シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
自然地理学 (後期金3)
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Natural Geography (後期金3)
授業コード Class code
99KT114
科目番号 Course number
L3NATUR126

教員名
船引 彩子
Instructor
Ayako Funabiki

開講年度学期
2023年度後期
Year/Semester
曜日時限
金曜3限
Class hours

開講学科・専攻 Department
工学部(一般教養科目)、先進工学部(一般教養科目)

A course of liberal arts, the Faculty of Engineering
A course of liberal arts, the Faculty of Advanced Engineering
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
対面授業 On-site class

概要 Description
人間の生活の舞台でもある地球の表面は、実にさまざまな環境にある。時間・空間的に非常に大きなスケールの現象を理解するには、まずどのような地域に何が存在するのかという基本的知識が必要である。自然地理学は、純粋な自然科学である地球科学とは異なり、経験科学・総合科学の側面を持っている。この授業では自然地理学(地形・気候・植生など)の基礎的事項、最新の研究動向とその成果を映像や写真、図表を多く取り入れて概説する。授業は講義を中心とする。基本的にパワーポイントを用いて授業を進める。必要に応じて映像資料等を併用する。
目的 Objectives
自然地理学が目的としているのは、地球・環境分野の自然科学に立脚した上で、土地自然や人間の社会文化といった地域によって異なる事象を理解することである。地形の成り立ちや自然災害の発生履歴などについて、世界と比較しながら理解を深める。そのほか、地名も含めて世界のどこに何があるかの最低限の地理的教養知識を確認することも目標としている。
到達目標 Outcomes
地球規模の気候、地形の特徴についての基礎知識を身につけたうえで、なぜそのようになっているかの原理を理解することを第一の到達目標とする。さらに、スケールの小さい地形の形成を理解すること、現在の土地利用や人類の分布が気候・地形条件とどう関わってきたかという経験則を理解する。最終的に、自然と人間のかかわりを考察できる地理学的視点を養うことを目標とする。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
A:教養・倫理  C:教養 E:基礎学力 M:一般教養 I:一般教養 AE:基礎教養 AM:教養 AB:基礎教養 AP:豊かな教養 AD:基礎教養
履修上の注意 Course notes prerequisites
  • 第1回の授業のみ、オンライン非同期授業とする。授業の全体概要とガイダンスを行う。
  • 毎週授業日の1週間前から、LETUSを通じて演習問題が出題される。授業がある週の木曜日午前0時まで(水曜日の24時まで)に解答すること。制限時間は30分だが、早く終わってもよい。解答にあたってはどのような資料を参考にしても構わないが、必ず自分の言葉で書くこと。
  • 授業のある週の金曜日24時まで、LETUSで質問やコメントを受けつける。
  • 第7回が終わったら理解度到達度評価(中間)を行う。
  • 第14回の終了後に理解度到達度評価を行う。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/小テストの実施 Quiz type test
-毎週授業日の1週間前までに、LETUSを通じて演習問題が出題される。 指定期日までに解答すること。 

準備学習・復習 Preparation and review
準備学習全体として、中学または高校にて使用した地理の教科書、地図帳があれば再読、細見しておくことが望まれる。それらが無い場合には図書館等を活用して、地理学の概論書を通読しておくことが望まれる。その上で各授業内容を鑑みて、地理学を学ぶ上での基礎的な事項への理解が不足しているようであれば、参考書等から学んでおくことが望まれる(毎回1時間以上)。 授業でわからないことがあればLETUSにコメントや質問を記入して提出すること。
 復習では授業内容を適宜整理するとともに、理解が不十分な点があれば授業中に適宜案内する参考書や資料等を活用して、理解不足のまま次の授業に進まないようにする。なお、上記に示した授業以外の学習は60時間以上を目安に行うこと。 

成績評価方法 Performance grading policy
1.第8回授業中に理解度到達度評価(中間)を課す。
2.最終授業時に理解度到達度評価を課す。
3.評価は東京理科大学成績評価基準に準拠する。
4.積極的に参加している受講生(授業中の態度等)に対しては、努力点を加点する用意がある。 

学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
-
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

参考書・その他資料 Reference and other materials

授業計画 Class plan


  1. はじめに
    授業の概要について説明するとともに、演習問題の解説を行う。


  1. 世界の大地形
    プレートテクトニクスや、ホットスポット、石灰岩地形などについて説明する。
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  2. 地形図の読図
    地図とは何か?地図の有意性・有用性について理解することにより、地図全般について説明できる。地形図の読図から、河川や火山が作る地形について学習する。


  1. 火山活動
    地下で溶けている岩石をマグマとよび、それが地表に噴き出てつくった地形を火山という。陸上の火山の多くは、海溝に沿って分布する。火山は噴火による被害ももたらすが、山麓の豊富な湧水や温泉などの生活・観光資源、地熱発電の可能性など、多くの恵みももたらしている。世界の火山と日本の火山の例を挙げ、そのメカニズムや被害、防災対策について学ぶ。


  1. 地震活動
    世界で大きな地震がおこっている地点はプレート境界とほぼ重なっており、せばまる境界の特に沈みこみ帯に沿って、地震の震源が密に分布する帯状の地域がある。沈みこみ帯では、プレートの境界面で海溝型地震がおこるほか、境界周辺の陸地や海底の多くの断層に沿って地震がおこる。本授業では日本国内で発生する2種類の地震について例を挙げ、そのメカニズムや被害、防災について学ぶ。


  1. 世界の気候
    気候とは一つの地域で長年にわたってくり返される総合的な大気の状態をいう。世界にはさまざまな気候があり、各地の風土を大きく特徴づける。その区分・分類にはいくつもの方法が試みられてきた。ここではドイツの気候学者ケッペンの気候区分を取り上げ、地形や気候、植生、土壌など、その地域の自然環境に対応した人間生活の特徴について考察する。


  1. 日本の気候
    ユーラシア大陸の東部、太平洋の北西部に位置する日本は、東岸気候である。海に囲まれているため海洋性気候の特徴がみられ、モンスーン(季節風)や列島を走る脊梁山脈などの影響で、四季折々、地域性に富んだ気候になっている。日本の冬は気温の南北差が大きく、北海道と九州・沖縄では20℃以上の差がみられることもある。一方、夏は南北差が小さくなる。降水量は西日本の太平洋側で多く、瀬戸内海地域、本州内陸部、オホーツク海沿岸では少ない。冬は日本海側で降雪量が多い。このような気候の多様性について理解するとともに、それらが生み出した各地の文化、また、地域ごとに異なる災害や自然利用についても考察を深める。
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  2. 到達度評価(中間)
    これまでの理解度を試験により評価する。 
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  3. 気候変動

現在、我々が生活している地質年代の『第四紀』の長さは、約46億年およぶ地球史全体のわずか1%にも満たない。しかしながら、地球温暖化が危惧されている現在の気候の実態解明とその将来予測には、第四紀といった過去の地球環境変動を理解することが必要不可欠となる。第四紀に生じた地球環境変動の特徴と、それらを解き明かす研究手法について理解した上で、現在および過去に経験した地球環境変動の全体像、メカニズムの理解とその予測へむけた様々なアプローチについて、包括的な視点を持つことを目指す。


  1. 特別授業
    気候変動や第四紀学、考古学、エネルギーなどの先端分野で研究を行っている研究者や実務家などの外部講師を招き、特別講義を行う。本年度は中央大学の太田凌嘉先生に宇宙線生成核種分析による年代測定法についてご講演いただく。


  1. 日本の平野
    河川は、陸地の高いところから低いところへと、水と土砂を送る大動脈である。さまざまな外的営力によって山地が侵食されて生じた土砂は、多くの場合、河川の流れによって山地の外へと運搬され、やがて堆積する。厚く堆積した土砂からなる平野を堆積平野といい、その多くは河川に沿って分布する。堆積平野のうち、河川が土砂を堆積させてつくった平野を、沖積平野という。日本の平野の多くはこの沖積平野であり、モンスーンなどによる多量の雨による洪水や台風、高潮などの被害に見舞われてきた。これらの平野の形成過程を長期的な気候変動の中で押さえるとともに、歴史上の災害対策についても学び、将来の環境変動による災害のリスクについて考える。
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  2. 世界のメガデルタと水問題
    南アジア〜東アジアの大河川河口部には、大規模なデルタが存在する。これらは、世界最高峰のヒマラヤ—チベット高原付近に源流を持っており、モンスーンによる多雨の影響や急峻な地形のため、流域の土砂生産量が多く、河川の土砂運搬量も大きくなっている。

これらの地域はまた、豪雨により生ずる河川洪水やサイクロンがもたらす高潮災害といった複数の水害リスクに曝されている。今後の地球温暖化の進行に伴い生ずることが予測されている、河川洪水の頻度の増加や海面水位の長期的な上昇といった要因は、メガデルタ地域の複合水害をさらに助長しかねない。このようなデルタの形成過程とその環境問題について、多面的に学習する。
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  1. 地球温暖化
    世界には、地球温暖化や砂漠化、森林破壊、大気汚染など様々な環境問題が存在する。これらの問題に基本的な知識を得るとともに、地球温暖化などの環境問題について、第四紀を通じた気候変動を基本に、最新の研究成果も踏まえて多方面から検討する。


  1. 環境問題と再生可能エネルギー
    日本は、資源の利用効率を向上させるために、省エネルギー・省資源の技術開発と普及に努めてきた。その結果、同じGDPを生みだすのに必要なエネルギー消費量は、先進国のなかでも最も少ない水準を維持している。しかし、地球温暖化については、二酸化炭素などの温室効果ガスの削減は不十分なままであり、今後の重要な課題となっている。資源・環境問題の解決には、再生可能なクリーンエネルギーの導入が不可欠である。再生可能エネルギー導入の現状や問題点について学び、開発や経済発展と環境保全をどのように両立できるか考察する。
    本年度は、財団法人省エネルギーセンターの鈴木伸隆先生にご講演いただく。
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  2. 到達度評価
    これまでの理解度を試験により評価する。 

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
-産業技術総合研究所
教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks