シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
情報社会及び情報倫理 (前・木4)
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Ethical Issues of an Information Society (前・木4)
授業コード Class code
99K1571
科目番号 Course number
L1IDIFEn21

教員名
川口 修司、畠山 経彦、西谷 隆行、菊池 靖
Instructor
Shuji Kawaguchi
Takayuki Nishitani
Tsunehiko Hatakeyama
Yasusi Kikuchi

開講年度学期
2023年度前期
Year/Semester
2023 / 1st semester
曜日時限
木曜4限
Class hours
Thu. 4th period

開講学科・専攻 Department
理学部第一部(一般教養科目)、経営学部(一般教養科目)

A course of liberal arts, the Faculty of Science Division Ⅰ
A course of liberal arts, the School of Management
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
ブレンド型授業 / Blended format

概要 Description
担当講師 テーマ
1)川口 修司 情報と法
2)西谷 隆行 表現の自由と出版倫理
3)畠山 経彦 放送の公共性と倫理
4)菊池 靖 情報とネットワーク社会の倫理、モラル、情報セキュリティー

カリキュラム・ポリシーに記載の情報系の基礎を固める科目である。
われわれの社会において情報化が日常生活の中にまで深く浸透し、人間や社会などの間のコミュニケーションだけでなく、経済面においても情報の利用が重要な役割をはたすようになっている。
日常生活においてもインターネットバンキングや電子マネーの利用が始まりつつある。これらの情報技術の急速な進歩に社会が対応しきれていないため、従来は想像もつかなかったさまざまな問題が生じている。また、既存のテレビや新聞などを中心とするメディアから新しいメディアの動向にも注意を払わねばならない。
本講義ではそれらの問題を考えていくための入り口となることを期待している。

1)情報と法
IT(情報技術)は今や我々のビジネスや生活に不可欠な社会インフラの一つです。最近では、クラウドサービスやスマートデバイスの普及に伴い、多様な技術やサービスが次々と登場しています。一方、そうした変化に法制度の整備が追いつけず、対処が難しいケースも生じています。本枠では、情報技術やインターネットに関わる法的問題について、サイバー攻撃、プライバシー保護、知的財産権、未対応の課題という4つのテーマに分けて講義します。

2)表現の自由と出版倫理
印刷という複製手段を用いて、出版という行為は過去営々と続けられてきましたが、ネットワーク社会となって大きな変化を遂げつつあります。しかし、媒体は変わっても、出版という行為に伴う責任は不変です。特に、その倫理的側面については重要なものがあります。出版の仕組み(編集・取材を中心に、販売、広告、宣伝等)の概要を知り、表現の自由の大切さと表現の自由を守るためには必要不可欠な出版倫理と自主規制について理解を深め、”出版の公共性”について考えます。

3)放送の公共性と倫理
1953年(昭和28)にテレビ放送が始まって70年、放送メディア(テレビ・ラジオ)は大きな変革期にあります。インターネットが広く社会に浸透してきた今、またコロナ禍のもとで、公共性の高いメディアとして多くの国民に親しまれ信頼されてきた放送はどう利用されていて、今後どこへ向かおうとしているのか。この講義では、社会の公共性を維持発展させるために放送メディアの果たすべき役割は何か、また放送倫理をめぐる諸問題について最近の具体的事例によって学んでいきます。

4)情報とネットワーク社会の倫理、モラル、情報セキュリティー
コンピュータネットワークの歴史を解説し、インターネットの可能性及び問題点を正しく理解することを目標とする。ネットワークを使った情報収集、情報公開が現代社会でどのように利用されているか、どのような問題、弊害がおきているかを理解する。コンピュータやネットワークを使用するときのマナーや注意事項、セキュリティに関する基礎知識について、コンピュータに関する身近な情報を映像をまじえながら講義する。また、インターネットバンキングやオンラインモールなどのネットワークビジネスや情報技術革命(IT)の現状をついて紹介する。
目的 Objectives
情報化社会で生活するうえで必要な知識(法律、モラル、サイバー攻撃、プライバシー保護、知的財産権、出版倫理、放送倫理など)を身に着けることを目的とする。
到達目標 Outcomes
情報化社会の諸問題を理解し、問題解決ができるようになること。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
S:一般能力 B:教養 K:豊かな教養 OS:一般能力 OK:豊かな教養 2S:幅広い視野と高い倫理観に基づく教養力 2B:教養に関する理解 2K:基礎学力 MS:教養学力 BE:幅広い教養 ID:教養学力
履修上の注意 Course notes prerequisites
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/小テストの実施 Quiz type test
-

準備学習・復習 Preparation and review
成績評価方法 Performance grading policy
担当者がそれぞれ独自の評価方法で点数を出し、その平均点数をもって成績とする。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

参考書・その他資料 Reference and other materials
1)情報と法
岡村久道「情報セキュリティの法律」(商事法務)
2)表現の自由と出版倫理
必要に応じて紹介する。
3)放送の公共性と倫理
必要に応じて紹介する。
4)情報とネットワーク社会の倫理、モラル、情報セキュリティー
インターネット事件事例集

授業計画 Class plan
1)川口 修司 : 情報と法

1  サイバー攻撃と法制度  最近のサイバー攻撃及び対応する法制度(不正アクセス禁止法、不正指令電磁的記録に関する罪等)について、基本的な枠組みを理解する。
宿題:小課題

2  プライバシー保護  個人情報保護法、欧米のプライバシー保護政策、ビッグデータ分析とプライバシー保護の関係等を理解する。
宿題:小課題

3  知的財産権保護  企業の知財を巡る情報保護(不正競争防止法)や、著作権法と侵害行為(ソフトウェアの不正コピー、違法アップロード/ダウンロード等)について理解する。
宿題:小課題

4  未対応の課題  法制度による解決をとらない課題(例:ソフトウェアの脆弱性)や、法制度が未対応の課題(不正アプリ、SNS炎上、暗号通貨等)について理解する。
宿題:小課題
     1〜4をテーマとするレポート

2)西谷隆行 : 表現の自由と出版倫理

5 出版とは
現代における「表現の自由」の問題状況を理解するために、出版社、取次店、書店、印刷所、広告代理店など、出版に関わる業界の現状と役割を理解する。
 宿題:小課題

6 出版と自主規制
1964年の東京都青少年健全育成条例制定以降、出版界が取り組んできた自主規制(第三者機関としての出版ゾーニング委員会と雑誌人権ボックスの取り組み等)を理解し、表現の自由と青少年保護について考察する。
 宿題:小課題

7 表現の自由と人権
表現の差別性にはなぜ配慮が必要か。具体的な事象をもとに出版界の考え方の現状を理解し、表現の自由の価値について考える。
 宿題:小課題

8 表現の自由と出版規制 
総括として、表現の自由に多大な影響を及ぼす”メディア規制法”の問題点と今後の展望を解説、出版メディアに対する理解を深める。
 宿題:小課題
    5〜8回に関する課題レポート

3)畠山 経彦:放送の公共性と倫理

9 放送と通信の融合時代の放送メディア  
インターネットの利用が拡大し、モバイル端末が急速に普及する今、またコロナ禍のもとで放送というメディアはどう利用されていて今後どこへ向かおうとしているのか、最新の視聴者意向調査結果などによって検証します。

10 放送の公共性とは何か
放送の公共性について、とくに公共放送としてのNHKに期待される社会的役割を中心に考察します。

11 事例研究・放送倫理(1)
12 事例研究・放送倫理(2)
BPO(放送倫理・番組向上機構)で審理された最新の具体的事例をもとに、放送倫理をめぐる諸問題について、2回に分けて検討します。

4)菊池 靖 : 情報とネットワーク社会の倫理、モラル、情報セキュリティー

13 ネットワークの歴史 コンピュータネットワークが学術研究教育の分野でどのように発展してきたか解説し、インターネットの仕組みやネットワークビジネスや情報技術革命(IT)の現状をついて理解する。
宿題:小テストを行う。

14 倫理とモラル 急速に発展するインターネット上では、コンピュータの不正使用、知的所有権の侵害等などの問題が発生している。ネッ トワークを使用する上での倫理やモラル、について理解する。
宿題:小テストを行う。
   レポートについて

15 不正使用 アカウントの管理、不正侵入事件、業務妨害罪、コンピュータウィルス、電子メール爆弾、電子商取引のトラブル、無限連鎖講、サイバーストーカなどを実例を用いて紹介する。セキュリティ情報の入手方法、心構え、問題が発生した場合の対応方法などを理解する。
宿題:小テストを行う。

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
川口:サイバーセキュリティ関連の実務経験(企業向けのコンサルティング、政府の政策策定支援、独法でのセキュリティ推進活動等)を通じて培った、IT環境を支える法制度のしくみや問題点を解説する。
西谷:出版社及び出版業界団体での各種活動を通じ培った経験をもとに、情報発信行為における倫理的側面について考察する。



教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks