シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
電磁気学2
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Electromagnetism 2
授業コード Class code
9912342
科目番号 Course number
12PHELE202

教員名
小林 翔悟、二国 徹郎
Instructor
Tetsuro Nikuni, Shogo Kobayashi

開講年度学期
2024年度後期
Year/Semester
2024 Second Semester
曜日時限
火曜3限、木曜5限
Class hours
Tuesday 3rd Period, Thursday 5th Period

開講学科・専攻 Department
理学部第一部 物理学科

Department of Physics, Faculty of Science Division Ⅰ
単位数 Course credit
4.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
電磁気学1から電磁気学3まである電磁気学の2番目のこの授業では、物質中の電磁場について学ぶ。
目的 Objectives
・静電場を求めるためのいくつかの特殊な技法を会得する。
・誘電体中の静電場および磁性体中の静磁場について学ぶ。
・変動する電磁場を記述するMaxwell方程式を誘電体、磁性体が存在する場合に拡張する。

本授業は、物理学科のディプロマ・ポリシー項目2に定める「物理学の十分な基礎学力」を身に付けるための科目である。また、物理学科ルーブリックの評価軸2の「専門学力(古典物理学)」の項目に該当する科目である。
到達目標 Outcomes
・真空中および導体系の静電場を、鏡像法、Laplace方程式の変数分離法、多重極展開などの特殊技法
を用いて求めることができる。
・物質中の静電場について、分極、拘束電荷、電気感受率、誘電率などの諸概念を理解する。
・物質中のGaussの法則を用いて物質中の静電場を求めることが出来る。
・物質中の静磁場について、磁化、拘束電流、磁化率、透磁率などの諸概念を理解する。
・物質中のAmpereの法則を用いて物資中の静磁場を求めることが出来る。
・物質中のMaxwell方程式について理解している。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
本講義は物理学科カリキュラムの電磁気学群の中の3番目に位置づけられている。他の講義との関係を把握して講義に望むこと。

電磁気学1を履修済みであること。

また、物理数学2Aを履修済みであること、物理数学2Bを同時に履修することが望ましい。特に、物理数学2Aで学んだフーリエ級数の理解を確実にしておくこと、物理数学2Bで同時並行して教授される偏微分方程式の解法や特殊関数についての理解を確実なものにする努力をしてほしい。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
小テストの実施 Quiz type test
-

準備学習・復習 Preparation and review
講義:各回授業前に必ず教科書を読んで予習しておくこと。また、LETUSより講義資料を適宜ダウンロードして読んでおくこと。授業後は復習を行い、講義内容の理解を深めること。
演習:授業で扱った演習問題は必ず復習し、自力で解けるようにしておくこと。
成績評価方法 Performance grading policy
試験による評価を70%、提出課題(講義および演習)による評価を30%で合計し、60%以上を合格とする。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
Y
書誌情報 Bibliographic information
グリフィス 電磁気学 I 、D.J. グリフィス (著), 満田 節生 (翻訳), 坂田 英明 (翻訳), 二国 徹郎 (翻訳), 徳永 英司 (翻訳)、丸善出版、2019年発行、978-4-621-30422-8
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
理工系の基礎 物理学I、小向得 優 (著), 満田 節生 (著), 坂田 英明 (著), 二国 徹郎 (著), 梅村 和夫 (著), 物理学編集委員会 (編集)、丸善出版、2017年発行、978-4-621-30163-0

授業計画 Class plan
1 ガイダンス、電磁気学1の復習
この講義の進め方を説明する。電磁気学1で学んだ真空中の電磁場の復習、特に静電場に関する
Gaussの法則や導体系の電場について復習する。

2 Laplace方程式、Earnshawの定理、一意性の定理
真空中の静電場の基本法則がポテンシャルに対するLaplace方程式として表されることを理解する。静電場に対するEarnshawの定理や、Laplace方程式の解が一意に定められるための条件(一意性の定理)を理解する。

3 Laplace方程式、Earnshawの定理、一意性の定理の演習問題
演習問題を解くことによって理解を深める。

4 鏡像法
導体系の静電場を求める特殊技法の1つとして鏡像法を学ぶ。

5 鏡像法の演習問題
導体系の静電場を鏡像法を用いて求めることができる。

6 変数分離によるLaplace方程式の解(直交座標系)
Laplace方程式の解法の1つとして、直交座標による変数分離法を学ぶ。

7 変数分離によるLaplace方程式の解(直交座標系)の演習問題
Laplace方程式を直交座標で変数分離して解くことにより、導体系の静電場を求めることができる。

8 変数分離によるLaplace方程式の解(球座標系)
Laplace方程式の解法の1つとして、球座標による変数分離法を学ぶ。

9 変数分離によるLaplace方程式の解(球座標系)の演習問題
Laplace方程式を球座標で変数分離して解くことにより、導体系の静電場を求めることができる。

10 多重極展開
局所的な電荷分布に対して、遠方における近似的なポテンシャルが多重極展開によって与えられることを学ぶ。また、単極子、双極子などの多重極子の概念を理解する。

11 多重極展開の演習問題
与えられた電荷分布に対して単極子モーメント、双極子モーメントを計算できる。さらに遠方における近似的なポテンシャルを多重極展開の形に表すことができる。

12 誘電体と分極ベクトル
静電場中に置かれた誘電体に発生する電気分極について学ぶ。

13 中間試験
第3章(静電場の特殊技法)の到達度を評価するための試験を行う。

14 誘電体中の電場、束縛電荷
分極を持つ誘電体中に発生する束縛電荷について学ぶ。

15 誘電体中の電場、束縛電荷の演習問題
演習問題を解くことによって理解を深める。

16 電気変位、物質中のGaussの法則、線形誘電体
物質中の静電場を記述するために補助場(電気変位)を導入する。電気変位が物質中のGaussの法則に従うことを理解する。線形誘電体、電気感受率、誘電率、誘電係数などの諸概念について学ぶ。

17 線形誘電体の演習問題
線形誘電体がある場合の静電場を、物質中のGaussの法則を用いて求めることができる。

18 誘電体系における境界値問題と鏡像法
誘電体系における境界値問題を扱う方法として、Laplace方程式を用いる方法と鏡像法を学ぶ。

19 誘電体系における境界値問題(演習)
誘電体系における境界値問題をLaplace方程式や鏡像法により解くことができる。

20 誘電体のエネルギー、誘電体に働く力
誘電体系の静電エネルギーの表式を導出する。静電場中の誘電体が受ける力の求め方を学ぶ。

21 誘電体のエネルギー、誘電体に働く力の演習問題
誘電体系の静電エネルギーや誘電体が電場から受ける力を計算することができる。

22 ベクトルポテンシャルの多重極展開、磁化
居所的な電流分布に対して、遠方での近似的なベクトルポテンシャルを多重極展開により求める。
磁気双極子モーメントの概念について学ぶ。磁場中の物質に発生する磁化について学ぶ。

23 ベクトルポテンシャルの多重極展開、磁化の演習問題
演習問題を解くことによって理解を深める。

24 磁化した物質の磁場、拘束電流
磁化を持つ物質中に発生する束縛電流について学ぶ。

25 磁化した物質の磁場、拘束電流
与えられた磁化に対して拘束電流密度を求めることができる。この拘束電流密度が作る磁場をAmpereの法則を用いて求めることができる。 

26 補助場H、物質中のAmpereの法則、線形磁性体
磁場Bに対して補助場Hを導入する。補助場が物質中のAmpereの法則に従うことを学ぶ。線形磁性体、磁化率、透磁率などの諸概念を理解する。

27 物質中のAmpereの法則の演習問題
線形磁性体の系における静磁場を物質中のAmpereの法則を使って求めることができる。

28 物質中のMaxwell方程式
物質中において変動する電磁場を記述する、物質中のMaxwell方程式について学ぶ。

29 物質中の電磁場のまとめ
演習問題を解くことによって理解を深める。

30 到達度の確認と解説
本科目の授業内容に関する到達度の確認と解説を行う。

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
-
教育用ソフトウェア Educational software
-
-

備考 Remarks

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
Y
授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
N