シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
電磁気学3
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Electromagnetism 3
授業コード Class code
9912340
科目番号 Course number
12PHELE301

教員名
Mark Paul Sadgrove
Instructor
Mark Paul Sadgrove

開講年度学期
2024年度前期
Year/Semester
2024 First Semester
曜日時限
水曜2限
Class hours
Wednesday 2nd period

開講学科・専攻 Department
理学部第一部 物理学科

Department of Physics, Faculty of Science Division Ⅰ
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
英語 English
授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
電気力学(電磁力学)は一般に時間変数に陽に依存した(時間的に変化する)電磁現象を扱う学問である。そして時間に依存する電磁現象のなかで、最も重要なものは電磁波(光)である。本講義では電磁気学の美しい数学的構成を学びながら、電磁波の本質的な性質を理解し、電磁波の示すさまざまな挙動(主として伝播現象)、電磁波と物質の相互作用の数学的な記述と解釈を会得することを目的とする。これにより、電磁気学についてより深い理解(例えば、磁場に関係する式が速度に依存する理由など)を得ることも目的である。出てくる式は複雑であるが、身近な例を挙げながら、式に込められている物理的意味が理解できるようなわかりやすい講義になるように努力したい。

目的 Objectives
時間に依存する電磁現象をMaxwell方程式に基づいて理解する。
本授業は物理学科のディプロマ・ポリシー項目2に定める「物理学の高度な専門知識」を
身に付けるための科目である。 また、物理学科ルーブリックの評価軸2の専門学力(古典物理学)の項目に該当する科目である。
到達目標 Outcomes
・マックスウェル方程式を使って、電磁波の性質、電磁波の真空中・媒質中・限られた空間での伝播を理解できる。
・電磁ポテンシャル、遅延ポテンシャルを使って、運動する荷電粒子(荷電粒子の分布)からの電磁波の輻射現象を理解できる。

卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
電磁気学3では、 電磁気学1,2で学んだ内容(真空中・物質中のMaxwell方程式)をもとに、時間に依存する電磁現象、特に電磁波について、伝播現象(真空中、物質中、限られた空間、界面)と輻射現象(発生メカニズム)を学び、電磁波と物質の相互作用について基本的理解を得る。特殊相対論入門として電磁気学と相対論の関係を学び、電磁気学についてより深く理解する。よって、電磁気学1,2を履修済みであること。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
-
-宿題問題

準備学習・復習 Preparation and review
適切な演習問題(宿題問題)を出し、復習に役立てるようにする予定である。
成績評価方法 Performance grading policy
評価試験100% 
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
Y
書誌情報 Bibliographic information
Introduction to Electrodynamics, David J. Griffiths, Fourth Edition
(Pearson New International Edition)
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
清水忠雄 電磁気学I, II(朝倉書店)
ファインマン、レトイン、サンズ著「ファインマン物理学 電磁気学、電磁波と物性」(岩波書店)
E.M.Purcell著 Berkeley physics course vol.2:Electricity and magnetism, McGraw-Hill (邦訳あり)

授業計画 Class plan
1   ガイダンス + 真空中の電磁波
電磁波の輻射は身近な物理現象から最先端の技術まで関わっていることを概観し、学習の動機づけとする。真空中の電磁波真空中でのマックスウエル方程式の解としての電磁波の性質電磁波の運動量とエネルギーを理解する。

2   物質中の電磁波1 物質中での電磁波の伝播、2つの媒質の界面での反射と透過がマックスウェルの方程式からどのように導かれるかを理解する。(その1)

3   物質中の電磁波2 物質中での電磁波の伝播、2つの媒質の界面での反射と透過がマックスウェルの方程式からどのように導かれるかを理解する。(その2)

4   限られた空間内での電磁波の伝播 導波管のように空間的に局在する電磁波の伝播モードが開かれた空間とは異なる理由を理解する。

5   スカラー・ベクトルポテンシャル   スカラーポテンシャルと電磁場がポテンシャルとよばれる量の微分演算から導かれることベクトルポテンシャルを理解する。

6   遅延ポテンシャル・Jefimenko方程式1  電磁ポテンシャルを使ってマックスウエル方程式を一般的に解く。この際現れる遅延ポテンシャルの物理的な意味と相対性理論との関係を理解する。(その1)

7   遅延ポテンシャル・Jefimenko方程式2  電磁ポテンシャルを使ってマックスウエル方程式を一般的に解く。この際現れる遅延ポテンシャルの物理的な意味と相対性理論との関係を理解する。(その2)

8   運動する点電荷の作る電磁場       高速で運動する荷電粒子が作るポテンシャルを求めこれからリエナール・ヴィヒェルト電磁場を計算する。そのなかから遠方にまで達する電磁場ポテンシャル電磁波)を見出しその性質を論じる。
 
9   点電荷からの輻射   粒子の加速度と電磁波の輻射の関係を調べる。制動輻射、シンクロトロン輻射がなぜ起こるかを理解する。

10   電気双極子輻射1 振動する電気双極子が電磁波を放射することを理解する。(その1)

11   電気双極子輻射2 振動する電気双極子が電磁波を放射することを理解する。(その2)

12  磁気双極子輻射   磁気双極子輻射を理解する。任意の電荷分布からの輻射も、電気任意の電荷分布からの輻射 双極子輻射が最大の寄与をすることを理解する。

13  輻射の反作用    加速(減速)する電荷は輻射の反跳力を受けることを理解する。

14  相対論と電磁力学 + コースのまとめ

15  到達度の確認と解説 本科目内容の到達度の確認と内容に関しての解説を行う。

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
-
教育用ソフトウェア Educational software
-
-Python
(使用が必修ではないが、利用できると宿題問題の計算が楽になる場合がある。)

備考 Remarks
なし

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
Y
授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
N