シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
数学研究2 D組
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Junior Course of Seminar 2 D組
授業コード Class code
9911291
科目番号 Course number
11MAZZZ302

教員名
梶ヶ谷 徹
Instructor
梶ヶ谷 徹

開講年度学期
2024年度後期
Year/Semester
2024 Second Semester
曜日時限
水曜4限、水曜5限
Class hours
Wednesday 4th Period, Wednesday 5th Period

開講学科・専攻 Department
理学部第一部 数学科

Department of Mathematics, Faculty of Science Division Ⅰ
単位数 Course credit
3.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
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授業の主な実施形態 Main class format
① [対面]対面授業/ [On-site] On-site class

概要 Description
多様体についてセミナー形式で学習する. 多様体とは2年次に学習した曲線や曲面の一般化であり, 現代的な幾何学において必須の概念である. 多様体論に慣れ親しみながら、その応用として分かるいくつかの定理(サードの定理、ホイットニーの埋め込み定理など)を理解し、それらの証明を行うことで、現代的な幾何学の面白さに触れたい。 セミナー形式(輪講形式)とは,読む本を指定し,予め予習した発表者が内容を聴衆に説明し,聴衆が聞いていて分からない箇所を発表者に質問することで,発表者と聴衆が相互に理解を深めていく学習スタイルである.従って,内容に関する数学的な理解もさることながら,多くの人の前で自分が理解したことを説明する力,つまりプレゼンテーション能力を身につけることもこの授業の1つのねらいである.キャリア教育・職業教育の観点からも,プレゼンテーション能力は社会に出てから役に立つ力である.
目的 Objectives
【セミナーに関する一般的な目的】
4年次には各研究室に分かれ専門的な数学書を読むことを行う。この授業はその練習という位置付けも持っている。数学書を読んだ時に、自分が分からない箇所や非自明な箇所を明確にし、分からない箇所について自分なりに考えたり、他の文献で調べるなどして解決する能力を身につけることが最初の目的である。また、自分が理解したことを聴衆に自分の言葉で分かりやすく説明する能力を身につけることが次の目的である。発表者と聴衆の双方向によるコミニュケーションによって、自分が学びたい学問の理解をより深めていくことが最終的な目的である。カリキュラムポリシーとの関係としては「数学的思考力・問題発見力・解決能力の育成を目指す」ことに対応している。

【セミナー内容に関する具体的な目的】
2年次に学習した曲線や曲面の一般化である多様体について理解を深める. まずは多様体の定義の理解と,3次元以上の多様体の具体例に触れ, 多様体の概念に慣れ親しむ. 次に, 多様体論の応用としていくつかの定理を紹介および証明することで, 現代的な幾何学の面白さに触れる.
到達目標 Outcomes
【セミナーに関する一般的な目標】
数学書を読んで、自分が分からない箇所や非自明な箇所を明確にすることが出来る。分からない箇所について自分なりに考えたり、他の文献で調べるなどして解決することが出来る。自分が理解したことを聴衆に自分の言葉で分かりやすく説明することが出来る。また、聴衆は発表者の論点を整理し、分からない箇所がある場合はそれを発表者に伝えることが出来る。場合によっては、全体の理解が深まるような建設的な質問を提供することが出来る。ディプロマポリシーとの関連としては「基礎学力を基礎として、現代社会における解決困難な様々な問題に対し、他者とコミュニケーションをとりながら柔軟に応用展開出来る力」を養うことに対応している。

【内容に関する一般的な目標】
多様体の定義や,多様体と多様体の間の滑らかな写像の定義,またその微分写像の定義が言える.多様体の具体例を複数挙げることができる.具体的な多様体の間の具体的な写像が与えられたら,その微分写像を計算することができる.セミナー中に証明された定理をいくつか取りあげて,その主張と証明方法の概略を説明することができる.
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
リンク先の [評価項目と科目の対応一覧]から確認できます(学部対象)。
履修登録の際に参照ください。
​You can check this from “Correspondence table between grading items and subjects” by following the link(for departments).
https://www.tus.ac.jp/fd/ict_tusrubric/​​​
履修上の注意 Course notes prerequisites
1年次に学習した微分積分学と線形代数学については基礎的な道具として習熟していることが望ましい. さらに,多様体は2年次に学習した幾何学1・2(曲線と曲面)の内容の一般化であるから,これも修得していることが望ましい.また,内容の多くは3年次に並行して開講される微分幾何学1・2と関係しているため,微分幾何学1・2(及びその演習)を履修することを強く推奨する.
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
ディベート・ディスカッション Debate/Discussion/グループワーク Group work/プレゼンテーション Presentation
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準備学習・復習 Preparation and review
自分が発表者かどうかに関わらず毎週少なくとも2時間以上の予習復習を行うこと。予習復習の際は以下のようなことを行うと良いだろう。前回何を行ったのか復習し、その概要をおおまかに説明出来るか確認する。また、次回に進みそうな部分の内容をまずは大まかに把握する。このときは多少分からない箇所があっても、そこには印などをつけておいて先に読み進んでみると良いだろう。そして次回までに読み飛ばした「分からなかった箇所(印をつけておいた箇所)」を理解することに全力を尽くそう。その際は他の文献で調べたり、友人や教員に質問しに行くと良いだろう。発表者だけが該当範囲を理解していて聴衆は誰も該当範囲について予習をしていないという状況では有意義な輪講は成立しない。また発表者となれば発表の精度の高さが要求される。間違いを恐れる必要はないが、自分が分からない箇所が出来るだけ少なくなるように入念に準備しよう。さらに時間があれば「どうやったら分かりやすく伝わるか?」という情報の伝え方まで準備してみよう。
成績評価方法 Performance grading policy
以下の3つを考慮し総合的に成績を判定する:
(1) 発表の準備状況及びプレゼンテーションの完成度
(2) 他の受講者の発表の聞き方(発表に関する質問、自分が分からない箇所の申告、全体の理解を助けるようなコメントなどの有無)
(3) 受講態度及びレポート等
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
Y
書誌情報 Bibliographic information
セミナーのテキストは,

足立正久著、微分位相幾何学、共立出版

を使用します(主に第1章を読む予定です)。
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
​​https://mirai.kinokuniya.co.jp/tokyorika/

参考書・その他資料 Reference and other materials
必要に応じて参考書等を紹介します。

授業計画 Class plan
1回. イントロダクション. 数学書を使ったセミナーの方法について学ぶ.
2回. 多様体の定義について発表を行う.
3回. 多様体の具体例について発表を行う.
4回. 多様体の間の微分写像の基本的な性質について発表を行う.
5回. 多様体の間の微分写像の発展的な性質について発表を行う.
6回. 逆関数定理について発表を行う.
7回. 逆関数定理の応用について発表を行う.
8回. 近似定理について発表を行う.
9回. 近似定理の証明について発表を行う.
10回. サードの定理について発表を行う.
11回. サードの定理の証明について発表を行う.
12回. 1の分割について発表を行う.
13回. はめこみ定理について発表を行う.
14回. ホイットニーの埋め込み定理について発表を行う.
15回. ホイットニーの埋め込み定理の証明について発表を行う.

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
分からない部分に関しては事前に私に相談してもらっても構いません. ただし, 自分の言葉で話せるように準備するようにしましょう.

授業でのBYOD PCの利用有無 Whether or not students may use BYOD PCs in class
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授業での仮想PCの利用有無 Whether or not students may use a virtual PC in class
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