シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
測量学
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Surveying
授業コード Class code
9976401
科目番号 Course number
76CEPLG202

教員名
寺部 慎太郎
Instructor
Shintaro TERABE

開講年度学期
2023年度前期
Year/Semester
2023, First semester
曜日時限
水曜2限
Class hours
Wednesday, 2nd period

開講学科・専攻 Department
創域理工学部 社会基盤工学科

Department of Civil Engineering, Faculty of Science and Technology
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
対面授業

概要 Description
測量学は「測天量地に関する学問」,つまり「地理空間情報に関する学問」であり,基本的には大地や宇宙が相手の学問である.測地学,幾何学,地理学,地球物理学,地形学などと関連するが,測量学とは Surveyingの和訳であり,その基本的な意味は「場所や人などをざっと見渡すこと」である.講義型授業である本学科目では上述の広範にわたる個々の学問分野を概括的に俯瞰しつつ,「測量学」の要素技術についても言及する.
目的 Objectives
1.「測量学」の基礎を構成している測地学的な体系および測定論的な考え方を習得すること.前者は測量学の基本的な側面であり,後者は,誤差論の考え方を始めとする測量学の理論的な側面である.
2.実際の測定が計測機器によって行われるため,その機器の構造的な特徴及び誤差発生の機構を理解し,扱い方の基礎を理解すること.
3.社会基盤施設の計画や設計に対して「測量学」の果たす役割を洞察し,これからの「国土管理」や「都市計画」の策定に資する知識を修得すること.
到達目標 Outcomes
1. 測量学の意義や役割,その発展に貢献した歴史上の人物とその業績の関係を説明できる.
2. 測量学と密接な関係のある測地学上の基本的な概念とわが国の測量体系を説明できる.
3. ガウスの誤差論が説明でき,最小二乗法を適用して最確値を求めることができる.
4. 基準点測量に基づいて基準点の位置座標を求めることができる.
5. トータルステーションによる測角,測距の特徴を解説し,この操作方法を説明できる.
6. 平板測量による地形図作成,地籍測量による地籍図作成までに至る方法を説明できる.
7. 2次元平面の写真を3次元空間に変換する写真測量の空間幾何学的な関係を図解できる.

※社会基盤工学科が定める学習・教育到達目標との関連
上記 [到達目標] は,下記の学習・教育到達目標に基づいている.
主として関連する学習・教育到達目標:
目標(B) 土木工学のすべての主要専門分野(構造・材料,地盤,水理,環境・情報,計画)の基礎知識を習得するとともに,応用できるようになる.
他の関連する学習・教育到達目標:
目標(D) 土木技術が自然・社会に及ぼす影響・効果を理解し,その社会的役割と責任を認識し,技術者倫理に基づいて判断できるようになる.
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
専門分野の学力/技術者倫理
履修上の注意 Course notes prerequisites
本科目に引き続き,土木計画学実習,測量学実習を履修しなければならない.
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
小テストの実施 Quiz type test
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準備学習・復習 Preparation and review
[準備学習](各回1時間程度)
授業計画に示された内容について指定した教科書及び資料の当該箇所に目を通し,講義の概略を把握しておくこと.
[復習](各回3時間程度)
LETUSの復習問題がある場合には,それに解答すること.そして,自らのノートと資料を対比しながら講義内容を追跡し,理解が不十分な箇所を確認しておくこと.
成績評価方法 Performance grading policy
中間試験(50%) + 期末試験(50%) により評価する.
[フィードバックの方法]
試験終了後の授業において解答例を示し,採点後の結果はLETUSで確認できる.
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
Y
書誌情報 Bibliographic information
内山久雄「ゼロから学ぶ土木の基本 測量」オーム社
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

参考書・その他資料 Reference and other materials
資料配布はLETUS上で行う.
参考書は必要に応じて,授業や講義ノート,LETUSで紹介する.

授業計画 Class plan
1. 天を測り地を量る(1):第1週
学習内容
・土木工学における測量学の意義,役割と,学ぶべき範囲を把握する.【教科書p.1-3】
・ギリシャ時代からの測天の歴史と,測地学の発展経緯を理解する.【教科書p.4-9】
・わが国の統治のための量地の歴史と,伊能忠敬らの業績を理解する.【教科書p.14-19】
到達目標
測量学の意義,役割やその発展に寄与した歴史的な人物とその業績の関係を説明できる.

2. 天を測り地を量る(2):第2週
学習内容
・回転楕円体としての地球と,その平面(地図)への展開方法を理解する.【教科書p.10-13】
・北及び方位,測地座標,平面直角座標系などの測地学上の定義を理解する.【教科書p.22-25】
・明治以降のわが国近代測量の要約と,近年の宇宙からの測量を理解する.【教科書p.19-21】
到達目標
測量学と密接な関係のある測地学上の基本的な概念とその専門用語を説明できる.

3. 測定値から真値を推定する(1):第3週
学習内容
・真値とは何か,またその代理指標として推定せざるを得ない最確値とは何かについて理解する.【教科書p.28】
・誤差論が対象とする偶然誤差(確率誤差)を定義し,誤差と残差の違いについて理解する.【教科書p.29】
・ガウスの誤差の3公理と,そこから導出されるガウス分布(正規分布)について理解する. 【教科書p.30-39】
到達目標
ガウスの誤差論を理解し,最確値が真値の最も尤らしい推定値に過ぎないことを説明できる.

4. 測定値から真値を推定する(2):第4週
学習内容
・ 同時確率最大化の意味するところを考察し,真値の推定値である最確値を改めて復習する.【教科書p.39】
・同時確率最大化に基づいて導出される最小二乗法を解説し,最確値求解の定式化を行う.【教科書p.39-40】
・重み付最小二乗法の適用により異種測定精度下での測定結果を反映した最確値を求める.【教科書p.41-43】
到達目標
最小二乗法を定式化し,真値の推定値である最確値を求解し,その最確値が持つ精度を吟味できる.

5. 測定値から真値を推定する(3):第5週
学習内容
・測定結果に制約条件が付与された場合に適用される条件付最小二乗法を理解する.【教科書p.44-46】
・ラグランジュの未定係数法を適用した条件付最小二乗法による確値求解の定式化を行う.【教科書p.46-51】
・関数関係を利用する間接測定値の最確値求解の定式化と,誤差が伝搬する様子を確認する.【教科書p.52-60】
到達目標
条件付き最小二乗法が適用でき,間接測定及び誤差伝搬の法則が説明できる.

6. 基準点の位置座標を求める(1):第6週
学習内容
・基準点の位置座標を求める基準点測量の方法を理解する.【教科書p.62-64】
・三角測量の特徴とその誤差調整の方法を理解する.【教科書p.64-81】
・三辺測量の特徴について理解する.【教科書p.94-100】
到達目標
基準点に要求される高精度を確保するための測定条件に基づく位置座標の求め方が説明できる.

7. 基準点の位置座標を求める(2):第7週
学習内容
・トータルステーションによる角,距離の同時測定に対応した方法を理解する.【教科書p.100-101】
・GNSS衛星に基づく宇宙からの測位システムの特徴を理解する.【教科書p.102-104】
・GNSS測量における相対測位方法の原理を理解する.【教科書p.104-110】
到達目標
三辺三角測量やGNSS測量の原理が理解でき,基準点測量として具備しなければならない条件が説明できる.

8.理解度の確認(1):第8週
 ・1回から7回までの内容に関する理解度を確認する.その後授業を行う.

9. 角度,距離,高低差を測る(1):第9週
学習内容
・角度の定義と,トータルステーションの特徴を理解する.【教科書p.112-113】
・トータルステーションの据え付け方法を理解する.【教科書p.114-117】
・水平角の測定方法,測角時の誤差,測定精度の検討について理解する.【教科書p.118-133】
到達目標
・ トータルステーションの構造や機能を理解し,測角儀としての使用を習得し,具体的な測定方法が説明できる.

10.角度,距離,高低差を測る(2):第10週
学習内容
・ 距離の定義と電磁波による測距の特徴とその原理を理解する.【教科書p.134-141】
・ 高低差を測定するための水準儀の測定原理と水準測量の方法を理解する.【教科書p.142-147】
・ 水準測量網として構成する必要性の解説と標高の最確値の求解を理解する.【教科書p.148-152】
到達目標
・ 電磁波測距の原理と方法が説明でき,条件付き測定による標高の最確値求解の手順が説明できる.

11.地図を作り地籍を調べる:第11週
学習内容
・地形図作成のための平板測量の原理と方法を理解する.【教科書p.156-169】
・地籍の概要,その必要性や課題を理解する.【教科書p.154-155】
・地籍調査の方法を理解する.【教科書p.170-178】
到達目標
・平板測量による地形図作成の方法,地籍の社会的重要性の理解及び地籍整備の方法が説明できる.

12.写真から3次元空間を創る(1):第12週
学習内容
・写真の基本的な特徴,すなわち光と色の三原色,光の波長,焦点距離などを理解する.【教科書p.180-186】
・ヘルマート変換とオイラー角を導入した空間幾何学の定式化を行い,相互標定の原理を理解する.【教科書p.192-197】
・一対の写真からの光線の交会を表現する共線条件及び共面条件を展開し,交点の解を求める.【教科書p.197-199】
到達目標
・ヘルマート変換とオイラー角を念頭に置いて3 次元空間上で光線が交会する共線条件及び共面条件が説明できる.


13.写真から3次元空間を創る(2):第13週
学習内容
・一対の写真のオイラー角を求めるため,相互標定の定式化を行い,最小二乗法の適用を試みる.【教科書p.200-203】
・実物と光学モデル間の空間幾何学的な位置関係を求めるための絶対標定について図解する.【教科書p.206-208】
・7つの標定要素(3つのオイラー角,3つの原点移動量,縮尺)を求める最小二乗法の定式化を行う.【教科書p.208-210】
到達目標
・写真測量におけるオイラー角の役割が理解でき,相互標定,絶対標定の空間幾何学的な関係が説明できる.

14.写真から3次元空間を創る(3):第14週
学習内容
・飛行コースを折り返しながら連続的に撮影される航空写真とその幾何学的な特徴を整理する.【教科書p.211-212】
・地形図作成のための航空写真測量の概要,対空標識の設置,ラップなどの基本的事項を理解する.【教科書p.211-214】
・連続写真として撮影された一連の航空写真の接続標定のいくつかの方法について理解する.【教科書p.214-220】
到達目標
・航空写真測量ならではの接続標定の役割と,対地標定の効率化に資するための対空標識の役割が説明できる.

15.理解度の確認(2):第15週
 ・9回から14回までの内容に関する理解度を確認する.その後は授業を行う.

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
最新の講義日程はLETUSを参照して下さい.