![]() 教員名 : 金 凡性
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科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
教養フォーラム(社会と人間) (金他)
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Liberal Arts Forum for Freshers(Societyand Humanity) (金他)
授業コード Class code
99KT5F7
科目番号 Course number
L3IDSEM125
教員名
大越 克也、船引 彩子、洪 昌極、金 凡性
Instructor
Funabiki, Ayako
Hong, Changguek Kim, Boumsoung Okoshi, Katsuya 開講年度学期
2023年度前期
Year/Semester
2023 First Semester
曜日時限
水曜5限
Class hours
Wednesday 5th Period
開講学科・専攻 Department
工学部(一般教養科目)、先進工学部(一般教養科目)
A course of liberal arts, the Faculty of Engineering A course of liberal arts, the Faculty of Advanced Engineering 単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義
Lecture 外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
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授業の主な実施形態 Main class format
オンライン授業 (非同期) Online (asynchronized remote)
概要 Description
「教養フォーラム」は、大学に入学したばかりの新入生に向けて、大学で学ぶ教養とは何かを紹介するオムニバス講義です。このクラスでは、「見えないモノ、見える世界」をテーマとして、地理学、歴史学、科学論、天文学を専門とする4人の教員とともにそれぞれの学問分野の楽しさについて学びます。
本科目のカテゴリー区分は、「カテゴリーA」(1年生前期のみ履修可能)です。今後みなさんが多くの一般教養科目を学んでいく前提となる科目であり、一般教養科目全体の導入・入門的な意味も持っています。 目的 Objectives
「東京理科大学型くさび型教養教育」の出発点(カテゴリーA)に本授業は位置しています。特にこのクラスでは、「見えないモノ、見える世界」というテーマをその入り口として、地理学、歴史学、科学論、天文学の面白さに気づいてもらい、次のカテゴリーB及びC、Dでの履修選択を「自由に」かつ主体的に行えるようなきっかけを提供することを目的とします。
到達目標 Outcomes
・教養科目・分野の幅広さを俯瞰的に理解できる。
・テーマ「見えないモノ、見える世界」について、地理学、歴史学、科学論、天文学の視点から説明することができる。 ・教養科目について自由に選択するための情報・知識を持ち、自らの関心に従って主体的に選ぶことができる。 卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
A:教養・倫理 C:教養 E:教養・倫理観 M:一般教養 I:一般教養 AE:基礎教養 AM:教養 AB:基礎教養 AP:豊かな教養 AD:基礎教養
履修上の注意 Course notes prerequisites
・授業形式は非同期(ただし第8回は同期型)のオンライン授業です。毎週LETUSをチェックし、担当教員からのアナウンスに注意してください。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/小テストの実施 Quiz type test/ディベート・ディスカッション Debate/Discussion/グループワーク Group work
第2〜7回は毎回リアクションペーパーを課す。授業を聴講後、100字以上で内容をまとめて感想を書き、提出すること。
準備学習・復習 Preparation and review
準備学習:LETUSのコース上の各該当回を参照してください。
復習:講義課題の準備・提出を含めて、毎回講義内容をふりかえり、深い理解に努めてください。 成績評価方法 Performance grading policy
テスト及び課題 100%
4名の担当者による評価(小テスト、課題など)の合計点で成績評価を行います。詳細については各担当教員が説明します。 学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している ・B:到達目標を達成している ・C:到達目標を最低限達成している ・D:到達目標を達成していない ・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している ・S:Achieved outcomes, excellent result ・A:Achieved outcomes, good result ・B:Achieved outcomes ・C:Minimally achieved outcomes ・D:Did not achieve outcomes ・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation 教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store). https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ 参考書・その他資料 Reference and other materials
授業計画 Class plan
第1回(船引、洪、金、大越担当) ガイダンス
このクラスを担当する4人の教員(船引、洪、金、大越)とともに、「見えないモノ、見える世界」をキーワードとして、地理学、歴史学、科学論、天文学の面白さについて考えていく。それぞれ専門分野の異なる教員同士で意見交換を行うので、教養科目・分野の幅広さを俯瞰的に理解するためのヒントを得ることが期待できる。 第2回〜第4回(船引担当) 第2回 関東平野の地形 東京理科大学の神楽坂キャンパス、葛飾キャンパス、野田キャンパスが位置する関東平野の地形について、地図から見える特徴や、地図では見えない地形形成の歴史について概観する。 関東平野は、日本最大の平野であり、新第三紀以来続く関東造盆地運動により形成された。北は上毛三山、足尾山地、日光連山、高原山、那須岳、八溝山地・多賀山地に、西は箱根山・関東山地に、東は鹿島灘・九十九里浜に、南は房総丘陵・三浦丘陵や東京湾・相模湾に囲まれている。利根川をはじめとする多くの河川が流れ、それらが運ぶ堆積物や火山灰などによって、台地や低地などの地形が成立している。本授業では、これらの地形が地球の歴史の中でどのように形成されたのか、都市開発にどのような影響をもたらしたのか、様々な角度から検証する。 第3回 江戸・東京の地形と歴史 大都会のように見える東京には、旧石器時代から人々が暮らした痕跡が残っている。温暖な気候に恵まれた縄文時代には、台地・丘陵部に多くの集落が営まれた。紀元前後には水稲耕作が西日本からもたらされ、計画的な農業生産が暮らしの基礎となり、豪族が現れるようになる。戦国時代を経て、17世紀に江戸幕府が開かれると関東平野の低湿地開拓が進み、舟運を活用した一大物流センターとなる。本授業では、現在の関東平野に残る遺跡や地割などから、江戸・東京が果たした、見えない役割について考える。 第4回 関東平野の災害史 私たちが暮らす関東平野は一見して安全な堤防や防災対策に守られた大都会のように見えるが、その背後には災害の悲しい歴史や、先人の知恵と見えない努力が隠されている。本講義では安政江戸地震や関東大震災、富士山の宝永噴火、カスリーン台風など、関東平野で過去に発生した災害についてそのメカニズムや被害規模について紹介し、将来の防災対策についても議論する。 第5回〜第7回(洪担当) 第5回 世界の「水」問題 私たちの生活に不可欠な「水」。人々が暮らす社会は水とどのように関わっているのか。水は私たちの社会をどのように形作ってきたのか。当たり前に存在するからこそ、普段〈見えない〉水との関わり。「水」を通して見ると〈見える〉社会。世界では6億人以上の人々が飲料水にアクセスができない。用水の配分をめぐる不均衡は世界各地で深刻な水争いを引き起こしている。一方で水のビジネスは巨大産業と化し、水企業が覇権を争っている。形のない「水」という資源は、一体誰のものか。「水」を通して今日の社会の在り方を考える。 第6回 水と近世・近代日本の社会 静止した画像をいくら辛抱強く観察しても、その写真が一体何を写し出しているのか、〈見えない〉ことがある。動画としてその事物や事象の「動き」(=経緯・脈略)を見ることで、その本質がより明確に〈見える〉場合がしばしばある。歴史学とはまさに後者の方法に近い。人々が「水」をどのように治め、確保してきたのかについて、近世日本の農村社会を通じて歴史学の手法を用いて辿ってみたい。 第7回 水と近現代の日本社会 形のない水が「誰のものか」・「どの集団のものか」ということは、一瞥しただけでは〈見えない〉。しかし、人々は近代以降、ますます水に所有権や利用権という形で境界線を引こうとするようになった。近世までに形成された治水と利水をめぐる社会の秩序は、「近代的所有権」の台頭によって変容を迫られる。そこで大きな役割を担うようになるのが「国家」という存在である。この過程を辿ることで、本来誰のものでもない水に引かれた境界線が「見える」ようになる。ここでは、近代以降の日本の水政治の問題を辿ることで、この問題について考えてみたい。 第8回(船引、洪担当)グループワークおよびディスカッション 第8回はzoomを用いた遠隔同期型授業とする。第7回授業の映像配信と同時に課題を出題するので、当日までに各自取り組んでおくこと。当日の授業では学籍番号で指定された3人一組のグループになり、30分の制限時間の中で課題の1つを選択して議論し、各グループの答えをLETUSで提出する。その後、第2〜7回を担当した両教員(船引、洪)により、解説が行われる。当日はオンライン出席が必須となるので注意すること。 第9回〜第11回(金担当) 第9回 画像は、観察は、どれほど「客観的」なのか 可視化された世界はどれほど「客観的」なのか。宇宙から見た地球は丸く、そこに「国境」などは存在しないはずだが、世界地図の多くは長方形で各国には異なる色が塗られている。そもそも、「客観的」な観察は可能なのだろうか。一方で、図表やグラフなど、可視化されたモノに力があるのもまた事実である。本授業では、見える世界の客観性について検討しつつ、情報や知識が生産され、また消えていく文脈について考察する。 第10回 見えない存在が可視化する世界 紫外線は目に見えない存在だが、紫外線に焦点を当てることによって社会の様々な側面が見えてくる。本授業では、担当教員(金)の研究に基づき、紫外線をめぐる知識・言説とその変化について考察する。 第11回 第9回及び第10回の講義内容に関するディスカッション LETUSを用いて第9回及び第10回の講義内容についてグループ討論を実施し、担当教員(金)が解説を行う。 第12回〜第14回(大越担当) 第12回 宇宙をどのように観てきたか 「見えないモノ、見える世界」というテーマを「天文学」という眼を通して考えてみよう。事物を認知するということは認知する主体と認知される対象をどのように絶対化もしくは相対化するのかという点に強くかかわっている。天文学は、天体および天体現象を通して、宇宙を我々がどのように捉えてきたかを探究する学問である。ここでは、近代を中心に我々が観ることができる天体現象(「見える世界」)を通じて、宇宙観の変遷を紹介する予定である。 第13回 見えないモノを探す 「見えるモノ」だけでは説明がつかない天体現象が近年多く発見されている。たとえば、銀河系の運動や不思議な形状をもつ天体の発見などがその一例である。ここでは、このような天体や現象を通じて、宇宙に満ちている「見えないモノ」の謎を紹介する予定である。 第14回 天文学のいま〜「見えないモノ、見える世界」 古代から現在に至るまで「見えないモノ」を探し求め、「見える世界」を拡大してきた天文学。この流れは現在も続いている。特に観測機器・手法の飛躍的な発展にともない、現在の宇宙観は大きな変貌を遂げつつある。ここでは、現代天文学の最前線の一端を触れることにより「現在、宇宙はどこまでわかってきたか」を中心にして天文学の楽しさを紹介したい。 第15回(金、大越担当) まとめと意見交換 第9〜14回を担当した両教員(金、大越)とともに、「大学で学ぶ教養とは何か」について考えていく。専門分野の異なる教員同士で意見交換を行うので、次のカテゴリーB及びC、Dでの履修選択を「自由に」かつ主体的に行えるようなヒントを得ることが期待できる。 授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
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