数学科教育論１ （前・木２）

Theory of Mathematics Education 1 （前・木２）

9911443

T1SBMAE301

中川　裕之

Hiroyuki Nakagawa

2024年度前期

2024 First semester

木曜2限

Thursday second period

理学部第一部　数学科、理学部第一部（教職科目）

Department of Mathematics, Faculty of Science Division Ⅰ
A course of teacher education, the Faculty of Science Division Ⅰ

2.0単位

講義

Lecture

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① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

数学科における教育目標、育成を目指す資質・能力を理解し、中学校・高等学校の学習指導要領数学科編に示された学習内容について背景となる学問領域と関連させて理解を深めるとともに、様々な学習指導理論を踏まえて具体的な授業場面を想定して指導目標、指導内容、指導法、評価方法、教科指導力を行う方法を身に付ける。

以下の到達目標を達成することによって数学科の目標・評価・内容・授業設計などについて理解し，授業を構想・実践・評価する能力を身につけることを目的とする。

（1）資質･能力の育成の観点から高等学校ならびに中学校の数学科の学習指導要領における目標及び主な内容並びに全体構造を理解する。さらに米国などの諸外国のカリキュラムを参考に日本のカリキュラムの特徴を理解する。
（2）高等学校ならびに中学校の数学科の学習指導要領解説の「指導上の留意点」や、全国学力・学習状況調査や東京理科大学数学教育研究部門の高校生の学力調査の結果をもとに数学の各分野の指導上の留意点を理解する。
（3）評価規準をもとに数学科の学習評価の考え方を理解している。さらに、形成的評価、総括的評価、ポートフォリオ評価などの評価の役割や方法を理解する。
（4）数学科と背景となる諸分野（代数、幾何、解析（中学では扱わない）、確率統計、関連分野等）ならびに基礎的考え方との関係を理解し、教材研究に活用することができる。また、離散数学などの将来導入される可能性のある内容を知る。
（5）中学校、高等学校の指導事例などをもとに附属学校、SSH校などの実践などを参考に発展的な学習内容について探究し、学習指導への位置付けを考察することができる。また、理数探究の観点から発展的内容を捉えることができる。

リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます（学部対象）。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​

"遅刻、欠席、忌引き等は事前または事後に必ず連絡すること。
欠席が多い(5回以上)場合は単位を認めない(特別な理由がある場合は考慮する)。"

課題に対する作文　Essay／ディベート・ディスカッション　Debate/Discussion／グループワーク　Group work／プレゼンテーション　Presentation／反転授業　Flipped classroom／PBL (課題解決型学習)　Problem-based learning

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授業中に出題される問題を各自復習しておくこと。
各回毎に準備学習、復習を指示する。
与えられた準備学習(課題や下調べなど)を丁寧に行い授業に臨むこと。
また、次回発表を指示した場合にはその準備を行うこと。

授業中に課された課題レポート 70%
到達度評価　　　20％
講義への参加状況（この講義は学生個人やグループの発表によって進める）10％

・S：到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A：到達目標を十分に達成している
・B：到達目標を達成している
・C：到達目標を最低限達成している
・D：到達目標を達成していない
・-：学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S：Achieved outcomes, excellent result
・A：Achieved outcomes, good result
・B：Achieved outcomes
・C：Minimally achieved outcomes
・D：Did not achieve outcomes
・-：Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

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教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

岩崎 秀樹・溝口 達也（2019）新しい数学教育の理論と実践、ミネルヴァ書房
各社中学校・高等学校数学科教科書
文部科学省『中学校学習指導要領（平成29年告示 ）』東山書房、2018
文部科学省『高等学校学習指導要領（平成30年告示）』東山書房、2019

以下は教科書ではないが、参考図書として必ず用意すること。
なお、書籍として購入することを勧めるが、PDFで文部科学省や国立教育政策研究所のサイトからダウンロードすることもできる。
文部科学省『中学校学習指導要領解説　数学編』日本文教出版、2018
文部科学省『高等学校学習指導要領解説　数学編・理数編』学校図書、2019

その他、授業中に随時紹介します。

第１回：数学科の目標：なぜ数学を学ぶのか、教えるのか
　　　　現在、過去の学習指導要領解説の内容を紹介するとともに、具体的な事例を用いて数学科で育成すべき資質・能力について実践的に考える。
第２回：数学科の学習内容とその系統
　　　　小学校、中学校、高等学校の学習内容を概観し、その系統について考える。いくつかの具体的な学習内容を取り上げ、その関連・繋がり、背後にある原理について探る。
第３回：数学的な見方・考え方、数学的活動、課題学習その１
　　　　中学校の「数と式」の領域の内容を例として学習の在り方を理解するとともに、発展的な学習の在り方について実際に探究を行うなかで考察する。
第４回：数学的な見方・考え方、数学的活動、課題学習その２
　　　　中学校、高等学校の「数と式」の領域の内容を例として指導過程について理解するとともに、探究的な学習の在り方について実際に探究を行うなかで考察する。
第５回：学習評価と学力調査
　　　　評価規準、全国学力調査、共通テストを題材として数学科における学習評価の考え方、方法を知る。
第６回：数学科の学習内容の必要性と意義
　　　　中学校、高等学校の「図形」の領域の内容を例として、指導する内容の必要性、意義について考察する。
第７回：数学科の学習内容の体系その１
　　　　中学校の「図形」の領域の内容を例として、大学で学ぶ数学の体系と比較して学習内容の体系について知る。
第８回：数学科の学習内容の体系その２
　　　　中学校の「図形」の領域の内容を例として、循環論法について知り、真正な学習体系について考察する。　　　　
第９回：数学科の学習内容の体系その３
　　　　高等学校の「解析」の領域の内容を例として、大学で学ぶ数学の体系と比較して真正な学習体系について考察する。　　　　
第１０回：生徒が苦手とする学習内容とその指導方法の考察その１
　　　　　中学校の「関数」の領域の内容（関数の考え）を例として、学力調査の結果に基づいて生徒の苦手を克服する学習指導の方法について知る。
第１１回：生徒が苦手とする学習内容とその指導方法の考察その２
　　　　　高等学校における代数領域の内容（同値変形）を例として、生徒の苦手を克服する学習指導の方法について考察する。
第１２回：生徒が苦手とする学習内容とその指導方法の考察その３
　　　　　高等学校における確率・統計領域の内容（データの要約・表現）を例として、生徒の苦手を克服する学習指導の方法について考察する。
第１３回：生徒が苦手とする学習内容とその指導方法の考察その４
　　　　　高等学校における確率・統計領域の内容（条件付き確率）を例として、学力調査の結果に基づいて生徒の苦手を克服する学習指導の方法について考察する。
第１４回：理数探究、課題学習での学習指導
　　　　　数学的モデリングやPPDACサイクル、探究学習過程について知り、実際のデータを統計的に処理する過程を経験することで学習指導法について考察する。
第１５回：到達度評価　ならびに　まとめ
　　　　　これまでの講義を振り返り、学習成果をまとめる。

文部科学省の研究所での学力調査官としての経験を活かして、指導や評価に関する講義を行う。

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