シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
生命科学詳論 (前・金1)
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Special Life Science (前・金1)
授業コード Class code
99K1105
科目番号 Course number
L1NATURc21

教員名
武村 政春
Instructor
Masaharu Takemura

開講年度学期
2023年度前期
Year/Semester
1st Semester 2022
曜日時限
金曜1限
Class hours
Friday 1st Period

開講学科・専攻 Department
理学部第一部(一般教養科目)、経営学部(一般教養科目)

A course of liberal arts, the Faculty of Science Division Ⅰ
A course of liberal arts, the School of Management
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
対面授業/On-site class

概要 Description
21世紀は生命科学の時代と言われて久しいが、一言で「生命科学」といっても様々な分野、学問があり、研究者によって「生命科学」という言葉をどのように使うかは異なる。
本講義「生命科学詳論」では、対象を生物より広く捉え、この地球上の生態系がどのように構成されているのか、「巨大ウイルス」という特異な存在を通して見てみたい。
巨大ウイルスは、生物と無生物のあわいに存在する謎に満ちた生命体である。これによって、「生命とは何か」に思いめぐらし、人間社会の根本にる不思議な世界を覗き見ることができる。
目的 Objectives
それぞれの専門分野への応用のための、もしくは一般教養としての生命科学的な基礎知識を身につける。
到達目標 Outcomes
生物とは何か、ウイルスとは何か、巨大ウイルスとは何かという生命科学の基本的な知識から、生命とは何か、人間とは何かという人類永遠の謎までじっくり考える力を身に付ける。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
S:一般能力 B:教養 K:豊かな教養 OS:一般能力 OK:豊かな教養    MS:教養学力 BE:幅広い教養 ID:教養学力
履修上の注意 Course notes prerequisites
すべての回を対面により行うが、それぞれの回の終了後、LETUSで小テストを受けること。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
小テストの実施 Quiz type test/-
-

準備学習・復習 Preparation and review
参考書や、その他関連図書などにおいて、「生命科学詳論」の内容であると思われる箇所を、講義動画視聴前に1〜2時間程度、よく読んでおくこと。講義動画視聴後にも1〜2時間程度、復習の時間を設けた上で、小テストを受けること。
成績評価方法 Performance grading policy
LETUS上で各回(2回〜15回の14回分)で行った小テストの合計点(1回5点、合計70点)、ならびに15回目の後に行う到達度試験の点数(合計30点)により、成績評価とする。ただし、ディスカッションフォーラムに積極的に参加した者には、適宜加点を行うことがある。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
-
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

参考書・その他資料 Reference and other materials
武村政春著『巨大ウイルスと第四のドメイン』(講談社ブルーバックス)
武村政春著『生物はウイルスが進化させた』(講談社ブルーバックス)など。

授業計画 Class plan
(1)ガイダンス
 本講義の概要について説明すると共に、小テスト、ディスカッションフォーラムへの参加など、成績評価についてアナウンスする。

(2)病原性ウイルスと環境ウイルス・NCLDV
 世の中にいるのは人間に病気を引き起こすウイルスばかりではない。いったいこの世界にはどれだけのウイルスがいるのか、そのあらましを修得すると共に、環境ウイルスならびにとりわけ大型のウイルス(NCLDV)についても修得し、説明できるようにする。

(3)生物と無生物〜生物ってそもそも何?〜
 生物とは何か、ウイルスとは何か、そしてその違いはいったい何か? こうした非常に基本的な定義について修得し、理解・説明できるようにする。

(4)巨大ウイルスとは何か・その1
 巨大ウイルスとはどのようなものを言うのか、その基本を理解し、修得すると共に、巨大ウイルス発見の歴史を紐解きながら、その生物学的・生命科学的意義を説明できるようにする。

(5)巨大ウイルスとは何か・その2
 何が巨大なのか? 「大きいことはいいこと」なのか? なぜ大きいのか? 巨大ウイルスを理解するにあたり、重要なこうした事項を理解し、説明できるようにする。

(6)ミミウイルスの衝撃
 2003年に見出された世界初のミミウイルス。「耳ウイルス」ではない。ではなぜ「ミミ」なのか、「ミミ」とはいったい何なのか。研究者の立場で研究現場を想像すると、その意味がおのずから理解できる。そうして、これらを説明できるようにする。

(7)もふもふモフモフなミミウイルス  
 誰も実物を見たことはないが、ミミウイルスの表面は、まるで雪男かイエティかと言わんばかりの毛で覆われている。ミミウイルスの非常に特徴的な構造、しくみについて修得し、説明できるようにする。生物でないと烙印を押されたウイルスの複雑なしくみを知ることができれば、まさに目からウロコであろう。

(8)謙虚なマルセイユウイルス
 巨大ウイルスの中でも最も小さなウイルスが「マルセイユウイルス」の仲間である。武村が日本の水からとったウイルスに「トーキョーウイルス」というのがいるが、これもその仲間。マルセイユウイルスとはどのようなウイルスなのか、その謎に満ちた世界を知ると同時に、これを説明できるようにする(説明できたからってお金がもうかるわけではないが)。

(9)傍若無人な壷型ウイルス〜パンドラウイルス・ピソウイルス〜
 こんなでかいの見たことない。こんなアホみたいな形をしているウイルスなんぞ、見たことない。そう研究者に思われせるようなウイルスが2013年に見つかった。その、非常に変わった特徴をもつおかしなウイルスたちの世界を修得し、説明できるようにする(説明できたら、テレビ番組「頭脳王」で点が取れるだろう)。

(10)前方後円墳のようなツパンウイルス
 およそ日本人にしか形容できない前方後円墳ウイルスがみつかったのは2017年である。このウイルスには、もう少しで生物に近づこうとするウイルスたちの戦略が見てとれる。「はやく人間になりたい〜」と叫んだ妖怪人間ベムのごとく、ツパンウイルスの叫びを聞き、その概要を修得し、説明できるようにする。

(11)宿主を「石」にしてしまうメドゥーサウイルス・その1
(12)宿主を「石」にしてしまうメドゥーサウイルス・その2
 東京理科大学・武村研究室が世界ではじめて分離に成功したメドゥーサウイルスは、アカントアメーバ(宿主)を芽胞化してしまうことから、見た者を石にする怪物メドゥーサにあやかって命名された。このウイルスは全くの新科である。その不思議な世界を修得し、「理科大発」巨大ウイルスとして第三者に説明できるようにする。

(13)真核生物の進化に巨大ウイルスはどう関わってきたか?
 これまでの巨大ウイルス各論は、すべてこの授業に行き着く。巨大ウイルスの生き様や遺伝子の系統関係を見ていくと、必然的に、その宿主である真核生物とどのように協調し合って進化してきたか、という謎に行き着く。いったいどのような説が提唱されているのか、そのあらましを理解・修得し、説明できるようにする。

(14・15)巨大ウイルス研究の最前線
 現在の巨大ウイルス研究の最前線を、論文紹介の形で提示する。これにより、生命科学における巨大ウイルス研究の将来性を自ら考え、説明できるようにする。

(到達度試験)第15回の後に、到達度試験を行う。詳細は、第1回ガイダンスの時にアナウンスする。

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
-
教育用ソフトウェア Educational software
-
-

備考 Remarks