する。

5   確率論とエントロピー エントロピー、確率分布に関する演習問題に取り組む。  

6 微視的力学状態   解析力学の復習を行う。ラグランジュ形式、ハミルトン形式、ポアッソン括弧式、位相空間などの概念を復習する。さらに、古典力学における状態数と状態密度の概念を理解する。

7   微視的力学状態      量子力学の復習   自由粒子の量子状態を復習

8   微視的力学状態     量子力学の復習   1次元調和振動子の量子状態を復習

9   微視的力学状態     量子力学における状態数と状態密度を理解する。

10   巨視的体系と統計集団  統計力学の基本的な考え方と巨視的体系の力学的記述を理解する。

11  巨視的体系と統計集団  統計集団と統計的記述について学び、時間平均から集団平均への移行概念を理解する。

12    統計力学における最近の話題1(時間の矢とエントロピー増大の原理)

13  ミクロカノ二カル集団  ミクロカノニカル分布とエントロピーの関係を理解する。

14  ミクロカノ二カル集団  理想気体と調和振動子の状態数とエントロピーの演習問題を解く。

15   ミクロカノ二カル集団  温度、圧力、化学ポテンシャルの統計力学的定義とミクロカノニカル分布の熱力学関係式を理解する。
 
16   ミクロカノ二カル集団  調和振動子、熱平衡条件、に関する演習問題を解く。

17 ミクロカノ二カル集団  調和振動子、スピン系のエントロピーの演習問題を解く。
        
18 ミクロカノ二カル集団  表面空孔欠陥の問題を解く。

19  ミクロカノニカル集団   理想気体、調和振動子、スピン系の熱力学関係式を導出する演習を行う。

20  カノ二カル集団   分配関数の導出と物理学系への応用方法について理解する。

21 カノ二カル集団     カノニカル分布の導出に関する演習問題、常磁性体等に関する演習問題を解く。

22 カノ二カル集団   カノニカル分布の物理例題(超相対論的理想気体、ファン・デル・ワールスの状態方程式、常磁性体)への応用の方法を理解する。

23  カノ二カル集団    調和振動子系を使って、古典系と量子系の各分配関数を計算し、その違いを理解する。

24 カノ二カル集団   ミクロカノニカル集団とカノニカル集団の方法の違いを理解する。

25  カノ二カル集団   カノニカル集団の方法を常磁性体の断熱消磁法と電気双極子系に応用し、それらの熱力学的性質を理解する。

26 カノ二カル集団   カノニカル集団の方法を常磁性体(スピン系として)の帯磁率計算に応用する方法を理解する。

27  カノニカル集団     カノニカル集団の方法で、マクスウエル速度分布則とエネルギー等分配則を導出する過程を理解する。
    
28 カノ二カル集団     マクスウエル速度分布則とエネルギー等分配則速度分布則に関する応用問題を解く。

29  統計力学における最近の話題2(非平衡統計力学における「ゆらぎの定理」)

30  本講義の到達度評価と解説を行う。


授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
テキストならびに授業資料はLETUSに掲載するので、印刷またはタブレットに保存して授業に持参すること。

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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